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シアの国  作者: 薄荷堂
魔女
98/106

98.荷造り

荷造りに向かう皆の乗った馬車を見送ると、私達も歩き出す。


私とダーファスは、ジーナを先頭にして、ジーナの自宅へと向かう予定だ。


「何なんだ?この領地‥‥‥」


「仕掛けだらけだね。どべぐちゃ人面魚の世界では、ジモルルさんは、ゼンマイどばか娘が自由に使っていいそうな空間を、ここに用意してやっていることになっているだろう」


「何?誰かいることになってる?」


「キリの本家にヒナタなる人物は存在しない、と私は思っている」


「キリ‥‥‥三番の世界では学術所にいるって聞いた」


「ギドロイさまがジモルルさんに、ヤマフジのおじさんに指示されたフリューゼンがそいつを連れていったようだな、と言い、ヤマフジのおじさんはジモルルさんに、連れてきてどこか使わせているようだな、ジモルルさんが用意してやったところじゃないのか、と言ったので、ジモルルさんはフリューゼンを連れて隠れている選択をしたのではないだろうか」


「キリを自由使用していい気なものだ‥‥‥」


「え?ああ、本名はヒナタなのよ‥‥‥でも実家の名は使いたくないから、ファーゼリンシアを使うことにして、それでどんちきババアと似ているのでは、とどんちき盛り上がっていただろうね」


「そういうね‥‥‥お殿下さまはお兄さまとして来ていた?」


「どうせ、カフェではお兄さまとして無料にしてもらい、べたべたさんの宿に一緒に泊まる時はガーロイド・スオウとして無料にしてもらってたんだよ‥‥‥」


「おっきれー同居な長男さまは、そういう使用法か‥‥‥そうやって、リタジオードやガーロイド・スオウの名で領収書とかもらってるんだろうな」


「そっちはギドロイさまに送り付けて、請求書は間の国の第二王子殿下宛てに送り付けていそうだし、お連れさまの忘れ物ですって女性ものな何かを送り付けることもやっていそうだし、注文の品ができましたのお知らせを送り付けることもしていそう」


「シアがつけられていたのも?」


「あれは帝王ピアスとされているとも知らずにいた死ぬべき王子って、なーんて部外者、いや、小道具として起用されているのか?あれあれ?どうして、死ぬべき王子がピアスを用意しているって、と間の国へ目を向けさせるための一場面だね。私がつけたままでいるようなら、と言われているどんちきババアは、第二王子殿下の御印そのものな宝石だって言ってもらえているティアラでも、イヤリングでも、ブレスレットでも、ばーん!とカフェの二階に用意してもらっていそうだし、護衛さんのと同じだとか言ってもらったバッジを留めてもらっていそう」


「ダドアーロに何をさせたの‥‥‥?」


「王太后さまに会わせてもらえる気になっていて鬱陶しいどころではない死ぬべき王子は、どんちきババアを絡みつかせた状態でヒジキ王と盛り上がるのに忙しかったので、目を開いたばかりのダドに、ギドロイさまにクリームパンを買い与えるバンラウムをやるのは?って聞いてみると、俺だ!となり、連れていった。ヒジキ王による連日の夜を徹しての読み聞かせにより、判断力というものを消失させた状態となりつつあったダドの中のお兄ちゃんというのは、ダドの中で最強な部類なので、お仕事中キッカの職場なんて神聖な場所にお邪魔できるとあっては、きらきら程度のものは表出させることになるんだね」


「あいつは、読み聞かされていた通りな人物として過ごせばいいだけだった、と‥‥‥」


「さらに過酷な、書き文字と向き合うなんて時間を持たされたダドは、すやぁ‥‥‥門前で騒ぐ死ぬべき王子に、どべぐちゃ人面魚は、きらきら虐め、なんて‥‥‥」


「シアが悪者だと断定するなんてな?」


「そうだよ‥‥‥第二王子ぶる死ぬべき王子を宮廷に入れてやって、死ぬべき第一王子ぶらせてやるどべぐちゃ人面魚‥‥‥あんなもんどんちきババアにいい顔したかったんだよね?」


「言ってやったのか?」


「おどべぐちゃりまくりどべぐちゃ人面魚は、どんちきババアの使用済み、って言ったら追いかけてきて、ぱたん‥‥‥」


「どうせ、連日一緒に読み聞かせだ‥‥‥」


私がリュックから包みを取り出すと、ダーファスとジーナも手に取る。


「ビーフジャーキーなる、けったいなもの」


「かった!塩気‥‥‥肉?‥‥‥肉なんだ‥‥‥って思わせてくれる」


「間の国では、おつまみなんだって」


「これを?酒‥‥‥え?ぐびぐび飲ませるためのつまみ?」


「そういうものだと思えるが、量を収めることのできないおじさんな胃袋には、ちょっと食べ、ちょっと飲み、ということをさせてくれるものだそうだ」


「そういうのか。携帯食として持たせたくなるが、間の国ではつまみだとすると、訓練の休憩時間だな」


「まるで私が殺したかのようなお態度で、どべぐちゃ人面魚は眠っているダドの口に入れてやり、ダドは起床。もきゅもきゅ食べているダドを立たせておくと、一時第一王子を終えたそうな死ぬべき王子が戻ってきやがり、ダドは退室。起きてるダドは、ガーロイド・スオウを始めた‥‥‥まだ、やるんだ」


「まあ‥‥‥思う気がする」


「どうせ、丸太にしてもらえたら眠ってたんだよ‥‥‥」


「暢気なものだと言いたくなる‥‥‥」


「買春次男に運び出される前に、二度と間の国の第二王子殿下の名と呼ぶな!」


「もう、やりたくてやってる、って言いたくなってくる‥‥‥」


「超高額バレッタの納品書なんてものがルツに届いてから、ルツの話をしていたので店がルツに送ってしまったが、フユーに買わされたものだから支払ってとかそういうのじゃないからね?もうぜーんぜん!ぜーんぜんそんなこと思ってないよ?なものが送られてきたのでは?」


「聞いた」


「菓子だの本だの布だのと、こーんなに貢がされてます!なものが絶え間なく王太子もどきに届き続け、ルツには、ぜーんぜん支払ってなんて思ってない!けど土地家屋だよ?なものが届いた?」


「そうだった」


「ルツに超高額ブローチの納品書なんてものが三個分も届き、こーんなに!こーんなにも国中で接待続きだよ?なものも届き、ギドロイさまには、王女殿下にまで大金使わせやがったんだけど?!な呼出状が届いた?」


「どういう用途なものなのか、わからないんだ‥‥‥」


「私に対してだけ第一王子ぶってあげてるんだから、経費を?」


「左の国としての留学生?!」


「ってことなんですよ、とやるためにも、まずは父親ではないんだってはっきりする機会をあげてるんですよ?なご気分だったのではないだろうか。私の父親はルツではない。私が真実だとして扱うそれを覆せる存在などいないだろう?」


ダーファスは、ゆっくりと溜め息をつき、夜空を見上げてしまっている。


(すまん‥‥‥)


ヒイラギという家を踏み荒らした私は野良猫なのだと、誰もが知っていて、それでも何も言わずにいてくれたのではないかと、思っているのだが。


必要な手順は、私が野良猫だと自覚する、それだったのだろうと今になって思い至るのでは、お子さまなのだと俯くこともできやしない。


「‥‥‥先代はマツリカを受け取るだろうが、ダドアーロがシアの相手みたいじゃないか?」


「私は、ダドはこれから出会うんだ、と思っている」


「ああ、まあ、そう‥‥‥だと、どうせ数年‥‥‥いや、出会えばすぐに?」


「結婚したい、じゃあ、成長してみせてよ」


げっしー!蹴る動作をしてみせると、ダーファスは笑い出す。


「うわーお!お子さまが!ダドアーロを蹴り落とす役を!」


「まずは、ジーディンのあんこを受け入れ、ダドの奥さんの炊くあんこを受け入れるダドを、受け入れようね」


「長そうだな‥‥‥」


「おまえはじいさまと結婚できないんだ!」


「それな!それを言ってやりたくなるんだ!」


思わず振り返ったジーナも笑顔となっている。


(いい夜だね)


この夜はいい夜だった、そう思えそうなのでは、心の中では眷属達が優雅にだれんを開始する。


新しく買った靴を履き、スキップでもしたそうなジーナが前を歩いているのでは、こちらの足も軽くなりそうだ。








◇◆◇◆◇◆◇








「ほいほい誘拐される医師、いる?」


「隠し場所をヤマフジだとするからには、ヤマフジ家当主がソアさまに頼まれたんだー、だろうな」


「四次生へと進めていないのに、退所させていない」


「そうなのか?」


「一般的とできる教育商売においても、留年という措置となる。学術所で一年経って次の年次に進めないのでは、さようなら、となる。そうなっていないとなると、病欠だとか、期間を一年より多くするような何かがあったことにしているのかもしれないが、ギドロイさまが何も語らないとなると、というところで、仮説がある。ホーミッヒにどんちきやっていたのは、キリ家のヒナタだとしているのではないだろうか」


「俺達はどんちきババアのことだと思っていたが、実はキリ家のヒナタでした、というのを、これから出す予定?」


「そこでもまた仮説だ。ギドロイさまは、私というきゃんきゃん子犬に、ほらよ!と投げてやるためにな、ってことにできるんだから、そんなもんする!というお顔で、どんちきババアを放置するようになっていたのではないだろうか」


「‥‥‥そう、言われてみると‥‥‥出てきてた情報って、死ぬべき王子からこーんな‥‥‥だけ?」


「どばかにギドロイさまが、こんな目に遭わされてるのか?!とホーミッヒや周囲に直接お語りし、ホーミッヒも周囲も、ホーミッヒをどんちきババアへの供物にー!?なんて思うよりまず、ホーミッヒへの嫉妬に狂ってるー!」


「放置してきていて、ホーミッヒさんがと知れば、ギド坊は‥‥‥そんなギド坊‥‥‥嫉妬に狂ってる‥‥‥」


ジーナもそうだと思えるらしく、小さく頷き、どうにも三人でどんよりすることとなる。


「ギドロイさまに捨てられたも同然どんちきババアは、消滅希望お荷物さまにこれでもかと煩くしたが、死ぬべき王子との連携をお楽しみ中な消滅希望お荷物さまは、まあ、待っていろ!とこれまた放置となり、いるんじゃないの?次男さまのお相手ぶっている女!とヤマフジのおじさんにこれでもかと煩くしたが、次男さまの妃、そんなのってどんちきババア!とこれまた放置となったので、ふっ!こんなのってあれね!ギドロイによるお教育!そうなんでしょ?と、どんちきババアがヒジキ王の名でモルガに送ってやったことにより、あーらあら!ヒジキ王とモルガは繋がっていませんのこと!」


「愛人三人お揃えだそうなものが出来上がりそうな気がしてくる‥‥‥」


「どんちきババアが、一人で思ってるなんて行いをするはずがない。もちろん、消滅希望お荷物さまにお語りし、消滅希望お荷物さまは、待ってました!とお語り‥‥‥愛人お揃え事件の完成。あら、国内のなら聞いてくれるのね、となったどんちきババアは、胸糞多重世界での研修生を開始し、そこにはもちろん、どんちきババアのお足元にも立てやしないキリ家のヒナタ‥‥‥」


「当然いる、って思えてきたな‥‥‥」


「さあ、どんちきババアまで私のせいで医局に出入りできません、まで作り上げた頃には、べたべたさんに仕込み終わったおじさんも、死ぬべき王子との打ち合わせを経ての個人作業に入っていた消滅希望お荷物さまも、片手間になおどべぐちゃりを再開‥‥‥しかしながら、私?!私が留学しているですって?!と情報をちらつかせてもらえたどんちきババアは、死ぬべき王子と繋がらせろとそれはもうもうもう煩くして、消滅希望お荷物さまが、いかに楽しく死ぬべき王子とお楽しんでいるのかを読み聞かせされてしまえば?」


「乗り込むくらいしそうだが、後ろ盾?支援?がな、と思えて‥‥‥手紙?」


「あほらしさ満載に、間の国の全領主宛てなんですよな手紙を束で、ぼん、と渡しておけば、消滅希望お荷物さまが勝手に読んで、はいはい、この辺りでだけこのようにな、と死ぬべき王子と実行しておいてくれたのではないだろうか」


「どべぐちゃ共は間の国の方を見てばかりいたので、ギド坊のところには、死ぬべき王子を経ての流ればかりとなっていたのかもしれない、と」


「フユーが東部に移動すると、リタジオードを自称する死ぬべき王子が来てたよね?」


「そうだ」


「ハイヒールブーツを履きこなす死ぬべき王子は‥‥‥」


「え?!そんな‥‥‥え?‥‥‥そんなことって?」


「第一王子中は、靴底がごつごつしてるハイヒールブーツとぼわぼわ頭。ついでにだぼだぼ軍服。東部で第二王子として出てくると、ぺたんな靴と短髪。ついでにだぼだぼしていない服。しばらくいなくなって、また東部で第二王子として出てくると、いや、ぼわぼわ頭なんでしょ?って頭の上半分の髪だけきゅっとしてて、いや、膝そこでしょ?っていうハイヒール靴で、でも、ズボンの裾をブーツに入れていない‥‥‥ついでに、全体的に詰めてるんでしょ?という服。測ってくれ、って‥‥‥」


ダーファスとジーナは、揃って口元を覆い、何も言ってくれない。


「護衛さん達を、全員だよ?ちゃんと全員、見ていったのに、それでも、測ってくれ、って‥‥‥もうあった‥‥‥」


「それは‥‥‥あれなのか?柱に印を、的な?」


「そう‥‥‥毎日朝になると伸びていることを面白がった私が、毎日測ってたんだって‥‥‥」


二人はまたも口元を覆ってしまう。


「きらきら虐めをしていると、兄弟三人三つ子みたいだったのに、長男さまが伸びて、三男さまが伸びて、でも次男さまは伸びなかったが、こうしてな?‥‥‥どべぐちゃ人面魚を、じっ‥‥‥死ぬべき王子の靴の形状を、じっ‥‥‥どべぐちゃ人面魚を、じっ‥‥‥どべぐちゃ人面魚は怖い顔でいるようになった‥‥‥」


手を下ろした二人は、揃いの笑顔となっている。


「死ぬべき王子は、同一人物だと気付くはずがない、と?」


「おそらく。消滅希望お荷物さまとしては、死ぬべき王子はリタジオードなのに私に対してだけ第一王子ぶったり第二王子ぶったりしているんですよ、ということで、あんなにも堂々と第一王子となったり第二王子となったりしてみせて、ヒイラギ卿の部下であり私の上司である人物だってことで、当然のように左の国に残って軍に紛れていたんだ、としていて、死ぬべき王子もそのことを知っているんだが、死ぬべき王子としては、そんなものを出すまでもなく気付かれない、とね」


「とんでもないのを起用しやがったな‥‥‥」


「死ぬべき王子の認識としては、そうだな、第二王子やってると国境通してもらえないから、船で出入りしないとな、なので、いつも護衛さん達を、ダイジババアの店に押し込めておいて、密出入国しまくっていたんだが、東部に移動することができたので、おら、東部のお宿を利用してこい、と護衛さん達を押し込めておいて、密出入国しまくっていた、とでも思ってるんだろ?というのを持っているが、そんなもん貨物室という範囲を囲むように散らしておいたんだろ?と言ってやれば、そんなことするか!死ぬべき王子だって一人になりたいから、護衛さんにも一人一室与えておいたんだ、って言ってくれる」


「‥‥‥密出入国してないって、誰が言ってくれるのー?」


「そんなもん、道歩いてりゃ、きゃー!ってなるだろ?王子なんだから」


「‥‥‥え?」


「どんちきババアに絡みつかれているから注目を集めているなんて思わない、それが、死ぬべき王子」


「誰もが見ているのは死ぬべき王子であって、誰も、どんちきババアがそこにいることになんて気付いていないし、気付いているとしても、そーんなのって第二王子殿下の妃?」


「完璧だろ?」


「怖いよー!」


「休暇中だそうな死ぬべき王子が護衛さん達に囲ませて目立っていても、街の皆さんは、え?大道芸なの?な雰囲気であり、そんな中で、王子さまー!と突進してくる女の子の手には小さな花束‥‥‥」


「仕込み‥‥‥」


「ヨツバに‥‥‥」


「だって!って言ってあげたくなる!」


ジーナは、しっかりとダーファスに頷いてやる。


走り去った女の子の後ろ姿を思い浮かべては、私も笑えてしまう。


「だって、こっちの王子さまの方が格好いいもーん!って思っていそうだったな、って言って、ヨツバが従者に花束を渡してやると、従者が、まあ!ってなって、街の皆さんも、何?何?どこから来た王子さまなの?ってヨツバに‥‥‥ヨツバはちゃーんと、いつもはイソトマの花としてアローラの散歩道で咲いている、と言って、ご優待栞を配っていた。持って行ってお会計の際に見せると、特別に、イソトマなデザインとなっているトートバッグに商品を入れてもらえる」


「煩くされそう‥‥‥」


「そこにいるのが、指名手配ぶんぶんである、ブーン・ブンブブンだ、と聞くと、街の皆さんは、知ってるー!となった」


「聞きたい!」


「ブーン・ブンブブンは、やってくるといつだって煩い。どうして立ち入らせないのか、指名手配ぶんぶんだから‥‥‥どうして指名手配なのか、立ち入らせないから‥‥‥いつものように警察がやってきても煩く、留置所というのはブーン・ブンブブンの自宅のようなもの。護衛さんに荒らしまわれと指示を出す、大量の矢を持参してやってきて護衛さんが差し出す役をやるようにと指示を出す、大量に持参した爆発物だそうなものを護衛さんも投げ込むように指示を出す‥‥‥ポガロ的デザインな、マント的外套、それを着ている従業員は、指名手配ぶんぶんを見つけると、すぐに丸太にして警察の到着を待つ」


「すごく、普通で当たり前なことなのにな‥‥‥」


「第二王子なのか?第二王子が言っているのか?死ぬべき王子が第二王子なんだが?と、どれだけだろうと語る、それが、指名手配ぶんぶん」


「聞いてやってくれたのかな?」


「あの子は見抜いていたんだな、どうせ花束を持参してぶんぶん‥‥‥見ろよ!これを!死ぬべき王子がいかに無害で人心を掌握するのかってことだ!」


「そんなに知られてる!」


「アローラの散歩道では、ぶんぶん日報というものを読むことができて、ある程度たまると、順に本として売られるようになるそうだ」


「あれ‥‥‥聞いた!医局にあるって!」


「ボロニア室長の秘書という存在に送り付けてやったのでは、特別に左の国の言葉で書かれているぶんぶん日報の第一王子ぶり編は、少なくとも室長の部下な皆さまなら読むことになっていただろうね。第二王子成りきり編は、アローラの散歩道でのみ!取り扱い中!だそうだ」


「ムージェスに買ってきてもらいたいくらいだ」


「死ぬべき王子は当然、それは弟なんだ、手を焼いている、を開始‥‥‥本物だー!おいおい、死ぬべき王子は、で皆さん知っているので散っていく」


「本当に知ってる!」


「ヨツバはポガロ外套を着用すると、死ぬべき王子を丸太にし、護衛さん達は手下よろしく死ぬべき王子を運んでいく‥‥‥留置所に帰宅。死ぬべき王子の取り調べはイオッシュ(ダイジババアのだった王さま)の仕事なので、イオッシュが、死ぬべき王子が留置所にいると気付いてやってこないことには始まらない」


「素晴らしい仕組みだ!」


「どうせ、どこぞの密室に座らせてもらえて、いかにもな雰囲気の中で、はい!門番やってました!な皆さんが、ずらずら入ってくる、なーんてものを待っているんだよ‥‥‥」


「さっきのは、何だったんだ?ああ、死ぬべき王子ではないことをな‥‥‥」


「そんなお会話だって、一人でぶんぶぶーん!死ぬべき王子がリタジオードとしてやって来て以降は、バンラームが私のパパ的存在だそうなものにされて、どんちきぴーぎゃーな手紙が送りつけられるようになったのでは?」


「そうだった。バンラームも、パパであることを否定させてやるよ?」


「組織所属員達の認識では、私を処刑することに何か言えるような立場にいる人物となるとその二人、ってことにしているのではないだろうか。金を出さないってことは子でもなく部下でもないってことだー、な解釈で、さあ!ギドロイさまのやってるどべぐちゃ人面魚とどんちきババアのやってるヒナタが救ってやってくださいよ!」


「ヒイラギとスオウが見捨てて、ヒノキとキリが救う、ね‥‥‥」


「どんちきババアはヤマフジで見つけてもらえたヒナタとして、も、予定しているんだとしても、とは思えるが、ジモルルさんが関与していたんですよ、な何かを見つけることになっているのが買春次男?」


「監禁されていたそうな人物をやるからには、どうして監禁されていたのかを語る誰かを登場させるだろうな。何か置き去りにされているんだろうか?」


ジーナも振り向き、三人で首を傾げてしまう。


「買春次男が山羊を出し、ジモルルさんが出したんだー?」


「お宿の従業員達にも聞いてみると、一頭だけになると仲間を探して騒ぐって聞いたことある人がいた」


「一頭だけ出す‥‥‥よりは何か置き去りに‥‥‥買春次男の予定が、カフェで待つどんちきババアにポギャッドさん中ダドアーロを渡してやってからべたべたさんの宿へ、だったとすると、外套だろうか?」


「胸糞多重世界では、ポギャッド中ダドがそこへヒナタを探しに来て、どんちきババアの肩にかけてやったものが、とね。ポギャッドとしては、どんちきババアにむしゃぶりつかれてくる!ってことで護衛さんやるのをやめてたのかな?」


「それ‥‥‥言ったのか?」


お子さまというのは、説教の気配を敏感に察知できる。


(これは、それだよね?)


心の中では、眷属達が誰も目を合わせてくれない。


そしてジーナも、こちらを振り向かない。


「‥‥‥子猫ちゃんなんて存在はいないと語ったんだよ?」


「他には‥‥‥?」


この場が説教の雰囲気となりつつあっては、お子さまは歯でも食いしばりたくなってくる。


「きっと、一口あーんの奥深さを知る何かがあったんだよ‥‥‥?」


「‥‥‥何を、言ったんだ?」


(だめか‥‥‥)


もうこの場というのは、説教の場となっているのだと判断するしかないだろう。


「‥‥‥むしゃぶりつかれるのも接待一口あーんと同じだとしてるの?」


「そしたら?」


「言いたいことを別の言い方で言うように言われて、一夜限りだとお味見しただけだとしてるの?って聞いたら笑ってた」


「そして?」


切り上げてもらうことに失敗したのでは、お子さまは夜空を見上げてしまう。


「カフェで焼き殺すね?って言ったら、二度と間の国の第二王子殿下の名と呼ぶな、って言われた」


ダーファスは迷っているらしく、口を開けても言葉がまだ出てこない。


「‥‥‥そこで?」


「そこで」


ダーファスは何かを判定しようとしているようにも見える。


今回の説教はなだらかな山だったと安堵したいお子さまは、なるべくきれいな目というものを心掛ける。


(もう山を下りたよね?)


きれいな目をしたお子さまを前にしているのだからと念を送っていると、ダーファスはこちらを見るのをやめて前を向いた。


(よし!)


「ぴーぎゃーノートでは、私が間の国でも学問所を作ろうとしたのに、死ぬべき王子が阻んだことになってた」


「阻む‥‥‥そこでは、死ぬべき王子はど糞餓鬼さまを制御できてますよ?」


「そういうのも含まれていそうだし、死ぬべき王子はお泊まり込みのどべぐちゃり家庭教師やってますんで!だと思う」


「ドンチギー家にもそれってことか‥‥‥」


「ぴーぎゃーノートによると、どこぞの親子が誘拐事件を起こしていたそうだ‥‥‥」


私が誘拐事件について語ると、ダーファスは首を傾げてしまっている。


「こんなところまで来てくれるような手下‥‥‥?」


「実際には、祭りの会場には、若い女の子さん向けな商品だらけな抽選会の会場に行くことのできるチケットのついている、若い女の子さん向けな手袋を売っている露店があった」


「スケートずらーり?」


「スケートの列に並ぶには、着用していない状態の手袋を見せて、先ほどの露店の従業員ならばわかるそうな管理番号を書き留めてもらう必要がある。そうして並んでいて、さあ、自分の番だ、となって手袋を着用すると、手袋の中に抽選券が入っていることに気付く。滑り終わると、抽選会の会場へと誘導され、抽選券を確認する」


「従業員やっていたのがどこぞの親子の娘の方?」


「強奪ババアにやってこられると、間の国での格式ある教育商売の場に所属するように要求されるようになった、というように、強奪ババアによってそれまで通りな生活というものを取り上げられた。所属先に通っていないんだから売り子でもやってよ、と言われ、現状を変えることができるのかもな、程度の望みを持って参加することにすると、どこぞの親子が参加することにしたので参加させられることになったそうな同じ所属先に所属するお友人親子達が。どこぞの親子が何をされてきたのか知っているから、と言ってはくれているが肩身が狭いと奮闘すると、とんでもない売り上げを実現できちゃっているなんて!娘の方、輝いちゃってない!?」


「それを、客層としたくない範囲な女の子には語って、商品を買う女の子を選別していた?」


「正解!供述させてもらえることになると、ぴーぎゃーノートの内容と真逆と表現したくなる、母親を悪者とする内容を語りまくり、そうか、母親が変わってくれるだけでいいんだ、やった、もう望む生活というものを取り戻すことができる、ありがとう、警察の皆さん、こうなっては強奪ババアに感謝くらいしないとなのかもしれないが、そんなことをする気には決してならない、強奪ババアを絶対捕まえてね」


「あーあ‥‥‥ってまず言いたくなる」


「どうせ、死ぬべき王子の使用済みは自分よ!さあ、使用済みとして払い下げられにきてあげちゃったんだから、有り難く受け取って丁重に扱いまくってよ?とギドロイさまに向かっていき、会ってもらうなんてことを実行できずにいることに気付いていません、とヤマフジのおじさんにご賞味されて、配置につかせてもらえちゃったんだろうなー。ダドのお嫁さんになるのは自分!だーって、もうあんこに狂わされてる!」


「あー、聞いた。そんなのが来てる、って」


「会ってやれと煩い消滅希望お荷物さまは、それならと毎夜読み聞かせを開始する‥‥‥どうせ、面接官的に会って却下しようかなー」


「桃葉桔梗で働きたがっている、と解釈して却下って‥‥‥」


「ほらほら、精子を強奪する勢いで向かってこいよ?ってことだって、ギドロイさまだって思ってる。もう、嫁にする気になっているのなら、ってことで、帰宅させてやる顔して制圧してくるように言ってやって?って言っておいて?」


「船でどべぐちゃるなよ、がついていないだけよかったじゃないか、って言ってやらないとな‥‥‥」


「死ぬべき王子としては、こいつ処刑していい?と連れてきてやった私に、どんちきババアとどべぐちゃ人面魚に命を救っていただいちゃったんだからどんちきババアとどべぐちゃ人面魚の手下になれよ、とやってどんちきババアを間の国へやり、リタジオードとして左の国で遊びまくる許可を私から得たってことにしようと思ってやってきたんです顔してたんだろうな、って」


「はいはい、消滅希望お荷物さまの用意している絵本がどっさりあることに、まだ気付いちゃってなかったうんだな」


「どうせ、役所で待っててやったヒジキ王のところに死ぬべき王子がやってきて、そこを見つけたどべぐちゃ人面魚が死ぬべき王子に!となりましたよ、となれば、どんちきババアを制御できるのは死ぬべき王子だけだそうな理由で、処刑されたってことにしてどんちきババアのカフェで暮らすために、リタジオードの名をくれと言われたんだ、ってどべぐちゃ人面魚が言っているので、ヒジキ王としては、私に死ぬべき王子を一旦連れ帰らせたい、なる内容をダドが私に言うんだよ」


口元だけで微笑むダーファスは、ゆっくりと俯いていく。


私は誰もを呪っていくのだと、ギドロイは言っていた。


「‥‥‥パミザは演奏旅行ですって」


「あー‥‥‥ったな。ゼンマイどばか娘の演奏会では来てくれないのに、次男さまが来てくれるから、間の国でも左の国でも、そこら中で開催しては次男さまがやってくるのを面白がっている。次男さまがいかれていることは明らかなのに、次男さまは、ゼンマイどばか娘の姉のようなものだから、とうにゃうにゃ」


「シタンというのは、間の国の王家に輿入れさせることができるほどのど名家ではないからだー。右の国の後宮で淑女としてもらって、それから輿入れ、という道を、次男さまからおじさんに提案しちゃえばいいのにねー」


「それで行儀作法がまっさらだとされて‥‥‥シタンに喧嘩を売っている、というのはわかる」


「死ぬべき王子が次に家庭教師として住み着こうと思ってるのは、パミザ?」


「後宮へやりたいんだから、おじさんはどうぞどうぞと迎えてくれるよな?というぴーぎゃー‥‥‥どんちきババアについてこられてしまっても、銀髪三姉妹の次女だからな、とやるための準備‥‥‥どんちきババアとシアもまとめて後宮へ、なんてことを言いだしそうだ‥‥‥」


「どんちきババアから逃げるには、パミザを後宮へ、ってことだよね?」


「そうすることで忍者への供物とできたとか思ってそー‥‥‥」


「それ‥‥‥どべぐちゃり教育だとして遊び終わった女の子は後宮へ送り込むという遊び方をしていそうなんだよ。第二王子殿下からの一筆なんてものを持たせておけば、右の国は大歓迎するものだとしていたが、そうはならなかったので、死ぬべき王子が第二王子殿下からの一筆を持たせていたことにより右の国から苦情が入った、という出来事を、来ちゃった!というぴーぎゃーだけでなく、死ぬべき王子が第一王子として手を出そうとした女の子を王妃さまが後宮へ入れようとした、というぴーぎゃーにも変換したと予想する」


ぴーぎゃーの内容を話してみると。


「間の国と右の国の隔たりのようなものを表現できちゃいましたよ。間の国の王家にとって後宮とはどのような存在なのか表現できちゃいましたよ。間の国の第一王子と第二王子とはこのようなと表現できちゃいましたよ。まだまだ詰め込んでいそうだ‥‥‥」


「キリ家のヒナタの手下として後宮へ、という手紙を胸糞お化けキリ卿として間の国のちょっといいお家に送り付けていたのは、左の国の第二王子殿下からの指示書に従っていたんだ、とぴーぎゃー変換しているそうな犯行を実行済みだと予想する」


「全領主あての、ぼん、がそれになった、と思える‥‥‥」


「中身は左の国の第二王子殿下宛ての、指示に従っていますよという暗号文的報告書だとしているものを、ずーっと送っていたとすると、ドンチギー家かな?」


「どんちきババアからギド坊へ、とな‥‥‥」


「ヒナタを出してからは、ヒナタの滞在先だとしているところにもだろうから、それはヤマフジのおじさんに送ってたのもあってカフェを用意してやったのかな?」


「組織内でも多重な胸糞やり取り‥‥‥ヤマフジ家当主との繋がりを盛り込んでおかないとだからな」


何かを覚悟し終えたらしいダーファスは、手帳を開いて立ち止まる。


ジーナが黙って地面を指さすと、ダーファスは小さく頷く。


「遊び終わったら売春組織での就労、なんてのもありそう‥‥‥指示書に従っているとして犯罪行為‥‥‥死ぬべき王子だ」


「リタジオードだとしても散々遊びまくっているだろうが、物証とできるとなると、なので、まずはギドロイさまと話してみて?」


「そうだな‥‥‥出してくれるか、というのが、であり、どういう対処を想定しているのか、というのも‥‥‥」


「私がカフェで焼き殺す」


「待って?まず間の国とどうっていうのを考えさせてくれ?」


「ルイーゼは、間の国のかなりのお嬢さまだと、私は勝手に予想している」


「絶対何かされてる‥‥‥!」


「ヤマフジのおじさんによって、アヤレイスの産みの母だとされていた」


「されてた‥‥‥!のを死ぬべき王子によってルイーゼさんのご実家に、ともされていそう‥‥‥」


「ムオリットからタイサンボク家とノイバラ家に、どこぞの親子を捕まえたよ!という連絡もしてもらって?」


「わかった」


「ぴーぎゃーノートによると、ボノバートが軍部局で働いている時に使用する呼称が、デューイなんですって」


「え‥‥‥?一人の人物だとしているのか?」


どうにも肩を落としたくなってしまう。


「ルツの部下をやる時はリタジオード・キリという呼称を使用していた、としたいんだろうね」


「別の部署の人員として働く時には別呼称‥‥‥家名なんてものはそのように扱うものだというどべっちゃー‥‥‥」


「ヤマボウシにケーキを買いにきたことにされていると予想する」


「ケーキ?」


「美味しいケーキの店があるよ、と教えてもらい、実家へのお土産にしようと思い向かっていると、教えてくれた奴らが!一緒に行こうというものではなく、店に追い込もうとされているようにしか思えない‥‥‥ヤマボウシには入っていたんだが、どこも利用せずにカイドウへと向かった。しかし、教えてくれた奴らによって、デューイは王都へ戻ってケーキを買い、軍部局の皆さんと食べたことにされていて、ちゃーんとケーキを買えたおまえの誕生日を祝ってやったんだ、と言われた、という内容」


「何がしたい?」


「売春の地となっているそうなヤマボウシにガーロイド・スオウとして遊びに来ていた死ぬべき王子がやってる第二王子が、左の国の第二王子殿下の従者だとしてデューイの顔を覚えた、というものを持っているのではないだろうか」


「それで、デューイにべったりだったんだー?」


「デューイは、いっくらでも、死ぬべき王子の歴史、なるものを聞かされまくっていただろう」


「どうせ、いつだって再編纂されまくっているんだ」


「そうしておいて、もう、デューイが周知させてくれたものだとして、死ぬべき王子が自分で語る作業を続けていく」


「おいおい、こんなに雑な仕事をするのが左の国の第二王子殿下の従者なのか?」


「どういうことなんだ?こんなことをされていたのでは、死ぬべき王子は指示書に従っていたのではないとでも?これは確かめないとな‥‥‥私が語っている間の国での出来事を‥‥‥」


「おいおい、それについてはシアは指示書にあった内容を読み上げていただけだ。そうか、こんな仕組みでは‥‥‥」


「そうして語っていく作業をしながら、どいつを左の国の第二王子殿下として扱うことにしてやろうかとお楽しんでいるんだね」


「誰だ‥‥‥ダドアーロか‥‥‥ナラヤが戻ってくるからナラヤ‥‥‥勝手に作るのか?」


「そ、こ、で、どんちきババアのお気に入り頂点を探り、こいつだろ?ふっ!そうに決まってるわ!というお盛り上がりに使用するんだね‥‥‥」


どうにも三人で遠くを見つめたくなってしまう。








◇◆◇◆◇◆◇








「カイドウにもっと何かありそうなんだが、何だろう?じーさまがいるからには、と思えて、どうにかモルガと遊びたい、とかそういう理由かな?」


「それは、ルイーゼさんを人質として扱っていて、同じことを左の国のお嬢さまにもやるならカイドウになるのか?ってことだよな?」


「そういうのなんだけど、違うような気もするんだよね‥‥‥デューイぶって遊ぶこともしてるのかな?」


「俺には、誰にでも成りすまして遊んでいそうに思える‥‥‥」


「胸糞お化けの作成法はそれだと思う。消滅希望お荷物さまにベッドで成りすまさせることにより、ど御曹司さまの情報を引き出せちゃったそうなどんちきババアが、次は死ぬべき王子とだそうなベッドで、どんちきババアが監修するど御曹司さまに成りすまさせてお盛り上がり‥‥‥はい、ギドロイさまとの交換ノートだそうなものに書いておきましょ。おいおい、こんなにあっちっちゲームをしていては、第一王子中リタジオードが左の国に来ていた物証とするしかないじゃないか、と消滅希望お荷物さまがテオの手に渡るようにしておき、どんちきババアと死ぬべき王子は、どんな指示なのかなんてまーったく知らないままに宮廷の門番の前でお会話しちゃってただっけ」


「胸糞沼地生物達の世界‥‥‥」


「うちの妹が後宮に入ることになって、お供を探しているんだ、君なら気が合うかもしれないね、だったり、うちの妹が左の国の学術所に入ることになって、一人暮らしは寂しいだろうから同居人を探しているんだ、君なら気が合うかもしれないね、というように、探しているのがどういった女の子なのかを目の前の女の子に当てはめるためのものをいくつか用意していそうで、死ぬべき王子が着込むど御曹司さま着ぐるみとなると、どんちきババア監修済みなものであり、地域で使い分けていそうじゃない?」


「右の国ではデューイ、とか?」


「そういうのを決めておいて、カイドウでは買えるものだとして、女の子にあげるための何かをカイドウで調達しておいて、それを持ってデューイ担当地域へ行き、デューイぶってあそぶ?」


「カイドウ‥‥‥女の子にあげるためのもの‥‥‥?」


「第一王子って、ルツの長男みたいなものだよね?」


「え‥‥‥?」


こんなにも警戒してくれては、面白い。


「婿入りしても、領主業はじーさまがやるから、王子として働けるよね?」


「え‥‥‥お‥‥‥?」


「シャロンだよ?」


「あ‥‥‥え‥‥‥?」


「第一王子を婿にもらえるとなれば、じーさまは、そりゃあもう先頭に立って、王太后さまに会いに行ってくれる」


「あ‥‥‥お‥‥‥」


「あなたは、第一王子であり続けることを望まれている」


「あー‥‥‥だ‥‥‥」


「こんなにじーさまの理想的な婿養子は、あなた」


「えー‥‥‥お‥‥‥」


「じーさまは流行を把握しているけど懐疑的だから、シャロンにも一緒に考えてもらって?」


「か‥‥‥か‥‥‥」


ダーファスの語彙というものが戻ってこないのだが、考えてみてはくれるだろう。


「ミレットがついていこうとしているのが野心の塊というのは、引き裂こうとする、という行いをいかにもどべぐちゃ糞坊がやりそうだよね?」


「そ、れでそういう人物だとしやがったと?」


「ギドロイさまは、私には、モクレン家三男だそうな人物をモクレン家に押し付けられたみたいに言ってた」


「どべぐちゃ糞坊はな‥‥‥どんなのだ?」


「野心の塊だそうな人物は、レンギョウ商会のご長子さまの婿養子となるべく、洗脳中ご長子さまによってご長子さまの家庭を崩壊させて、自分の座る場所というものを作り出す」


「過激‥‥‥」


「自分はご長子さまじゃなくて、ご長子さまの影武者として置いてもらっていたんだが、ご長子さまが亡くなってしまったので、ただの奉公人となったんだ、として、奉公人な生活を始めてまで、お嫁に行きたいの!と自分の家庭がどのような家庭なのかと攻撃していく」


「ミレットね‥‥‥」


「野心の塊だそうな人物とは別れるようにと、どべぐちゃ糞坊に読み聞かせをされたお嬢は、どべぐちゃ糞坊何言ってんだろ?とは思うんだが、え?お付き合いしてるってこと?どんちきババアのようなやべぇ奴がお嬢に突進してきてるの?ゼンマイどばか娘?と、どばかにお楽しみながら、どべぐちゃ糞坊がこんなこと言ってるんだってー!と言ってまわったので、周囲としても、こいつ何言ってんの?!」


「わかってやってそうなんだよな‥‥‥」


「どべぐちゃ糞坊は、ゼンマイどばか娘文字を書き込んだノートをゼンマイどばか娘に渡すように忍者に指示し、忍者はお嬢にノートを渡した。それを解読したお嬢は、この人が!となって、お嬢に恋しちゃってるの?ゼンマイどばか娘?な会話をしただろう‥‥‥」


「お嬢だからな‥‥‥」


「今度はどう陥れられたのかと思うしかない忍者は、びしっと否定してやり、お嬢は失恋状態に‥‥‥」


「なんてそのままな状況だったんだ‥‥‥あの頃は‥‥‥当主もな‥‥‥」


私というのは、どうにも溜め息をつきたくならせるお子さまのようだ。


(申し訳ない‥‥‥)


「戻ってきて、私に穴に落とされ、買春次男について知るにはどんちきババアの活躍についても知ることになり、どべぐちゃ糞坊や死ぬべき王子やダイジババアの存在もと、現状というものを把握するためには、胸糞沼地に飛び込んで泳ぎまくるしかなかっただろう。ルツのお相手ってスオウのじいさまの四女さまだったのでは?」


「‥‥‥俺はそう聞いてる、ってことはヒイラギとしてもスオウとしてもそうだったんだが、三女が?」


「それでも結婚しよう、とならないのではお別れして、となったのではなさそうだよね?」


「それで国中回ってこいとはな」


回ってこい、これをヒイラギ家が使用する。


それが、どうしても、どうしても、腹立たしいのでは、私はお子さまなのだと綻んでおくとしよう。


「内情というものを知らずにいる三女からすると結婚が宙ぶらりんなので、これでもかと四女さま虐めをしていたら、あれ?すっかりルツの子だって主張しまくってきたことになってない?」


「三女そんなんなのか‥‥‥」


「ルツがいなくなってから生まれたと考えるのに、ちょーどいい大きさに育ってたのが私でしょ?」


「‥‥‥まあな」


「ルツが訪ねてきた時、私は、リッカさんを訪ねてきた右の国の誰かなのかな、と思っていたので、桃葉桔梗に連れていった。違ったな‥‥‥って思った」


「交流が途絶えていた誰かなので、リッカさんにさらに娘が生まれていたのか?となっていたのではないか、とな」


「それだね。どうやら桃葉桔梗の皆さまを混乱させたようだ、というのはわかった。パパ来たー!って連れてきたと思われてたのかな?」


「俺、そこについて考えてなかったんだが、シアはリッカさんを母親だと思ってるのか、というのが‥‥‥」


「あー‥‥‥そこね‥‥‥私、そこについて考えてなかった‥‥‥それで、私はバンラームが持ち帰ってきたんだよ、って説明されて、そうだね、となっていた私が何をどれだけ理解しているのかと、皆さまは混乱、と‥‥‥次に私は、ルツは妊娠中な奥さんに逃げられたので、それらしき子のところを訪ねてみているのでは?と考えた。ママの見た目の特徴は?って聞いたら泣かれた‥‥‥」


「一緒にママを探そうね‥‥‥?」


「あー‥‥‥そういうことにね‥‥‥おまえが自分の子なのかわかんないってどうやって説明してやればいいんだろう、ってなってるのかと思ってた。どうやって私のことを知ったの?って聞いてみると、何も言ってくれなかったので、そこで、あれ?誰を訪ねてきたんだ?四女さま?って思って、三女が散々盛り上がっていたのは、四女さま虐めの一環だったのでは?って気付いたんだけど、ルツにしてみれば、私によって、おまえなんてパパじゃねえからな?とやられていたことに?って」


「入り組んだな‥‥‥」


「そこから何をどう言おうと、穴に落ちてるルツを出してやれないと思えたね‥‥‥ばーちゃん達にしてみれば、三女が大盛り上がりしてるのを否定しないのかよ!で、ルツからすると、四女さまの子だってことを隠してるの?で、四女さまからすると、三女が大盛り上がりしてるだけじゃないってこと?だったのかな?」


ダーファスは、何をどこまで言ってもいいのやら、となっているようにも見える。


(私が知らずにいるようにしたいのかな?)


「‥‥‥当主は、四女さまの子だとすると、ぜひとも父親だと認定してもらいたいと思い、どうすりゃいいんだとなりつつも、シアを引き取ったような形に‥‥‥?」


「拾った?!ってことはどういうこと?って、さらに穴が深くなってたように見えたね」


「リタジオードは何を知っているのか、とな‥‥‥」


(お?)


ジーナの自宅に辿り着いたらしく、ジーナは鍵を開けて、中へと通してくれた。


ジーナは小さく首を横に振ったので、外に目印らしきものは無かったということだろう。


どうやら誰もいないようだが、念のために各部屋を確認してから二階へと上がる。


二階でも各部屋を確認し、最後に入った部屋は、なんだか喫茶ベニバナイチゴを思わせてくれるごちゃごちゃ具合だ。


しかし、ジーナはどこに何があるのかきちんと把握しているらしく、大きなバッグにひょいひょいと詰めていく。


(ん?)


私が仕草で示すと、ダーファスとジーナもそろそろと窓の近くへと移動する。


窓の外を見てみると。


「アヤレイスと一緒にいた犬と同じ犬種に見える。二人目妊娠でやってきた犬かな?」


「何か置きに来たのかもな」


しばらく見ていたのだが、犬の姿が見えなくなっても、人影は見当たらない。


ジーナは、悩みながらも首を傾げてみせる。


「ここに来るようなことはなかった?」


ジーナは頷き、やはり首を傾げる。


「ここの屋内にいるおじさんが犬笛で呼んだ、ってことはなさそうだよね?」


「去っていくことをよしとしていたように見えたな」


ジーナが荷造りを終えると、屋外へと出て、建物の周囲を歩いてみたのだが。


「それらしき何かが置かれていない」


ジーナの方を見ると、ジーナは小さく頷く。


「ってことは、連れてきてもいつも屋外で待たせていたから、ここを知っていて、おじさんやべたべたさんを探しているのかな?」


「連れて隠れていないから、ってことか‥‥‥窓の外を見る誰かを見つけようとするなら、吠えるとかさせるよな」


「これからどこか訪ねさせて、犬が手紙を!だとか、ヒナタの落とし物を!だとか?」


「そうやって、監禁されていたのはここだったんだー‥‥‥よりは、ジモルルさんの自供だそうな手紙?」


ジーナは、どーんと落ち込み、心細そうにぎゅっとバッグを抱える。


「いつも一匹で散歩してるとか?」


「どうせ、出入り自由な場所で暮らしていそうではあるな‥‥‥ってことは、俺達が来たからここから出ていったのかも?」


つい建物を見上げてしまうのは、ダーファスとジーナもだ。


「私は別行動となるよ」


「気をつけろよ?」


「わかった」


犬の向かう先も、建物の中も気になるが、まずは山羊だろう。

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