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第17話: 「派遣業務のさらなる効率化!システム導入の奮闘記」

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「ふぅ、チーム制にしてからは少し楽になったけど…それでもやっぱり仕事は山積みだな…。」


涼はデスクに座り、書類の山をぼんやりと見つめていた。チーム制を導入したことで、一時的に負担は軽減したものの、依頼が次々と舞い込んでくる中で、運営が再び忙しさを増していた。


「結局、どんなにチームに分けても、最終的には俺がまとめないといけないんだよな…。もっと効率的に運営できる方法があればいいんだけど…。」


涼はため息をつきながら独り言を言う。しかし、そんな時こそ前向きなアイデアが必要だと、彼は頭を切り替え、思案を始めた。


「そうだ!運営をさらに効率化するために、何かシステムを導入すればいいんじゃないか?」


彼はデスクに肘をつきながら、自分のアイデアに興奮し始めた。現実世界でも、多くの企業が業務管理システムを導入して効率化を図っている。ここ異世界でも、魔法や技術を活用して同じことができるはずだ。


「魔法を使って自動で報告書をまとめたり、スケジュールを管理できるシステムがあれば、俺の仕事も半分になるかもな!」


◇◇◇


涼はすぐに行動に移し、ロイのところへ急いだ。彼の魔法研究の知識があれば、魔法を使ったシステム導入が実現できるかもしれない。


「ロイ!ちょっと相談があるんだけど、今いいかな?」


ロイはいつものように魔法の研究に没頭していたが、涼の顔を見ると笑顔で迎え入れた。


「涼さん、どうしたの?何か面白い話でもある?」


「実は、最近の派遣業務がますます忙しくなってきてさ…。そこで思ったんだけど、もっと効率化するために、魔法を使った管理システムを作れないかなって。」


ロイは涼のアイデアに少し驚きつつも、すぐに興味を示した。


「ほう、魔法を使って業務を効率化するシステムか…。確かにそれは面白そうだね。具体的にはどんなことを考えてるんだい?」


「例えば、依頼ごとに進捗を自動で報告してくれる魔法とか、各人のスケジュールを自動で調整してくれる魔法があれば便利だと思うんだ。そうすれば、俺がいちいち確認しなくてもいいし、依頼の遅延も減るはず。」


涼の話を聞いたロイは、少し考え込んだあとに頷いた。


「なるほど、業務の管理を自動化する魔法か…。理論上は可能だと思うよ。ただ、システムとしての魔法を組み込むとなると、かなりの魔力量が必要になるかもしれないね。」


「そっか、やっぱり魔力量が問題になるのか…。でも、それを何とかできれば本当に楽になると思うんだよ。」


ロイはしばらく黙って考え込んだが、突然ひらめいたように顔を上げた。


「涼さん、それなら『連続魔法』の応用でいけるかもしれないよ!」


「連続魔法?」


涼は聞きなれない言葉に首をかしげた。ロイは説明を続ける。


「連続魔法っていうのは、一定の条件を満たすと自動的に次の魔法が発動する仕組みだ。これを使えば、依頼が発生したら自動で進捗を報告する魔法や、スケジュールが変わったら自動で調整する魔法が作れるかもしれない。」


「おお!それはまさに俺が欲しかったやつだ!それなら業務の自動化が実現できるな!」


涼は目を輝かせてロイに感謝した。


「ありがとうロイ、さっそくその『連続魔法』を使ってシステムを作ろう!これで俺の仕事も一気に減るかもな!」


ロイは満足げに微笑みながら、涼に協力することを約束した。


「涼さんの会社がもっと効率的に回るなら、僕も嬉しいよ。じゃあ、研究室で一緒にシステムのプロトタイプを作ろうか。」


◇◇◇


数日後、ロイと涼は「連続魔法」を応用した管理システムを完成させた。依頼が入ると自動的にスケジュールを調整し、進捗も適時に報告される。この魔法システムによって、涼のデスクに山積みされていた書類は次々と消化されていった。


「これだ!俺が求めていたのはこれだよ!」


涼はシステムが順調に稼働しているのを見て、大喜びしていた。魔法の力を借りることで、業務の多くが自動化され、彼は余計な作業から解放された。


「ふぅ、これで俺も少しは休めるな…。今までの忙しさが嘘みたいだ。」


涼はデスクに深く腰掛け、久しぶりにゆっくりと息をついた。


◇◇◇


そんな時、アリアが事務所に入ってきて、涼の顔を見ると驚いた表情を浮かべた。


「涼、なんだかすごく余裕がある顔してるわね。何かあったの?」


涼は得意げに笑いながら、アリアに新しい魔法システムのことを説明した。


「実は、ロイと一緒に業務を自動化する魔法システムを作ったんだよ。これがあれば、依頼の管理も報酬の計算も自動でやってくれるんだ。」


アリアは感心しながら、システムの画面を見つめた。


「すごいじゃない!これで涼も少し楽になるわね。でも、やっぱりこういう仕組みを考えつくのは涼らしいわ。」


「はは、まあこれで俺も少しは人並みの生活ができるかな…。でも、これで派遣会社がもっと成長できるなら、何よりだよ。」


アリアは微笑みながら涼に近づき、優しく肩に手を置いた。


「涼、今まで本当に頑張ってきたわね。これからも一緒に会社をもっと大きくしていきましょう!」


「もちろんだ!これからも俺たちの派遣会社は成長し続けるぞ!」


◇◇◇


こうして、涼はロイと共に開発した魔法システムのおかげで、派遣業務をさらに効率化し、会社の運営をスムーズにすることに成功した。これからも様々な依頼が舞い込んでくる中で、涼たちは新たな挑戦に立ち向かっていく。


「でも、やっぱりこれって…異世界のIT部門みたいな感じだよな?まあ、異世界だから魔法が使える分、こっちの方がすごいか!」


涼は一人で突っ込みを入れながら、再び未来に向けて前進する決意を固めたのだった。

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