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シアの国  作者: 薄荷堂
魔女
95/106

95.役割

『犯罪歴を積んだどんちきババアが戻ってくると、ドンチギー家には、保護区、という表示が取り付けられた』


『また何か始めやがったわね‥‥‥』


『どんちきババアは宮廷の門前で、ギドロイー!ちょっと出てきなさいよー!‥‥‥三番は出てこない‥‥‥次男さまのお相手であることは隠しておくことなの!それなのに保護区なんて表示!すぐに外してちょうだい!教育係が来ていることは限られた人しか知らないんだから、保護区だなんて人払いしなくてもいいのよ!』


『交換ノートは?』


『どんちきババアが長男さまと同居していると知った次男さまがどんちきババアを連れていき、やっと次男さまの誤解が解けたので教育係をつけられて戻ってくると、保護区なんて表示のある物件が用意されていて、どんちきババアが宮廷の門前から叫んだことにより、三番としては私からヒイラギの次男を保護するために表示しておいたんだ、ということがわかったんですって』


『シアから?』


『ヒイラギの次男は初恋のお相手であるカイドウのお嬢さまと結婚しようと思っているのに、家族からは家事をしてくれているだけの女性と結婚しようとしていると思われてしまっているんだと、家事をしてくれているだけの女性の婿養子にされそうになって気づいたそうだ』


『教育係?』


『え?!家事をしてくれているだけだと思っていたのに、教育係だったのかいー!?』


『そういうね‥‥‥』


『ヒイラギの次男の分も家事をしてもらってすまない!いいえ、どんちきババアを教育するための環境を整えてもらい感謝しているんです!いつもありがとう!いいえ、ヒイラギの次男が教育係の分も買い物してきてくれていますもの!これって、家事をしてもらっているだけだね!これって、家事をしてあげているだけですね!』


ミラナサーラは、嫌そうに顔をしかめて地面を睨む。


『モクレン領の宿の従業員に確認してもらったら、ドンチギー家と同居し始めたそうな女性が、どんちきババアとヒイラギの次男と一緒にいた女性だった。連行して、何してたの?って聞いても、自分は教育係としてつい最近間の国から左の国に、と語ったので、密入国の疑いで留置所暮らしを開始。交換ノートには、ヒイラギとカイドウはどちらもお高い階層にいるので、どちらもが足蹴にできず、家事をしてくれていただけな女性であるラギと同じ名である初恋の女の子と結婚しようとするヒイラギの次男をただ見守ることしかできない、と書かれていた』


『教育係がいなくなっても、何も?』


『アヤレイスが生まれた頃だった』


『‥‥‥宮廷近くでどんちきさせておけよ、ってことで買春相手をヒイラギの次男に与えておいた、ってことはヒイラギの次男のお気に入り筆頭ではなくて、同じ名だっただけ、ね』


『ヒイラギの次男は絶対ラギって女の子がいたんだよ!と言い、おまえに絶対好かれたくないってことでラギって名乗られたんじゃないのか、と私が言うと、絶対見つけてみせる!となったそうだ』


『どんちきババアを押し込めておけずに、おじさんのところへ‥‥‥』


『家事をしてあげているだけな女性は、ラギ・ヒイラギになるから結婚できないねー、と笑っていたのを私に聞かれ、結婚しようとしているなんて騒がれたそうだ』


『そいつもラギにするっていうのが‥‥‥』


『ヒイラギの次男は初恋のあの子を見つけたそうで、家事をしてもらっていただけなんだ!』


『ヒイラギの次男が与えてほしいのはこっちの子なんだ!』


『そういうことだったんだろうね‥‥‥家事をしてあげていただけだからヒイラギ家から排除なんてやめて!と家事をしてあげていただけの女性が私に言ったんだけど、私は排除しようとするのをやめてくれないそうだ。ヒイラギの次男は、ヒイラギの御曹司さまとして他の兄弟と並べてもらえなくなったとしても初恋のあの子と結婚するそうだ。三女の勤め先であるカフェは、私がいつも掃除していて、テーブルと椅子、というようなものだけでなく、カップだとか、調理場で使用するようなものも揃っているように見えたので、実際にどこかで開けていたことはあったのかなー、と勝手に思っていた』


『‥‥‥来たの?』


『店の鍵を持ち出そうとしたので、ばーちゃんもついてきていた。三女は私を探していたらしく、私の父親だそうな誰かについて語っていく‥‥‥』


『お祖母さまは‥‥‥?』


『三女が母親なのにー!は聞いたことがあっても、父親についてというのは初めて聞いたと言っていたね。三女がいなくなってくれると、すぐにヒイラギの、その頃は当代ご当主さまに会いに行くのに私も連れていってくれた。その時は、三女がこんなこと言い出した、という話だけしていて、ヒイラギの息子達を父親だとして騒がれたくないってことなんだろうなー、と思っていただけだったんだけど、長男さまが戻ってくるのか、というやり取りだったのかもしれない』


『長男さま?!』


『そうなった‥‥‥交換ノートによると、家事をしてもらっていただけの女性ではなく初恋のあの子と結婚するそうなヒイラギの次男は、どんちきババアと別居するようになった長男さまに会食への出席を求めたそうで、そこを私が長男さまの代わりだと出しゃばったそうだ。三女は、私は母親である三女とはなのに、父親とはー!と大盛り上がり。どうせ、どんちきババアの教育係だそうな女性ではないのをドンチギー家に置きたくなってるんだろ?そっちを置くようになったところで、誰も何も言わないと思うが?と言ってみると、色々言ってからいなくなり、また掃除してますよだけやると立ち去るようになった』


『胸糞沼地内での秩序なんて‥‥‥』


あんなに待っていたのに。


かつてとは違い、恨み言にしか聞こえなかった。


私をどこかへやってと泣いていた。


覚えていない私も、三女にとっては塗り潰される存在だったのだろうか。








◇◆◇◆◇◆◇








『ガヤディーのところに、ヤマフジのおじさんの奥さまを差出人とする手紙が来た。ちっともシュミルが顔を見せに来てくれないけど、ガヤディーは来てくれるよね?な内容。何が起きてるのかとシュミルのところに行ってみると、シュミルのところには、ヤマフジのおじさんの奥さまを差出人とする、いい子がいるから会ってみなさいよ!な手紙が何度も来ていて、さっさと来て抱いてやんなさいよ!な勢いとなっていた‥‥‥とりあえず私だけでフリューゼンに合流してみると、ミラナサーラが産んだガヤディーの子だそうな赤子を人質よろしくおじさんが抱いて暮らしている、と教えてくれたので、フリューゼンにシュミルとガヤディーを連れて移動してもらうことにして、私は奥さまとミラナサーラを連れて移動した』


『そうだったの‥‥‥』


『一番のところに行って、ヤマフジのおじさんによると、アヤレイスはガヤディーの子なんだってことにしていいよ、ってジモルルさんが言ったんだって。でもそれは、奥さまに対してそう言ってもいいよ、ってだけだったから私には言っちゃいけなかったんだって。戸籍を確認させろ、って言ったら、私がそんな権限持ってないでしょ?って言われたから、宮廷で管理している本書を、ヤマフジ家当主の奥さまと長男さまに確認させてやってくれ、と言ってみた。すると?』


『えー‥‥‥っと‥‥‥ガヤディーさんに、ガヤディーさんの戸籍を確認させろ?でも、そこだけ調べても‥‥‥』


『とりあえずすぐにできることではあるんだが、と一番も言っていた。ジモルルさんが来てくれて、ネズ家にアヤレイスという子は生まれていないし、アヤレイスだと疑うことのできる人物も存在していない、と教えてくれた』


『戸籍の上ではどうなっていて、実際?にはどのように扱われているのか、なんて考えだすと‥‥‥ヤマフジとネズのどちらの言い分を、みたいに?』


『一番も悩んでいた。家庭内の不和、なんてことで勝手にどうにかしろ、ともできただろう。だが、領主が他家の戸籍を自由使用、と捉えることもできた』


『奥さまとフリューゼンさんだけで確認する、というのも?』


『家の内情だそうなものを私に知られることになるので、と言われ、おまえがどこの子なのかはっきりさせたくない子をこれからどのように扱うつもりなのか、と聞いてみると、だから、家の内情を、と言われ、ヤマフジ家当主の奥さまが当主によって育てさせられている子がどこの家に所属しているのかわからない、そんな状況を続けていくのか、と聞いてみると、家の外でどのように言うのかというのも家の内情だ、と言われた。家の外で言うことを私に教えてくれないというのはどういうことだろうか、と言ってみると、フリューゼンのお嫁さん希望なのかい?』


『頭がね‥‥‥って言いたくなるのよ‥‥‥奥さまとフリューゼンさんに、愛人との子なのに奥さまとの子だって言ってあるんだー、って思ってもらう、というのはすでにできそう、と思うと、戸籍を確認されては困るんだ、となる‥‥‥』


『領主が自分の領地で好き勝手、と表現するしかない行いをしているので、通常は部外者が確認することなどできない戸籍の本書を確認させてやるのか?』


『シアがアヤレイスという存在を知ったので気付くことができたのかもしれない、ヤマフジのおじさんの犯罪を暴こうとするのか‥‥‥』


『そうだね。私がきゃんきゃん言っている、それを理由に‥‥‥それよりは、まず本書を確認‥‥‥?となっていたので、各領主が申請してきた戸籍を基に本書としているが、本書と各領主が管理している戸籍を照らし合わせるような行いをしているのか、と聞いてやると、一番は、処刑待ち状態となっていた』


『宮廷から訪ねてきた時におじさんが出していた戸籍は本物だったのか、ということにもなるわね‥‥‥』


『ヤマフジ家を存在させておけなくなる、それでも知ろうとするのか、なんてことを言われた‥‥‥内部告発でも被害者でも、どうとでもできるのがあなただから、私は連れてきた。知らない、知ろうとしても阻まれる、それが奥さまとフリューゼンの現状だと、あなたはもう知った、と言ってやると‥‥‥一番が出ていってしまうと、ヤマフジ家当主が出してきた戸籍を本物だと一番が認定することになる、なんて言いやがった。今まで、ずっと、宮廷が認定してきてやってるだろうが!その子の戸籍を出せ、と言ってやる、出してきて、それで終わりとするのか、領地で管理している戸籍をすべて調べるのか、あなたはどのような王子なんだろうか、王を貸せよ』


『そうね。王の臣下よ』


『あなたが誰から守るのか、あなたはとっくに気付いているだろう?そう聞いてみると、おまえだ!と言って追い出された』


『放置、となったので、今現在なんでしょうね‥‥‥』


『俺、ヤマフジの端っこに入れてもらえた、って聞いてたからな‥‥‥』


『そこについても、奥さまとフリューゼンに教えてくれない、というのが現状だった。ヤマフジから宮廷医師が出たんだからフリュージも夜会に連れていく、とフリューゼンが言ってみると、おじさんはそうしてやるといいと言ったそうだ』


『領主、ね‥‥‥』


権力、それを持っている領主に対抗したい、そう思っているのは私だけだった。


ヤマフジ家当主の奥さま達の生活は守られてきた、と言えるのでは、私は何をしていたのかと。


(きゃんきゃん子犬‥‥‥)


『宮廷で戸籍を扱う部署の長をやっているおじさんを連れていくと、ヤマフジのおじさんがどこかから連れてきた子なんだ、どこの子かわからない、おじさんは奥さまとフリューゼンに戸籍を確認させてくれない、と主張し続けよう!フリューゼンは領主補佐という、強い権限を持っているかのように見える職業に就いているが、そんなもんが、自由に戸籍を確認できる、というものだと主張するようであれば、どのように戸籍を管理しているのか、なんて話になるものであり、当主の意向、というものと、領主の意向、というものを、周囲がきっちり分けて考えることをできないような状況を作り上げている権力所有おじさんが、フリューゼンにも戸籍を扱う仕事をさせるようになったとして、フリューゼンが自分の戸籍を確認したんだという記録を残さずに確認するなんてことを、と詳しく教えてくれた』


『そうか、奥さまが窓口に来てくれて、フリューゼンが職員な領域で作業を、という手順?配置?が必要だよな』


『軍が役所を機能させたままにしていたようだし、フリューゼンの退職の手続きもできているだろうが、とそこでも思ってしまうね』


『誰かが職員として対応してくれていると、と思うが‥‥‥おじさんに指示されているのではな‥‥‥』


『私は勝手なことを言う。ミラナサーラの分は、どうせ、おじさんがきちんと手続きしているだろうが、それを本人に教えないのでは監禁していたのと同じようなものだ。出国したと連絡が行くのと同じ速さで入国することになるが、ただ戻ってきていなかっただけ、と表現できる状況となっているだろう』


『う‥‥‥う、ん‥‥‥』


フリュージは赤子を見やり、それからミラナサーラへと笑って言う。


『普段暮らしてて、戸籍だの権利書が誰の名になっているのかだの、そんな話しないんだから、使い分けていればいい』


『そうね‥‥‥』


どうか、そう願う私では守れないのだと知っている。


だが、どうか、そう願うのなら、お子さまは駆け回るしかないだろう。








◇◆◇◆◇◆◇








『どんちきババアは、学術所に通うようになれば長男さまの自宅から通うのが便利だから置いてくれと言っているのに、長男さまはどんちきババアには三猫としての仕事があるだろって!三猫というのはー!と盛り上がった』


『また学問所の周囲で騒ぐ予定か‥‥‥ヤマフジに乗り込んでこられたおじさんが、三番に押し付けておこうと、どんちきババアを三番に会わせてやった?』


『私もそう予想する。おじさんが、この子は差し出すための女の子なんだが、差し出すに値するか確かめてやってくれないか、どんちきババアが、嫌よ!こいつは!と生まれる前からの幼馴染だそうな関係だと語っていく‥‥‥三番の目の前で語りまくらせてもらえたどんちきババアとしては、じゃ!三番が学術所に所属させてね!』


『そしてどんちき‥‥‥』


『どんちきババアは、お邸な建物を訪ねては、呼びましたよね?』


『また何か始めたのか‥‥‥』


『どんちきババアは、応対した家人は知らされていないだけでしょ?な態度で、わかる人が来るまでだそうな時間を奥で過ごさせるように要求し、警察が駆け付けると、大丈夫だから行っていいわ』


『お三番さまの庇護下にいますものー?』


『呼ばれたのがどっちのシアなのかわからないのでは、どんちきババアとそっくりなシアというのもここに呼ぶしかないわよね?と警察の人員にお指図‥‥‥』


『どんちきババアがご機嫌取りでシアをやったからって、次男さまに群がろうとするのがシアぶってるのよねー?』


『ご機嫌取りでシアをやっていたのはどんちきババアだ、なんて次男さまが言うの‥‥‥』


深読みしすぎたフリュージは、悔しそうにぐっと口元を歪めてから言う。


『ゼンマイどばか娘を攻撃?』


『そうなった‥‥‥ゼンマイどばか娘を調べる必要があるそうだ』


『え?警察の人員ぶって?』


『お邸なお宅を訪ね、逃げ、警察が駆けつけてきてくれるのを三女を縛ってある物件の前で待ちながら、ゼンマイどばか娘を調べることになったんだと騒ぎ、警察が駆けつけてくると、見せなさいよ!と門扉をがったがたさせながら騒ぐ‥‥‥間の国の東部にあるレンギョウ商会のお宿でだけ、ポストカード保存ブックを扱っていた。それは専用お手紙セットの封筒や便箋と同じデザイン‥‥‥』


『それをゼンマイどばか娘が持ってた?』


『間の国のお手紙制度について知ったゼンマイどばか娘は、レンギョウ商会のお嬢から!王子!読んで!なーんて困らせちゃうかも!だそうな理由で、ミレット・オレンジローズという差出人名で、葉書に絵を描いて送ってみると、同じく絵の描かれているポストカードが返ってきたので、絵を交換しているみたいで楽しい!となった』


『そうなると、保存するための何かがほしくなるな』


『そういった何かが無いかと聞かれたパパさんが、ポストカード保存ブックについて言葉にしてしまうと、ゼンマイどばか娘は、労働力提供お嬢として間の国へ‥‥‥お宿でも労働力を提供してポストカード保存ブックを手に入れたが、それは、短期就労をして得た給金で支払った、ということを言っているのであって、そこに特別待遇があるかとなると、働きたい!で働かせてもらえた、という部分だろう』


『そういった何もかもが気に入らないどんちきババアが、ゼンマイどばか娘も逮捕しなさいよ?』


『そういうことだったね‥‥‥こんな保存ブックだなんて作ってるのよ?!こんな差出人名を使ってるのよ?!』


私が譲ってみると、フリュージは言ってくれるようだ。


『こんなポストカードが返ってくるなんて言ってるのよ?!』


『お相手であるどんちきババアは次男さまの側近と文通してるのに、制度を利用して窓口に送ってるゼンマイどばか娘にはポストカードなんだからいいよね?とゼンマイどばか娘が言ってやっても?』


『どんちきババアからすると、レンギョウ商会のお嬢はこーんな差出人名使ってもきっちーんと特別待遇してもらえるんだよー!に聞こえていたんだろうなー』


はーあ、と皆で肩を落とすことになる。


『どんちきババアが騒ぎにやってくれば、ゼンマイどばか娘は、警察の人員にも保存ブックを見せてやり、警察の人員は、いいね、とやってやる。どんちきババアは、ご機嫌取りの場で次男さまに何を吹き込んだのよ!こんなことしてどんちきババアと次男さまを引き裂こうなんて無駄よ!と騒ぎながら連行されていく‥‥‥どんちきババアは、額縁に入れてあるような抱える大きさな絵を持ってくるようになった』


『おじさんが来てた!注文が入ってるからミラナサーラがアヤレイスを見ててくれ、って!』


ミラナサーラは、記憶を手繰りながら言う。


『そうね‥‥‥アヤレイスが赤ちゃんの頃も、注文がって言ってた。けど、私は‥‥‥アヤレイスが、おじさんは絵を描かなきゃいけない、って言うようになったな、としかね』


『俺もあとは、フリューゼンが、奥さまが描いた絵だって言ってどこだかにってやらされた、って言ってたことがあった、って程度だな』


(領主補佐に絵をね‥‥‥)


『どんちきババアが言うには、その絵はゼンマイどばか娘から間の国の王妃さまへ送り付けられて、次男さまが迷惑しているそうなもので、どれも油彩画だった』


『私、絵、全然知識無い‥‥‥ぱっと見て高そう、ってやつ?』


『そういうのだね。水で溶いて濃度を調節して塗ってそうなのとは違うやつ。木枠に布を張って、そこに絵の具で塗るというより、絵の具をのせていくと表現したくなる』


『額縁って、ぺらんな紙を入れてるようなのじゃなくて、ごつい?太い?ものよね?』


『そういった、材料が多くいるって部分でも高そうな印象を受ける見た目になるね。そんなものを押し付けられて警察に持っていき、話を聞かれたヒイラギの次男が、そーんなの初めて見たー、をやると?』


『どうやって手に入れたんだ、となるわね』


『そういった絵は、間の国の第二王子殿下が、お忍び時に使用する名であるガーロイド・スオウを使用して間の国の王妃さまのところから持ってきて、三女を縛ってある物件の納屋に入れておいたものであり、次男さまに頼まれているどんちきババアは、ゼンマイどばか娘の手元に戻ったことを確認しに行っただけだそうだ‥‥‥三番からもきちんと言っておくように言っておいたそうだ‥‥‥』


『交換ノート?』


『間の国の王妃さまは迷惑しているというのではないが、油彩画の道具から何から送ってやったりするのは押し付けがましい行いなので、ミッタさまと文通するのもやめるように、という書き込みのあるものが届いていた。ここでやっと、交換ノートだそうなものを置き去りにしている犯行についても逮捕となった』


『三番だとして書き込んでいるのに‥‥‥』


『お三番さまは、バンラームなんだろ?バンラームがガーロイドなんて名乗って暮らしてるんだろ?』


『らしくなってきたわねー‥‥‥』


『ありそうじゃない?ってことで、三番の自室を捜索すると、ゼンマイどばか娘が受け渡しをしているのでてっきりゼンマイどばか娘との交換ノートだと思っていたそうな誰かとの交換ノート‥‥‥』


『お三番さまねー‥‥‥』


『国際的犯罪者を愛人にしている!って言ったら、生まれる前からの幼馴染なんだ!って‥‥‥誰との交換ノートなのかわかってるね、って言ったら、私に陥れられた!って‥‥‥誰から見ても国際的犯罪者寵愛王子なのでは?って言ってみると、三番は中庭眺め眺めを始めた。ドンチギー家にいたのは二回ともお殿下さまだと思ってるよね?と聞いてみると、三番は長椅子に座った』


『思ってなかったの?』


『一回目は第二王子殿下だと思ってて、二回目は、三番はゼンマイどばか娘と一緒に戻ってきたのに、ゼンマイどばか娘は第一王子殿下と右の国へ行ってから左の国へ戻り、三女を縛ってある物件で同居を始めたのにどんちきババアに横取られ状態になっていたと思っていたそうだ‥‥‥』


『どんちきババアとお殿下さまの世界での出来事を話しているの?』


『そういった話をしていくと‥‥‥こいつ、言い負かされたのは受け入れているのでは?』


『えー‥‥‥?!でも、どんちきババアか、って思える‥‥‥けど‥‥‥ずっとゼンマイどばか娘と一緒だったなんて言っては、どんな仲だとされてしまうのか、とも思うけど‥‥‥』


『言い負かすことはしなくていいが、言われた通りのことをおまえが言うな。言われた通りだとしてくれないと騒がれても、誰も、言われた通りにしてやれと思わない。会うな!』


『それよ‥‥‥』


『食が細いというような理由で、背の伸び具合が王子三人同じくらいとなっていて、顔も似ているので、慣れないことには見分けがつかない、なんて言われて、どう否定するんだ?』


『誰のこと?まさか間の国の王子さま方じゃないのよね?』


『おまえ王子!おまえが知らないような他国の情報をどうやって知ったんだ?!知ってない!作り上げてる!おまえから王子の見た目という情報を引き出そうとしているんだろうが!ずーっと黙ってろ!紙面上でもだからな!会うな!』


『会いたいってこと?』


『例え話をされた‥‥‥ど偉いおじさんが、娘が落とし物をしたと三番に言う、それは三番に警察に聞いてくれってことだよな?‥‥‥おまえが娘のお相手じゃないよね?って聞かれてるに決まってるだろうが!おまえと会話できるようなど偉いおじさんは、警察のど偉いおじさんと会話できるだろ!会うな!と言うと、間の国の第二王子殿下のお相手じゃないって言いきれるのか?!って言われた‥‥‥』


『えー‥‥‥そうだったら丁重にってこと?』


『おまえにどうこう思ってたらとっくにお相手だって公表してるだろ?!会うな!って言ったら、三番に届いた次男さまからの手紙だそうなものの内容を語った。どんちきババアは三猫だそうなものに就任したそうなんだが、三番の女の子になったんじゃないよね?どうなんだ?そうなのか?このままでは軍を率いて乗り込んでしまいそうだー!‥‥‥すぐに間の国の第二王子殿下を訪ねさせた』


『三番がそんなものを‥‥‥』


『間の国の第二王子殿下が、何であろうと第二王子殿下の名で三番に送るという行いをしない、と明言してくれたのに、私が怒らせたからじゃないのか‥‥‥おまえ王子やめろよ!』


『言いたくなる‥‥‥』


『おまえは王子という立場にいるのだから、どんちきババアが何を言おうと、どんちきババアが前夜見た夢の話してるな、って思う、という行いだけをしろ、そのような行いに限定しなければならないのが王子という立場にいるおまえの人付き合いというものであり、どんちきババアという犯罪者はおまえが関わらないようにするべき人物だ、と言ってみると、溜め息‥‥‥』


『関わっていてよくて、夢の話だと思うことだけしていなくていいから、宮廷医師?』


『間の国の第二王子殿下のお相手かも、というのを取り除いてやっては、そう進むしかなかったのかもしれないね‥‥‥どんちきババアのような人物は、広ーい豪邸を用意してやったところで、その中で過ごすことで満足しなさそうだ』


『観客がいてくれないと、ではあるんでしょうけど‥‥‥』


私達も溜め息となり、陰鬱な気分となる。


『待ち合わせをするために、ヒイラギの次男が御者をする馬車で移動して、人目につきそうにない場所で待つどんちきババアを馬車に乗りこませてやり、そのまま馬車でぐるーっとしてから、乗り込ませてやった場所で降ろす、なんて方法を実行するように言われていたそうだ‥‥‥』


『怖‥‥‥』


『どこへ連れていかれるのかと思えるよね‥‥‥ヒイラギの次男を信用するな。誰にも何も与えるな。そいつらが手にしようとしているのはおまえの身柄というものだ。どんちきババアは望む待遇を手に入れるために、犯罪行為を実行してもいい人物だと振る舞うことを選んでいる。おまえに関わらせていい存在ではない。と言ってみると、おまえも性行為をしているのか?』


『毒されてるわね‥‥‥』


『どんちきババアは性行為をしたという出来事を質として確保しておこうとするような人物であり、おまえといる時間におまえと性行為をしたとしても、おまえといない時間にもおまえではない誰かと性行為をするような人物だと思える、と言うと、溜め息‥‥‥』


『そんな相手を好きになったのでは、なんてことでこうなってる、とも思えるのよね‥‥‥』


『心変わりしたんだと胸糞くご公表?』


ミラナサーラは少し考えてから言う。


『お披露目されないような人物じゃないよ!』


『成人するとお披露目するものなの?』


『間の国では、その年に成人する上層な皆さまの中での頂点さまの誕生日に、成人する皆さまも出席する夜会が開かれるわね』


『最高位お嬢さまとされているナナセから始めてしまえば、どんちきババアの成人も?』


『それよりは‥‥‥ナナセさんの成人のお披露目は左の国でやるから!だと思えるわね‥‥‥』


『去年は、間の国の第二王子殿下が十五になったそうだ』


『それでどんちきババアをお相手として出席させろと騒がれ、パミザさんを?』


『わかりやすく宮廷勤めをしている中からで、十五になるどお嬢さまで、というよりは、銀髪三姉妹だそうなものをどんちきババアが出していたからパミザだと思えて、パミザを連れていくのよね?とやるための道順だったのではないかと思える。ヤマフジのおじさんの犯罪組織に、馬医であるナナセがいてくれると?』


『馬関連はナナセさんがやってたんだー、なんてことにしようと思っていそうね。商売はゼンマイどばか娘で、パミザさんは医師?ピアノ?‥‥‥パミザさんという存在をどんちきババアに教えたからには、そういう何かがありそうよね』


『フリューゼンをご所望されて、おじさんがそうなったらいいなと思ってるそうなパミザを出した?』


『そういう出し方だと思えるのがおじさんなのよね‥‥‥どんちきババアが三番に言ったとなると‥‥‥銀髪は入国禁止な間の国に、どんちきババアは入国できるのよねー』


『どばかに銀髪を連れて行くことにしそうなのが三番‥‥‥銀髪は入国禁止なんだから私は間の国にいないのよ?と言われたと知った従者が、パミザを連れて行かなくても私が間の国にいるのか見てくるだけでいいよね?と教えてやったので、パミザを連れて行かなかったことにしておいた?』


『ありそう‥‥‥三番はパミザさんを第二王子のお相手だとしてやり、どんちきババアはパミザさんを第一王子のお相手だとしてやり‥‥‥』


『どんちきババアとお殿下さまによって、ナナセは一番のお相手だとされてしまったようだ‥‥‥』


『それでも三番は引っ込んだままなの?』


『私の予想では、それなのに、選んでもらえなかったような気分になっていそう‥‥‥』


『ナナセさんとしては、何のお披露目だったのか、って‥‥‥』


皆の視線を集めたフリュージは、申し訳なさそうに首を横に振る。


『ナナセは‥‥‥パミザと間の国の第二王子殿下が動くってことは、間の国の第一王子殿下?シタンのどなたか?って、嫁いでからの馬状況を知ろうとしていたようにしか‥‥‥』


『そう聞くと、軍の馬医って最高な職業なの?』


『三番が嫁ぎ先でもよさそうに思えるのが、ナナセという馬好き‥‥‥』


『そう聞くと、おタンポポさまとしては、ぜひとも塗り潰しておかないとな存在なのでは?』


私の予想でいいようなので、言ってみよう。


『ゼンマイどばか娘はファンシーな絵を描ける人材なので、ハイドランジア王国の王子であるミッタさまの女の子さんを象徴するとんでもきゃわいいマスコットキャラを生み出すように言うと、ラズベリーウサギちゃんを生み出した』


『あー!れってそういうのなの?』


『出発点はそこだったんだけど、ゼンマイどばか娘は独自に、一番の女の子さんを象徴するスイカライオンちゃんとかも生み出していったので、仲間?同じ世界の生き物?なマスコットキャラが増えていったね。合体怪獣の絵本を作らせたのは一番なんだよ』


『へー!』


『そこから、マスコットキャラ達の登場する絵本というより児童書なものを作るようになっていったので、ゼンマイどばか娘は作家さまとしての稼ぎを得ている』


『おー!‥‥‥となると、それをナナセさんの行いだったとして、結婚すれば作家業だけやって遊んで暮らすのよー?』


『どうせ、とんでも気に入らない行いだろうから、そういう使用法をされていそうだね‥‥‥三番は、はい研修生おめでとう!ってできたら放置していて、間の国の第二王子殿下という差出人名を使用していたお殿下さまから、間の国まで来いよ!なものがしつこく送られてくるようになると、どんちきババアも、間の国へ!などんちきをやるようになり、それでも三番が動かないでいるとヤマフジのおじさんが出てきて、ガーロイド・スオウなんてのがお忍びだって遊びに来てはパミザと会っているようなんだがいいのかい?間の国の第二王子殿下には右の国のお姫さまとの縁組みがあるそうじゃないか』


『おじさんはそういうのが大得意‥‥‥』


『三番としては、私が三番はどんちきババアだとしているせいで!と思ってそう‥‥‥』


『‥‥‥シアが何とかしておけよ?』


『思ってそう‥‥‥でも、そこは引っ込んでてくれていい‥‥‥』


『そうね‥‥‥』


『混乱させるよ?』


ミラナサーラは頭の中で情報を広げる準備を終えたらしく、小さく頷きながら言う。


『いいわよ?』


『私は、私が留学して西部で第一王子として出てきたお殿下さまが、東部に移動すると小さくなって第二王子として出てきたと思ってる』


『‥‥‥小さく、って靴?』


『第一王子だった時は、底のごつごつしたブーツ履いてて、だぼっとした服を着てたのが、第二王子殿下として出てくると、ぺたんとした靴を履いてて、だぼっとしてない服を着てたのと、髪が短髪になってた』


『そして初対面として?』


『そうだった。留学すると、王子なんて言ってるのになのが出てきたので、ダイジババアの王さまが対私な第一王子を出してきたんだろう、って思ってた。小さくなって出てきて、対私な第一王子の弟なの?って思いながら見てると、服装や髪で見た目の印象を大きく変えただけなのでは?と思うようになり、一回いなくなって、しばらくして出てくると、髪が伸びてるのに第一王子中とは違ってぼわぼわしてなくて、ぺたんとした靴履いてるのに大きくなってて、声も低くなってた』


『どんちきババアのように、同じ人物にしか見えないのに、第一王子も第二王子もやってる状態にってことよね?』


『そうだった。一時第一王子中となっても、変えたのは御印のブローチだけ。しばらくして出てきた第二王子中なそいつが言うには、第三王子殿下が第二王子殿下の御印のブローチをつけて東部で出てきたのに、私がゼルガルさまって呼んだから、第三王子殿下は第二王子殿下だってことにしておいたままでいたんだ、って』


『背が伸びる前のそいつを第三王子殿下だと‥‥‥背が伸びて、本物第二王子殿下ぶって出てきたのかと思えば、一時第一王子中になった?』


『さっさと気付け!俺がお殿下さまだ!』


『ってことなんでしょうけど、ダイジババアの王さまの言ってる通りだろ?がやりたいのではなく、どんちきババアにむしゃぶりつかれるのは俺だ!』


『ってことだったんだろうけど、私が医局の人員だけでなく軍の人員を動かすことにすると、お殿下さまは、三番に配属されたそうな軍の人員ぶって別人中バンラームにぴーぎゃー教え込んでいる』


『ヤマフジのおじさんととっても仲良し!』


『そこの繋がりが存在していないなんて、私には思えない。ジモッチ、ディアナさんはネムでお宿をやってるよね?』


ジモルルは嫌な気配を感じ取ったらしく、何かを警戒しつつ微かに頷く。


『ダイジババアね、ディアナ、って名なんだって』


ジモルルは大きく口を開けて無音で笑ってはいるのだが、顔の上半分は深刻さを増していく。


『ヤマユリのババアは、ダイジババアをジモルルさんの妹として利用する予定でいるのではないだろうか』


『ま、ダイジババアもヤマフジのおじさんと繋がってる気がするよなー』


フリュージが何かを諦めたように気の抜けた声を出すと、ジモルルは口を閉じて、ゆっくりと溜め息をついていく。


『タヤナンがネムに向かってくれたから、ガヤディーがダイジババアの名について話したんだろうね。アイビーはヒオネアの部隊としてネズに向かったから、ウイゼと合流できているだろう。ご機嫌取りに登場した女従者の名‥‥‥アイビーとウイゼ‥‥‥』


ジモルルは堪らず泣きそうに顔を歪めて俯き、フリュージとミラナサーラは、あらー、と笑ってやっている。


『ヤマフジのおじさんがダイジババアを間の国に押し付けたってことにするのかしら?』


『押し付けてやろうか?とやられた左の国の王が、どうぞ間の国へ!とやったので、ヤマフジのおじさんと仲良しこよしに過ごしてきた、ともできそうだね』


『そう聞くと、ヤマフジのおじさんが、間の国の次の王さまのダイジババアにしようとしているのがどんちきババア?』


『って思えるー‥‥‥ヤマフジのおじさんはお殿下さまと仲良しなのではなくダイジババアの王さまと仲良しなのであって、お殿下さまは今回もダイジババアの王さまによってきれいに省かれていたんですよー、お殿下さまは左の国の第二王子殿下に指示書を送り付けられていただけなダイジババアを守ろうとしているんですよー、え?何が起きているのかお殿下さまにはぜーんぜんわからないよー!』


『だって女の子と遊ぶことしかしてきていないんだー!』


『ダイジババアの王さまが差し出す首がお殿下さまであることに、変わりはない』


『そうね』


『どうせ、ヤマフジに乗り込んでこられたおじさんが、べたべたさんの隠し場所にしている宿に通してやって、ここを改装しようと買い取ったんだが、元所有者であるべたべたさんが体調を崩して大変だったんだ』


『どんちきババアは宿に手を入れさせてもらい、女主人にしてもらえたんだと思い込んでいそう‥‥‥べたべたさんを働かせてあげてもいいわよ!』


『そうして宿に無料で泊まることをさせてやるようにはなっても、まだまだ儲けは出せていないんだ』


『間の国の第二王子殿下との待ち合わせ場所にするといいと思ってね、とでも言われているからには、フリューゼンさん?』


『ほーら、間の国の第一王子殿下も遊びに来ているねー、とやっておいて、フリュージを第二王子殿下として差し出そうとしていたんだろう』


『そうだろうな‥‥‥』


俯いた先に赤子の寝顔があるのでは、フリュージも顔を上げることができている。


生きていけ、そう思わせてくれるというのに。

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