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シアの国  作者: 薄荷堂
魔女
89/106

89.リボン

『どんちきババアが言うには、長い名というのは真名として隠しておいて、普段は省略したのを使用し、特別な相手にだけ教えてあげるものなんだって』


『教えてって、名乗る時点‥‥‥でも、そういうものと言ってしまえばそういうもの、よね?』


ミラナサーラが小さく首を傾げると、フリュージも首を傾げて言う。


『防犯な観点から見るとしても、どっちから見れば?じゃないか?いつも使ってる愛称的なものを教えてしまっては、簡単にどんちきババアに辿り着ける、が、戸籍的なものには辿り‥‥‥着けない、ものだとしているのか?』


『例えば、周囲にもシアだと認識されている私が、その誰かにだけ、本名はシダルセアだよ、と教えてくれると、自分って私にとって特別ー!と思わせてあげられるんだって』


『そういう使い方‥‥‥?どうして隠してるんだ?』


『周囲には、ファーゼ、と呼ばれているの』


『たっけぇ‥‥‥!どのような作用をとわからないが、たっけぇことはわかる‥‥‥』


『周囲のみーんなも、真名だそうなものを隠しておいてくれている、としていて、まだ教えてあげないわ!』


『あー、そういう、みーんなにちやほやされている存在だとしていて、俺はまだ下々ですよ、とね』


『自称長男さまと遊びに来てたことになってる?』


『おじさんから聞いた‥‥‥とんでもなく大切なお客さまとして扱ってよね、な態度でもめるのがいたって‥‥‥』


『お忍びなんだってみーんなわかってるんだから、とんでもど貴重壊れ物として扱いなさいよね』


『そういうのだよ‥‥‥聞いてて、どっちなんだよ、とまず思わされた‥‥‥』


『自分から誰でーす!とはやらないけど、みーんな誰なのか知ってるわよね?みーんなしてちやほやしなさいよ』


『そういうお高い店行けよ‥‥‥』


『ど庶民恋仲のおデートを知るためのお忍びなのよ?』


『おまえに金使ってもらえないだけだろ‥‥‥?』


『本当のことを指摘してしまうと、そーんなことない!と、どんちき盛り上がられる』


『そうだろうなー‥‥‥』


『見た目が派手なのよね?』


『そうだね。腰のしまっていないワンピースを着ている分には、賢そうで大人っぽい美少女に見える』


『父親が大躍進なんでしょ?』


『そうなんだよ。ど名家おじさんも名家おじさんも部下である立場にいる人材で、奥さまも美人でお上品だし、弟妹もきちんきちんとしていて学問所に所属している。どんちきババアが本人の希望通り、すんなり学問所に所属して、すんなり学術所に所属して、すんなり医局に所属して、となっていたとすると、三番のお妃さまなんて、言ってしまえば、三番の言う通りにだけ生きててよ!なものでしょ?』


くふふと笑うミラナサーラを見ていると、そこに籠められているものも笑ってくれているように思えて、小気味よい。


『お妃さまになるのに持っててほしいものを持っていて、それをそのまま使ってくれていたなら?』


『そういうのだね。私としては過ごしやすい両親と弟妹だし、間違いなく裕福だろうし、何不自由無いとできる生活をさせてもらっているように見えていたけれど、本人は大層不満だったどころではないんだろうね』


『退屈してただけじゃない?って思えてしまうのよね』


『次男さまのお妃さまにー、って言いまくってるけど、なろうとしてるのにどんちき騒ぎ?と思えてしまうよね』


丸が四つの広場で、どこぞの親子に遭遇したことを話すと、ミラナサーラは小さく身震いしている。


『意地悪だと言われる‥‥‥』


ミラナサーラが言葉を続けることをできなくなってしまい、フリュージは気持ちがわかると小さく頷く。


『学問所に入りたい、なんて言っているのではな?』


『立ち去るように。次の方ー』


ミラナサーラは、少し元気が出たらしく、顔を上げたのだが。


『シアも登場させられていそう‥‥‥』


『選定人なんですって』


『何のって、次男さまのお相手‥‥‥?』


『苦難というものをばら撒いて、そこを乗り越えてきた女の子は、お嬢さまとして次男さまに辿り着く』


『乗り越えると、お嬢さまになってる?』


『そうなることになる苦難をばら撒きながら、その女の子の、程度、だそうなものを判定し、相応しいお相手へと導く』


『選定人、ね‥‥‥』


『三番とどんちきババアによると、私は、裕福な家庭のお子さまを集めておいて、遊んでないでお勉強してます!とやらせておいて金儲けをしたいだけ』


『それを、え?宮廷のやっている事業?就職への道?なんだとわかっていない?』


『そういったところも胸糞悪いんだよ‥‥‥』


『えー?そういうものだと思ってたー!もうわかったよ!もうわかったから、わかってるものとしてもう一回やるね!』


フリュージが可愛らしい声を出してくれては、ジモルルも面白がって顔を上げてしまっている。


『それ‥‥‥私がそんなものを始めて、そこにどんちきババアのことも所属させたがっていると知った三番が、医師になることを熱望されまくっているどんちきババアはそんな場で遊んでいるような人材ではないんだとして、所属させたいのなら実在する学問所のように変えることを私に突きつけ、私はどんちきババアを所属させるべく、金儲け目的学問所を実在する学問所へと変えたんですって‥‥‥』


『王子が、間違いなく、言わせてやっている、というのがな‥‥‥』


『願書を買おうとするところから、なんて聞いて、何かわかることある?』


『どうせ、行けばもらえると思ってたんだろ?追い払ってもらえてから、願書販売の要項を読んで、言い分というものを持参してお三番さまに泣きつき、三番は三番の世界をご披露‥‥‥』


私が鼻で笑ってやると、フリュージは、もう一度予想してみるようだ。


『‥‥‥三番に泣きついて、そこで、願書を買おうとするところからなんだ、と知った?』


『お金をかけて作っている要項をちょっと見てみたいな、どっか行け』


『ポスター?』


『そう。ポスターに、要項を受け取るには住所や氏名の申告が必要だ、と書いてあり、要項受け取り希望者はこちらまで、という場所や日時も書いてある』


『来てない!あれ?三番が‥‥‥願書買いに行くんだろ?な会話を?』


『要項受け取り希望者は、まず質疑応答がある』


『学問所というものを、どういった場だと理解しているのか?』


『会場に来ている、ということは、そのくらいポスターに近付いて、説明書きである部分の文字を読んだ、ということだよね?』


『当然そう判断したい‥‥‥いるの?』


『それまで通りな採用試験はもう実施されないのか、といった質問を想定していたんだが、出世への道!なお子さんが、もし別の道へとなったら落伍者であるかのように見られることになるの?という質問をしてくれた』


『答えてやろう!』


『思わせてもらえたね。そういった、制度について一緒に考えるような質疑応答も実行していたのだから、三部署に所属するまでの経路について、周知させる、という行いをできた、と判断できるよね?』


『そうだな。知りたいと思っている全員が知れた、と判断できると俺も考える。それ以後の段階でやってくるのは、要項を受け取った人物、ということだ』


『そう!それ!願書の設問について、こういう意味なのか確認したい、というような人物については、どのような意味だと解釈しているのかを書いてもらうのがその欄だ、質問ではなく設問だろう?というような説明をすることはしていた。要項を手にして以後の時間に、三部署に所属するまでの経路について聞いても答えてもらえない、それを当然のことだと考えないのは?』


『その時になって知りたいことが出てきた‥‥‥?という‥‥‥ある?』


『いたんだ‥‥‥用件伝達書持参者の列に並んでいてお腹を下してしまい、こんな人員いらないですか?!』


フリュージも苦笑いとなってしまい、ミラナサーラとジモルルも笑っている。


『もう取り乱すという勢いとなっていて、近くにあるトイレを調べていないのは自分の落ち度だとわかっているんだが、近くにあるトイレを教えてもらいたくて、そんなことが警備の人員の仕事ではないとわかっていて質問している自分はもう!』


『落ち着けよ‥‥‥』


『大事な場面で役に立たなさそう‥‥‥という印象は受けるが、もう帰って?というものではないでしょ?』


『そうだな。質問してはいけない!みたいな印象を得ているとかか?』


『そういったことがあったと話すと、一番が、柔軟性なんて言葉について考えたくなるが、そのくらい真剣に取り組んでいるんだ、というものだと受け止めている、と示すにはどうすればいいんだろうな、と悩んでいた。要項を手にして以後の時間に、三部署に所属するまでの経路について質問されることはなかった、というのは、周知させる、という行いをできたからだ、と私は考えていて、その部分については一番と話していなかった』


『ちょっと気になったので聞く、という行いを気軽にその都度実行せずに、スムーズに流れていくことをできる人員がほしいな、というものだよな?』


『そうだね。質疑応答か、聞きたいことあるかな、とその時点で熟考という行いをして、要項を手にして以後の時間は、わからない点というものが無い状態となっていてほしい、というもの。部署に所属しての生活、というのは気になるだろうが、所属しているから知れるもの、だと私は考えている』


『そこはな‥‥‥給金の額だけでも十分その部署の予算とか見える、が、さっきのお子さまのような子か?』


『どのくらいのお金があれば、どのような生活ができるのか』


『それはお家の‥‥‥いないのかな?』


『そういった、どこまで答えてやろうかな、という部分も悩ましく、君は所属する気があって、所属させようと思ってもらえるような人物なのかね?という気分になる』


『そうだな。人員となるのなら一緒に悩んでやろう、という気分になるが、そこを知れない境遇にいるのかな、とも思える』


『一緒に将来を考えよう!な場を設けるのは需要があるような気はするが、その子にとっては違うものだよね?』


『所属することによって、どう金を使うかでも変わってくるよな』


『その子は法律家を目指すと言っていたので、図書庫という法律関係な本もたくさんある場があって、そこを利用できるので、仕事に活かそうと勉強するための本を買うためのお金、というのは必要ないのではないだろうか、と言ってみると、より難しい本‥‥‥は部署にありそう、ある?というような質問となり、所属員ならでは、というお金の使い道について一緒に考えることはした』


『三番が盛り上がりそう‥‥‥』


『学問所と学術所は、宮廷として新設する部署、と並べるものだと、私もお偉いおじさま方もしていたので、私は、一番と三部署の長と、お茶をしながらではあったが‥‥‥三部署の長にしてみれば、三部署の長の仕事、ではないよね?』


『そういうとこも煩いんだよな‥‥‥』


『どんちきババアが願書を手にしていない、ということについてわーわー言われ始め?』


『三部署に所属するまでの経路について話そうとすると、こういった、質問できない!とか、どこまで答えてやるのか、というようなものについてわーわー?』


『そうなった‥‥‥』


『そして、シアの仕事に取り組む姿勢だとか、金儲けと仕事の分類だとか‥‥‥』


『そうなったんだよ‥‥‥おまえ、学問所について詳しく知っているな?制度を説明してみろ、と言ってやると、中庭眺め眺めを始めた‥‥‥』


『中庭眺め眺めをしながら、三番の世界を眺めるんだ‥‥‥』


『願書を持参しての面接を受けに来た、門前に並ぶ?』


『願書を買うことができたんだから、面接に来るの待ってるね?というものだよな?』


『用件伝達書持参者の列に並んだ順番ではあるが、その順番によって、面接日に控室に入ってもらう時間をずらして指定しておいた。人数制限なんてものをしていない』


『それは‥‥‥?願書を買えたのに面接を受ける人数が限られる?』


『合格させる人数なんですって』


フリュージは、しっかりと赤子を抱えておいて肩を落とす。


『何も読んでいないんだとしか思えない‥‥‥』


『早いもの順というものではないと知っているんですが、と語りながら、警備の人員の横に並ぶ‥‥‥』


『警備の人員が立ち去るように言ってやっても、同じことを繰り返し語るんだろうなー‥‥‥』


『そうだった‥‥‥そうして、面接日に使用する整理券、というものを持参した面接希望者を、個別で案内することを始めると?』


『えー‥‥‥っと、持ってないんだから、落としてしまった!とお涙頂戴』


『残念!』


ミラナサーラの方を見てみると、ミラナサーラは自信がありそうだ。


『特別待遇するのはよしてよ‥‥‥』


『その前に?』


ミラナサーラは、嫌そうにぎゅっと顔をしかめる。


『シアを呼んでくれるかしら?』


『責任者のところに通してもらえますか?』


『『うわー!』』


ミラナサーラとフリュージが小さく小さく叫ぶと、ジモルルも顔を上げて無音で叫んでいて面白い。


『特別待遇しないでと語る際に、いつもの、生まれというのはボロニアなんですが、ではないものを始めた‥‥‥』


『えー‥‥‥?!』


『警備の人員も、聞いてしまったと青くなっていて、すぐに勤務先を移しておいた‥‥‥』


『‥‥‥王に仕えている、それが宮廷の人員だ』


立ち尽くす、それをしていては守れないのだと、心の中では灰狼が遠吠えでもしたそうだ。


『私は、存分にきゃんきゃん騒ぎまくった!』


『きゃんきゃん子犬!』


『医学書を読んでいたどんちきババアは、私に、男性特有な部分を読んでしまうと、身近にいる男性に当てはめて考えてしまわないか、と話したそうだ』


『え?何をどう?』


『そこは、語らなかった‥‥‥私は、慣れというものではないと思えるので、診療をする医師を目指してほしくない、と言ったそうだ』


『やめて!怖い!』


『もう予想できただろう?』


『研究分野に行くから検体いくらでも寄越せ、ってことを語っていた?』


『どんちき騒ぎ内容の話の展開なんてものはそっちのけで、そこが、気になった‥‥‥三番は何をやらせようとしているのか、という話になるよね?』


『なるよ!』


『宮廷人員の一斉検査の時に、ちょっと多く血をもらう』


『何言ってんだ?!』


『ミラナサーラ』


『え?医療関係者ではないけど、みーんなからちょっと多くもらって、それどうするの?って思うわね』


『そういうのだよ‥‥‥専門家から見て、何言ってんだ?!というものであることも大きく取り扱うべき箇所ではある。だが、医薬の専門知識や、法律の専門知識を持っていない誰が聞いたとしても、どんちき騒ぎだろうが、雑談だろうが、そんなものを言葉にする人物というのは危険人物だと判断する、という話が、まずできない‥‥‥』


『三部署‥‥‥?』


『それ!私はどんちきババアを三部署から排除したいから、そういった点に着目してきゃんきゃん騒いでやがるんだ、と言いやがる‥‥‥私には、医師になりたい、と思っているなんて思ってやれない。医師という職業に就いている人物になりたいだけで、医師っぽいどんちきを繰り広げるための材料として、研究、なるものを行わせろ、と言っているのとどう違う?』


『そのまんまだと思える。学ぶ、なんて行いを一切せずに、いきなり、検体を手にして何やらしていますよ、な行いがしたいだけだ‥‥‥どうせ、何を研究したいのか、なんてことは、無、なんだろ?』


『無。どうやって検体とできるものを手にするのか、ということ、のみ』


『どうせ、三番は、実現するための方法について言っていただけ、だ‥‥‥』


『私はそういうのを聞くと、おまえはいつもさぞかし、全体、と呼べる範囲で話を聞いてやっているんだな?と思う‥‥‥』


『そこも、三番がどんちきババアの隣に立っていることをどうこう言いたいだけだろ、と言いやがる‥‥‥』


『それ‥‥‥どんちきババアによると、自宅にある医学書はすべて読んでしまっているので、学問所も学術所もすぐに卒業して研修に入れるが、雑用なんてものをさせておくような人材ではないので、すぐに手術の立ち会いだのと、室長を教育係につけろ、なことを言いやがる‥‥‥』


『もう嫌だ‥‥‥手術で何を取り出すつもりでいるんだ?』


『思ったよ‥‥‥間の国にぜひ来てくれと呼ばれる研修生?』


『‥‥‥この雑用頼むよ、というので、次男さまとどべぐちゃるというのしか‥‥‥どんちきババアなんだよ?と思えて‥‥‥ミラナサーラ』


指名されてしまったミラナサーラも、笑ってしまいながら言う。


『えぇ‥‥‥?どんちきババアに、どべぐちゃる以外に何ができるの?』


『それだよ‥‥‥どうして、左の国の学問所と学術所を経て、医局で正規雇用している人員である研修生を、間の国の第二王子殿下のところに派遣するの?』


『勝手に一から間の国で医師でも何でもなりなさいよ』


『『それ!』どこまでも特別扱いされて当然な人物なのよ!』


フリュージがふんぞり返ってくれては、面白い。


『それね‥‥‥その舞台として、学問所と学術所と医局を使わせてやろうとしているのが、三番なんだからと、私は全部署の役職者を全員集めて、王に三番と議論してもらった。王はもちろん、学問所に所属させるかどうかなんて話をしない』


『王はどうせ、困り果ててますー、で終わるんだから、仲良し親子ー』


『三番をどうにかするなんてことをやろうとしないのが、王‥‥‥まずは、ちょっと多くもらうってどうやるのか、という点について話した』


『そこもよね。もらうね?って言って、同意してくれるともらっていいの?』


『そこでまず、まあ大変‥‥‥一斉検査、という場でなければいいのか、だの、一斉検査でもなければちょっと多くもらうなんてできないだろうが、だの‥‥‥おまえも怖いことは誰もが知っているがな!という気分になりつつ、どういう立場でそんなことを実行できるものとしているのか、という点について話した。おまえが!おまえが!そんなことを実行できる医局員にならせてやろうとしている、とみーんなも思っている!』


『それよね‥‥‥医局員になってみれば、できないものだと知る、とか言いそう』


『言った!この商品持って行っていい?って聞いて、それは万引きという行いだね、と教えてもらえば万引きしない、それで?!』


『思うわよ‥‥‥会計という‥‥‥』


ミラナサーラは早速限界を迎えたらしく、がくんと項垂れてくれて面白い。


『万引きという行為を知らない、という部分じゃない!商品だと認識しているのか、という部分じゃない!そういった行いを実行することを容認してもらえると判断しているんだとしか受け取ることのできない行いをする人物なんだ!』


『聞いてみただけだの‥‥‥』


『そういった部分を議論したがる!うるせぇ!おまえを言い負かしたいんじゃない!おまえがどのような考えでどんちきババアを所属させたがっているのか、そこは知りたい!もう嫌だ‥‥‥』


私も限界を迎えそうになると、フリュージが笑いながら言う。


『医師としてどのように活用するつもりでいるのか』


『そこ!議論をそこに辿り着かせたい!宮廷のどこでも!ほしくない!所属させたくない人物!それが結論だというのは、誰もが見えている。三番にそれを理解させる、それは必ず、実行しておかなければならない行いだ。三番は自分の命を守りたいだろう。だが、三番が守るのはそれだけなのか、そう問いかけたいんだと、いくらも伝わらないのだと思えてならない時間だった。王が、学問所に関わるな、どんちきババアに関わるな、そう命じて、それで三番は変わってくれるのか‥‥‥どんちきババアは宮廷内のどの部署にも所属していない、それについての文句だろうが雑談だろうが世間話だろうが、私は三番に聞かされたくない、そう言ってみると、始めからそう言えばいいだけだろうが、と言われた。私は周辺国のお偉いおじさま方にも案内状を送っていた!』


『そうなると、ど名家のおじさん達にも送ってるな』


『もちろん送った!ど有力者なおじさん達も出席したいと言ってきたので、案内状を送った!三番に女の子について一切示させないようにしてくれ、という文書を私が作成していると、皆さまも署名したいと言ってくれたので、三番の目の前で、女の子、という言葉を適用する範囲について話し合い、それもきちんと文書にしておいた。三番の女の子なんてものは、三番と父親、そこだけ知っている状態が望ましいよね?』


『そこだけだな!妃として表に出すことになったら、王太后さまと王妃さまと一番と第二王子殿下という、家族!難しい年頃男児だそうな三番の家族にも教えてやるべきだろう!』


『しかしながら、父親と二人きり、その状況を実現するのが?』


『難しいだろうな‥‥‥非常に困難な行いだろうな‥‥‥』


『引っ越しだ!ということで、王太后さまにはヒイラギに引っ越してもらい、王妃さまと一番には、三番によるとバンラームの自宅だそうな物件に引っ越してもらうことにした』


『ヒイラギだってすぐ隣なんだから、通う、という手間をな?』


『家族!なんだからそのくらい実行してもらえるのが、三番!しかし、効率ですって‥‥‥』


『三番な論点だぜ‥‥‥!』


『よーし!ヒイラギの次男以外の息子達が、通勤がてら王太后さまの送り迎えをしよう!』


『ヒイラギが送り迎えとあっては、通勤がてらだろうが文句なんて‥‥‥?』


『嫁姑の仲ですって!』


フリュージは、いけ好かないのだと顔をしかめる。


『王太子ではない一番は、三番の大事大事な家庭の平和のためにも、ヒジキ卿になりたいよね?と聞いてみると、一番は、ヒジキか‥‥‥とはなっていたが、独立に前向きだったので、三番と父親は、息子のみおじさん達とのお食事会へと移動させておき、姑付きで婿にほしい人ー!とやってみると、娘もいますおじさん達は見えない殴り合いを始めた!』


『三番のせいで、止まっていたようなものだからな』


『レンギョウ商会の会長が、よーし!こっちはこっちでお食事会だ!と殴り合い会場へと誘導してくれたね。王太后さまと王妃さまと一番と、ヒイラギの次男以外の息子達は、周辺国な皆さまとお食事会。ビュードノーア・ヒジキ以上の、ビュードノーア・なんとかがある?』


フリュージとミラナサーラは、ふすっとなりつつも考えてみてくれるようだ。







◇◆◇◆◇◆◇







『どんちきババアは次男さまのどこがいいの?と言ってしまってはなんだけど‥‥‥』


『どうしてそこなんだろうと思えるよね。三番‥‥‥より年上だ、と、思うから、三番に対して期限のようなものを示してやるのにちょうどいいのかな?』


『三番が本命なの?』


『三番の世界では、三番がこの大陸での頂点御曹司さま』


『わー‥‥‥おタンポポさまですものねー‥‥‥と思うと、次男さまはそんなになの?』


『歴史としては、国として今の形となったのが、一番最後ではある、から、三番としては自分の下の下の階にいるものだとしているのかも?』


『こう言ってはなんだけど、左の国って、広い、というだけ‥‥‥』


『きゅっとまとまってないで、ばらばらと散って暮らしている、と表現したくなるね。私の勝手な予想では、皆さんそれぞれに暮らしていたのに、急にヒノキが、おまえらを領主として認めてやるよ、な動きをして、え?あ、そうなんだー‥‥‥ね?と周囲と確認しあうということができないままに、王の臣下だとされてしまった』


『誰も王さまをやろうとしていなかった中で、出てきて、一つの国だとした?』


『そういうの。そうなってから、ばらばらと散らしたんじゃないかな?』


『そう聞くと、そうよね。それぞれで成り立っているから、王都へという流れがあまり‥‥‥』


『誰かがやりたがらない王さまだから、王家としてはのんびり王家でいられる、と思えば、三番はとんでもなく家庭を大事にしている』


『そうね。力が集まってこない王家を維持している、と言えそう』


『長男が王太子だと、次男は予備、ではあるけれど、三男よりは確実に手厚いよね?』


『そうね。おタンポポさまっぽい。と思うと、わかりやすいから?‥‥‥と思うと、そこでも三番は家庭を大事にしているわね』


『どんちき騒ぐのに扱いやすいから次男さま、なんだろうなー、とは思うんだけど』


『そういうのしか見えてこないのよね。よくそんなに執着できるね?と思ってしまう、のに、本当にお妃さまになろうとしてる?とも思えて、次男さまに嫌がらせしてるだけ、って思える』


『そこもね。どんちき騒ぎの内容を聞いた次男さまが、自分のことをそんなに!って喜んでくれて、さあ、どべぐちゃろう!となるから、ほーら、言っていた通りでしょ、となるとしているのかな?』


『どんちきババアとしては、どんちきババアという頂点女の子の次男さまだとしているからには、誰も次男さまに寄っていくなんてことをしないままとなり、次男さまに寄っていく女の子となるとどんちきババアだけ、という状況にできるとしているのでは?』


『そういうのかー‥‥‥どんちきババアがそのことを知るかどうかは、どうでもいい。お相手の出し方として、私は、こつこつ見せつけてほしいんだよね。パン屋で二人で買い物』


『見た目だの何を持っているかだのじゃなくて、そういうのよ!次男さまとお相手が!仲良しなの!』


『クリームパン半分こしようね!』


『素晴らしい!三番を這いつくばらせることができるわ!』


『パン屋やって?』


『え?』


『東部に倉庫的物件があって、そこに窯、ある』


『ある‥‥‥』


『クリームずっしりクリームパンでないと、半分こなんてしては‥‥‥もちろんベーコンエピも扱って、持ち帰りのピザとか、どう?』


『ピザ食べ放題!』


フリュージは大歓迎な案のようだが、ミラナサーラはあんまりらしい。


『フリュージには、シュミルと一緒に東部支所で軍医にならせて、片手間的に売店もやるから、遅番な方がパンを持っていって並べる』


『おぅ‥‥‥』


フリュージもしぼんでしまったのだが、言うだけ言っておこう。


『保温用の窯を作って、ピザ生地を半分にぱたんってしたのを持って行って、温めよう。スオウのじいさまを連れていって?』


『あんこ‥‥‥?』


『ドンチッキが小豆買ってたから、じいさまによってミラナサーラがあんこを炊けるようにさせてもらって?』


『倉庫的物件?』


『じいさまは東部にあるレンギョウ商会のお宿に泊まるだろうから、皆も一旦そこに泊まって、エンラッドを呼び出してもらって?エンラッドが倉庫的物件の鍵を持ってるし、買い物できる場所とか案内してくれる。倉庫的物件には、炊事のための調理器具ならある。本が大量にあるんだけれど、それはムージェスに運び出してもらうから、どの部屋も自由に使って?』


『シアの所有物件?』


『東部のお宿を作る時に、買ってもらった。官舎として使うとか、誰か所有するとかも、エンラッドに言えば、やってくれるんだけど、ドンチッキが小豆を持ってきてくれるから、そこで、私が保温用の窯のある売店作ってって言ってるって言ってみて?』


『言ってみる‥‥‥』


『キリ家にヒナタなんて女の子はいないから、あれも三番の世界だよ、って教えてあげて?』


『何それ‥‥‥?』


『キリ家のお嬢さまも留学希望だ!』


『‥‥‥交代しろってこと?』


『まだフユーの留学となる前で、左の国の王都に留学なんですって』


『胸糞劇の台本をちらちら見せてたんだとしか思えないな‥‥‥』


『いつもの生まれはボロニアなんですが、ではないの。学問所かー!で王都にやってきて、三部署だけなの?と立ち止まり、宮廷勤めの兄が勧めてくれた観光地な場を訪れて過ごしていると、就職目指したら?と、宮廷勤めの兄が宮廷内の全部署を案内してくれて、医局!学問所!となったので責任者から三番に推薦してもらいたい、って内容だった』


『何から何まで、はー?!だ‥‥‥』







◇◆◇◆◇◆◇







私がキリ家でのあんこパーティーを語ってみると、フリュージは面白がれずにいるようだ。


『強烈胸糞自白、ってだけじゃなく、と思える‥‥‥』


『思えるよねー‥‥‥どんちきババアをキリ家のヒナタだそうな存在として、間の国の第二王子殿下のところへ送り込む。しかし?』


『可愛らしすぎないか?どんちきババアに演じることができるのか?』


『生まれはボロニアなんですが、ではないのを語っている時、医局!学問所!となったので三番に推薦を、までは、言わされてますー、だったのが、医学書を読んでいて私とこんな会話をー、となると、おタンポポさま全開だったらしい』


『いつもの三番順序だと、どんちきババアが勝手に実行して、三番がキリ家のヒナタを与えてやった、だよな?』


『その時もそうだとすると、どんちきババアに与えてやったようでいて、どんちきババアではない可愛らしい誰かに?と思えて、今度はどこの女の子を気に入ったんだ?』


『思えるー‥‥‥三番はな‥‥‥医局勤務を目指す、というのは三番の女の子になりたがっている、ということ、みたいになってないか?』


『どんちきババア効果?』


『持て余されてるみたいなのよね‥‥‥』


『次男さまの側近の皆さまに?』


『医局で』


『雑用を頼んでもらえない?』


『それ‥‥‥一々、これしろ、あれしろ、って言ってもらえるのを待っているのに、室長の娘だから何も言ってもらえない。勤務時間がぼんやりしてる時間となっていて、図書庫にある医学書を読む時間が減ってしまったから、勤務時間に本を読んでいたいのよ』


『私によって追い出された?』


『そうなって、医局は戻ってきてほしいし、他の部署も来てほしがってるし、でもシアが阻んでいるから、戻りたい医局に戻れなくて、時間を持て余し、キリ卿とどべぐちゃる日々に』


『三番ではなく次男さまに寄っていけとやられている、ってことなのよね?』


『そう。三番に寄っていくには、どんちきババア以上の才女でもないと無理なのよー』


『学問所や学術所に所属している女の子は、みーんなどんちきババアより下なんだから次男さまに寄っていかないでね?』


『それもなー‥‥‥攻撃?手下として扱われる?どんちきババアが次男さまに嫁ぐことに大賛成しているものとされる?』


『左の国としては、三番と遊んでないで、すぐさま次男さまのところへ行け!と思ってる、ってことにしてるのかな?』


『そういうのは、なさそうに思える‥‥‥次男さまがどんちきババアを早く寄越せとなっているから、まだ研修生だけどやってしまおう、な動きがあるのよー』


『医師の資格を得たのを寄越せ?』


『左の国として嫁がせるには、そういった手段でどんちきババアを次男さまに輿入れできるような存在だとしてやるしかないんだー』


『ど庶民でも医師なら輿入れできる?』


『お妃さまなんてのは、きれいに着飾って、お上品にお茶飲んでるだけな存在なのに、医師として働く気のあるどんちきババア、どうよ!』


『次男さまが、どんちきババアを娶ろうと頑張っている。のに、医師となるのを阻まれてしまったので、キリ卿としてどべぐちゃっていた?』


『次男さまがど庶民になろうとしてくれてるのよー、ってやるのか?と思ってた』


『次男さまがどんちきババアにする!となってくれさえすれば娶ることが可能、だとしているのかと思っていたんだけど、そうではないのかな?』


『そこを、ただ待ってるだけじゃなくて、ど庶民どんちきババアのいける最高到達地点を目指していてあげるわよ』


『クリームパンを半分こ‥‥‥しないんだろうな』


『お妃さまとなれたら、きれいに着飾ることはして、ってとこだけだろうと思える』


『次男さまが、無職の無収入だと、離れていくのかな?』


『どんちきババアに表に出ない奥さんになってってことなのよねー!』


フリュージの予想を聞き、その通りだろうと思えてならない。


『人目のあるところで紅茶の茶葉を渡すと、その男性のお相手?』


『俺は、しようよー、な行いに思える』


『そんなにそっち方面?』


『人目のあるところで、っていうのがだな』


『手土産だと?』


『手土産だとすでに家に入れてもらえる関係だからな‥‥‥俺としては、どのような状況にせよ、ベッドへのお誘い』


『受け取って紅茶を淹れると?』


『あとでしようね』


『男性がフリュージに、あの子に渡してくれ。フリュージが、女の子に渡す』


『何それ‥‥‥俺、が、抱いてやれよ、ってこと?で、抱いてやるよ?ではない気がするが、俺‥‥‥?』


フリュージが首を傾げると、ミラナサーラも首を傾げながら言う。


『何通りにも解釈できそうね』


『クリームパン半分こしようね?な、二人で会いたい、ってどんなのになる?』


『クリームパン‥‥‥日時を約束する‥‥‥』


『作るか』


『アローラが何か受け取るの?』


『水色リボンの巻いてある蝋燭を受け取ったアローラは、岬灯台とするべく部屋の中を海にしてやったんだけど、ポガロは眠ってたから、カーテンをリボンできゅっとしておいた。眩しっ!と目が覚めたポガロは、朝の海を見つけても、星を見つけることはできません。朝の海、それもベッドで見るものだったのか。ポガロは海の魔法が消えるまで、窓の外を眺めてみても、やはり夜はやってきませんでした』


『アローラはいなくなったの?』


『出張熊さんをしていたのが、海まで遠出して、戻ってきたら、マグカップにリボンの巻いてある蝋燭が入っていたんだね。ポガロが蝋燭に巻くリボンの色を若草にしてみると、岬灯台は草原の海となり、黄色にしてみると、岬灯台は麦穂の海となりました。桃色のリボンを巻いておいた夜、ポガロは紅茶の香りで目を覚まし、キッチンに行くと、自分のマグカップにも桃入り紅茶が入っていることに歓喜!きちんと歯磨きを済ませてベッドに戻ると、こいつ‥‥‥!子猫で寝ていては気付かないだろうが!八朔の香りの蝋燭なんだから熊にならんか!と思いはしましたが。ポガロは湖での魚釣り中に、お兄さんに聞いてみます。子猫じゃなくて熊がいいんだと、どうすれば伝わるのか。お兄さんは、紅茶の茶葉を手渡すといい、と教えてくれたので、ポガロは紅茶の茶葉を買いに行きました。黒いリボンに夕日色の刺繍糸をちくちくと。そのリボンを紅茶の茶葉に巻いておくと、ポガロは紅茶の茶葉を手に持ったまますやすや。ポガロが紅茶の香りで目を覚ますと、助手熊がお布団になってくれていました。ポガロは紅茶の茶葉をアローラに持たせようとしますが、アローラは枕元に置いてしまいます。苛っとしたポガロは、アローラに紅茶の茶葉を持たせようと、リボンを解こうかとも思ったのですが。今夜は星が見えている、ポガロは朝の海を楽しみに思い、紅茶の茶葉を窓のところに置いておくと、カーテンのリボンを全部解いてから、お布団をかけ直しました』


『これ、クリームパン半分こしようね?』


『最後のページには、朝ごはん。紅茶と、ベーコンチーズエピと、キウイ。ベーコンな部分とチーズな部分はきちんと交互に。あんこエピと、かぼちゃあんエピも添えよう』


『半分こさせるのは、あんこエピ?』


『どうせ、買いにくる!子猫ちゃんスタンプカードを作ろう!子猫ちゃんと半分こします、と言ったら、葉っぱのマークのスタンプを押してくれて、エピな形となったら、壁に貼ってくれる。一般客はレモンイエローのスタンプだけど、ドンチッキだけ違う色!目立つー!』


『‥‥‥貼ってくれる?』


『だけ。絶対来る!スタンプ押してもらいたがる!スタンプカード持参してきて出してくる!言って?』


『言って?!』


『絶対気に入る!どこの子猫ちゃんなんだかわからないのに、子猫ちゃんがいるんだ、ということだけがはっきりと!ありありとわかる!スタンプカードな大きさの額縁を売ろう!絶対買う!額縁に入れて持ち歩いて、そのままスタンプ押してもらいたがる!なのに額縁ごと壁に飾らせてくれる!額縁は、黒に縫い目な夕日色を入れよう!額縁なのに、商品名は、ポガロのリボン!ドンチッキは、好きなスタンプの色にしてあげて?ここで食べていっていいよー、なテラス席も用意しておけば、側近の皆さんと分け合って食べる』


『面白そう』


『ピザは六人で買いに来ると、ピザ買いましたのスタンプを押してもらえて、スタンプで円が描けると、取り皿的なお皿をあげよう。こう、ぐるっと縁だけ、レモンイエロー。しかしお得意さまには、ドンチッキの選んだスタンプの色。アローラの散歩道をぐるっと回ってみてから、イヌマキのおじさんに、ドアベルと、お皿と、スタンプと、スタンプ台と、額縁と、スタンプカードを相談して?』


アローラの散歩道について説明すると、フリュージは完璧に充填してみせると意気込んでいて、ミラナサーラは店で使うマークを考えていく。


『カーテンにリボンって、片側よね?』


『そうだね。片方は閉じたままで、片方はリボンできゅっとしてある』


『売店には看板的に、売店のマークのカードを入れてあるポガロのリボンな額縁置きたい!』


『売店には、小豆のあんこなものは置かない』


ミラナサーラが決めると、フリュージも悪い顔で笑っている。


きっと、美味しいパン屋ができるだろう、そう思えば。


間の国は、皆の安寧の場となるだろう。

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