105.おやつ
「もういいかな?」
「表面だけ削ろう」
「えー?!そういうのなの?」
「たれに絡めてから、パンに挟もうと思って、このようにパンを開いてある」
「そう聞くと‥‥‥もう少し小さくなってからは厚切りステーキだよ?」
「そうだね」
デューイは炙っていた塊肉をまな板に置いてくれると、表面を削る作業もやってくれる。
私は、たれの入っているボウルに牛肉を沈めていくばかり。
(ふふふ‥‥‥)
いい眺めなのでは、ほくそ笑んでしまうのがお子さまというものだろう。
表面となっていた牛肉をすべて沈めてしまうと、よく混ぜてから、パンへと着地させていく。
皆は次々にパンを手にして閉じていき、牛肉が着地済みとなっているパンがすべて閉じられると。
(美味い!)
デューイの分を皿に乗せて差し出すと、デューイも手にしてかぶりつく。
「いい!」
「いいね!」
デューイは炙っている肉を気にしながらとなっているが、私は食べているものに集中できる。
肉だ、そう思わせてくれるのは牛肉なのだと、心の中では眷属達も頷き合う。
「シア‥‥‥すごく、見られているよ?」
赤い首輪さんは、美味しそうですね、とこちらを見上げている。
「ビッソには、鶏肉を炙るからね?」
「ビッソになったの?」
「予備糞ビッソ」
「予備糞ビッソ!」
「ガーロイド・スオウというのは、なーんだ人違い!死ぬべきドンチッキ・トンチッキはどこ行きやがったんだ?という使い道だと思うんだよ」
「まさしく超絶難解立体パズルだよ‥‥‥」
「どべぐちゃ糞坊とどんちきババアによって自由使用されたキリを、とんでも大人気だそうな間の国の第二王子が守りますよ!なーに、バビボブのせいで隠れていた存在ですから、間の国はこれまで通り、第三王子であるバビボブに第一王子も第二王子もやらせておけばいいんです!おっと、ご安心を!第三王子が心配ってことで里帰りだとして売春船で遊んだり、ハヤテという存在がいるんだからと思ってもらえるってことで家庭教師だとして転がり込んだりして暮らしてて、十八になったら正式に婿に迎えてもらいますので、とりあえず間の国の第二王子をリタジオード・キリとしてお披露目してもらえますよね?」
「死ぬべきドンチッキ・トンチッキの脳内でだけでは足りない部分は、実際に起きた出来事にしてもらうことを予定している、と」
「そーんな!堅苦しいものは必要としません。死ぬべきドンチッキ・トンチッキが、脳内に、しかと、お書き留めできてしまえば、それだけで、完了です」
「怖いよー!」
「よーし!食べ終わった皆は、あの建物を制圧だ!間の第一さんだそうなのとの再合流を目指しているそうな派遣医局員です、などんちきババア成りきりの一体が潜んでいる!ので監視しているのもいる!」
食べ終わった皆は、すぐに私の示した建物へと向かい、私は鍋に沸いた湯の中へと鶏肉と野菜を沈めておく。
さらにパンを開いて並べておくと、デューイが削った牛肉をたれに絡め、パンに着地させていく。
この場にいる全員に閉じたパンが行き渡れば、次はステーキだと期待が高まる。
赤い首輪さんの分の野菜を鍋から出しておくと、炙られている牛肉を眺めてみる。
「死ぬべきドンチッキ・トンチッキによると、右の国から姫を交換しよう、って話が来たんですって」
「交換‥‥‥?」
「どうせ、金髪出産濃厚お相手として狙っているんだけど右の国は狙ってないよね?なんてどべぐちゃ人面魚からだそうな手紙が来たので、ちょっと交換しておく?ってことで言ってくれてたんだよー、ってことにするんだろうな、って」
「金髪出産‥‥‥?」
「どうせ、胸糞お化けジモルルさんは金髪お嬢さまじゃないよ?金髪女の子さんの情報をもたらしていただけ!遊んで暮らしているどべぐちゃ人面魚は胸糞お化けジモルルさんと楽しく金髪女の子さんの査定に出掛けていたんだよー、っていうのをまだ出してなくて、ダイジババアの兄だそうな胸糞お化けジモルルさんとしては姪同然なティファカさまの存在を隠し続けてきたのに、ついに知ってしまったどべぐちゃ人面魚が、ティファカさまを手に入れようとモクレン家三男の大騒ぎだそうなものを利用して、間の国にティファカさまを差し出せと!しかし!死ぬべきドンチッキ・トンチッキのやってるおっきれーな第二王子は、消滅希望お荷物さまに助けを求めた!私が間の国に放り込まれたことにより、ティファカさまは守られたが、胸糞お化けジモルルさんとどべぐちゃ人面魚の計画は明るみに‥‥‥なーんだ!モクレン家三男の大騒ぎだそうなものなんて、ティファカさまを手に入れようとどべぐちゃ人面魚が生み出したものだったんだね!とどべぐちゃ人面魚をげっしげし蹴落としておいて、ティファカさまを守った死ぬべきドンチッキ・トンチッキのやってるおっきれーな第二王子の地位を左の国の頂点へと!」
「三人で最も同じような金色だってことで、上二人に押し付けられて王太子!どべぐちゃ人面魚の地位をってことで、どべぐちゃ人面魚の子は金髪で、上二人の子は金髪ではないといいな、という動きをね」
「ヤマフジのおじさんのところまでモクレン家三男の大騒ぎだそうなものが聞こえてきていなかったことから、目論見通り国家間での揉め事としないでおいてくれたようだな!とお喜ぶ死ぬべきドンチッキ・トンチッキは、どばかアンドッチが持ってきた手紙を見せてくれよとやってきた‥‥‥」
「あー‥‥‥それで王太子もどきとしては、ほら!こいつ!ってご気分でいたってことかー‥‥‥」
「どこぞの親子の供述なんて無視してくれるどべぐちゃ人面魚によって、どこぞの親子を連れた死ぬべきドンチッキ・トンチッキを間の国に戻してもらえるのを待っている、なーんてことをさせてていいのかー?」
「そうやって死ぬべきドンチッキ・トンチッキ、のせいで、どべぐちゃ人面魚は消滅希望お荷物さまを前に立たせているんだー、を楽しんでいる、と‥‥‥となると、どべぐちゃ人面魚はヤマフジにあるものを含めて国境を左の国で所有、となっているので王太子もどきは、はーいはい、どうぞ、楽しんでくださいね!」
「そういうことだよね‥‥‥」
「あ!そうか、今はそっちをやってるから、我こそはダイジババアの王さま!やどんちきババア成りきりの出番はまだ先の予定でいるのか!」
「勝手に読み始めてんじゃねぇ!と、もうなってるのかな?」
「ヤマユリのババアの自宅に入れてもらえないと‥‥‥どうするんだろうな?また、役所だそうな場に戻るのかな?一旦どんちきババアと合流して‥‥‥もう始めるか、となるような?」
「そうして、死ぬべきドンチッキ・トンチッキは単独行動を経てどんちきババアと二人で合流する場として、本妻宅の厩舎の隠す気の無い二階を使用するつもりでいるだろうが、屋根にあった隠し扉も、壁にあった隠し扉も施錠できるようにしておいたし、門も見えるように施錠しておいてくれている」
「そうなると、役所だそうな場に戻る?」
「その前に必ず本妻宅の敷地内へと侵入すると思うので、それで拘束ならいいのではないだろうか」
「いいと思う!」
食べ終えた皆は、足取り軽く馬へと向かう。
「「お!」」
建物からは、早速丸太が運び出され、荷台へと積みこまれる。
「ステーキもいいかなー!」
まな板で切ってみたデューイは。
「僕はもう少し焼きたい‥‥‥」
「では、これはビッソの分に茹でよう」
「やったな!ビッソ!」
デューイは赤い首輪さんの一口サイズへと切ってくれたので、それも鍋へと入れてしまう。
赤い部分が無くなれば取り出し、野菜と一緒に皿に盛りつけると、赤い首輪さんの分の完成だ。
「さあ、どうぞ」
いただきます!と笑顔となった赤い首輪さんは食事を始め、デューイは炙るのを一面のみとするようだ。
「こうして切れば、ほどよい部分もある、というステーキにね」
「ビーフカツレツってあるだろう?」
「僕は、あれの良さがわからない‥‥‥」
「私もなんだ。カツレツにするのは豚肉、唐揚げにするのは鶏肉、ステーキにするのは牛肉」
「その通り!ところで、そのボウル一杯のは、マッシュポテト?」
「私にとって、マッシュポテトとは、スプーンで掬ってもりもり食べるものなんだ」
「まったくもってその通りだね!付け合わせなんて分類を、僕はしない!あ、ぽちゃんしていい?」
「どうぞ!」
私がたれの入っているボウルを近付けると、デューイは、炙っていた一面をたれにつけて、また火の上へと戻す。
「ふー!匂いの暴力ー!」
確かにこれは、いい匂いの強風に巻かれているような気分だ。
鶏肉と野菜をすべて出してしまうと、鍋にはじゃがいもをどぼどぼと入れておく。
「ジモルルさんと愛人のだそうな自宅を六角形に含まずとも、と思えるし、ジモルルさんは施錠するのでは、とも思える」
「愛人だそうな誰かも鍵を持っていそうだよね」
「そこに使うのが、ヤマボウシのお嬢さまだそうな胸糞お化けルイザだと思うんだ」
「ザリガニッチ?」
「そこが、あいつらの中で多重。ザリガニッチを下げさせたい消滅希望お荷物さまは、ナラヤーロを使うつもりでいるだろう」
「教育係に、行っちまえ、なこと言っておいたのを、愛人役に起用してやった、と?」
「そういうの。どんちきババアとしては、当然どんちきババアの裁可を得た誰かにしてよ?」
「死ぬべきドンチッキ・トンチッキはまだ決めていない、ってこと?」
「死ぬべきドンチッキ・トンチッキが、消滅希望お荷物さまとどんちきババアに話している分の、死ぬべきドンチッキ・トンチッキの予定とは、死ぬべきドンチッキ・トンチッキの妃として胸糞お化けルイザを死ぬべきドンチッキ・トンチッキのやっている第三王子が、間の国の第二王子殿下の妃としてどんちきババアを死ぬべきドンチッキ・トンチッキのやっている第二王子が、それぞれ謎の建築物なんだか国境なんだかの向こうへと移してやるのに、消滅希望お荷物さまも来るか?というもの」
「どんちきババアがやるわ、を防ぐ?」
「死ぬべきドンチッキ・トンチッキは左の国でリタジオードとして遊んで暮らす予定でいるので、連れて戻った妃達を間の国で抱くのは、第三王子もやる間の国の第二王子殿下、なんだね」
「となると、間の国の第二王子殿下のお気に入りを、だね」
「そっちもどんちきババアでいいよ‥‥‥」
「どんちきババアはもちろんやる気になるだろうが、ってことは?」
「おいおい、おまえは間の国の第二王子殿下の妃なんだから、死ぬべきドンチッキ・トンチッキに惚れるんじゃ、な、い、ぞ?」
「怖いよー!あ、ちょうどいい」
デューイの分が焼けたので、私が炙る役を代わる。
デューイは、マッシュポテトをたっぷり盛った皿に肉を盛り付け食べていく。
「美味い!いい!最高だ!」
「いいなー!」
「間の国の第二王子殿下のお気に入りとなると、どんちきババア成りきりの一体?」
「今から呼ぶ犬三匹は、どんちきババアと間の国の第二王子殿下の子供達で、子守りを任されている一体が売春宿の店番もしている」
丸太の見張りをしていたロモンは、この後の予定を知り、すっと手を出す。
炙っている肉を渡してやると、ロモンは見張る対象に肉を含む。
「どれにしようかな、をしようとしているのでは、どんちきババアと一緒に行動されてしまわないために、さっさと合流予定地点へと置いておこうとするような‥‥‥でも、どんちきババアは‥‥‥自分にしなさいよ、では、間の国の第二王子殿下が抱く女性が座る椅子を、一つ空いたままにしておくことになる。どんちきババアがゼンマイどばか娘として、が死ぬべきドンチッキ・トンチッキの妃?」
「となると、どんちきババアはゼンマイどばか娘をやろうと、一旦別行動なので‥‥‥もうなってるのかな?ジョルムにまとわりついてヤマユリのババアの自宅まで行き、消滅希望お荷物さまと死ぬべきドンチッキ・トンチッキが追い返されると、ばりーん!する勢いで中へ入れるように盛り上がり、そこに死ぬべきドンチッキ・トンチッキも参加しようとして追い払われ、どうなってるの?と離れようとしたどんちきババアを連れて合流予定地点へ」
「ヤマボウシのお嬢さま、にする、ってことは、妃とできるような家に所属していることにしてやる、ってことだよね?」
「そういう部分がね。おまえなんて妃になれるような存在じゃないのに、間の国の第二王子殿下が妃にしてくれてるから妃なんだからな?感があるように思えてしまうが、どんちきババアはそれでこそ満足なのでいいんだろうなー」
「ヤマフジのおじさんや消滅希望お荷物さまと仲良く過ごしていられるんだから、とも思うけれど、あんなのが第二王子だよと出てきて、やるか!ってなるのがすごい‥‥‥」
「ずっと間の国の権力者として関わってきていたのが、まあ!今回は第二王子の使いだと名乗ってくれるの?くらいに変換されているのではないだろうか」
「どんちきババアとしては、いつも通りなのか」
「こんなに軍でも警察でも動いていても、あー、どんちきババアの思うように動かないのを減らしてくれるなんて、どんちきババアってどんちきババアー!って思っていそう」
「死ぬべきドンチッキ・トンチッキが、こいつにする‥‥‥言い出すんだろうけれど‥‥‥決めてなかったの?」
「消滅希望お荷物さまはスオウの次女さまを起用させたがってもいて、オオデマリの次女さまは婚約者なんだが王太子もどきによって却下されたような形となっている」
「そっか、キリの長女さまだった。死ぬべきドンチッキ・トンチッキが楽しく遊んでいるためには邪魔になるどんちきババアを、間の国へぽいしておこうとしている?」
「そのついでに、きゃわいい僕が兄さんのために見繕った女の子をきゃわいい僕の妃として確保させてやってもいいよ?きゃはは!」
「抱かせてください!と兄さんがなるような女の子だって、死ぬべきドンチッキ・トンチッキが思えた女の子を起用する、ってことだよね?」
「もう間の国にやっておいた、ヤマユリのババアをな!」
「いい!いいよ!控え目なの?」
「ヤマユリのババアは、いつだって死に支度を終えていることを心掛けて生きていたね。生き証人的に、ヤマフジのおじさんの妹だよ、って言ってくれる誰かとなると、いないんだろうなー‥‥‥」
「そうされて生きてきた、ってことなんだね‥‥‥」
「しかし、供述するとなると、自分が受け持たされていた仕事は、と並べることはできるんだが、その仕事の内容まで言葉にできるとなると、フリュージをど愛人の息子として確保してきた、人質となっていた女の子を確保したままにしてきた、のみなのではないだろうか、ってところでヤマフジのおじさんが笑っていそうなんだよ‥‥‥」
「狂気の塊、だもんね‥‥‥よし代わろう」
デューイはロモンと交代し、ロモンは全面を分厚く切り落として作成したステーキを細く切ってから皿に山積みとしておく。
(いい眺めだ)
「どべぐちゃ人面魚は、ポギャッドを第三王子として排除して、死ぬべきドンチッキ・トンチッキを第二王子として前に立たせたタイサンボクの息子となり、間の国を侵略する予定でいることになっている」
マッシュポテトの小山を食べ始めていたロモンは、スプーンを持っている手を止める。
「‥‥‥そんなに、まあ、調べられたくないだろうが、間の国の中で調べられたくないことを隠しておいてくれる、という使い道だよな?」
「そう思うね。上層にだって死ぬべきドンチッキ・トンチッキの手下いるのになー!ってことのような気もするし、あるんでしょ?そういうの隠しておくのに使っていいよ?ってことのような気もするし、王太子もどき自体が死ぬべきドンチッキ・トンチッキとしては隠しておきたい存在ではあるだろう」
「しかし、隠しておいて左の国で遊んでいられるのかとなると、どんちきババアの世話係としてつけてやったんだから、兄さんの妃を丁重にもてなしてよ、きゃわいい僕のためにね!きゃはは!」
「組織なんてものが無くなれば、死ぬべきドンチッキ・トンチッキはもっと自由に遊んでいられる、と思っていそうではあるからには、左の国での女の子遊び人脈を所有している、という自負、という地点にまで至っているはずだ」
「遊んで暮らす逃亡生活を実現可能だと判断している、ということだからな」
「ヤマフジのおじさんのように、組織を所有しているおじさん、というのはあちこちにいるのはいるだろうが、それを死ぬべきドンチッキ・トンチッキの女の子遊び人脈に加えられて大迷惑!というのもそうではあるんだろうが」
「王子という肩書を振り回せば、というだけではなく、ヤマフジのおじさんの組織での実績というものを知っているおじさんなので、死ぬべきドンチッキ・トンチッキを丁重に扱ってくれている、ということだよな?」
「それを無しに、えぇ?!王子?!となるような、小物と表現するおじさんを従えることができて、それで逃亡生活を安泰なものとできる、とは判断しないだろう、が」
「キリのご当主さま?」
「そこね‥‥‥ヤマフジのおじさんが作り上げている胸糞お化けソアさまを、そのまま、とん、と立たせておけば安泰、としているようにも思える、が」
「そんなことで安心できる?と思える?」
「そうなんだよ‥‥‥死ぬべきドンチッキ・トンチッキには可能!と思えてならないのは、思えてならない。ぺいってされることを考えないからには、間の国の第二王子殿下はすでに入り婿状態と判断しているということであり、それも、死ぬべきドンチッキ・トンチッキには可能!と思えてならない」
「同じ道を通ってみても、同じ場所に出る?」
「そういうのだよ‥‥‥当然きゃわいい僕にだって食い荒らさせてくれるよね?ということであり、食い荒らす部分なんてのは死ぬべきドンチッキ・トンチッキにはいくらでも作り出せる、が」
「どうして、キリのご当主さまなんだ?」
「それだよ‥‥‥そこで、ヤマフジのおじさんが作り上げてる胸糞お化けソアさましか知らないから、え?そーんなのって、可能だな、死ぬべきドンチッキ・トンチッキだもんな、と」
「ここ!ここ!ここを食い荒らすんだぞ!」
「だよね?」
ロモンは困り笑いとなることもできず、小さく頷く。
「ヒイラギは無理だよ、お兄ちゃん‥‥‥」
「それもだよね?」
ロモンは、やはり頷き、躊躇していたようだが。
(美味しいねー?)
ステーキの山は着実に減っていく。
「そういう、判断、をすることができる、のか?」
「そう思わせてくれやがるのが、死ぬべきドンチッキ・トンチッキ、なのでは、おまえらキリをどんだけ低く評価していやがるんだ?と思わせてくれている」
「さあ!踏み潰してよ!」
「ってことだと思えて、え?死んで?って思うからには、やーらーれーたー!な盛り上がりを経ての逃亡生活?って思えてきて、どこにだって入り込んで遊んで暮らすんだろうな、って思えて、殺そ、って思う」
「あれー?いいのかなー?」
「って思えるんだよ‥‥‥あれ?いつだって死ぬことになるけど、いつだって私を通らせてくれるんだ、なー‥‥‥きょろきょろ」
「一直線に死へと向かう死ぬべきドンチッキ・トンチッキ」
「それを直視させ続けてくれるのでは、まあ、ね‥‥‥いいんだろうね‥‥‥すいー、って見回してみて、いいんだな‥‥‥え?あんなにまでも、ほれほれ!どうなんだよ!王子がこんなんなのではきゃわいい僕をどう扱ってくれてしまうんだ?ってやってるけど、どうとも扱っているのは死ぬべきドンチッキ・トンチッキ自身、だもんなー、きょろ」
「え?これって、こういう、間の国の第二王子殿下の分の命乞いなの?」
「無理だよ‥‥‥いや、死んで?死ぬべきドンチッキ・トンチッキと組み合わせるとどうとかではないかとなると、組み合わせると、より、死んで?になる、んだよなー‥‥‥きょろ」
「え?いいの?」
「いい、んだなー‥‥‥じっ‥‥‥どっちも死亡でいいんだなー‥‥‥じっ‥‥‥いいんだなー、これが、間の国」
「そう締めくくることにな‥‥‥タイサンボクはあの位置に存在しているから、だと思える」
「しかし、間の国の第二王子殿下は、素行、というものから、起用?‥‥‥ただ隣にいるだけだよ‥‥‥」
「ありのままの間の国の第二王子殿下を、そこに、とん、しておいて、隣にいる」
「それが、死んでてくれないとな間の国の第二王子殿下と死ぬべきドンチッキ・トンチッキという、二物質。死ぬべきドンチッキ・トンチッキの妃としてぽいしてくれると、ちょうどいいよね?」
「ちょうどいい。見事に、ちょうどいい」
「ニトババアでいいよ」
「それでいい、って思えるのがニトババアだ」
「我こそは死ぬべきドンチッキ・トンチッキの妃!ニトババア!ってやってくれないのでは、死んでてくれないとな間の国の第二王子殿下なんて、ソアさまを通してだろうと振ってくれたハヤテの夫(入り婿)面しようと居座り続けていないで、死んでてくれないとなんだよね?って、朝になって目を覚ましたダドに言って?ってデューイに言って?」
「言って?」
ロモンに言われたデューイは、私とロモンを交互に見て、それから赤い首輪さんを見る。
「ダドとは違う区画のベッドで、その時を待つんだよ?」
「それなら行こうかな!」
デューイは塊肉をまな板に置いておくと、馬へと向かう。
私は三つの皿に、鶏肉と野菜を盛り付けると。
「ごはんだよ、と大きな声で言うと、三匹がやってくる。また明日から始めよう、って言えば、店番している一体のところへと向かう。今日のところは帰宅しよう、って言えば、馬車で待っている一体のところへと向かう」
「国境の中、派遣医局員、店番、馬車、どんちきババア、シア?」
「どんちきババアは、どんちきババアを単独として、あとの五体で五角形としているだろうが、ヤマフジのおじさんとしては、私、の下に、どんちきババアと派遣医局員、の下に、国境の中と店番と馬車、としているだろうね」
「そう思い知らせてやる、のが聴診器?」
「間の国の第一だそうなのと再合流を目指す派遣医局員と同じ聴診器」
ロモンは溜め息をつく。
「まだ、自由にさせてやるんだろうか‥‥‥」
「王太子もどきはどうせ、丸太となって運び込まれた死ぬべきドンチッキ・トンチッキの処遇なるものをニトババアに聞く。そうして、どんちきババアをニトババアに突進させてやる」
「ニトババアは王太子もどきにどんちきババアの処遇を聞き‥‥‥ニトババアに判断させようとする?」
「我こそは大陸一のど御曹司さま!とどんちきババアを見下ろしてやるための行為だって、言いたくなるんだよ‥‥‥」
「恋する為政者、きゃははははー‥‥‥」
(低い!低いぞ!ロモン!)
面白がらせてもらえては、お子さまは悲しいのだと崖の際へと寄っていく。
私を排除してやりたかったことが、これなのか。
崖から見渡す限りの燎原は、その勢いを増すばかり。
「店番をしている子は、ボール、と呼ばれているだろう。ボールが遊びたがっているよ、そう言ってアヤレイスを連れ出す。アヤレイスと遊ばせてもらえる、それはどこからどう見ても特別待遇。だが、ボールは最下層として扱われていて、髪が長い。アレルギー持ちなんだとして診療所に通わされていて、それなのにパンケーキならば与えてもらえる。診療所では女の子として扱われる。だが、ボールは男の子だと教えられて育てられている。私が言った。その生き証人とするべく扱われている」
「去勢、そんなものは洗脳だった」
私が何をしたのか、そんなものは誰もが知っているのだと、魔女はいくらでも泣いていく。
「うなじな髪の生え際には焼き印を入れられていて、どんちきババアのカフェで働く皆は、全員が髪が短く、長くあれるのはどんちきババアのみ、だと教えられている。特別可愛い個体であり、髪を短くしたがるように仕向けられては、特別なんだと教え込まれる。最下層からの脱出、それには髪を切ることが必須であり、出た先となるのはどんちきババアの支配そのものであるどんちきババアのカフェだ。髪を上げることをして、店員として働けるのかの査定。ボールが失敗するのを笑うための集まりには、髪の生え際に何か塗っているようにしか見えない、店員、だそうな存在がいる。ボールは、三匹が戻ってくると、表から出てきて、今、満室です!の意思表示として、ばたーん!と閉める。店番を放り出し、三匹を連れて裏から出ると、勝ち得る決意をするだろう。人質となっていた女の子が産まされたのは自分の妹だと自分では思っていると語り、髪を切ることを要求する。これは焼き印なのだと知れば、シュミル先生に会いたいと、自分にかけられた呪いについて語り、自分は女体に生きているのだと知れば、どんちきババアのカフェへの抜け道を案内しようとするだろう」
「‥‥‥だが、もう知っている」
「どんちきババアのカフェの店員にならない、それで生きていける、ボールはそう思っているように、私は思うが、そんなものこそ私の妄想だ。等しく死ぬ、そこに‥‥‥どうしてボールは含まれるのか、どうか、教えてくれ。そう、王太子もどきに言ったところで、無駄、というものだろう‥‥‥王太子もどきにとって特別、それが、どんちきババアなのだと、気付いてもらえるその日を待つんだろうか」
「王子に生まれたのに、と思ってやるのか?」
「幽閉されて生きることを選べば、そこにどんちきババアを置くことくらい選ばせてもらえるのが、王太子、なる存在なのではないだろうか、とは思う。一回くらい抱けたかな、という時間を与えてもらい、それから死ぬのが、ヒノキのご夫妻への戒めなるものとできるような、気もする‥‥‥」
「生まれたのがあれらでは、と‥‥‥」
「手駒とは重要だ。それを手にすることができなかった王など、早々にいなくなれ。男児として生まれてきた、それをどべぐちゃ人面魚へと変化させたのは、おまえだろうが、と思ったところで、守ろうとするのが親の愛なるものだそうで、それを向ける先をきちんと選ぶのだから、それは、王、という存在だそうだ」
「迎えに来る?」
「馬鹿げているが、そういった行いをする選択をするのではないだろうか。お嬢も連れていってくれるだろう。そこでもまた、吐き気だ‥‥‥」
「恋とはおっきれーなものであり、浄化作用まで持つようで、一つにまとめるなんてことはすぐさま実現してくれる」
「そんなもので館主ご夫妻の生き地獄を知っている顔をするのが、娘、という生き物だそうだ。ランセンの生き地獄をどのようにでも悪化させていく、それが、姉、という生き物だと言うんだろうか?言うんだろうな‥‥‥それでこそ、リンランだろう‥‥‥リンランなので敵視、そう評するのは適切だと思える。私個人の気質、嗜好、それこそが恋なのだと語られる判断をしているのが私なのだと、知っていて放置していたい私は、何が違うのかとなると、何も違わない。ただ、私が部外者だというだけだ。私は、野生の恩知らずだ」
「‥‥‥野生?」
「野生に返そうってことになったからね」
「野生?!」
「人里というものを理解している気がするし、人語というものを扱っているような気もしている。これまでは、やって来れば勝手に寛いでいく他所の猫なんだろうなって思わされていた野良猫。これからは野生の恩知らず」
「そんなに違わない?」
「これまで通り、侵入者、簒奪者、というものに私を当てはめない誰かから搾取して生きていく、それが私なんだと知っている私がやって来れば、勝手に寛いでいくんだね」
ロモンはきょろきょろしてしまってから、赤い首輪さんを見て、それから私を見て言う。
「‥‥‥右の国のガーロイドさま?」
「死ぬべきドンチッキ・トンチッキが、どべぐちゃ人面魚に、ガーロイドさんがお忍びだそうなで髪を覆った、という出来事が起きたと認定させるから殺してやって、って言ったら、一緒に来た。から、私が取り散らかしている資格とか権利とかまとめておいてくれてるのを、全部右の国に持って行って開いておいて?って言っておいたら、ジョルムに、死ぬべきドンチッキ・トンチッキの頭を惨状とするように言って帰っていった。ので、死ぬべきドンチッキ・トンチッキの頭はあのようにね。私はスイカ柄にしたかったんだけど、ジョルムが、それでは死ぬべきドンチッキ・トンチッキは女の子に見せてお喜ぶから、って‥‥‥」
ロモンは赤い首輪さんと見つめ合い、一度スプーンを口に運び、飲み込んでから、言う。
「‥‥‥スイカ、あった。すごい離さない」
「屋根裏的空間の窓を開き、すみませーん!派遣医局員なんですけどー!必要なものってどこにあるんでしょうかー!と盛り上がるのを私に妨害されると、スイカを地面に落として、きゃー!と盛り上がり、それでも誰にも相手にしてもらえないと外に出てきて、派遣医局員なんですけど、を始め、掃除しておけよ、と言ってもらえたので道具を取りに行ってきます、と逃亡し、直属の上司的な存在へとお報告を実行する予定でいたんだね。スイカ、すぐに食えよ‥‥‥」
「ってところで、とっくに予定してたんだなー‥‥‥」
「どうせ、どんちきババアが管理を任された、どんちきババア選別による成りきり四体なのに、どんちきババアが管理しないのでと、死ぬべきドンチッキ・トンチッキが管理だそうな行いをしてきたんだよ」
「少しも汚染されてやらないので、最下層なボール?」
「そこは、男の子なんだろ?!な反抗という方向へと進ませてしまったので、というものなのではないだろうか」
「死ぬべきドンチッキ・トンチッキによるお教育の成果だそうなものの順で並べている、ってことか。どんちきババア成りきりとして育成してきて、その中から死ぬべきドンチッキ・トンチッキの妃‥‥‥別にいそうだな」
「し、か、し?」
「妃とするべく育てるということは、間の国の第二王子殿下好みな女の子へと変化させる、ということであり、そんなのってどんちきババア」
「し、か、し?」
「そこでもお教育が思うようにいかなかったので、こんなのって間の国の第二王子殿下の妃であるどんちきババア、と片付けておいてキリの長女さまへと向かうことにしたような気もする。のでは、誰かいるような気もする」
「お母さんが死んだのはあなたのせいなんですか?というものを、ルイザ・ヤマボウシとして、間の国の第二王子殿下へと送り、お家にいられなくなったのはあなたのせいなんですか?というものを、ルイザとして、カイドウの窓口から送った、それはルイザの悲しみが形となった行いだったんだろうか」
ロモンを硬直させたのは私なのだと、自分という化け物の危険性を理解するには十分な目をしている。
私は呪う。
いくらでも。
「計画に組み込む、それをしていたのならば、ここで出すのか?それではまさしく、恋をして迎えに来た、そういった演出だ。だが、連れていかない。捨てていく。捨てなければならないほどに、確かな何かが二人の間にはあり、ようやく結ばれた二人。だが、そこを踏み躙る。本気になられて困っちゃったなー。だが、抱くのでは、本気になったのは死ぬべきドンチッキ・トンチッキなのではないのか?どうしてだ?間の国の第二王子殿下、そんなものよりも、よほど、今というものを知っている。そう思わせて、何をする?私には見えている。こんなものを、恋、というものとして私に扱わせたがる、それはどうしてか?腹が立つんだ。供物とされてやったのではない。戦い抜いている自分を軽んじるのは笑っていられても、大切なものを守ろうとしない、そんなものを自分の上に立つ存在だと認めることなど、自分がしていることをどのように認識することになるのか。どれだけ歪んでいようが、捻じ曲がっていようが、それこそが死ぬべきドンチッキ・トンチッキが兄を思う、という行いであるからには、死ね、となる。死ぬべきドンチッキ・トンチッキは、私に逃げ出させてくれた。でも、私は、死ぬべきドンチッキ・トンチッキに逃げ出させてやらない。死ぬべきドンチッキ・トンチッキは、調律を行ってきた。死ぬべきドンチッキ・トンチッキの力そのものを行使してきた。それにより、誰もが、死ぬべきドンチッキ・トンチッキが封じ込めてきたのだと気付かない。死ぬべきドンチッキ・トンチッキはやめない。死に向かって歩き続ける。見限っているんだ。こんなにも、死ぬ思いで守ってやらないと、生きていけと思わせてくれない。誰も彼もに、生かしておく価値なんてものを見つけることができない。勝手そのものだが、死ぬべきドンチッキ・トンチッキに食い荒らされる、やる気が無い、そう判断することになる。どいつもこいつもやる気が無い。生きていく気が無い、そうとしか思えない。どれだけでも食い荒らすことのできる状態でいる王子、そんなものが実在している、見ていていられない。見ていることなど苦痛どころではない。だが、それこそが望まれる王子なのでは、自分というのは死ぬべき異物なのだと、そう知っていて、それでもやめない。食い荒らされる王家、そんなものを見たくないのでは、食い荒らすのは自分なのだと食い荒らして回る、それが死ぬべきドンチッキ・トンチッキだ。受け入れない、そこに死ぬべきドンチッキ・トンチッキの不在を含まないのだから、処刑されたことにしてどんちきババアのカフェで暮らすのに使う呼称は、リタジオードではなく、ディッディドゥーディー・ドンチキーだろう?どうせ、見ていられないと解体を代わってやり、手際なんてものではなく、商品そのものにしか見えない腸詰めを作ってくれるのでは、私はこうしてじゃがいもを茹でたくなるんだ。私から守る、その行いを放棄してきたのは、誰だろうか?」
ロモンは、何を言ってくれることもなく、ただ、私を見下ろす。
「ディダディドゥーディー・ドンチキーとなるのは、ギドロイ・ヒノキ。それでこそ、恋を見守る王陛下、なのではないか?死ぬべきドンチッキ・トンチッキの幽閉先、それは、どんちきババアのカフェだ。ギドロイ・ヒノキ、その異物をディダディドゥーディー・ドンチキーと認定し、ヒイラギにあるそうな、ヤマブキ家のお嬢さまの自室となっている空間に幽閉する。ヒノキの夫婦には、おまえらの息子を手駒だと、私は認定しない。生かしておきたいのなら、生活費、それをきっちりとヒイラギの王へと納め続けろ。何を勝手気ままに動こうとしているんだ?ヒイラギの王の裁可、それを得ようと、努力、でもしてみてはどうなんだ?それが、おまえらの息子の選択、というものだろう?」
私が破いたページを差し出すと、ロモンは無音で叫び、どうしてかマッシュポテトのボウルを抱える。
「持って行っていいよ?」
ロモンは、うっ‥‥‥!となりつつ、見上げてみるのだが、謎の建築物なのか国境なのかの上部にいる皆は、誰も目を合わせてくれないようだ。
「カフェの中で解体を始めやがったのはディダディドゥーディー・ドンチキーなんだから、元通りとなるまで、ディダディドゥーディー・ドンチキーの私費による掃除を継続させておけ。カフェにあった設備を使用して、自分一人の生活費を稼いで生きていられる状態を保つ、という提案をするように。とディッディドゥーディー・ドンチキーに言ってやるように、ディダディドゥーディー・ドンチキーに言っておいて?ディダディドゥーディー・ドンチキーの生活費は、両親なる存在による支払いしか、私は認めない、とも言っておいて」
さらにページを破いて差し出すと、ロモンは、がぶっとマッシュポテトを口に運んでおいてから、ボウルをテーブルに置いておく。
「幽閉だ。出入りすることなど許可しない。が、二階にならば、それは構造上、仕方ない。お心優しい誰かなら、生活に必要なもの、金を稼ぐのに必要なもの、あるいは、自給自足に必要なものや設備、というものを整えてくれるのかもしれないな?這いつくばって、生きようとしてみせてくれ。こんな世界で、ディッディドゥーディー・ドンチキーが一人で生きていることを、私は願っている」
赤い首輪さんの首輪から縄を外し、破いたページで繋いだ輪っかを通してみると。
(頼んだよ)
赤い首輪さんは走り出す。
どうか、そう願う私は、どこまでも身勝手だ。
◇◆◇◆◇◆◇
鍋から出したじゃがいもは、まだまだ湯気が上っていて、見るからに熱そうだ。
(いけるかな)
そおっと触ってみると。
(熱い‥‥‥)
食べてくれる人員がいないのだが、やることがないので、串に打った鶏肉を炙るとしよう。
ぱりっとを心掛けたい、そう思うだけで、どうしてかほくそ笑んでしまう。
(あれ?)
赤い首輪さんが戻ってくると、ぜぇぜぇ状態のロモンも戻ってきた。
「あ、鶏肉?覚えてたねー」
赤い首輪さんはにこやかだ。
炙る串をもう二本手にすると、片手に二本ずつとなり、なんだか自分の見た目に笑えてしまう。
「ジゼットのところへと?」
「そ‥‥‥そう、なった‥‥‥」
「馬で並走では潰してしまいそうで、ずっと道を走っていった?」
「そう、だった」
「ぴぎゃ糞ギッソは、予備糞ビッソが来ると、出る、という手順なので、ビッソが来ないことには動かないのかな?って思うと、いつもはそっちも赤い首輪をしてるのかな?」
「見分けることをするのは‥‥‥おじさんはしてなさそうだな‥‥‥本妻さま?」
徐々に息の整ってきたロモンは、私のリュックの肩紐に縛ったままとなっている縄を、赤い首輪さんの首輪に繋いでくれる。
「厩舎の二階なんてのは、本妻さまに世話を押し付けた気になれる、という場所だと思えるね」
「こんなこと言ってもなんだが、好きなの?って思える」
「おじさんは超絶好きだから、本妻さまが産む子の父親はそりゃあおじさんだ!と名乗りを上げるご気分で戸籍上の父親となることはしてきたが、本妻さまがおじさんのこと好きになってくれないと結婚しない、って思ってたんだろうなー」
「何、それ?」
「ヤマフジにある戸籍だそうなものでは、結婚していることになっている。だが、おじさんは本妻さまをネズから連れてきて、スオウで止まったんだよ。そのまま、あーだこーだと言って、本妻さまの戸籍をスオウに置くことをして、それからヤマフジへと連れていって、さあ、夫婦!」
「何だよ、それ‥‥‥」
「どうせ、手籠めにするどころか陥れたとしかできない出来事により、ジモルルさんを泣き狂わせて本妻さまを連れていくことにできたんだよ。離縁させようとやってくることは明らかで、それでも立ち向かおうと、おじさんは戸籍上の夫婦となることを選ばず、愛情、なるもので繋がる夫婦となりたかったんだが、どこをどう探してみたところで、本妻さまは自分を愛してくれていないのでは、フリューゼンを愛しまくるのは当然なんだ。だが、フリューゼンは本妻さまを通しておじさんを見るばかり。ちょっとも愛してもらえていない、でもおじさんは超絶好きだし愛しまくってる!と、おじさんはいつだって強気におじさんでいられたんだね」
「こっちも超絶難解立体パズル‥‥‥」
「ここって、役所であっても、ヤマフジという表示が無い」
「そうだ‥‥‥!」
ロモンは、思わず周囲を探してみるが、そんなものは見当たらない住宅街なのだと、俯いてしまう。
「私は、あなたを呪うことをやめない」
「‥‥‥俺、呪われてるの?」
「そうだね。ヤマフジ、それは、山崩れが起きたそうなで出現した地域なのではないだろうか」
「‥‥‥胸糞すぎないか?」
「おまえんとこの国境、どうなってんだ?と強気なヒノキに続けと、山崩れの状況だそうなものを語る、生き残りだそうな生き証人。そうして国境はさらに山へと近付き、山崩れが起きたそうな、山を削ることで出現した地域をヤマフジとしたので、こんなに小さな領地を単独の領地としているのではないだろうか」
「確かに、小さいんだ‥‥‥」
「間の国は、ヤマフジなんて領地があることを知っているんだろうか?」
ロモンは、またも無音で叫び、謎の建築物なのか国境なのかの上部にいる誰かから目を離せないようだ。
「国境という建築物についての埃をかぶっていたような古い書類、そういったものに、ヤマフジなんて地名が存在しない。そーんなのって謎の建築物!というのがあるので、ヒノキのおじさんは、ギド坊!どうする?」
「どうするじゃない!え?そんなことある?!」
「ってくらいに、王、という存在が関わってきていない、ということだと、私は考えている。国対国で交わしたものは、王が持っている。が、その後については、間の国が管理するのに、モクレン、カイドウ、ヤマフジが付き合ってやってきた、なんてものだとしているので、ヤマフジのおじさんが間の国に対してヤマボウシの領主だとして何もかもを実行しているのを確認するなんて、できないよね?ギド坊!」
「‥‥‥王?」
「そうして、静観、なる態度でいこうと決めたのだからと、王太子もどきは強気に王に守ってもらえる気で、静観、しているのではないだろうか」
「え?そんな‥‥‥ここ‥‥‥まさしくヤマフジのおじさんの遊び場なのか‥‥‥?」
「しかし、宮廷では、ヤマフジという領地、が存在するとして扱ってきている。だが、ヤマフジのおじさんは、自分の結婚について、戸籍というものを自由使用しているし、人質となっている女の子の居住先をカイドウだとするための手続きを、ヤマフジの役所の窓口で手続きしようとしたことにより手に入れた情報を使ってカイドウの窓口で実行しているのでは、ヒノキの糞親子が、ほーら!ヤマフジのおじさんは、ぜーんぶ!ぜーんぶだよ?ぜーんぶそうしてきたんだ!いつもはヤマボウシにだがな!ってやることを可能とさせてやっている」
ロモンは、目の前がちかちかしていそうに、大きく瞬きを繰り返す。
「このまま、ヤマボウシとヤマフジを合わせる、それを左の国が実行可能とするのでは、宮廷では分離していたヤマボウシとヤマフジを合わせてしまうことになる。いいの?本当にいいの?いいんだね?と、とんでも笑顔で私の動向を見守ってくれているのでは、あいつらを生かしておく、その必要性が、私には見えない。だが、ルツには見えるのかもしれないし、いらない、と判断してくれるのかもしれない。カイドウにある居住先は、フリューゼンが、最低限な情報だけを話してカイドウのじーさまに固定してもらってくれていると予想する。そこが、ルイザだそうな差出人の住所として使用されている、デューイの隠れ家だそうな場所だ。次男さまツアーの帰りにでも、王太子ケイオスさまが寄ってくれているかもしれないが、それにより、えへえへ奥さん面をして出入りすることをしなくなっているとは、私は予想しない」
「‥‥‥そいつ、何?」
どうやらロモンは混乱しているようだ。
「ジモルルさんは、ジモルルさんと愛人のだそうな自宅にいて、誰か入ってきても、またヤマフジのおじさんだよ‥‥‥って遭遇しないようにするよね?」
「持ってる!鍵!」
「どうせ、そこで馬の手入れをしてやっているので、ジモルルさんは見かけたとすると、げー‥‥‥!ここでも、ヤマフジのおじさんは愛人と!って思って、やはり関わらないようにしていて、ヤマフジのおじさんから、あの子がジモルルさんの愛人なんだから、馬の手入れする場として迎え入れてやれよ、とでも言われていただろう」
「ジモルルさん?!」
「ジモルルさんは良識あるおじさんなので、若いお嬢さんがおっさんが暮らしているような場所に立ち入ろうとしないもんだ」
「ジモルルさん!」
「ジモルルさんは、どうも自分の見た目とか見栄えというものに無頓着なんだが、あんなん、明るいフリューゼンが歳とっただけだよね?」
「そうだ!明るいフリューゼンだ!」
「ってところで、狂気の塊であるヤマフジのおじさんは、もちろん、本妻さまをジモルルさんとの近親相姦だって大歓迎な性行為が大好物である、できれば若い男がいいわね女性にしていると予想する」
「すげぇよ‥‥‥」
「そこで、君だって、とべたべたさんを使おうとして、どうせ!べたべたさんは何もかもが惜しい美人よ!と盛り上がっただろうとは思うんだけど、べたべたさんがえへえへするとは思えない。デューイの人気ぶりを思えば、え?!カイドウの御曹司さまの部屋の掃除!?と狂気する若いお嬢さんが、カイドウ家からの仕事の依頼だとして、現地へ行って掃除、なる行いをしているようには思うが、そんなのっていっくらでも調達可能だ」
「こいつだろうな、ってのが見えてこないってことか?」
「いや‥‥‥そこが、ルイザなんだけど、ヤマボウシ家に窓が存在しているせいで、ルイザの特異性が少しも示されていない、って私に思わせてくれるんだよね」
「え‥‥‥あ、シュイージ達はどうして放置しているの?となる、ってことだよな?」
「そういうのだね。本陣である自宅では、完璧に娘や妹をやっている、というのはありそうに思う。が、ここで出てくるからには、かなり本気どころか、どんちきババアなんて踏み台として使ってあげて、間の国の第二王子殿下に抱かれる第三王子殿下の妃となるつもりでいる、という場面だ」
「完璧にやるようなのが、そこではいきなり現実離れ?」
「そう思える。だが、これ以上生きていられない、と判断しているのなら、大盛り上がりするつもりでいるだろう。胸糞沼地が荒れるぜ‥‥‥!」
(迷子?)
「‥‥‥荒れるの?」
「吐くことを堪えていられるだろうか?」
「‥‥‥比喩?」
そんなに心細そうにされては、面白い。
「ビュードノーア・ヒノキの近衛部隊を警察所属人員とする。ビュードノーア・ヒノキがニーニトッセ・ヒイラギと共にお宿から出てくれば、すぐに拘束だ」
「‥‥‥仰せのままに」
(そろそろいいかな)
まな板に置いて、一つ切ってみると、中まできちんと火が通っているようだ。
赤い首輪さんの分を小さくして皿にのせると、人の食べる分には塩を振っておく。
熱いのが平気なロモンは、一本手にして食べながら、赤い首輪さんの前に皿を置いてやる。
(はい、いただきます)
赤い首輪さんは、にこやかに見上げてくれてから、皿へと向かう。
私も一本手にして食べてみる。
(美味い!)
「お嬢だよー!」
(来やがったぜ‥‥‥)
残る一本を狙うリンランを視界に入れてはならないのだと、態度で示しておくと、ロモンは苦笑いとなって私に倣う。
「あいつ、自由そのもの判定をもらえたの?」
こそこそ聞くと、ロモンもこそこそ教えてくれる。
「なんと、次男さまから入り、長男さま、ご両親、なんて流れで手にするようになっているそうだ‥‥‥」
「悪烈‥‥‥」
私がリュックの肩紐から縄を解くと、ロモンが受け取ってくれた。
「即時帰宅し通常通りカフェを開けろ、と言っておいて?」
「仰せのままに」
私は走り出し、そのまま屋上へと向かう。
悲しくて、悲しくて、いくらでも叫べそうだ。
「浮遊霊さん!?僕の浮遊霊さんはどこですか?!足にあるアンクレットを見せてくれないと、僕は寝てなんていられません!」
建物の屋上や屋根を移動しながら叫び続けると、地上が賑やかとなっていく。
悲しい。
いくらだって、悲しいのでは。




