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第18話: 「新たな拠点!?支部設立を考える!」

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「ふぅ、最近本当に忙しくなってきたな…」


涼はデスクに山積みされた依頼書を見つめながら、頭を抱えていた。派遣業務は順調に進んでいるものの、次から次へと舞い込む依頼が彼の予想を超えてきている。特に最近は、遠方からの依頼が急増しており、涼はその対応に追われていた。


「俺もここまで成長するとは思ってなかったけど、そろそろ本気で考えなきゃいけないな…。遠方の依頼が増えすぎて対応が追いつかない。うーん、これは支部を設立するしかないか…?」


彼はそう呟きながら、遠方の依頼地の地図を広げた。最近は王国全土から依頼が来るようになり、中心部にある本社では対応が難しくなってきている。すぐに支部を作るべきかどうかを考えながら、涼は事務所を歩き回った。


その時、アリアが書類を抱えて事務所にやってきた。


「涼、どうしたの?また何か悩んでるの?」


「うん、ちょっとね。最近、遠方の依頼が増えすぎて対応が厳しくなってきたんだ。だから、支部を作ろうかと思ってるんだけど、どこに設置するか決めかねててさ。」


アリアは書類をデスクに置いて、涼の地図を覗き込んだ。


「支部ね…。確かに遠方からの依頼が多いわよね。私も最近、問い合わせが多くて対応に追われてるわ。候補地はどこに考えてるの?」


涼は地図を指さしながら、候補地を説明した。


「まずはここ、『エルドラン』。この町は王国の東部に位置していて、商業が盛んな場所なんだ。依頼も多いし、交通の要所でもあるから便利そうだろ?でも、治安があまり良くないって話もあってね…。どう思う?」


アリアは少し考え込んでから答えた。


「確かにエルドランは商業の中心地だから、依頼は多いと思うけど、治安が悪いのは心配ね。支部を作るなら、まずは安全性も考えなきゃダメだわ。」


涼はうなずきながら、別の町を指差した。


「次は『リュエール』。この町は王国の北部にあって、自然が豊かで落ち着いた場所なんだ。治安もいいし、スキルを持った人材も集まりやすそうだ。ただ、アクセスがちょっと悪いのがネックでさ。遠方からの依頼には対応できるけど、急ぎの案件だと厳しいかもしれない。」


アリアは地図を見ながら微笑んだ。


「リュエールか…。確かに静かで落ち着いた場所ね。支部を作るには理想的かもしれないけど、アクセスの問題は考慮する必要があるわね。じゃあ、他にどこか候補は?」


「もう一つは『ガレアス』だな。この町は西部にあって、鉱山業が盛んなんだ。鉱山関連の依頼が多くて、派遣する人材も活躍しやすい。ただ、物資の運搬が大変だって話を聞いてるし、生活環境が厳しいから、スタッフが長続きしないかも…。」


アリアは少し困った表情を浮かべた。


「うーん、どこも一長一短ね。涼、支部を作るなら何が一番重要だと思う?」


涼はしばらく考えたあと、静かに答えた。


「やっぱり、依頼に迅速に対応できることと、スタッフが働きやすい環境が大事だと思うんだ。それに加えて、地元の協力も必要だし…。支部を作る場所って、本当に慎重に考えないといけないよな。」


アリアは頷きながら、涼の考えに同意した。


「そうね。それなら、まずは現地調査をするのがいいんじゃない?実際にその町を見て、住民と話してみてから決めるのが一番よ。地図や噂だけじゃ分からないこともあるしね。」


「確かに、それが一番確実だな。じゃあ、現地調査をしてから支部を作る場所を決めよう。」


◇◇◇


こうして、涼たちは支部設立のために現地調査を行うことを決定。涼、アリア、そしてカイルとグラムも同行することになった。彼らはまず最初の候補地、商業都市エルドランを訪れることにした。


「エルドランか…。商業が盛んな分、治安が悪いのが気になるけど、実際に見てみるまでは分からないもんな。」


涼はカイルとグラムに目を向けた。


「二人とも、エルドランで何かあったら護衛を頼むぞ。商業都市は何かと騒ぎが起きやすいからな。」


カイルは自信たっぷりに笑った。


「任せとけよ、涼。俺がいればどんなトラブルもすぐに片付けてやる!」


グラムも大きな腕を組みながら頷いた。


「まあ、俺もいるしな。何かあれば力でねじ伏せてやるさ。」


「いやいや、あんまり暴れないでくれよ…。あくまで調査だからな。」


涼は二人の頼もしさに感謝しながらも、少し不安を感じつつ、エルドランへ向かう準備を進めた。


◇◇◇


数日後、涼たちはエルドランに到着。そこは活気に溢れ、商人たちが行き交う賑やかな町だった。しかし、その一方で、路地裏には不穏な影がちらつき、治安の悪さもすぐに感じ取ることができた。


「ふむ、確かに商業都市って感じだな。でも、やっぱり治安が気になるな…」


涼がそう呟いた瞬間、カイルが何かに気づき、目を細めた。


「涼、あそこだ。怪しい奴らがこっちを見てる。」


涼がカイルの指差す方向を見ると、数人の男たちがじっとこちらを見つめていた。どうやら彼らは町のゴロツキで、観光客や商人を狙っているようだった。


「やれやれ、やっぱりこういう問題があるか…。この町に支部を作るのは難しそうだな。」


涼は苦笑いを浮かべながらも、カイルとグラムに任せることにした。


「まあ、ひとまずトラブルが起こらないように気をつけて歩こう。何かあったら頼むよ、二人とも。」


「任せろ!」とカイルは自信満々に答え、グラムも無言で頷いた。


◇◇◇


エルドランの調査を終えた後、次はリュエールとガレアスの現地調査を行う予定だが、エルドランの治安の悪さを目の当たりにした涼は、支部設立の重要性と難しさを改めて実感する。


「支部を作るってこんなに大変だとは思わなかったな…。でも、どこに設置するかは慎重に決めないといけない。」


アリアは涼の隣で微笑みながら、励ましの言葉をかけた。


「大丈夫よ、涼。現地を見て、じっくり考えてから決めればいいわ。支部を作ることで、さらに会社が成長するはずよ。」


「そうだ


な…よし、次はリュエールだ。ここでじっくり調査して、最適な場所を見つけてやるぞ!」


涼は新たな決意を胸に、次の候補地リュエールへと向かうのだった。


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こうして、涼たちの支部設立に向けた挑戦は続く。支部をどこに設置するのか、その決断が会社の未来を大きく左右することになるのだが…。

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