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シアの国  作者: 薄荷堂
魔女
92/106

92.ドンチギー

『どういうことが起きてたんだ?』


『ヤマフジのおじさんの愛人やってた三女が、ゼンマイどばか娘に文句なんてものを言いやがるどんちきババアの情報を出したので、おじさんはどんちきババアという存在を知り、おじさんの手下として働いているつもりになって買春しまくっていたヒイラギの次男が、どんちきババアをヤマボウシへと移動させてやったのではないだろうか』


『そして宿か』


『ルガさまとの待ち合わせだとして、どんちきババアに宿の宿泊手続きをさせると、採寸からしてくれる店へと降ろしておいて、ヒイラギの次男はその宿で女性と過ごす。放置されたどんちきババアは店を出て、ヤマフジのおじさんに遭遇されると、ゼンマイどばか娘と呼ばれてしまった、と私は予想している』


『これって、どんちきババアには、ゼルガル、という名ではなく、ルガ、という名だと思わせてある、ってことだよな?』


『そんなことで守っているような気になれるのが、ヤマフジのおじさんのような気がする』


『違いない、と思う‥‥‥間の国の第二王子殿下がゼンマイどばか娘に会おうと宿を訪ねることになっている、と聞けば、ゼンマイどばか娘の名で宿泊手続きをしようとするだろうな』


『三女はゼンマイどばか娘に手紙を持たせた』


『ルガさまからの手紙?』


『三女はゼンマイどばか娘に、間の国の第二王子殿下だとは言わず、ルガさま、とだけ言った。レンギョウ商会のお宿に泊まったルガさまが、レンギョウ商会のお嬢に手紙を残していってくれた、気軽にという行いではなく、嫌がらせをされているレンギョウ商会のお嬢を心配しての行いだ、こっちはどんちきババアに読ませてやるといい』


『そうやってゼンマイどばか娘からどんちきババアに説明させた、と。どんちきババアは、やはりゼンマイどばか娘と間違われていたんだってとこで、そーんなに似てるのねー!って、なる?』


『ってとこもね‥‥‥おじさんはどんちきの天才を見出した、なんて言いたくなる‥‥‥ヒイラギの次男は、また、どんちきババアを連れていっただろう』


『ゼンマイどばか娘ぶってたんだろうな‥‥‥今度はちゃーんとゼンマイどばか娘の名で宿泊手続き‥‥‥』


『その部屋をヤマフジのおじさんが訪ねてきて、聞いているゼンマイどばか娘と違うね?君はゼンマイどばか娘よりずーっと!と語っていく‥‥‥』


『ふっ!どんちきババアなのよ!』


『えぇ?君はゼンマイどばか娘じゃなかったのか!てっきりゼンマイどばか娘だと思っていたよ!だって王子がど名家所属ではないのにこうして会おうとするなんて、レンギョウ商会のお嬢だと思うだろう?』


『あー‥‥‥!腹立つ!ちゃーんと三女にもいい顔できるようにしておくんだ‥‥‥』


三人揃って荒んでくれては、ヤマフジ家当主というのは常日頃からそういった人物なのだろう。


『ヤマボウシで間の国の第二王子殿下に会うことができなかったどんちきババアは、間の国の第二王子殿下宛てに、いかにも偽名ですなプクリ・カスタードという差出人名で返事を書いて出したので、間の国のお手紙窓口はきちんと除けておき、除けておかれるようなのから見つけようとしている誰かは、おや?こいつ返事だとして書いていやがる‥‥‥レンギョウ商会のお嬢?だが、左の国か!』


『ゼンマイどばか娘ぶってるのかとなると、中を読まないことにはだな』


『その頃は、左の国から送るとなると間の国の王城までの送料が必要だろう、というのは第二王子殿下もわかっていたが、間の国の王子、なんて送り先のものでも受け付けてもらえるんだろうか?』


『そうだな。間の国だとすんなり受け付けてもらえるが、左の国で出すとどうなるのかがな』


『室長達に確認してもらうと、初回と二回目に送られてきたものは、ありがとね、に使っていた封筒や便箋が使われていた。内容は初回も二回目も、君が手紙をくれて嬉しいよ!となっていて、封筒ではお手紙窓口が差出人となっていたが、便箋には、間の国の第二王子殿下の側近、と書かれていたそうだ』


『封筒に入っている分には、他のありがとねと見分けがつかない、ってことか』


『ポストカードを返すことにされてしまってからも、やべぇの常連にはそれまで通りありがとねを返すようにしよう!ということにしておいて、封筒や便箋を確保しておくようにしたのではないだろうか』


『そこでお殿下さまか。お殿下さまに、文通相手達が送ってきた分を読ませてありがとねを書かせる、ということにしておけば、制度を変更しても、お殿下さまの担当分だとしておける』


『そうだね。お殿下さまとして日頃楽しんでいるんだから、楽しくない部分もやるように、とでも言ってやれば、お殿下さまは悪化させないためにだとして、第一王子殿下宛てのやべぇものには、第一王子殿下の側近、第二王子殿下宛てのやべぇものには、第二王子殿下の側近だとして、君が手紙をくれて嬉しいよ!な返事を書くようにだけしていただろう』


『だが、どんちきババアとしては、ゼンマイどばか娘ぶって一方的な文通を始めた、と』


『ヤマフジのおじさんは、誤解して悪かったね、自分は配達事業のヤマフジでのそこそこお偉いさんなんだ、どんちきババアの出す手紙についてはヤマフジの窓口で無料で受け付けるようにさせてやりたいんだが、どのような関係だということにしようか、と気色悪く迫り、お妃さま教育だそうなどべぐちゃり教育を始めただろう』


『愛人追加ー‥‥‥どうせ、ヒイラギの次男がヤマボウシの窓口で出してやって、それから宿の宿泊手続きだな』


『どんちきババアは、プクリ・カスタードへの分はヒイラギの次男が暮らす物件へ送るようにさせたいんだと、ヤマフジのおじさんにおねだり‥‥‥』


『ヒイラギの次男はどんちきババアの手下もやるようにな‥‥‥』


『どんちきババアは、どんちきババアへ送ってくれる分はだとして、間の国の第二王子殿下の側近という差出人名を封筒に書くようにと要求しただろう』


『違いを出せ、とな』


『だが、お殿下さまとしては、ペソン・カスタードという差出人名で送ってきたやべぇ手紙に対して、その名を送り先とするものも返すようになっただけだっただろう。室長のご自宅へ届いたものは、宛名がペソン・カスタードになってからも、封筒に書かれている差出人はお手紙窓口のままだった。それでもどんちきババアは、どんちきババアの送った手紙を読んだ上での行動だと解釈していただろうか?』


『小道具として使うために必要としていただけなんだろうな』


『そうしてどんちきババアは室長達には、プクリ・カスタード宛てのものを送ってきていたのはどんちきババアへの嫌がらせだったんだ、ということにしておいた。どんちきババアは、どんちきババアがゼンマイどばか娘に渡してやると言ってプクリ・カスタード宛てのものを受け取り、ゼンマイどばか娘から返事を押し付けられたと言って、プクリ・カスタードが差出人となっているものもヒイラギの次男に出させていただろう。三女を縛ってある物件には、三番とゼンマイどばか娘の交換ノートだそうなものが届いているようになっていた』


『どんちきババアのやってるゼンマイどばか娘が宮廷の門前から叫んだ内容か?』


『そうだった。そして、仕事中に訪ねてこないで交換ノートを使え、とも書かれていた』


『どんちきババアとヒイラギの次男の交換ノートなんだろうなー』


『三女が、ゼンマイどばか娘はこんなことしてない!こんなノート書いてない!と警察に持ち込み続けたが、同じように書いてあって、さらに追加されているノートが、何度でも届く‥‥‥』


『怪談だな‥‥‥』


『三女は、別のノートなんだよね?警察が渡してやってるんじゃないんだよね?となっていたが、ゼンマイどばか娘は、ゼンマイどばか娘こーんなこと言いたかったんだって!と笑っていた‥‥‥』


フリュージも苦笑いとなって言う。


『本人がそれなら、とも思わせてもらえるな。どんちきババアが叫んで書いて届けてとしていることを笑ってるのか?』


『叫んだ内容だとして、道でこけてしまったという出来事が書かれていると、そこにさらに、実は三日前にあーんなことがあって膝をやられてしまっていたからこけてしまったの、きっとあの道に何か仕込んだ誰かは間の国の第二王子殿下のお相手であるどんちきババアをどうにかしてやろうとしていたのに、それにゼンマイどばか娘が‥‥‥どんちきババアを守ってあげるにはどうすればいいの?なんていうものも書かれていたそうだ』


『どんちきババアによるどんちきババアのための交換ノートだというのが丸出し‥‥‥しかし、交換ノートなるものでゼンマイどばか娘から三番への情報の流れがあるものとできた、としているどんちきババアとしては、ゼンマイどばか娘が話した内容を三番が事実だと思い込んでいる、という構造を実現できたとしていた‥‥‥下書きか!ゼンマイどばか娘は宮廷の門前からこーんなこと叫んでるみたいなのよねー、とどんちきババアとして送るのにも、実はこんなことがあったんだよー、とゼンマイどばか娘として送るのにも使えるし、ヒイラギの次男にゼンマイどばか娘の行いだとして教え込むのにも使える。それをゼンマイどばか娘にも教え込むのに使っていた、からには、三番本人に、というのもやりたがっているのが、門前から叫ぶ?』


『どうせ、左の国の第二王子殿下に会わせろと要求されたヒイラギの次男がヤマフジのおじさんに泣きつき、ヤマフジのおじさんは、ゼンマイどばか娘に会わせてもらうのがいいんじゃないか、とでも言っていそうだ』


『言いそう‥‥‥それもあって、それまで通りゼンマイどばか娘を利用しまくることにして、ゼンマイどばか娘をやるように‥‥‥あとは、三番がここに立つだけだよ?』


『それね‥‥‥宮廷をレンギョウ商会の本所だとしてお手紙持参どんちきをやり、モクレン領の宿での行いが発覚して入れられた留置所で、第二王子殿下を呼んでください!』


『それって、三番の世界での、二番とゼンマイどばか娘の出会いだよな?』


『そう。実際にはどんちきババアが、パパは王子と会えるなんて知って、自分も会いたいんだがパパは会わせてくれないので、こうして宮廷に忍び込んで留置所に入れられた、どうしても第二王子殿下に会いたいの!と、王子さま信仰の開祖だと言われているそうなプクリ・カスタードだと名乗ったのに、使用している一人称はリンちゃんであり、こーんなに悪烈お嬢だけどレンギョウ商会のお嬢なんだから王子さまにだって会えるよね?!とお涙頂戴お語りをご披露したが、三番が出向いてやった、なんてことは起きていない』


『すでにそんなに作り上げて‥‥‥』


『ゼンマイどばか娘は三女に言われて、ゼンマイどばか娘が書いていない交換ノートにはこーんなことが!と三番に話していた。三番はゼンマイどばか娘に、どんちきババアなのかゼンマイどばか娘なのか区別できるようになるから、今度から宮廷を訪ねる時はミレットを使え、と言っておいたが、ゼンマイどばか娘は三番を訪ねようとしたことなんてない』


『‥‥‥門番?がいるのが、好き?』


『そういうの。わー!お城だー!という眺めを楽しみ、門番に、ここってお城なんだよね?お姫さまはいないけど王子さまならいるんだよね?と聞いて、そうだよ、と言ってもらえると、きゃ!っとなって立ち去るということをしていた時期もあった』


『門番は、ぜーんぶ見てきた訳だ‥‥‥』


『来た‥‥‥と思えば、ギドッチー!と叫び、リンちゃんという一人称や、レンギョウ商会のお嬢、お供部隊、手紙、ノートなどの言葉を使用しながら一人でわーぎゃー叫び続けて、連行されると、さっきのように留置所で騒いで過ごす』


『いつもなんだー‥‥‥バンラームを呼び出した?』


『身に覚えの無い三番は、バンラームが三番ぶってゼンマイどばか娘と異常恋愛しているんだな、なんて思ったんだろうか?』


フリュージは、小さく首を横に振る。


『ゼンマイどばか娘が宮廷の門前から叫ぶことを、起きている出来事だとしてやった。バンラームと異常恋愛しているそうなゼンマイどばか娘には別名を与えておいたので、どんちきババアがゼンマイどばか娘やっていいぞ、だと思える』


『もう自由使用されてしまってはいた。普段からレンギョウ商会のお嬢だと名乗って歩くような行いをせずにいろ、ということなのかもしれない。だが、ゼンマイどばか娘を安全なところへと除けておいたのではなく、どんちきババアのための舞台を整えてやった、としか私には思えない』


『まだ幕は上がっていないとしているどんちきババアと、まだ舞台に立っていないとしている三番‥‥‥』


あの頃、出会うことを待つ二人を前にして、皆の顔は曇る一方だった。








◇◆◇◆◇◆◇








『ヤマフジのおじさんは、間の国の第二王子殿下はお忍びで遊びに来れば、いつもヤマボウシ領でも宿泊しているね』


『それなのにどんちきババアが会えないのでは、どんちきババアが寝てる間に来てる、とかだろうか?』


私が片頬だけで投げやりに笑うと、フリュージは、すーっと遠くを見上げた。


心の準備というものを終えたフリュージの顔は険しく、こういう表情をするとフリューゼンそのものだ。


『起きているとどべぐちゃりたくなっちゃうから、寝顔だけ見て立ち去るようにしているんだろうね、やだー!どんちきババアってもう間の国の第二王子殿下とどべぐちゃることができるほどにお妃さま教育を修めているのー?な盛り上がりをしていそう‥‥‥』


フリュージは、ふっと微笑んでから顔の角度を戻す。


『‥‥‥ミラナサーラがおじさんに気に入られたのって、ど美人なのもなんだが、間の国の情報持っていたからなんじゃないか?』


『‥‥‥聞かれた』


なんだか、しんみりしてしまう。


『どんちきババアは配達の人員を待ち、受け取って確かめる行いをするようになったので、配達の人員には必ずママさんに手渡すようにしてもらっていたんだが、どんちきババアは隣に張り付いて確認してくる‥‥‥配達の人員が、プクリ・カスタードなんて宛名のものがあるんだと教えてくれると、どんちきババアが自分宛てのものだと言う‥‥‥』


『配達の人員は、渡すことになるわね‥‥‥』


『どんちきババアによると、左の国に旅行に来ていたお金持ちなんだろうなという女の子と知り合って、その子と偽名を使って文通することにしたんだが、これはどうしたことか!間の国の第二王子殿下の側近ですって?!』


『手紙くれて嬉しいって‥‥‥』


『文面がそれであり、封筒の差出人がお手紙窓口になっていたことからも、室長達は、こいつまた道で遭遇して文句言いまくって、お高い場所から文通してあげちゃうことにしたから、された女の子が第二王子殿下に助けを‥‥‥?でも窓口ってことは、こいつが窓口に送り、窓口が返してきたってだけ‥‥‥?と予想することができたものの、側近が書いてるの?というのが引っかかっていて、とりあえず、こいつが何か始めやがったぜ‥‥‥というのは、はっきりわかったそうだ』


『そうね‥‥‥』


『二回目に送られてきたものも、君が手紙をくれて嬉しいよ!だった。そして三回目に送られてくると、どんちきババアはそれを持ってどこかへと‥‥‥開封済みとなっているものを持って戻ってきたどんちきババアは、こーんなの送られてきたのよねー、とママさんに読ませてきた。そこには、ファーゼロッテ・ボロニアって間の国の第二王子殿下のお相手のファーゼロッテ・ボロニアなの?間の国の第二王子殿下のお相手のファーゼロッテ・ボロニアっていうのはね!なんて書いてある‥‥‥』


『おー‥‥‥そんなにもだったのね‥‥‥ヒイラギの次男が書いたもの?』


『便箋が急に違うものになったし、左の国の言葉で書かれているが、お相手なのでは特別待遇をということだそうだ。そんな部分や書かれている内容は受け入れているのにゼンマイどばか娘の嫌がらせだとしている、というところで、レンギョウ商会のお嬢だから間の国の第二王子殿下と一緒になってとしているのか?という予想ができたが、道で遭遇すれば文句を言われていたあの子は本当にレンギョウ商会のお嬢だったんだろうか?』


『文通相手だそうな女の子と同じく、どんちきババアによってレンギョウ商会のお嬢だとされてしまっているだけかもしれない、ってことね』


『そして、間の国の第二王子殿下のお相手なんてものを扱っている手紙を、窓口が送ってきたものだと偽装しているこいつだけでなく自分達も生きていられるんだろうか?』


『そこもね‥‥‥』


『室長達は、そういった可能性についてまず説明したんだが、間の国でどお嬢さまやってたのに左の国に逃亡してきたも同然でど庶民として隠れ暮らしているからって、どんちきババアはもう知ってしまったのよ?‥‥‥』


『偽装を続ける、と‥‥‥』


『室長は、間の国の警察に相談してくるから休みをくれ、と上司に相談した。行かないで!となった上司は、こそっと法律家に聞いてみた‥‥‥協力者がいるのが明らかであり、偽装したものを親に読ませて、こういうことなので間の国の第二王子殿下にお嬢さまとして差し出せ、なんて言ってるのでは、までしか言ってもらえなかったそうだ‥‥‥』


『犯罪組織よね‥‥‥』


『上司は、間の国のお手紙制度についてこそっと聞ける誰かを探した‥‥‥お偉いおじさん達の中には見つけることができなかったが、私がいた。間の国って王子さまにお手紙書いたら返事が来るのかな?と聞かれた私は、レンギョウ商会の会長から聞いたことはあったが、会長も実際に送ってみたことはないということだったので、間の国に行って送ってみるね、と言っておいた。上司はそれにより、待っていよう?と室長にやっておいたらしい。情報を持ち帰るために一緒に来ていたオオデマリの長男さまが西部から送ってみると、ありがとね、というものが返ってきたので、それを見本として持ち帰ってもらったのと、第二王子殿下がお手紙制度について詳しく教えてくれたので、その情報も持ち帰ってもらった。すると、誰が書いていたんだろう‥‥‥本当に第二王子殿下の側近?』


『なったでしょうね‥‥‥』


『室長達は、封筒を開けるところからやらせろ、と言っていたが、どんちきババアが読ませてくる偽装お手紙にしか見えないものは、いつも開封されていて、便箋が初回と二回目とは違うもので、左の国の言葉で書かれていた。警察を頼ろうかと悩んでいると、どんちきババアが知り合った子というのは間の国の第二王子殿下の側近をやっている女の子だったので、そのことを知ったゼンマイどばか娘が間の国の第二王子殿下を巻き込んで嫌がらせしていたみたいだ、これからはその女の子と文通するので、ペソン・カスタードという宛名に送ってくることになった、と語られた』


『おい‥‥‥』


『思うよね‥‥‥どうやってその情報のやり取りをしたんだ、と思わせてくれやがっているどんちきババアは、ほーら、どんちきババアの言った通り、ゼンマイどばか娘による嫌がらせだったでしょ?な態度‥‥‥』


『質問してくれちゃっていいのよ!』


『そうなってるどんちきババアを前にして、ママさんは、したくない‥‥‥しないことでこういう手口を通用させてもらえるなんて思われたくない‥‥‥送れば返ってくるお手紙窓口に送っているのなら、こういうの勝手に言ってることができるよな‥‥‥封筒は持ち帰ってきてくれたものと同じものにしか見えない‥‥‥こいつがこう言ってるってことは、もう、送ってくる‥‥‥それも、どうせ偽装する‥‥‥』


『そう思えるでしょうね‥‥‥』


『どんちきババアによると、ママさんがど名家お嬢さまなので、半分どお嬢さまであるどんちきババアはお嬢さまということになるそうだ‥‥‥左の国では、そんなことにならない‥‥‥』


『‥‥‥間の国でも、そんなことにならない』


『そんなどんちきババアは、これほどまでに見た目と中身が備わってもいるので、間の国の第二王子殿下のお妃さまとなるのに申し分ないそうで、あとは第二王子殿下に差し出すだけなんだが、ど名家お嬢さま達を蹴散らすことになるので、第二王子殿下がどんちきババアを心配して、側近という形でどんちきババアを側に置こうと考え、側近という形で文通相手の女の子を側に置くことにしたんだが、それはどんちきババアを手元に置くためであって、その女の子はきちんと側近の仕事をしているし、どんちきババアにも側近として働いてもらえたらとは思うんだが、あまり人目にさらすのはと、そこでも心配しているそうだ‥‥‥語り終えたどんちきババアは、いつものように立ち去ってくれた』


『そういう時だけ来るの?』


『ママさん達にはそう思えていたが、家の中でママさん達に会うことがなかっただけだそうだ‥‥‥ペソン・カスタード宛てに送られてくるようになると、宮廷の門前でお手紙持参どんちきをやり、モクレン領の宿での行いが発覚すると、留置所で暮らすようになった。室長達は警察を頼り、留置所から出てきたどんちきババアがヒイラギの次男の自宅へと戻ったことや、ヒイラギの次男の自宅で暮らしていることを確認すると、ヒイラギの次男にどんちきババアを養子に迎えさせて、どんちきババアの荷物をすべてヒイラギの次男に受け取らせ、領境の向こう側へと引っ越し、自宅を手放した。ペソン・ドンチギー』


『え?』


『ヒイラギの次男は、本物ヒイラギ家から養子に出される時にサンヤレッテになり、宮廷近くの支部へと移動して下っ端な階級になっていた。モクレン領の宿での行いに続きヤマボウシの宿での行いも明らかになると、警察を解雇されたんだが、三番は残せと煩い‥‥‥三番によると、ヒイラギの次男に仕事を任せたりしていない!』


『残っててもらわないと、どんちきババアとの出会いをね?』


『すでに解雇されたのを残せなんて言うのでは、そういう理由だと思えるよね?サンヤレッテが養子に出された先が、三番がサンヤレッテを受け取るかサンヤレッテをドンチギー家所属にしろよ!とやると、サンヤレッテ・ドンチギーとなったんだが、三番がヒイラギという名を与えてやったので、サンヤレッテ・ドンチギーはヒイラギの次男のままなんですって‥‥‥』


『三番のせいじゃないからな、でそこまでやる‥‥‥?』


『ヒイラギの次男の手引きによってどんちきババアに出会う、可能性、というものを楽しんでいるんだろうか?』


『そういうのじゃなさそう‥‥‥』


『サンヤレッテ・ドンチギーは、私によって三番の使い走りという役職に就けられたんですって‥‥‥』


皆で溜め息をついているというのに、この人達は違うと安堵する。


『三番としては、しめしめだよね?』


『そうね。絶対辿り着けない場所に辿り着くためだとして三番に寄ってきてくれる。宮廷医師にならせてやった人材を間の国になんて、って予定だったのかしら?』


『ってところで、医局の先輩としておホワイトさまだそうな第二王子を生み出しておいたのかな?』


『おホワイトさまだって第二王子だぞー、いやよー間の国の第二王子殿下に差し出してー、どんちきババアはまだおホワイトさまを超えていないだろー』


『そういうの‥‥‥間の国の警察がどんちきババアを連行していった』


『何が起きたの?』


『どんちきババアから間の国の第二王子殿下への荷物が、左の国の配達事業から間の国の配達事業へと引き継がれる配達物の中から見つかった。間の国の警察が荷物を開けてみると、中身は女の子な服で、添えられていた手紙には、お相手なんだから持参してよ!ど名家お嬢さま達を蹴散らしてあげるから、これを着せたらそのままお相手として連れていって!持参してくるとまずどべぐちゃり、馬車の中でもどべぐちゃることになるから、これを着せるのは間の国の王城でどべぐちゃってからでもいいわ!な内容が書かれていた‥‥‥』


『すご‥‥‥』


『交換ノートによると、どんちきババアはヒイラギの次男にヤマボウシの店で服を作ってもらい、ヒイラギの次男が、そうだ!間の国の第二王子殿下から送ってもらおう!ってどんちきババアの名で送ったので、とっくに本物ヒイラギ家から排除されて警察を解雇されていた次男は、その時養子に出されて警察を解雇されたそうだ‥‥‥』


『自供‥‥‥』


『三女はいつものように左の国の警察に持っていったので、左の国の警察がヒイラギの次男に話を聞いた。そんなノートがあることを初めて知ったそうだ‥‥‥』


『そこについて供述するの?』


『三番とどんちきババアにそんなに信用してもらえていないのかな‥‥‥子供の恋だとは思いますよ?でも、そこを茶化したり言いふらしたりしないのになー』


『‥‥‥犯罪組織所属員』


『三番の世界という言葉を初めて使ったのは、ヒイラギの次男』


『三番というのはこーんな人物なんだー、とお解説?』


『そうなって、おまえ、自分が何を言ってるのかわかっているのか?と聞いてもらえると?』


『ゼンマイどばか娘が言ってる!』


『それ‥‥‥三番が三番の世界を作り上げているということは、宮廷勤めをしているみーんなが程度はそれぞれだが知ってはいて、誰だったかとなると思い出せないが、ヒイラギの次男も聞いたことがあったそうだ。そこで処刑してやればよかったのに、三番はクリームパン論争を‥‥‥三番は、バンラームにクリームパンについて語ればバンラームがクリームパンを買ってきてくれることを知っていて、バンラームにクリームパンについて語っている。ウツギ家四兄弟がそれぞれ主張するクリームパンの製造法を三番は信じているのかとなると、それらしきものができそうな気はしていて、四人も、そんなようなのができるかもな、くらいの気持ちで言ったのであって、嘘を教え込んで笑ってやろうというものではないはずで‥‥‥と悩む三番を前にした一番は、こいつをどうにもしてやってはならないように思えてしまったそうだ‥‥‥』


『大事に育てられたんだなー、とは思うけど‥‥‥』


『三番の判断によって死んだことにはならなかったが、三番の判断によって犯罪者とならなかったことにはなったのではないのか?そしておまえは、もういくつなんだっけ?と聞いてみると、一番は何も言ってくれなかった』


『王子ってもっと、守ってもらえる?後ろの方に立たせてもらえる?ものかと思ってた』


『王が三番をどう使おうと思っているのかとなると、王の意向というものの範囲外にいる王子、なのではないだろうか、と言ってみると、一番は絵本を読み聞かせてきた‥‥‥やたら明るく、悪意なんてものが存在しない絵本‥‥‥私はどす闇絵本を作って一番に読み聞かせた。道で出会った狸が、お腹を触らせてよ、と言ってきた。どうする?』


『逃げる‥‥‥』


『しかし、回り込まれ、お腹って言ってるのはお腹のこの部分で、触るってこーんな風にだよ?と説明された』


『逃げる‥‥‥』


『しかし、回り込まれ、狸は狸が言っていた通りのお腹を触るを実行したら立ち去った‥‥‥どうする?』


『山狩りという判断をするか、とかそういうのよね?』


『そうだね。一番は三番に、ヒイラギの次男って呼ぶのやめよう、と話したが、やっぱりあげないねってやるのか、というね‥‥‥会うな!』


『そうよ!』


教育方針なんてものに分類しようにもできない私は、ビュードノーアにとって口煩い老婆だったのだろう。








◇◆◇◆◇◆◇








『荷物を送ったことは認めなかったが、間の国の第二王子殿下のお相手を自称したことにより前科者となったどんちきババアは、左の国に戻ってくると、早速留置所暮らしを開始したそうだ』


『今度は何?』


『他所のお宅の玄関扉をがったがたやって応対させると、屋内へと侵入しようとして家人に止められ、越してきた孫です、どんちきババアの部屋まで使ってませんよね?と言いながら侵入しようとして止められ、追いついてきたヒイラギの次男も侵入しようとするのを止められていると、警察が駆けつけてきて、二人共連行されたそうだ』


『祖父母の自宅だと思ってるお宅に侵入‥‥‥?』


『どんちきババアのその犯行の連絡を受けたのは室長だったが、連絡しに来たのはヤマフジの領地としての役所の人員だった‥‥‥』


『‥‥‥迎えに来てやってくれ、って?』


『ドンチギー家には連行された二人しか所属していないので、誰が迎えに行ってやるかとなると室長にしか頼めないそうだ。室長は、警察は誰にも連絡できずにいるから役所が室長にってことにしたいんだろうな、とは予想できたが、怪しすぎる‥‥‥』


『上演中‥‥‥』


『そう思えるよね‥‥‥室長は、ボロニアは無関係を貫く、とだけ言っておいた。すると三番に呼び出された。三番によると、どんちきババアは室長達を追い出し、一人で自宅に立て籠もっていたそうだ。そんなことになっている室長達は、説得のために自宅へと通う毎日だったそうだ。次男さまが教育係を寄こすなんてことは、隠しておかないとならないことだったそうだ。次男さまがレンギョウ商会と協力して囲い込んできているようで怖い、だから返事を書きたいの!とやったんだが、室長達に反対されたそうだ。そこに教育係をと連絡が来たので、室長達を巻き込まないために室長達を追い出したそうだ』


『間の国の第二王子殿下ご本人だなんて思っていなかったのよー?』


『三番によると、どんちきババアを祖父母の自宅に移した室長達は、どんちきババアは引っ越すのでもう送ってこないでくれ、と手紙も荷物もすべてルガさまに送っておいたそうだ。室長が、ルガさまって誰?荷物って何?と聞くと、三番は中庭眺め眺めを開始‥‥‥』


『室長が持ってなかった情報まで出してしまったわね』


『しかし語ることは続けた‥‥‥するとゼンマイどばか娘が、間の国の第二王子殿下が店で見かけては買ってしまっていたものをどかっと送ってくれたんだよ!と室長のご自宅を訪ねてくるようになったそうだ』


『ゼンマイどばか娘も間の国の第二王子殿下だそうな人物に騙されてるんだー?』


『室長もそうなるのかと思ったが、そこで終わったそうだ。これだと、内密にだとして役所の人員が聞かせてきた供述内容をそのまま話した、とも?』


『そうだとすると、そういう情報の入手経路だとは言わなさそうね』


『役所の人員に聞かされた内容にはまだ続きがあって、そこには三番が登場していたとすると、役所の人員が言っていたものに登場する三番の行いを室長は事実だと思ってるの?な会話を、室長より立場が上な人物ぶってしたかったのに、ルガさまについて質問されてしまい、そこについては室長達も知らないってこと?と判断が難しくなり、断念?』


『三番が室長に迎えに行かせようとしてくれそうな情報を聞かされていそう、とは思う』


『室長も、そういったものを聞かされていそうなのにこれだけ?室長に迎えに行かせようってことではないんだよね?と思えたので、これからもボロニアは無関係を貫きます、と言ってみると、三番はほっとした様子となり、そうか、と言ったそうだ』


『どんちきババアは、役所の人員の語った内容の続きなものをどんちきやったの?』


『侵入したお宅の周囲をうろついては配達の人員を捕まえて、配達しようとしているものを確認させるようにとどんちき騒いでいたが、住所を言わなかった。ボロニアの孫なんだから配達物を渡せ!越してきたんだ!なことをひたすらどんちき騒ぐ‥‥‥』


『強盗よ‥‥‥ボロニア家に所属しているままなどんちきババアは祖父母の自宅に移りましたからねー』


『そういうことだったんだろうね。プクリ・カスタードだのペソン・カスタードだのという差出人名を使って間の国のお手紙窓口と文通していることにしているペソン・ドンチギーは、間の国の第二王子殿下のお相手を自称して前科者となった、と室長の元自宅や祖父母の元自宅のある地域で周知させた』


『そうよね‥‥‥まだまだ偽装しては胸糞劇を上演し続けるつもりよね‥‥‥』


『王子という立場にいる三番が、どんちきババアのような人物を妃に迎えるには、徹底的に覆い隠してやるしかないだろう。とは思う。だが、どうも違う』


『本命であるナナセさんを隠しておきたいんだということを隠しておきたかった?』


『隠しておく相手がヤマフジのおじさんのような領主を務めている人物では、ほーら!私が阻んだ!無理だろー?』


『腹立つ‥‥‥けど、そのくらいしないと、というのは知ってる‥‥‥』


(やっと、帰れるね‥‥‥)


ギドロイもまた、塗り潰され続けてきたのだろうか。


『おばちゃん達の休憩所だそうな場のソファーとか、買ったことになってる店内ではどんちきババアがギドロイって呼びまくってて、さらに三番の名で領収書なんてものをもらっていた。だが三番は、それ以上調べさせてくれなかった』


『ヤマフジの店?』


『そうだった‥‥‥どうせ、買春しまくってたことにされてる‥‥‥そういうのを、どうするんだろうね‥‥‥』


理想を掲げて王子であろうとするギドロイは、いつでも最前で対峙してやってきたのかもしれないが。


どうか、そう願ったところで、そう思わせてくれ続けているのがギドロイなのでは。

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