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シアの国  作者: 薄荷堂
魔女
87/106

87.夜道

「ドンチッキは、モクレン家三男の大騒ぎがあったので軍を西部に置いたままでいた、というようなことを言っていたんだが、以前から置いていたのでは?」


「そうだね。君を送ってきたら、来てる、ということ?」


「左の国としてもそのような認識をしていたようだったので、いつもはどこにいるものだとしているんだ?と思い、三番の世界の気配を感じたが、ドンチッキがそのように説明したのかも?」


「‥‥‥豆腐、それならもっと奥まで入らせろ?」


「あるはずだ、出張ってきているのだから間の国で調べます、とね。しかし、無かったものを置いたのでは、戦争する気になったのか?となる。ドンチッキは後になってから気付いたのか、とても気にしているようだった」


「地形がね‥‥‥東部支所を置くからには西部にも、ということだとしたいのか?というようなお手紙攻撃もあった」


「どうせ、東部支所というのは次男さまのご自宅、西部支所というのは長男さまのご自宅という隠語だ、というようなものもあったのでは?」


「あった。から、フユーのために邸宅を用意してやるなんて?」


「そういうのだと思えるね‥‥‥王城が長男さま、東部支所が次男さま、とお二方だけで目立ってもらいたいんだよ‥‥‥」


「そういうのがすごいんだよ‥‥‥ばーんと長男、とんと次男、みたいな比較?差をつけておくものだとしている?」


「お嬢さまをお妃さまとする長男さまに対し、ど庶民をお妃さまとする次男さまでいてもらわないとなんだね。方法としてはあるんでしょうか?」


「ど庶民を妃に‥‥‥?実現することはできるかもしれないが、実行してしまっては僕はどうなるのか、と思えて‥‥‥もしかして、そういった部分でも、僕が仕事なんてしていない第一となると、左の国としては好都合?どんちきババアは、どんちきババアにとって都合のよい長男や次男を作り上げているのに?」


「どんちきババアは、どんちき騒ぐのに、そういった長男さまと次男さまであると好都合。しかし嫁ぐとなると、本体があなたであることにこだわるんでしょうか?」


「どんちきババアとしては、騒ぐのを聞いている誰かに、王太子である長男よりは予備である次男の方がまだ実現できそうだ、と思ってもらえそうだと判断して、次男を標的として騒いでいる、ということ?」


「どんちきババアが次男さまがどれほどまでにな王子なのかを明らかにしてしまったせいで、どんちきババアのお相手である次男さまが実質的には頂点王子なのだということも明らかになってしまったわね」


「何て言うか‥‥‥政治的?な思惑ではなく、目立ちたいだけ?」


「政という分野での野心ではなく、結婚という分野での野心だと判断してやらないとなんだろうなー、とは思うんですが、私には、性行為という分野での野心だと思えます。どんちきババアってー!こーれほどまでになお男性さまにむしゃぶりつかれるほどのお女性さまなのよねー!」


「間の国の次男、という存在も小道具?上げ底?」


「間の国の次男さま、そんなのどんちきババアがそうだとするのを間の国の次男さまだとしてくれている。それが、今現在です。私としては、その通りだとして扱ってやるのがいなくなってくれれば、それで、どんちきババアなんて自宅の周囲で言いたい放題言いまくっている野放し犯罪者です。絶対に、間の国の次男さまの見た目、なんて情報は出てきませんでした。それにより、どんちきババアは、性行為、というものにのみ着目するような人物なのだとできていますので、間の国の次男さまの実物がどのような見た目であろうと、どのような素行であろうと、どのような仕事ぶりであろうと、どんちきババアは自宅の周囲で、この方が間の国の次男さまなのよねー!とどんちき騒ぎまくれますよね?」


「僕のお相手でもなければ知ることができない、という部分だけを語る‥‥‥ピロートークね。どんちきババアとしては、どういった状況で語られたことなのか、という部分に着目させようとしている、ということか」


「王子である次男さまは周囲に隠れてどんちきババアに会う、ということにどんちきババアがしていますので、一緒にどこかへ行く、なんてことはできず、できるのは誰にも知られないように気を付けていますよ、とどべぐちゃることだけです。どべぐちゃり内容なんてものは、次男さまとどべぐちゃったどなたかによって違うものであり、次男さまはどんちきババアだから、むしゃぶりつくんだ、とできますね」


「その、むしゃぶりつく、って単語をどうして採用しているの?」


「何がいい?」


「‥‥‥質問を変える。君はむしゃぶりつかれると、自分ってお相手だな、って思う?」


「久しぶりなんだろうな、って思う」


「あばずれ‥‥‥」


「お作法なんですって」


ジーオは、すっと遠くを眺め始めたのだが、ジョルムは小さく頷いたので、続けておこう。


「あなたと性行為をできなかった期間に、別の誰かとなんてことはなので、これこのように性欲というものをため込んでいますよね?そうなんです、前回、というのはあなたとの前回なんですよ、と示すのが、久しぶりに会ったな、というお相手に対して実行するお作法だそうだ」


「おい、ジョルム、まさか、こいつの言っていたつるぺたお作法は僕が言ったことだとでも?」


ジョルムは、しっかりと真面目な顔を作って首を横に振り、小さな声で教えてやるようだ。


「あれは、おまえがムオリットに教」


「いいやー!」


ジーオに止められてしまったジョルムが、行くんだ!とやっているようなので言うとしよう。


「がっつりと胸にがっついている無意識偽装記憶操作性行為帝王」


「‥‥‥知っていることじゃなくて、見えていることを、言って?」


「偵察に来た純朴ムオリットに、どうして解けもしないリボンをつけておくんだろう、と思っていたままのことを言葉にして聞かせたあなたは、性行為というものを知るようになったムオリットに面白がられていると気付いてしまえば、どうして鍵をかけなかったのかってそんな発想がなかったからなんだが、どうして鍵をかけていない部屋で子猫ちゃんを抱いていたんだろう、と自分自身の不可思議さが面白く、言ってみるか、と、言っておくか、で、お作法というものを教えてやったんだが、むしゃぶりつこうと思ってベッドに入ったからだな、とそろそろ気付いている」


「無意識を偽装し、記憶を操作‥‥‥?」


「完全にそうしようと思ってしたのに、これはそうしようと思ってしたからというよりは、物理法則に布が従っている状態と僕の手の動きというものが合致したからであり、すっとやるとすっとなった、ということはそういう自然な成り行きだということであって、これが性行為なのかとなると、僕としては完全に行為中ではあるんだけれども、純朴ムオリットを騙したんじゃなくて、純朴ムオリットからするとそのようなものではないということであって、それでは性行為というものには当てはまらないような気がするのは、子猫ちゃんのせいってことでもあるんだけど、それだけではないからには、これは僕は未経験のままだ」


「‥‥‥つるぺたお作法は?」


「ドンチッキが、溶けるとはどうやるのか、と言い出したので、アイヤードが、まで言ってやると、私を使用しよう、と言われ、ドンチッキは私と性行為をしたいなんて思わないだろ、と言ってやると、おまえが、つるぺたお作法、と呼んでいるものを述べましたね」


ジーオは、すいー、すいー、と目を泳がせてから、ふすっと笑って言う。


「久しぶりお作法は?」


「無意識偽装記憶操作性行為帝王なら、久しぶりお作法だということにして、むしゃぶりついているんだろう、という予想。差出人がお相手で、あなた宛てに届け物が届いて、受け取りますか?」


「受け取らない」


「お相手が日傘を送ってきて、日傘を使うようなどこかに連れていってってことだったんだよー」


「そのような出来事が起こらない」


「というのは上層の皆さまなら常識?」


「‥‥‥どんちきババアを黙らせることができる、ということ?」


「そのような行いを決してさせませんが、方法としては、ゼンマイどばか娘が、そうなんだってー、とどんちきババアに教えてやると、ゼンマイどばか娘は誰かに次男さまに成りすまされているのよ、な反論?しかできないように思います」


「僕がどうこう行動する、というものではなく、どんちきババアの近くに情報を出す存在を置く‥‥‥」


「ゼンマイどばか娘の知っている左の国の御曹司さま方は、お相手が日傘なんてものを使ってしまってはお相手の顔が見えないじゃないか、という気色の悪いことを言っている、ということも出すと、どんちきババアは、次男さまは屋外ではどべぐちゃらないのよねー!を出してくれますので、次男さまは日傘で見えないと言っては、ふぁー、で、ふぃー、なことをしているので側近の皆さんが屋内へと促すと、僕は日光を浴びながら、ふぁー、や、ふぃー、をしたいんだよ!と、お相手に日傘を使わせてやるために広々中庭なお邸を整えたんだってー、を出し、嫉妬深い次男さまは、僕がいないと日傘を使っちゃだめだ!と日傘は次男さまが持参するんだってー、も出すと、どんちきババアは、持ち歩いていた日傘を落としちゃったわ、をどこぞの誰かの前でやるようになると思うんです」


「‥‥‥いかにもどんちきババアの育成した次男なのに、どんちきババアの育成した次男がやりそうにないことをさせると、こいつがどんちきババアの次男なのよ?を始める?」


「これ‥‥‥どうしてあなたが持っているんですか?拾った‥‥‥?次男さまに何かあったんだわ!とお涙頂戴態勢となって、日光を浴びながらどべぐちゃりたい次男さまは、どんちきババアに日傘を使わせてやるためにお邸を、と語ってから、どんちきババアを迎えに来たのに落としてしまってきっと今も探している!とどこぞの誰かに一緒にどんちき騒いで歩くことを強要し、次男さまのお邸に行けば絶対に会えるわ!と言い出し、ゼンマイどばか娘に、どこに次男さまのお邸なんてものがあるのよ?案内しなさいよ、をやってくれますので、次男さまのお邸って王城でしょ?と言ってやれば、いつも馬車でどべぐちゃりながら連れていってもらっていたから気付いていなかった、と言ってくれます。むしゃぶりつきたがり次男さまが、日傘を持ってきているのに、馬車でのろのろと陸路から行くの?と聞いてやれば?」


「船に乗っても馬車から降りなかった?」


「むしゃぶりつきたがり次男さまは馬車でどんちきババアとどべぐちゃるより、特等船室でお相手にむしゃぶりつく方がいいよね?」


ジーオは、文句があるのだと出さないようにしようと、一瞬目を瞑ったので、自分自身のご機嫌を取っているのだろう。


「‥‥‥そうだね」


「むしゃぶりつきたがり次男さまは、お相手を前に乗せて、次男さまが日傘をさして馬を歩かせて移動しながら、ふぁー、でも、ふぃー、でもしまくって、特等船室でむしゃぶりつきまくり、船を降りればまた馬を歩かせ、王城に辿り着けば、お相手に日傘を持たせてやるんだ、を出します。すると、次男さまがどんちきババア以外の女の子をなんて思わせたいの?!とお涙頂戴態勢となりますので、おまえは次男さま以外の男性と何をしているのか?と聞いてやると?」


「拾ってくれたのよ?」


「次男さまは嫉妬深くて、浮気なんてものを疑われてしまっては、その男性は消されてしまうのにいいの?」


「どんちきババアから話せばわかってくれるのよ?」


「だって、その日傘、お相手の日傘じゃないよ?浮気用でしょ?そうなんでしょ?次男さまの何が不満なの?大満足どべぐちゃりを常時継続してくれる次男さま以上ってことは、不眠不休で大満足どべぐちゃりを常時継続してくれるの?すごーい!早く誰にも知られないようにどべぐちゃってきて!なーんにも見聞きしてない!ゼンマイどばか娘は何も知らないってことにしておいて、あげる!と追い払いましょう!」


「君はね‥‥‥」


「お相手が差出人で、ティファカさまなサイズのドレスをあなた宛てに送ってくるバージョンもありますよ?」


「ティファカ‥‥‥をどうするの?」


「ティファカさまも一緒に来てね?な届け物なので、次男さまはティファカさまも一緒に、お相手が招待した何かに出席したんだってー、でも王女さまだから、一回着たドレスは、ってことでお古に回してくれてー、だから、部屋着!にしてるんだー、いっけなーい!ティファカさまがお菓子で、次男さまが紅茶を送ってくれたから、今夜はお嬢さまパジャマパーティーなんだ!と追い払います!」


「‥‥‥間の国だと、王子が女性に紅茶をとなると、抱いてやるよ、なもの、だよね?」


「男性が女性に紅茶、というのが、二人で会いたい、というおまじない?隠語?なものとなってはいるような気もするな」


ジョルムはお子さまを刺激したくないのか、恐々という様子で教えてくれて、なんだか申し訳ないのだが。


「左の国もですよ?」


ジーオは、しっかりとこちらを睨んで言う。


「このガキ‥‥‥!あ、だから業務用?」


「だという主張なのに‥‥‥と、手応えなんてものを一切感じることができずにいたでしょうね。会長は、ゼンマイどばか娘に与える知識というものを制限していますので、どんちきババアからすると、ゼンマイどばか娘にとって、次男さまからの紅茶は皆に振る舞うものなの‥‥‥?!と思わせることができます。しかし、あなたがお相手に与えた紅茶を、お相手はお客さまに出さないのかとなると?」


「出さないものだ!」


「家族ぐるみな状態となっていても、次男さまと一緒にしか飲まない?仲良くやってますよ?」


「あー‥‥‥いや!ティファカが送るのに、僕もって時点でない!」


「会長のお姫さまなのに?あなたは何も送らない?家族ぐるみなお相手がいます王子が、とんでもごちそうおじさんの、ティファカさまより年下な娘に送るもの、それは?」


「男性が紅茶をというのは、お相手や奥方だけ」


「お子さまをちょっといいご気分とさせてあげるためのものとならない?あなたも王子から紅茶をもらえるようなお嬢さまなんですよ」


「そういったものだとできるだろうが、しないものだ」


「お相手が、次男さまが持ってきてくれた紅茶だー、なんて言って出すと、おまえも次男さまに抱いてもらえよ?」


「そうなると思う。話題としてでも、次男が紅茶持ってきた、というのをわざわざ出すってことは?と思われるようなものだ。君は、お茶会すると聞いて僕が持ってくる、というような出来事が起きるとしているのかもしれないが、そういったことは起きない」


「嫉妬深い次男さまが、次男さまが与えていない紅茶をお相手に飲ませる?」


「そういうのか‥‥‥店でお相手に選ばせて、客人に出す用の紅茶を持たせておく?あ、お相手の用意したドレスをお古として受け取ってもらってありがとうと、次男が紅茶をつけた?」


「どうよ?」


「腹立つ!そこまで考えると、紅茶か‥‥‥とは思うが、僕はお相手がいるんだから、ティファカのおまけであっても、つけないものだ」


「会長が、カフェはいいよ!となったのは、ゼンマイどばか娘が紅茶を受け取るなんて出来事が起きても、店で出すものとして検討してよ!なものだとできるから?」


「そうだろうな、と思えるね」


「私は、ドンチッキに何をやらせていたの?」


「茶葉を扱う店に一緒に、というのも、そういう仲でないと行かないが、そこは接待だとすることは可能かもしれない。三番がドンチッキに送り付けて、ドンチッキが君に、君は受け取り?」


「厳密には、受け取っていたのはヨツバ」


「家対家なんて見方もできそうだが‥‥‥?」


「手土産として持ってきて、ほい、とヨツバに渡しておけば、お茶とお菓子を出してもらえていたのが、あの茶葉まだあります?あれでミルクティーにしたい、とか、お代わりはあの茶葉にしたい、とか、ヨツバの自宅に遊びに来た、みたいになっていき、官舎となれば、キッチンで自分で淹れてましたね」


「ティファカにも?」


「ティファカさまとラージウには、これはおそらくそういう茶葉だ、と言っておいたので、違う茶葉を淹れていたようですね」


「‥‥‥君は飲む?」


「どこぞのど糞餓鬼が何を飲もうと、そういったものは適用されません」


「‥‥‥三番からの茶葉をゼンマイどばか娘さんが受け取ると?」


「そんなもんは三番の靴下脱がせて詰め込んで、三番のポプリとしてやりますよ」


「ど糞餓鬼だ‥‥‥三番からの茶葉を君が直接受け取ると?」


「淹れろってことなので、淹れます」


「‥‥‥一番だと?」


「一番はお菓子の配達を頼んでくれて、私にも一つくれるので、私が勝手に一番のところにある茶葉を淹れてました」


「商売人として王子のところに出入り自由?」


「何かしらとして呼ばれれば、行くこともありました。従者のやる気次第」


「従者が呼びにきて、行かない、で帰ってくれたら、行かない?」


「一番は基本的に事前に予約してくれますが、三番は急に呼び出すので、従者に何かしら手伝わせようとすると、従者がどうするのかによって、どんな用事なのか予想できました」


「‥‥‥きゃんきゃん子犬?」


「宮廷内で残飯もらって生きてるらしい」


「役職が、きゃんきゃん子犬?」


「肩書は処刑人」


「‥‥‥それ、何?」


「三番に、第二王子殿下の犬、と言われると、ボノバートが、第二王子殿下があげるって、とくれたので、宮廷側な何かとなると、処刑人、という肩書を第二王子殿下に与えてもらった宮廷内野良犬であるきゃんきゃん子犬」


「きゃんきゃん子犬です、で宮廷に入れてもらえる?」


「通るねー、と門番と目を合わせることをしていましたね」


「‥‥‥右の国の王宮は?」


「入国すれば、回収しに来て王宮に入れておいてくれていました」


「間の国の王城は?」


「じいさまが、あんこを炊かせてくれい!とやると、通してくれて、じいさまがあんこを炊いている間に、ゼンマイどばか娘からおじさん達にどんちきババアについて説明させて、次男さまのとんでもごちそうおじさんの娘がこのように!と示し終えると、ゼンマイどばか娘にはお茶席さんをやらせておきました。私はおじさん達に立証させようとして情報を得たので、きちんとあんこを炊いている途中なじいさまに言い残しておいてから、右の国に逃亡して、草取ってましたね」


「君は何をしていたの?」


「私はお茶席さん体験を終えると、じいさまとゼンマイどばか娘にお茶席さんを説明して、やらせておきました」


「‥‥‥君は、誰に出したの?」


「ポギャロ」


「体験、ねー‥‥‥どこの部屋使ってた?」


「書架」


「どうして?」


「お子さまお布団を持ち込んで、じいさまのいるキッチンの椅子で寝てると、ポギャロがこの部屋使っていいよって通してくれて、もう一人で眠れるゼンマイどばか娘がじいさまと一緒に寝ているのを目撃してはいけない守銭奴は、王城の近くにはレンギョウ商会のお宿がなくて、お子さま一人で一部屋使うの?となっていたので、泊まってもいいかと聞いてみると、いいよ、って言ってもらえました」


「どうして僕がゼンマイどばか娘さんに出されたのか?」


「じいさまとゼンマイどばか娘は、お子さま焼き菓子にあんこを使用する私を、あんこさまを冒涜する存在だとしているんですが、ポギャロは餅や団子にあんこよりこっち!となってくれたので、二人は、お子さま焼き菓子なんてものではなく、餅や団子にあんこ!となってくれる次男さまを求めていたんですね」


「次男を出せ、とね‥‥‥」


「ドンチッキとティファカさまは?」


「‥‥‥僕は、自宅にあるあんこを譲るなんて行いをしない」


「どうせ、朝からずっとあんこ‥‥‥帰ってもらわない!とごねまくった無意識偽装職人な次男さまを、気が多い、と表現するのは?」


ジーオは、何かを押し込めておこうとしていたようだったのだが。


「‥‥‥僕って、三番がゼンマイどばか娘さんに会いに来たのを妨害したの?」


「自宅にお客さまとして通してもらって、至近距離な隣に座ってて、向かいの席には会長ご夫妻で、ポギャロは自宅の敷地の外で待ち構えてやっていて、三番がやってくればゼンマイどばか娘に見送ってもらっていたのが、おまえという無意識偽装記憶操作性行為帝王」


「‥‥‥話題は君だった」


「話題は別人だったと言い訳するのは、ゼンマイどばか娘と性行為をしたがっているおまえを知られてしまった、と考えているからだ」


おじさんな笑みを意識して笑ってやると、ジーオは苛つかせてもらったのだと微かに片頬で笑ってみせる。


「私が戻ってくるまで!と言いつつ、戻ってくるな!と思っていただろう?体の相性だそうなものも、重要なものだそうだ。あなたの毎日というものは、あなたの思うがまま。あなたはもう選んだ。お幸せに」


「王子の、婚約、という期間についてどのように考える?」


「世の中が受け入れ態勢を整えるまでの期間だ。何色とするのか、それを知れば、金の円環が流れていく。ギンガムチェックは私のものだ。遠慮してもらおうか」


「アローラのクローゼット?」


嫌そうに聞かれて教えてやろうとなんて思わない、と心の中では灰狸が悪態をついている。


「会食でもしているところに、次男さまの御印のバッジをつけている方がやってきて、次男さまに女性ものなハンカチを見せて、次男さまが席を立つと?」


「何かしら女性な用事だろう、と思うだろうね」


「見せる相手が女性だと?」


「僕が呼んでる、と思うだろうね」


「そのハンカチ誰の?」


「って思うと、僕のお相手ではないな‥‥‥」


「無意識偽装記憶操作性行為帝王は、こそこそ未経験行為するのがお上手ですので、永遠に婚約期間だとして、無意識偽装記憶操作性行為にまみれて生きていくのかもしれませんね」


「僕はどうして、犯している、犯していない、という部分にこだわっていたんだろうか」


「あなたが無意識偽装記憶操作するのはよくても、お相手にはいつでも大歓迎してもらいたいので、お誘いする勇気、というものを所持していなかったんでしょうね。拒否されたことも未経験帝王は、しれっと始めて、拒絶されても続行したら、それは犯してるよな‥‥‥と未経験行為を続行する太々しさというものを有しているんですから、一生、自称未実行王子のままなんでしょうね」


「僕の社会的な安全確保について考えてみて?」


「拒絶されても犯罪者となるほどの勢いで続行するの?」


「‥‥‥洗脳、という面から考えてみようか?」


「世の中の男性というのは、みーんな無意識偽装記憶操作性行為を実行する生き物であり、世の中の女性というのは、みーんないつでも大歓迎するものだと教え込めば、あなたはいつまで経とうが未経験帝王?」


「‥‥‥僕を拒絶されたくないけれども?」


「誰でもいつでも大歓迎するようには、なられたくない?」


「誰でもなんてことにさせたくないと思えば、どうなってから手を出すべきだろうか?」


「御曹司さまの精子、というものの価値を認識させて、あなたという存在の価値を認識してもらえたら」


「その時を待てない僕は、ベッドで子猫ちゃんを愛でまくっていたんだけども、僕の自宅であり、僕が王子だということで子猫ちゃんは布団に入れてくれたんだろうか?」


「そんなもん、あなたに抱いてもらおうと待っていたのでは?」


ジョルムの肩に手を置き、ぐっと眉間を押さえているジーオは、苦痛というものにより顔を歪めているのだろう。







◇◆◇◆◇◆◇







「どこからってなると、同じ布団に入ってる状態はもう、実行中、という分類になるよね?」


「そうですね」


「しかし、していることとなると、睡眠、だったのが子猫ちゃんで、僕は子猫ちゃんの睡眠を妨げない範囲で、だったので、僕としては実行中、という分類になるよね?」


「あなたが眠っていて、子猫ちゃんが、だと、あなたとしては実行してない?」


「‥‥‥目が覚めない範囲?」


「勝手に入ってもらってる」


「そー、こまでの範囲じゃない。着衣。着ている状態で出ている部分だけ」


「それがあなたの性行為?」


「ってなるけど、一緒に布団に入って‥‥‥ジョルム、僕は何を言っているんだろうか?」


「おまえはな‥‥‥」


ジョルムは、笑っていない!と口元を覆って眉間に皺を寄せていく。


「したいなー、したいなー、起きて大歓迎してくれないかなー、って思いながら触りまくってるの?」


ジョルムの眉間は一層深まり、ジーオはそんなジョルムを眺めていたのだが。


「そんな僕は、子猫ちゃんにはこそこそ隠れて、子猫ちゃんを抱きまくっていた、となるよね?」


「したいの?」


ジョルムは、ぶふっとなってしまったのだが、手を下ろし、ぐっと険しさを増して地面を睨む。


ジーオは、そんなジョルムを眺めながら言う。


「そう聞くと、僕は、したいなー、したいなー、起きて大歓迎してくれないかなー、って思いながら触りまくることをしていたかったのかもしれないね。僕は帝王じゃない」


「子猫ちゃんが見えなくなったら、即結婚しようと思っているお相手がいるだろう?あなたは王子であり、もう大人だ。お相手を目覚めさせていくことを楽しむといい。お相手が成人するまでが婚約期間、それならば金の円環は緩やかに流れ続ける」


「僕はそんなつもりで‥‥‥」


「受け入れたようでいて、あなたが選んだお相手だ。あの方とならばと夢想しているあなたはとっくに、子猫ちゃんを遠くで眺めるだけとなっていて、あの方を抱きたいあなたを知っている」


俯くジーオを前にするジョルムが悲しそうで、悲しそうで。


それなのに、私には、ジーオは綻んでいるように見えている。


(心を決めたあなたを巻き込み、申し訳ない)


ジーオが早く日常というものを取り戻すことができるよう、お子さまはもう行くとしよう。


闇に溶けるなど、たやすいことだ。

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