90.三番の世界
馬を帰宅させると、ジモルルも自分で歩き、ハイヒールの音がこつこつと響いていて、なんだか楽しい。
(ん?あ、音がね)
『男性用の靴と、もこもこ靴下ならあるよ?』
私がリュックからもこもこ靴下を取り出すと、ジモルルは受け取り、ハイヒールから履き替えていく。
大きなバッグを抱えるミラナサーラから籠を受け取ると、お宿の通用口を目指して歩き出す。
『ミレットって、何か有名な名なのかな?』
『ミレット‥‥‥ミレットさんってお話なら知ってる。妖精?的な‥‥‥見守ってる子が寝てるとベッドで添い寝して、いい子になーれ、もっといい子になーれ、って、おまじない?魔法?をかける?籠める?から、見守ってもらってる子はとってもいい子なんだー、って内容だったと思う。いい子だから一人で眠れるよね?な使用法』
『いなくなる‥‥‥三番にミレットを与えられると?』
『おまえは三番の女だったんだからな!』
『行っちまえ?』
『私には‥‥‥おまえがいてくれないと、三番はいい王子になれないだろうが!に思える』
『三番のベッドにいろ?』
『そっちよね‥‥‥おまえは、三番のベッドにいるんだからな!』
『そっちかー‥‥‥そういえば、三番って、肉体関係です!を武器にしないよね』
『どんちきババアを知るとね‥‥‥みーんな常識人みたいに思えてくる‥‥‥』
『どんちきババアは間の国の南部に、両親と断絶中な母方の祖父母がいるそうで、母方の祖父母のところに、どんちきババアへの手紙をレンギョウ商会の本所に送ってしまったと連絡が入ったんだと、母方の祖父母の何だかな誰かから連絡が入ったそうだ』
ミラナサーラは、頭の中で情報を整理してみたようだが。
『‥‥‥どこもかしこも指摘したくない。出せよ、ってことよね?』
『門番達もそう思い、無視し続けた。いなくなってくれた‥‥‥またやってくると?』
『配達しに来るのを待ち構えて、調べさせろ?』
『ゼンマイどばか娘の名を使わせてもらったんですが、来てますよね?』
ミラナサーラは、愕然、という表情を見せてくれると、いくらでも沈んでいく。
『‥‥‥何もかも、説明なんてことをしてやりたくない』
『ゼンマイどばか娘が開けて読んだから出せないんじゃないですか?』
『次男さまからゼンマイどばか娘になんて送るはずないでしょ?をやりたいの?』
『届いたものをそのまま入れてどんちきババアに渡すための封筒が、次男さまから届いていますよね?』
『ゼンマイどばか娘をそんな扱いする次男さま‥‥‥』
『門番は無視し続けた。すると?』
『それ以上があるのかと思えてしまうの‥‥‥』
『またやってきて、消印の無い手紙を地面に置きやがった』
『次男さまがどんちきババアの自宅に直接届けにきたんだって思わせたいのか?』
『とでも思わせたいんでしょうが、ゼンマイどばか娘に返しておいてもらえませんか?』
『ゼンマイどばか娘が書いたんでしょ?ってこと?』
『朝になったら届いていたので、配達事業の人員が届けたのではないそうで、いつもと字がまったく違うそうで、差出人の住所がレンギョウ商会のお宿の何号室となっているので、そこを訪ねさせようとしているんだそうだ。門番が持ち帰るようにと言うと、どんちきババアは、レンギョウ商会はゼンマイどばか娘を放置するのかだのと色々色々それはもう色々言ってから、嫌そうに封筒を拾い、去っていった』
『また来そう‥‥‥』
『どうして教えてくれなかったんですか?!選定人が呼び出してたのに‥‥‥』
『おまえが勝手に‥‥‥』
『またやってくると、次男さまが時間をかけて選定することにしてくれたので、選定人はしばらく滞在することになった、自分で何とかしなければならないのが選定人の試験なんだとわかっているが、紛らわしいのでゼンマイどばか娘を大人しくさせておいてくれ、と笑顔‥‥‥』
『ずーっと嫌がらせするね!』
『だと思えたね‥‥‥それ以降レンギョウ商会の本所だそうな場所にやってくることはなかった』
『ど‥‥‥まさか?』
『宮廷!』
『わーお‥‥‥これから何しても、それは嫌がらせしてくるゼンマイどばか娘への反撃だと思ってくれますよね?』
『そういった確認作業を終えた気分になっていそうで、あれもこれもゼンマイどばか娘の行いなんだとされそうで、何をどう対策すればいいんだ‥‥‥となっていたゼンマイどばか娘の両親は、ゼンマイどばか娘を連れて自宅近くの警察を巡り、こいつがゼンマイどばか娘です!と見た目を覚えてもらう方法を実行した』
『まず区別できてもらわないとね』
『どんちきババアの両親はどんちきババアを連れて警察と一緒に宿を巡り、そのような出来事があったんだと話し、こいつはどんちきババアですので、とやっていると?』
『‥‥‥どんちき騒いでいたの?』
『モクレン領の宿のフロントに一人でやってきて、どんちきババアと室長の秘書の名で宿泊手続きしようとした女の子がいた。従業員が、もう一人はどこに?と聞いてみると、まだ馬車に乗ってて、もう少し周囲を見て回ってから戻ってくる、と女の子は答えた。手続きはその人にと言ったんだが、女の子は自分が手続きをすると言い張り、利用を断ると、御者と別行動することになるんだとわかるだろう、といったことをこそこそと言った』
『巻き込まれたくない‥‥‥』
『やはり利用を断ると、女の子は外へ出ていったんだが、馬車から女性が降りてきて、二人でフロントへと戻ってきた』
『室長の秘書ではない女性、ってことよね?』
『そうだった。利用を断る、立ち入らないでくれ、と説明して追い出そうとしていると、御者が話を聞こうとしてきたが、警察で話を聞いてもらってくれ、と言ってやると、三人で逃げていった。その時の従業員に確認してもらうと、女の子というのがどんちきババアだった』
『その行いを、ゼンマイどばか娘からの嫌がらせお手紙に従っていたんだと思わせようとした?』
『室長達も、そういった思惑なんだろうと予想していたね。室長の秘書はすぐに被害を申告し、調べてもらうと、どんちきババアと室長の秘書だそうな二人組が利用している宿が、ヤマボウシで見つかった。その宿でも、女の子が一人でフロントに来ては、どんちきババアと室長の秘書の名で宿泊手続きをして、一回出て行くそうだ。女性がいかにも荷物持ちをしていますよな男性と一緒に来て、どんちきババアはもう部屋に入っているかと聞き、鍵を受け取るそうだ。女の子が戻ってくると、ゼンマイどばか娘の名で宿泊手続きしようとして、子供一人での利用は断っていると言われると、レンギョウ商会のお嬢なのに?なことを語ってから、どんちきババアの名で手続きした分の鍵を渡せ、と言い、渡さないと言われると、客の顔を覚えもしないのかと語ってから、室長の秘書を呼ぶように言うそうだ。室長の秘書だそうな人物を呼ぶと、室長の秘書だそうな人物はどんちきババアのことをゼンマイどばか娘の名で呼んでいたのに、この子がどんちきババアです、と言って部屋に連れていくそうだ』
『これが、いつものことなの?』
『用意しておいた供述だと思えるよね?初回は、室長の秘書だそうな女性も近くに立ってどんちきババアが手続きしているのを見守っていたので泊めてしまい、それ以後は利用を断ろうとしたり、先ほどの男性は建物から出たのかと確認しようとしたりしたんだが、大店のお嬢さまぶって宿という商売についてご高説となるので、嫌々泊めていたそうだ。どんちきババアが部屋に入ると、室長の秘書だそうな人物は男性と一緒に出てきて、どんちきババアは男性が苦手なのでと、荷物を置こうと男性が立ち入ってしまったそうな部屋を一度掃除するように言ってから出ていき、もう戻ってこないそうだ』
『実際には三人で一部屋を利用しているのに、ってとこに注目させたいんだと思える』
『レンギョウ商会のお嬢とあってはという理由で泣き寝入りしてきたんですよ!な態度‥‥‥これで断れる!と喜んでいたが、その宿は、ヤマボウシの領主さまによって排除された』
『何これ‥‥‥怖い』
『ゼンマイどばか娘の両親は、こんな風にゼンマイどばか娘の名が悪用されてしまっている、どんちきババアにもヒイラギの次男にも三番にも関わらないようにしてほしい、と話した。が‥‥‥となった』
『両親に隠れて宿を利用していたのを、ゼンマイどばか娘の行いだってことにしたいんだろうな、というのと、室長の秘書という方も、やり返しますからね?なことされてたの?』
『ゼンマイどばか娘が三女とそんな行いをしていたのを宿がごっちゃにしているんだろう、と言っている三番に、ゼンマイどばか娘はどうして室長の秘書の存在を知れたんだろうか、と聞いてみると、三番は中庭眺め眺めをしながら、どんちきババアが室長の愛人だって言ってるんだろ?』
『何それ‥‥‥犯罪集団よ‥‥‥』
『ゼンマイどばか娘、間の国の第二王子殿下、という呼称を悪用している』
『それ‥‥‥間の国の第二王子殿下が別人としてどんちきババアに会いに来たことにする、から、キリ卿?学問所のに来てたのだと、兄‥‥‥だそうな宮廷勤めをしている誰か、をどのようにか使用するつもりだったのよね‥‥‥?』
『その頃はリタジオードさんはまだ宮廷勤めをしていなかった』
『三番とどんちきババアは生まれる前からの幼馴染だそうだから、兄って三番のこと?って思うと、兄じゃない!ってキリ卿にしてやったんだー、というのが胸糞多重構造に含まれているように思える』
『キリ卿、というのを追加するだけの理由があったんだー、と語りまくってくれるだろうね‥‥‥学術所の三年次で止まるなんてことをどんちきババアがするはずないでしょ?!』
『ってところで、どんちきババアをヒナタだそうな子にできるはずないよな?というのが‥‥‥手っ取り早く、リタジオードさんを間の国の第二王子殿下だとしてどべぐちゃる、ってのはどんちきババアがやりそう‥‥‥キリ家当主を間の国の第二王子殿下だとはできないよな?と、どんちきババアを追い込んでやったご気分に?』
『王子ならではの盛大なおいちゃこら‥‥‥どうぞ、キリ家の皆さまで三番を殺してください!』
『思えるわー‥‥‥』
『俺は、キリ家や間の国の王家で認定してもらってこいよ!というのも含んでいると思える』
『腹立つー‥‥‥そこまでぬるぬる導いてやって、行ってこい‥‥‥待ってるわよね?』
『三番がキリ家や間の国の王家に寄って行かせてくれるのよね?とやってもらおうと思ってると思えるし、お三番さまの認定をもらいたいのなら、お三番さまに寄ってこいよ!と思ってると思える』
どのようにして引きとめればいいのかと、そのようなものだと思ってやれない。
王子として利用されてやっていた、そのようにも思ってやれない。
生まれながらにして持つ権力を振り回すギドロイは、存分に王子だった。
◇◆◇◆◇◆◇
『どんちきババアによると、ボロニアは辿れば王家』
『‥‥‥キリ家って聞いて、どんなのかわかるの?って思える』
『左の国として保護されるって、どんなの?』
『よろしくない例えなんだけれど、その子以外の皆さんお亡くなりになど名家?』
『そういう、生まれがど名家だったのにボロニアにー、とかの方がよくない?って思える』
『思える。から、ボロニアにしがみついている?パパさんが大躍進な大事な人材でもないと、こんなにどんちき騒いでいられない、って思って、は、いなさそうよね‥‥‥』
『ミラナサーラが生まれる前は、ママさんは王子さまに仕えていたんだけれど、そういったものは言葉にするものではないからね、とママさんの仕えていた王子だそうな人物から聞いてしまうと?』
『王子から聞くって部分で一気に‥‥‥なんだけれど、私の知らない母親ね、と思った。え?ボロニア生まれのボロニア育ちという部分は、どんちきババアが知っている?覚えている?部分なので、変えようがない?ってこと?』
『ミラナサーラは赤ちゃんの頃に、赤ちゃんな王子さまと一緒に転がしておいてたら、一緒にお昼寝してたんだってー!』
『えー‥‥‥?あ、否定で‥‥‥えー‥‥‥?えー?こういう胸糞悪い鬱陶しさをってことに?』
『どんちきババアがされていることは嫌がらせだって思ってくれるわよね?とやる際にも、どんちきババアが知らないからって隠さないで!とやる際にも使用できるものをきちんと選んでいるように思える。どんちきババアには否定できないそうなで、そう聞いたんですと嫌がらせ。実家と断絶中だからって隠さないでよ、と両親の言っている内容を受け付けない』
『手口よ‥‥‥』
『どんちきババアの両親が知っている範囲では、ボロニア家もママさんのご実家も、左の国出身な皆さんで構成されているらしい。どんちきババアを連れて間の国に旅行に行ったというようなこともなく、自宅には間の国の地図だとか、間の国について情報を得ることができるようなものは、何も無かったそうだ』
『両親としては、どうやって次男さまという存在を知ったのかとなると、誰か他所の人から、ってことね』
『どんちきババアによると、間の国の第二王子殿下の側近だそうな人物からの手紙には、間の国の南部にどんちきババアの母親の実家があり、どんちきババアの両親とは断絶中なんだ、といったことが書いてあったので、それを読んだ両親も、本当に人違いしてるの?と思っていたそうだ』
『両親公認で嫌がらせしてまーす、というのが両親のいない場所でのどんちきで、両親には両親だけに向けたどんちきを、とやっていたのでは‥‥‥』
『どんちきババアの両親は、便箋も封筒もお金もどんちきババアに与えないようにしていたが、間の国の第二王子殿下の側近だそうな人物から手紙が送られてくる、というのが当時の現状だった。手紙というのは、自分が言いたいことだけ書くものではあるよね?』
『返事を書く、という手順を実行していないのに、送られてくるんだー?』
『両親には、こーんなの送られてきたのー、と見せてくれる行いが、だから嫌がらせするわね?な行いだと思えていたし、どんちきババアはなーんにもしてないのに送られてきたわよね?な行いだとも思えていた』
『どんちきババアは関与していませんよ、と』
『書かれている内容は、どんちきババアとはこういう人物だってことにしようね、なものばかりで、両親に読ませるためのものだと思えたそうだ』
『胸糞多重構造に組み込まれている小道具‥‥‥ゼンマイどばか娘とどんちきババアって、どんちきババアがゼンマイどばか娘に寄って行って、だったのよね?』
『間の国では、王子さまに手紙を送ると?』
『ありがとね、なものが返ってくる?』
『子供が描いた絵に、王子さま大好きー、みたいな一文が添えられているものは受け取りたいけれど、あそこの道路何とかならんのかねー、みたいなものは王子宛てに送ってこないでほしいなー‥‥‥と思うものだよね?』
『そうね』
『そこで、送ってくれると、宛先となっていた方のお誕生月に、皆のおかげで素敵な一年だったよ!なバースデーカード的なものを返しますよ、という制度に変えてしまうことを提案した』
『ありがとねが返ってきた、自分が送ったものを読んだな、という手応えを毎回与えてやらない、ってこと?』
『そうなれば、この道!と思った次の行動の候補から、王子に手紙を書く、というのを除外してもらえるのではないだろうか、と考えた。専用お手紙セットという、購入する際には住所や氏名を申告する必要があるものを導入することも提案した。専用お手紙セットを購入した窓口に、書いたものを持っていくと、窓口の職員が購入者リストを確認して、使用している専用お手紙セットにあるシリアルナンバーと差出人の住所と氏名が合致していれば、では受け付けました、となる』
『確かにバースデーカード的なものを届けるんだ!』
『というものだとするが、王子に上から目線で説教しているような憂さ晴らしお手紙や、日時や場所を指定して待ってますなお手紙を、送れるものなら送ってきやがれ、というもの』
『そんなのもね‥‥‥ありがとね?』
『そういった、うーん‥‥‥なものであろうと、ありがとね、というものしか返ってこないものだ、という制度としていたようだね。苛烈なものを送り付けてくるような人物を警戒するためには便利なようにも思えるが、手紙を送りつける程度のことしかしない人物だったり、予告状だとして楽しむ人物だったりというように、その制度を、ありがとね、というものを返してもらえるようなものを送らないことに利用されているんだから、何とかしようとしろよ、と言ってみると、そういう人物は専用お手紙セットを使わずに送ってくるだろうから、ぱっと見分けがついてよさそう、と検討してもらえることになった』
『左の国でも?』
『きちんと集計してみたことはないんだが、左の国からのお手紙というのは、ほぼ、無、だと認識していて、間の国って王子さまにお手紙書けるんだよー、本当にー?と旅行客が書いて送って、返事がきた!帰ろう、なものでもある、と教えてもらった』
『返事の内容を待つのではなく、返事が来るのを待つもの、って思うと、誰かが別の誰かとして送っていそうな気も‥‥‥』
『ほーら!間の国に旅行に行ってただろー?』
『できそう』
『明らかに偽名、というものや、こんな名でも返事くれるの?という行いだと思えるものもあって、制度を見直したいな‥‥‥となってはいたそうだ。間の国で暮らしている皆さんにとっては、そんな制度あるよねー、なものなんだろうなって思ってて、送ってくるとなると、説教お手紙だとか、今日はたくさん釣れたんだよーだとか、うちの息子の嫁が!だとか、王子はいいよねーだとか、妹が生まれたんだよ!だとか、ありがとね、なものばかりではないけれど、愛されていると表現してもよさそうな存在だと思わせてもらえるものなんだ、とも教えてもらった。全部読んでるの?と聞いてみると、そういった部署があって、王城内にある貼り出すスペースに貼り出してあるものについては読んでいる、と教えてくれた。まあ!レンギョウ商会のお嬢さまから!王子!読んで!なんてことは起きない出来事であり、貼り出してあるものについても、差出人はわからないようにしてあるそうだ』
『誰からの、と識別せずに、丸っと受け取るものだってことよね?』
『そうだね。国外から旅行で来た皆さん向けな、絵葉書なポストカードも導入すると、いい国だねー、という一文が書いてあるものを送ってもらえそう、と言ってみると、それも検討してもらえることになり、バースデーカード的なもの保存ブックについても提案すると、バースデーカード的なものを集める、という楽しみ方をしてくれそうでもあるのかー、となったが、間の国として検討し終えると、バースデーカード的なものの絵柄をどうしようかと、レンギョウ商会にも声をかける?』
『えっと‥‥‥専用お手紙セットの左の国での販売窓口をやりますか?と声をかけて、絵柄のようなものについても、という流れはありそうに思えるんだけど、左の国からのものは、ほぼ、無、なのに?って思えて、どうして?って思えるから、そこで、レンギョウ商会のお嬢と繋がってるから、としたいの?な胸糞い予想が‥‥‥』
『俺、聞いたことある。包丁持ってそうなゼンマイどばか娘がシアを疑って、ってやつ』
フリュージが聞いたものを教えてくれると、ミラナサーラとジモルルも、おや?と思っているようだ。
『全員それぞれ違う専用お手紙セット?』
『私はそのような提案をしていないし、導入されたのは一種類の専用お手紙セットと、専用絵葉書だけ。貼りだしてしまえば、王子さま大好きー、ではどの王子さまなのかわからないけれど、そこを見てわかるようにしようとしないものだそうだ。バースデーカード的なものを返すのは年に一度となると、この人送ってきたことあったかな?って一々調べないとならないでしょ?』
『そうだな。そういう手間がすごくなりそうだな。引っ越ししてたりすると、とか考えだすと、というのも思いつく』
『それまで、ありがとね、に使っていた封筒や便箋を専用お手紙セットにすることにして、返すのは、ポストカードにすることになった。ポストカードの絵柄は、数種類あって、どれが送られてくるかはわからない』
『返す側は分類に使えるし、今の時期だけこれ、とやりたくなったらやれるな』
『ねえ、もしかして、ゼンマイどばか娘って?』
『正解!ゼンマイどばか娘の両親は、間の国のお手紙制度を知っていたが、ゼンマイどばか娘はまだ字を書けなかったし、手紙をやり取りするという行いをやりたがってもいなかった。間の国のお手紙制度が変更されることになって、そこにレンギョウ商会は関わっていない』
『俺が聞いたことあるのなんて、丸っと作り話だな』
『間の国は、お手紙制度というものがどのように利用されているのかをきちんと調べていたし、やべぇものをきちんと除けていた』
『俺が聞いたことあるのだと、どんちきババアも送るようになって、そこにゼンマイどばか娘の名も書かれていたから、次男さまはゼンマイどばか娘の近くにいる子だって気付いてくれたんだー、ってとこでも、次男さまとゼンマイどばか娘ってそんなに仲良く関わっていて、ゼンマイどばか娘ってそんなに特別扱いしてもらえるような存在なんだー、ってのをシアが言ってることだとして語られていたな‥‥‥』
『ジモルルさんはゼンマイどばか娘と大親友なの?』
ジモルルがぎょっとして狼狽えているのでは、三人で溜め息となってしまう。
『そんなのもあるのかよ‥‥‥』
『三番の世界では、ジモルルさんに選んでもらえなかったスオウの三女が鬱陶しくしつこいので、ジモルルさんがこそこそ三女に会いにきてやっているのを、ゼンマイどばか娘は、ジモルルさんは大親友であるゼンマイどばか娘に会いに来てくれているんだと思っている、となっている』
『そうね!ジモッチは図書庫が大好きだから、王都方面に来ると寄っていたのよね!』
ジモルルが無音で慟哭していては、ミラナサーラは宥めてやるのに忙しい。
『三番はゼンマイどばか娘が言っていることを何でも三番の世界に取り込んでやってる、と思っていたが、違うみたいだな‥‥‥』
『三番はいっくらでも語るから、それまでに語ってきたものの、出来事の順序を並び替えたんだか、一つの出来事を上書きしたんだかとわかんないんだよね‥‥‥私も、誰かとなるとゼンマイどばか娘に言われたものを取り込んでやっているんだと思ってくれるよな?な行いに見えていた。私が知ってる中で最新な、二人の出会い、という出来事は、お供部隊の皆さんを連れて歩いていたゼンマイどばか娘は、ある日突然、どんちきババアに寄ってこられて、あんたも弟が邪魔よね?なことを言われ、それ以来、ゼンマイどばか娘だって弟を邪魔に思っているくせに!なことを言われるようになった、という内容』
『俺が聞いたのは、シアが道でどんちきババアと母親と弟妹を拾ってきて、どんちきババアの母親が、どんちきババアの危険人物さをどうすればいいの!となっているんだとシアのばーちゃんに相談すると、どんちきババアの母親は三番の侍女になった、って』
『どんだけあるんだ‥‥‥実際には、お散歩好きなゼンマイどばか娘は、ママさんがいなくてもお供部隊の皆さんと一緒に出掛けることができるようになると、お使いに行ったりもするようになっていた。お供部隊と一緒にお使いに行って、おやつにするパンも買っていいよと言われていたので、全員分のおやつも買い、誰がどのパンにするー?な会話をしながら歩いていると、どんちきババアとすれ違った。どんちきババアはどんちきババアのママさんに、何あの子、あんなに道に広がって歩いて迷惑、だのと言っていたのが、たまにはどんちきババアの買いたいパンだけを買わせてよ、と言い出し、どんちきババアのママさんは、どんちきババアのママさん達はそれぞれが買いたいパンを選んで買う、と話した』
『え?それだけ?』
『ゼンマイどばか娘も、お供部隊の皆さんも、どんちきババアのママさんも、それが、出会い、という出来事だと認識している。それ以来、遭遇すれば、いつも言ってあげてるでしょ?な態度で、広がって歩くなだの、それぞれ買いたいものを買わせてあげなさいよだのと言ってくるようになり、ゼンマイどばか娘とお供部隊の皆さんは、またこの子だよ‥‥‥と思っていた。どんちきババアはすぐに一人で出かけてしまうのが常だったので、どんちきババアのママさんは、いつの間に文句言いまくってたの?!と思いつつ謝罪しては、どんちきババアに、あのような行いをしないでくれ、と話すんだが、レンギョウ商会のお嬢さまだからってそんなに下手に出ないといけないの?だのと言い返され、どんちきババアはレンギョウ商会のお嬢さまにだって苦言というものを言ってあげる、レンギョウ商会のお嬢さまにとって有り難い貴重な存在なのよ?と語られていた‥‥‥』
『すげぇ‥‥‥あれ?どうやって知った?』
『そこも室長達にはわからない。どんちきババアがゼンマイどばか娘のことをレンギョウ商会のお嬢さまだと言い出したので、ママさんはそこについても、いつの間に?!と思っていて、ゼンマイどばか娘やお供部隊の皆さんは、ママさんは自分達のことを知ってたのかー、と思っていたようだ。レンギョウ商会のお嬢さまだとして文句を言うようになると、どんちきババアは宮廷の門番の前にやってきて、門番を置くなんてそんなに見せびらかさせたいんですか?』
フリュージは、若干体を引くようにしながら言う。
『どんちきババアに、ここがレンギョウ商会だと気付かせてやるために、門番を置いたと?』
『そういったことを語りながら、自慢されてあげるからゼンマイどばか娘の部屋に通してよ、な要求をした‥‥‥警察に連行されていった‥‥‥迎えに行ったママさんは警察に話を聞かれ、ゼンマイどばか娘とは道で遭遇してるだけだと思っていて、弟妹が一人になる時間を作らないためにベビーシッターさんを雇うことはできているんだが、一人で鍵を開けて出ていってしまうどんちきババアの行動を管理できていないのが現状だ、と話したそうだ』
『家の中でも、とんでもなく大変そう‥‥‥』
『大変だったみたいだね‥‥‥室長のご自宅の最寄りの警察には、そういった現状を話して、一人で歩いているのを見かけたら、という相談をしていたんだが、ただ歩いているだけでは警察も何もできないでしょう?』
『そうだな‥‥‥夜道だと話を聞くことができそうに、という程度だと思える。ゼンマイどばか娘は自分がどのように扱われているのかを知っていて、なのか?』
『レンギョウ商会のお嬢、という生まれと育ちなのだから、という認識でいたようで、遭遇したくないけどお気に入りのパン屋には行きたい‥‥‥という部分で悩んでいたね。ゼンマイどばか娘はレンギョウ商会のお姫さまなので、周囲とできる範囲では、あーはっはー!だけど、その外に出ると大人しいものだと思うんだよ』
『そういうお姫さまなのか』
『確かに、転がりまわって泣き散らかして、あれ買って!をやったこともあったけれど、ママさんには眠気と空腹と機嫌の悪さがすべて最大値となっていた瞬間の出来事だと思えていて、落ち着いたゼンマイどばか娘本人も、どうしてあんなにほしかったんだろう‥‥‥となっていたようだったそうだ』
『転がりまわって泣き散らかすのがゼンマイどばか娘だとされているのも、三番の世界だったのか‥‥‥シアのものは何でも自由使用?』
『二歳差ではあっても、小さい頃だと結構な違いでしょ?』
『そうだろうな』
『それなのに、おやつをきれいに半分、とか、色鉛筆も半分、とかやるから、どうしてなんだー!な不快感によく襲われていたようではあったね』
『それでシアのせい?』
『成長過程というものだったゼンマイどばか娘にとって、そういった気付きを得る場に私がいた、というのは事実であり、私がいると不快感を‥‥‥というのが、ゼンマイどばか娘が気付けていた範囲だった』
『何て言うか‥‥‥三番が深刻なものにしやがっていた?』
『そこがね‥‥‥色鉛筆を全色二人の間に置いて、全色私にも使わせてくれるのも半分こなのでは?と言ってみると、そっか!となっていたのに、そんなの全部私のものだとされているだろうが!なんてことを三番に言われてしまうと、えぇ?!確かに私が使いたい時には出してきて使ってるけど、勝手?勝手に?と、胸糞沼地へと引きずり込まれがちではあったね‥‥‥』
『洗脳、と思えるな‥‥‥』
『レンギョウ商会の会長から買い付けの話を聞いて、国というものがあると知ると、バンラームが地図を見せてくれたり、間の国や右の国という存在について教えてくれた。スオウのじいさまを生きてる財布として、間の国の西部にある湖を見に行くと、雪が積もるような地域なのに湖はずっと凍らないと知り、絶対あるから温泉を掘ろう!と提案すると、レンギョウ商会の会長は、私達を置いて買い付けの旅路を進んだが、レンギョウ商会の先代ご夫妻を呼んでくれた。サカキの地にいた間の国の先の王さまを引きずり込んで、温泉お宿を作ろうとしていると、あんこコントロール製法にかけるお子さまとして寄こされてきた間の国の第二王子殿下があんこに狂ったので、間の国の東部にお宿を作るのには第二王子殿下を引きずり込むことにした』
『そこでお手紙制度を?』
『そうだったね。当時は、窓口に、はい、と出すと、はい、と受け付けてもらえて、料金はかからなかった』
『それでは送り放題だと思えるな』
『第一王子殿下や第二王子殿下宛てに、王子さまがあーんなことしてるとこ見ちゃったの‥‥‥だとか、王子さまがこーんなことしてくれて感激ー!だとかな内容が送られてくるようになっていた』
『悪化しそう‥‥‥と思えば、導入したい、けど、専用お手紙セットを使って‥‥‥くれないんだろうな』
『そういう人物って、送料という料金込みだそうな専用お手紙セットを買わなくても、送料だけ支払うよ、って思いそうじゃない?』
『嫌がらせをしたいんだ、と思えるからな。窓口でも、そんな人物に、専用お手紙セットを使ってください、なんて言わないだろう。でも、そんな人物が来たってすぐわかるな』
『ってところで、右の国や左の国の住所を使用しそう』
『絵葉書では、だそうな理由として、ってとこでも、窓口ですぐわかるな。となると、国外から送ってくれる人物を利用したく、なる?』
『すんごいやる気‥‥‥って私も思った。間の国にはお殿下さまがいるんだと教えてくれた』
『第一王子殿下や第二王子殿下ぶって行動?』
『ぴーぎゃー世界というものを構築していて、そこで生きている第一王子殿下や第二王子殿下というのが、現実世界で生きている第一王子殿下や第二王子殿下だとしているんだが、わかるか?』
『わかる‥‥‥』
『思わず左の国の王妃さまを呼ぶと、間の国の王妃さまと仲良くなってた。第一王子殿下や第二王子殿下を呼び出して、あー!女の子とー!なことをやろうとされてるの?と聞いてみると、まず私から、王子さまが来てくれて一緒にこーんなことしたんだよー、な手紙が来て、次に私の近くにいる誰かから、王子さまは私に会いに行ったってことにして女の子とこーんなことしてたの見たよー!なものを送り付けてくるそうだ』
『ちょうどいいのか』
『そうだね。王家の皆さまと関わることのできる人物であり、掲げておくのに使える年齢であり、協力者となってくれる。専用お手紙セットを導入したい、しかし導入すると他国からと予想できるのでは、そういった協力者を事前に用意しておきたいだろう。間の国の王妃さまは、キリ家のアヤメさまと仲良し‥‥‥』
『来てたってことか?』
『アヤメさまを利用してやろうと思ってるのを見つけたいよね?』
『うへー‥‥‥!』
『キリ家も、右の国の王さまも、殺意!しかし?』
『送ってきたよー!』
『それね。間の国へと送ってきたのの情報をもらえる、というのは、確かに使い道はあるが、胸糞悪い収穫だ。間の国の王家が連携できる相手に送っている、というのは、まだまし、と言っておこうかな、という状況だった。間の国の王妃さまから左の国の王妃さまに、専用お手紙セットと専用絵葉書は間の国の配達事業でないと受け付けないものとしたいので、左の国の配達事業で受け付けないようにしてもらいたい、と申し入れた』
『そこを限っておかないとな』
『三番の世界では、三番が、弟妹のいる美少女だけでは探しようがない、と言うと、ゼンマイどばか娘は、三番の侍女をしているママさんの娘だからって!と語り、そのような侍女はいないと三番が教えてやると、ゼンマイどばか娘は涙腺芸を披露して、三番は、そっかー!一人目のお子さんが産まれる時に退職したんだなー!とやったそうだ』
『ゼンマイどばか娘が探していることにされたな‥‥‥』
『三番の世界では、どんちきババアは、そのくらいの年齢の美少女、と言って探すと、あの子じゃない?と出てくるほどの美少女でもあり、あちこちでどんちきやっている姉でもあったので、封筒をびらりと扇子のように持ち歩くゼンマイどばか娘は、どんちきババアに遭遇することができてしまったそうだ』
『作り上げてるなー‥‥‥』
『三番の世界では、ゼンマイどばか娘はアンドッチ・パンナコッタっていうのはねー!と語りまくったが、まったく興味を示してもらえず、ついてこないでよ!と鬱陶しがられ、涙腺芸を披露し、さらに鬱陶しがられてお供部隊が説教され、自分のせいで手下が説教されるなんて事態に初遭遇したゼンマイどばか娘は、宮廷の門前で涙腺芸を披露しながら、ギドッチー!私のせいでギドッチが糞坊にされたー!と叫んだそうだ』
『悪烈お嬢な行いって、三番を登場させるためなのかと思えてきたな』
『バンラームによると、そう叫んでいるからゼンマイどばか娘を追い払えと三番に言われ、行ってみると、三番がバンラームに手紙を読み上げてもらえって、とゼンマイどばか娘が教えてくれた。三番には追い払ったと言っておく、と言って解散した』
『ぜーんぜん違うー』
『三番の世界では、出てきてやったバンラームが、どんちきババアの言ってることとどっちを信じるのかとギド坊を説教する!と盛り上がり、三番は、バンラームはゼンマイどばか娘の何なんだ?を始めたそうだ』
『すでにごっちゃごちゃ‥‥‥』
『実は、御曹司さまの夜会なメンバーで、三番行動例集というものを作成して、軍部局と警察と司法所でそれぞれ保管している』
『それで俺も‥‥‥?』
『バンラームが聞かされたものはまずは軍部局で、という集め方をしていて、保管しているものを扱うのは年長者な皆さま。こそこそした行いなので、噂話の収集みたいな聞き方をしただろうね。三番の世界では、三番に私を持参するように言われたバンラームは、ばーちゃんに私は死んだと言われたので、私は三番に会いたくないんだと三番に言い、三番は、ゼンマイどばか娘の悪烈な所業を私に告げ口する手紙を書いては、バンラームから私に渡しておけ、と言って渡し、それをバンラームがゼンマイどばか娘に渡してやっていたそうだ』
『それで、封筒びらり、か』
『三番の世界では、バンラームは、ゼンマイどばか娘の悪烈な所業に対する苦情が来ている!と、三番からの手紙を開けて手に持つのに内容を読むことをせずに、お供部隊の皆さんから聞いたゼンマイどばか娘の行いを言っていたので、アンドッチ・パンナコッタが三番だと思っていなかったゼンマイどばか娘は、宮廷の門前で、三番に会わせて!と涙腺芸を披露し、門のところまで来てくれた三番に、バンラームがお供部隊を自由使用してお説教を!とわーぎゃー言い、三番が手紙を書く、という流れとなっていたそうだ』
『バンラームが書いてやっているんだろ?と?』
『それ‥‥‥三番の世界は入り口から胸糞沼地が広がっている‥‥‥そんなもんを聞かされたバンラームが、ゼンマイどばか娘に手紙を書いていないし、渡していないし、私への手紙なんてものは受け取らない、と言ってやると、まあ、バンラームとしてやっていないのではな‥‥‥』
『ボゲチョ?』
『そう‥‥‥バンラームはポガロとして軍部局に所属している、なんて言い出されたので、スオウのじいさまが裁判を起こして、三番に借金を積んでやったし、ボゲチョにしてやったんだが、バンラームがやっているとして語られ続けることになったね‥‥‥』
『あれ?シアって三番に?』
『その頃は会ったことなかった』
『そうなの?!』
『皆さまからそれはそれは聞いていたってだけだったね。ゼンマイどばか娘が私という存在を三番に、と思わせたいんだろうなー、と思ってた』
『ヒイラギの次男?』
『だと思えるよねー。ゼンマイどばか娘のママさんが悪阻で寝込むと、ゼンマイどばか娘は、パパさんによる世話を拒否した。三女によって、何を食べようが、何時まで起きていようがと、どんなことをしてもいい生活を手に入れたゼンマイどばか娘は、夢のようだ、という言葉を多用して暮らしていた』
『三番の世界では、そういうのをすべて塗り潰してあるな‥‥‥』
『ゼンマイどばか娘は、母という存在が大好きだ。寄り添うゼンマイどばか娘は、三女の娘という存在だと、私には思えた。両親との会話が減ったせい、なんてものだと私には思えない。知っていて、それでも三女と共にいて、三番の世界で塗り潰されることを選んだ、そう思えたのは両親もだった。三女をお世話係として錬金術住宅に縛ってやっても、ゼンマイどばか娘は、夢のようだ、という言葉を多用して暮らしていた』
『夢のよう、か‥‥‥』
『じいさまは戻ると、王都に対して領境を築き、オオデマリもそれに続いた』
『領境って?』
『ここからオオデマリ領なので、特定の人物の立ち入りを許可しない、というもの』
『どんちきババアに知られてしまっていると、そういうのが無いと寝てられないと思えるな‥‥‥』
『領境をという話が出ると、三女を宮廷近くの物件に縛っておいて、ゼンマイどばか娘もそこに移し、両親やレンギョウ商会の引っ越し先だとして、モッコクの王都との境付近に物件を用意した』
『シアの所有地とか商館のことか?』
『そうだね。商館の近くに、レンギョウ商会の会長ご夫妻のご自宅だと思わせてある物件もある』
『皆さんモッコクにある物件に出勤するような行いを?』
『出勤して、店を開ける前の掃除をしていると、三女もやってきて、店の裏手で掃除を始める。皆さんがそれぞれ屋内に引っ込むと、三女は帰宅していた』
フリュージは、情報を整理しているのか、小さく頷く。
『俺が知ってる内容は、会長ご夫妻の長女として暮らしてきた、というものだな』
『会長ご夫妻は、どこへでも行っちまえ!なんて思っていなかった。だが、近くにいたのではレンギョウ商会を守れない。ゼンマイどばか娘は三番に寄っていく。それを阻むためにあれこれするよりは、ということで宮廷近くの物件に三女を縛っておいた。三女は商館にある、きちんと法的に許可を得ている店の、最悪な勤務実態の従業員をやっていた』
『どうせ、ゼンマイどばか娘がそこでお店屋さんごっこなことしたがるのを阻むには!だろ?』
『そういう二人だったね‥‥‥三女と二人できちんと店を経営するようになってくれたなら、という思いがあった会長ご夫妻は、行儀作法とまでは呼べないが、なものは教え込むことに成功していたので、お店屋さんごっこをしたがるゼンマイどばか娘に、接客、というものを教え込もうとしたが、断念‥‥‥』
『だろうな‥‥‥』
『商館内であろうと、三女の勤めている店以外には立ち入らせなかったが、三女の勤めている店ならどうぞ、というのを、ずーっとやってきた』
『その店でミレットやれよ!』
『思っていたね‥‥‥三女が勤めていたのはカフェ‥‥‥』
『え?カフェやりたいって盛り上がったんだよな?』
『それはそれは盛り上がっていたね‥‥‥会長ご夫妻も、うんざりしつつも、それでもやる気になってくれたのなら!と、三女が勤めているカフェという場を使ってね?とやっていた。だが、ゼンマイどばか娘が語りまくっていたのは、店内な部分があって、その奥に従業員な部分があって、二階に自宅‥‥‥』
『どこでやるつもりでいるんだ‥‥‥?』
『会長ご夫妻は、三女が勤めているカフェという場を使ってね?とやり続けていた。ゼンマイどばか娘は、自宅でも使用人として過ごし、家族とではなく住み込みの従業員と一緒に食事をするようになった、と吹聴するようになった』
『え?っと‥‥‥三女を縛ってある物件では、お供部隊の皆さんも?』
『お供部隊の皆さんは、会長ご夫妻のご自宅だと思わせてある物件の、住み込みの従業員が使用しているんですよ、な部分で暮らしていて、商館にやってきた三女が今日ゼンマイどばか娘お出掛けするってと言えば、三女を縛ってある物件を訪ねる、というものだった。ゼンマイどばか娘はそれまで通り三女を縛ってある物件で食べて寝ていたようだが、三女との決別なんてものだとしてゼンマイどばか娘の望む物件を用意させようという魂胆だと、会長ご夫妻は落ち込んでいた‥‥‥すると三番が、受け皿なんてものが必要だと言い出したので、学院でも作ってろよ、と言っておいた。王太后さまが、だめだって‥‥‥』
『ゼンマイどばか娘の収容先とするんじゃない、とな』
『だめか‥‥‥と思い、研修先が医局のみな学術所を作ることを提案しておいた』
『おホワイトさまがお勤めになっているどこぞの医局が存在しているんだからな。そういうのを作って囲っておけよ、だ』
『すでに期待させてしまっていた会長は、おホワイトさまの医局を目指せなんてことにゼンマイどばか娘がのってこない!と青くなっていたが、いつまでも三番に塗り潰されてやってるんじゃねぇ!とやる機会とできる!ということで、三番と関わっていたいのなら、という言い方で、勉強するための環境を整えてやろうか?という話をした。ゼンマイどばか娘は、会長は忙しそうだからゼンマイどばか娘が買い付けに行く、と言い出した‥‥‥お嬢さまーな恰好で買い付けだとして移動していれば、その土地のあぶれている御曹司さまあたりが寄ってきてくれるだろうから、そういう男性達みーんなと仲良くしておいて、みーんなから養育費を受け取って、それを旅費にする、って』
『カフェを用意してよ!』
『会長にもそう聞こえていたね‥‥‥勝手にさせて、買い付けたそうなものを持ち込もうとしてきたら、きちんと査定してやることを提案すると、会長は、自立させる、というものを目指すことにして、まずは三女を解雇した』
『三女を?』
『ゼンマイどばか娘の養育費をこそこそ与えるために、三女を形ばかり雇ってやっているんだ、と考えているようだったので、まずはそこを切断、ってことだね。会長達は、買い付けに行くにも資金がいるので、三女が勤めていた場を使用する契約を結んで、そこの使用料を含む必要な経費に加えて、ゼンマイどばか娘の生活費と買い付けに行くための資金も稼ぐことを目指すように、と話そうと考えていたんだが、ゼンマイどばか娘は、買い付けに行きたいのに!と騒ぐように、だけ、なった‥‥‥』
『ちょっと大人しくなった?』
『ように思えたね。私がカフェを提案すると、カフェで出すケーキを決める試食会だそうなものをやったが、そのケーキをカフェで扱えるようにするのは会長だとしていたし、ゼンマイどばか娘が望む通りの建物を用意してくれたんだとしていた‥‥‥』
『はい、どうぞ、お店屋さんごっこして!』
『そういった状況を用意してもらえるものだとしていて‥‥‥』
私が止まってしまいそうになると、フリュージは気の毒そうに笑って言う。
『何を言い出したんだ?』
『私の所有地は、間の国の第二王子殿下が金を出して、私が所有するようになった物件‥‥‥間の国の第二王子殿下は、私が好きに使えばいい、としているので、私がいいと言えば、買い付けに行かせたくない会長はゼンマイどばか娘が望む通りの建物を私の所有地に用意してくれる‥‥‥三番とはすっぱり関わらないようにしてほしいんでしょ?間の国の第二王子殿下に押し付けられてあげるよ、って‥‥‥会長は嫌になって、モッコクと王都との領境を築くことをモッコクの領主さまに提案し、実現‥‥‥ゼンマイどばか娘は、恋しちゃってるのでついていく男性はゼンマイどばか娘の婿養子となってレンギョウ商会を乗っ取ろうとしている!なんて思ってるから会長達は野心の塊なんてー!と、また語るようになった‥‥‥』
『もう勝手にしろよ、だな‥‥‥そうやってゼンマイどばか娘も、間の国の第二王子殿下という存在を自由使用してきたのか?』
『ゼンマイどばか娘によると、あんこコントロール製法にかけられてじいさまのお孫さまとなった間の国の第二王子殿下は、バンラーム・スオウとなったそうだ‥‥‥』
『はー‥‥‥?!』
『でも、左の国の第二王子殿下だったのにバンラーム・スオウになったって言ってた時期もあったんだよ?』
『‥‥‥最新な情報では、間の国の第二王子殿下?』
『どんちきババアは、リタジオードさんが間の国の第二王子殿下なんだって言ってる‥‥‥』
『言いたい放題だって知ってるだろ‥‥‥?』
『三番の世界の使えそうな部分は便利に使おうとする、というのがね‥‥‥三番の世界では、私は間の国の第二王子殿下に左の国の王女さまと言っていい高さにいるそうなゼンマイどばか娘を押し付けようとしているんだが、間の国の第二王子殿下は、自分はレンギョウ商会の会長と仲良くしていて、そこにゼンマイどばか娘が勝手に混ざってきているだけ、としているので、ゼンマイどばか娘の良さだそうなものを理解しない間の国の第二王子殿下と私は敵対しているかのようになっていて、しかしそれは私が勝手に敵と見做しているだけで、間の国の第二王子殿下としてはゼンマイどばか娘を押し付けようとしてくるのをやめてもらいたいだけなんだってー』
『だからどんちきババアを間の国の第二王子殿下に辿り着かせてやらないとなー』
『大好きビュードノーアお兄ちゃんに私を呼び出させた三番は、おホワイトさま扮装‥‥‥』
『あれもこれもシアが言ったことにするからな!のお時間‥‥‥』
『ゼンマイどばか娘が邪魔するのでどんちきババアの勉強が進んでいるのかお心配なお三番さまは、ゼンマイどばか娘にも医局を目指させたいので、医局にいる御曹司さま方に会わせてみてはどうだ、気に入るのが一人くらいいるんじゃないか‥‥‥』
『本っ当!楽しく生きてるよなー!』
『権力でも何でもぶんぶん振り回して王太子さまだそうなお存在もやっているおまえが作っていいのは、おまえに寄ってきてくれたそうな誰かだけを、徹底的に教育しまくって、おまえだけを診る医師として活用することを目的とする学術所だ、と言ってやると、医局で研修なんてさせられるのか?と聞いてきた。紛い物を作ると医局に話をしたおまえが所属しているどこぞの医局を使え、と言ってやると、三番は大好きビュードノーアお兄ちゃんに無言で訴えかけた‥‥‥』
『よくもまあ、そんなもんを医局に‥‥‥』
『一番は、順番大好きなお兄ちゃんがまず女の子に寄ってきてもらわないとだからな!と言った。おまえら邪魔、領地を返納したがっているレンギョウ家に領地を返納させてやって、一番の従者をウツギ家当主として旧レンギョウ領となった土地を治めさせろ、と言ってやると、一番と一番の従者が王太后さまのところに連れていってくれて、王太后さまがレンギョウ家のご当主さまとウツギ家のご当主さまを呼んでくれた。三番は、ギドリンコ学術所は三番の好みの女の子を教える場にする!と発言‥‥‥』
『用意してやがったのかよ‥‥‥どんちきババアを宮廷医師だそうな存在にならせてやろうと、あんなに‥‥‥』
『私は、王太后さまも、三番とどんちきババアを除けておこうと考えているので、学院はだめだが学術所ならばとなったんだと判断していた。どんちきババアは宮廷医師として活躍したいんだから、私の言っている内容では違う!なんて思ってやれる?』
『はあ?胸糞悪い‥‥‥宮廷医師とならせるために紛い物を作って医局で研修させることはできても、三番だけを診る医師ならば医局で研修させられない‥‥‥吐き気がする‥‥‥』
『どんちきババアには話してしまったんだぞ!』
『そんな情報をどんちきババアに話したおまえは犯罪者では‥‥‥ないのか、王子だからな‥‥‥』
権力とは何なのか、それを持つギドロイは王子だそうだ、そんなことを思っては俯く毎日だった。
どれだけ砂を零したくても、ここには砂が無いのでは。
私というのは、もう砂を零す幼子ではないのだと、それを知るしかないだろう。
『連行しろ、と言ってやると、三番の従者が三番を連行してやった。だが、自由になって、ギドリンコ学術所を用意しろ、と言ってくる。詳細を決めて案件として成立させることをすれば、商売人が寄ってくるのかもしれないな、と言ってやると、私に陥れられた、だ‥‥‥』
『受け皿はどうしたんだ?』
『それね‥‥‥王子に寄っていけるようなのが受け皿が必要なくらい寄ってきてくれるのであれば、というものだ‥‥‥私は、三番の世界での出来事であるキリ家でのあんこパーティーだそうなものを語り、王太子さまだそうなお存在さまは、もちろん宮廷内に存在する試験と分類できるものすべてに受かってみせるんだろうな?と言ってやった。ケイオスさまに確認を取ったのか?!‥‥‥連行しろ、と言ってやると、間の国の警察部門の頂点おじさんが連行してくれた』
『‥‥‥来てたのか?』
『先々代王太子殿下であるケイオスさまも呼んであった。どのケイオスなのかね?第何代なんだ?』
『楽しい‥‥‥』
『三番は、通訳を呼んでください!』
『愉快だ!』
『辞書を与えてやった。三番は、一生懸命間の国の言葉で文章を作り、愛称!』
『またか‥‥‥』
『間の国の王太子殿下が受け継ぐ名だと当然知っている左の国の王太子である三番が、その誰かを呼ぶ際に、愛称!愛称に、さま、つけてるの?誰なの?』
『いいぞー!』
『お兄さまと呼んでいたかったんだが、大好きビュードノーアお兄ちゃんが、すとんと受け入れてくれていなかったので、この敬意というものをどのようにか表現したい!そう願ってやまない三番は、左の国の王太子って曖昧な存在だな、という思いはあったので、いっそ呼んでみる?と、一番のことをケイオスさまと呼んでみたんだが、えー?そんな!自分で自分のこと最優良って言ってるみたい!ということで、一番のことをケイオスさまと呼ぶのはやめた、と供述‥‥‥』
『これを間の国の要職に就いているおじさんに言えるってのが‥‥‥』
『おじさんは、それ、いつ?』
『いい!いいな!』
『私に語った時は、まだ呼んでた。いつから、いつまで、左の国の第一王子殿下を、間の国の王太子殿下が受け継ぐ名で呼んでいたの?心の中!いつもは心の中だけなんだが、その時は気持ちが昂って言葉にしてしまった!』
『いつも?』
『左の国の王太子である三番は、心の中ではいつも第一王子殿下を間の国の王太子殿下が受け継ぐ名で呼んでいて、気持ちが昂ると言葉にする!間の国として正式に、三番の王子としての権力の停止を申し入れてくれた!』
『やったー!』
『王太子もどき!と皆さん呼んでやるようになったね。王太后さまと話すと、ウツギ家は、すぐに一家全員でレンギョウ領に移り住み、レンギョウ家は商館のある地域やオオデマリやスオウに移り住んだが、レンギョウ領のままだ‥‥‥』
『ウツギ家はなー‥‥‥自由になりたいだろうな』
ミラナサーラは、小さく首を傾げて言う。
『警察所属なの?』
『左の国って、御曹司さま方の夜会というのがあって、そこで、どこの部署に配属となりました、どこの領主の補佐を始めました、な挨拶をしてまわって、はい、あなたはそのような職業に就いていますね、と認定されるんだ』
『御曹司さまとして一人前、みたいなもの?』
『そういうのだな。王子もそれをやることになっているんだが、三番に阻まれて一番は出席できていなかったし、三番は出席していなかった』
『‥‥‥従者?』
『派遣するように言われると、三番のところに派遣されていって、三番に従者として扱われるので、周囲も、従者、という仕事をしている最中な警察所属人員、という目で見ていたな』
『御曹司さま方の夜会で挨拶しないことには、従者という部下?を持つ人員だと見てもらえない?』
『そういった面もあるが、三番の従者もやってるのが、警察の人員だとして挨拶したんだ。そして、左の国というのは、補佐官という存在を王子というか、王家だな。王家の側に置いてきた』
『王子として挨拶しない、王子として扱われようとしていない、ってことで、補佐官を側に置くのではなく、従者?』
『そういうとこでも、従者?へー、間の国では従者という存在が王子の側にね、という流れで知った俺のようなのは、どんだけ間の国を下に見てるんだ?って思えて、戦争でも始めるつもりでいるんじゃないのかと思えてた』
『王子として挨拶せずに、堂々と従者なんて存在を連れているのではね‥‥‥』
うんざりする。
私というのはごみなのだと、いくらでも教えてくれ続けた皆もまた、私にとってごみなのだと知っている。
少しも願えないのでは、私というのは下等生物なのだと、そう綻んでおくとしよう。




