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第1話: 「勇者召喚!?…あれ、これ人材派遣会社!?」

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「お疲れ様です!残業もこれで何日目だっけ…まあ、今日も終電逃すよね。はは、ハードモード人生。」


夜も更けたオフィスで一人、涼はPCの画面を見つめながら、自虐的なつぶやきを漏らしていた。日本のブラック企業で働く毎日。仕事が山積みなのに、定時なんて幻のような存在。彼の仕事は、プロジェクト管理。仕事そのものには誇りを持っているが、現実はお先真っ暗だ。


「やれやれ、今日もまた終わらない…帰って寝るだけの生活だなぁ。」


カチャカチャとタイピングを続けながら、涼は思わずため息をついた。と、その瞬間──


「おお、勇者よ!目覚めよ!」


「……え?」


聞き慣れない声が耳に響く。顔を上げたとき、視界が急に歪んだ。グニャリと世界がゆがみ、次の瞬間には、涼は見たこともない広間に立っていた。豪華なシャンデリア、絢爛なカーペット、そして目の前には…金色の王冠をかぶった中年の男がひざまずいている。


「ん?王様…?」涼は混乱したまま、ぼんやりと王に視線を送る。


「我が国に災厄が迫る!勇者殿、お助けを…!」


王は悲壮感漂う顔で言葉を続けた。どうやら、彼は涼が『勇者』だと思っているらしい。いやいや、ちょっと待ってくれ。


「勇者?俺が?え…マジで?」


なんだこれ、勇者召喚とか夢のような展開じゃないか。いや、そんなことあるわけない。涼は現実と非現実の境目が分からなくなりつつも、ゆっくりと状況を整理し始めた。


「これは…異世界…か?」


王様が切迫した顔をしているのに、涼の頭の中は妙に冷静だった。どうやら、自分は異世界に召喚されたらしい。だが、彼はすぐにある疑念を抱く。


「いやいや、待て待て、俺は別に勇者っぽいスキルもないし、何か魔法が使えるわけでもないんだが…」


すると、王が再び口を開いた。


「勇者殿、召喚の際に『スキル』が与えられているはずです!ご確認を…」


『スキル』という言葉に反応し、涼はまじまじと自分の体を見つめる。あれ、どうやって確認すればいいんだ?


「えーと…ステータスとか表示される感じ?」


念のため、目をつぶってみる。次の瞬間、目の前に半透明のウィンドウが現れた。


【篠原 涼】


スキル:


プロジェクトマネジメント【S】

タイムマネジメント【A】

労務管理【A】

人材派遣管理【S】

事業改善提案【B】

「……なんで俺、こんなに『ビジネス系スキル』ばっかりなんだ?」


目の前のウィンドウを見て、涼は思わず突っ込んだ。確かにプロジェクトマネジメントには自信があるが、異世界に来てまでそんなスキルを披露するとは思ってもみなかった。


「…え?これって勇者じゃなくて、ただの…コンサルタントじゃない?」


まさかの展開に、涼は呆然とした。王は相変わらず真剣な顔をしているが、涼はどう対応すればいいのか全く分からない。いや、ちょっと待てよ。もしかして…このスキルで世界を救えるんだろうか?


◇◇◇


王様の説明によれば、彼の国、【エルトール王国】はかつて栄華を極めたが、現在は経済崩壊の危機に瀕しているらしい。税収が減り、インフラもボロボロ、民衆の不満は高まるばかり。そのため、勇者を召喚して何とか国を立て直してもらおうという話だった。


「なるほど、つまり…王国の内政がめちゃくちゃってことか。」


「はい!勇者殿、どうか我が国を救っていただきたい!」


涼はしばらく考えた。異世界で内政改革。いや、普通のファンタジーなら魔王を倒すとかじゃないのか?でも、よく考えれば、現実世界でのブラック企業での経験は、異世界のブラックな国を立て直すのにピッタリかもしれない。


「まあ、何もせずに帰れるわけじゃないし…とりあえずやってみるか。」


涼は腹をくくった。スキルもあることだし、どうせ異世界に来たなら、ここで得意分野を活かしてみるのも悪くない。内政改革なんて、異世界だからこそ面白いかもしれない。


「わかりました。じゃあ、まずは人材派遣から始めましょうか。」


王と大臣たちは首をかしげる。「人材派遣…ですか?」


「そうです。今の国の問題は、人材が適材適所で使われていないこと。だから、僕がこの世界初の『異世界人材派遣会社』を立ち上げます!スキルや能力に合った人材を、各地の問題に合わせて派遣します!」


突然の提案に王も大臣たちも驚愕していたが、涼の顔には不敵な笑みが浮かんでいた。


「この国、俺が立て直してやるよ。勇者じゃなく、コンサルタントとして!」


◇◇◇


こうして、涼は異世界初の「人材派遣会社」を立ち上げることになった。まずは国中からスキルを持つ人材を集め、彼らを適切な場所に派遣して問題を解決していく。冒険者に頼らず、労務管理やタイムマネジメントを駆使して、この異世界の社会を変えていくのだ。


「おいおい、まさか異世界で派遣会社をやることになるとは思わなかったな。まあ、面白い展開になってきたじゃないか!」


涼は自信を胸に抱きながら、これから始まる異世界の改革に思いを馳せた。彼の冒険は、勇者としてではなく、ビジネススキルを駆使した異世界内政改革としてスタートするのだった。

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