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シアの国  作者: 薄荷堂
兵器
103/106

103.楽しく生きる

(ん?)


すっと手を差し出したのはジゼットで、お子さまサイズな金槌を渡すと、金具を手にして厩舎の壁へと向かう。


「この犬がいたのか?」


ギドロイは犬の前にしゃがみ、そおっと手を伸ばす。


犬もそおっと頭を差し出し、それではギドロイはご機嫌麗しく撫でてやることになるようだ。


「この厩舎の裏手には、壁面にべったりと梯子があり、どうだい?気になっちゃっただろう?」


「いかにも二階がありますなのに、階段というのは見当たらず、壁には隠し扉」


「犬な大きさの扉も壁にあるような気がするんですが、私は屋根にあった隠し扉から入りました。室内には、長椅子が窓辺にあり、その隣に盆と、空の皿と水の入っている皿です。使っているんだか使っていないんだかな布団が、おそらく一組、こう、使い終わったら枕元なのか足元なのかに立ち、敷布団を持ってぱたんとやったんだろうな、な形状となって壁際に寄せてありました。念のためそのまま踏んでみましたが、ぱたんの中には布団だけという踏み心地?でした。どうせ、ヤマフジのおじさんの来訪を嫌がるフリューゼンが自室にしていたんだよー、はい、号泣。アヤレイスについていた犬は、青い首輪さん」


「こいつは、赤い首輪さん」


「産まれてみると男児だったので、赤い首輪さんは着任せず、となると、着任待ちとなっていた緑の首輪さんもいるんでしょうね」


「用意しておいた、ということか?」


「もっちろん、本妻さまに子犬から育てさせました。人質を押し付けられ、しかしそろそろと本妻さまへと寄っていくことができたヤマユリのババアは、犬、だと‥‥‥?となり、ヤマフジのおじさんがフリューゼン達にも知られないように何かを実行中だということに気付きました」


「赤子が出てきては、何もかも計画済みだったんだ、となる‥‥‥」


「アヤレイスは本妻さまをママと呼んでいました。死ぬべきドンチッキ・トンチッキには死ぬべきドンチッキ・トンチッキの予定があり、その予定には、アヤレイスのママとなっていない人質を使うことにしている。あなたは、私の認定する王太子もどきだ。謎の建築物とするのか?」


ギドロイは、たっぷりとした溜め息をつき、立ち上がる。


「どべぐちゃ人面魚の予定では?」


「モクレン、カイドウな領域に現存しているものを含めて、左の国の所有物とする」


「あそこにいるのは‥‥‥?」


ギドロイが目で示したのは、門のところからこちらを見ている支配人だ。


「ヤマフジのお宿の支配人。青い首輪さんについては申告があったが、赤い首輪さんについては申告がないので、一時的な所有権となると、ギドロイさまでしょうか?ヤマボウシのおじさんでしょうか?」


「おい!しれっとおまえの要求を述べるな!」


「おーやおや!私の認定する王太子もどきは、そうか、これ以上の情報的なものは一切拒絶するってことだ‥‥‥さっさとお宿へ行って、ダドの隣のベッドで眠れよー、煩いお嬢を客室に押し込めておけない支配人が困ってるだろー?」


「追加した!」


「早く決めろよー、おニワイトさまに赤い首輪さんを謎の建築物の上部に立たせてもらうのかー?ジョルムが死ぬべきドンチッキ・トンチッキに連れていかれてる隙に、あっちっちゲーム参加者によって国境上部に立たせてもらうのかー?」


「おまえは本当に、一度だっ、何だ?それ」


「はい、ローは参加しませーん」


開くことをしなかった拳をポケットに戻してから手を出すと、苛っとさせられたのだとギドロイは顔面を変化させる。


「おいおい、ジゼットを見つけようとしているどんちきババアに抗えないどべぐちゃ糞坊は、すぐさま選択を終えろー?間の国側にわらわらと羊が出てくるだろー?ケイオスがいない!」


「おい!小出しにするな!」


「カイドウな領域の国境内部には、おじさん達が大勢と、何色かな‥‥‥桃色かな。な首輪をつけて、がはっ!これは!四人目だからわかる!女の子よ!って東部支所の門前でやってきなさいよ!とやられたどんちきババア成りきりの一体が、おじさん達と一緒にいよう、って言ってもらえたことにより、本物シアをやることにして、滞在している。赤い首輪さんがやってきたことにより、国境上部には、お?何だ?新入りか?って素通りしていく緑の首輪さんが出てくるし、間違えてここにも、国境の門だー!ってなるものを作ってしまったので、ええ、出入り、という行いができるんですね、と解説してくれるおじさん達が間の国側の地面へと出てくる。あれ?魔女の呪いが解けてる!そうか!間の国へと戻れば解ける呪いだったんだ!と喜ぶ、我こそはダイジババアの王さま!だそうなおじさんに、左の国の言葉を使っているね?って言ってやると?」


「羊だった時に聞きまくったからー‥‥‥」


「始まりは小さな傷だった‥‥‥と語りだすおじさんによると、魔力を使いすぎて小さくなってる魔女がいる、って」


「おまえだな?」


「そう!国境内部にいる赤い首輪さんのことを聞いてやると?」


「間の国の第二王子殿下も呪いにー」


「生き恥と言うんでしょうか‥‥‥と語りだすおじさんによると、間の国の第二王子殿下はずっといたのではなく、力を取り戻しつつある小さな魔女によって護衛さん達ごとここに押し込められてしまった、のーで、この!羊達!だ、か、ら?」


「‥‥‥間の国へと戻っても呪いが解けない?」


「そう!我こそはダイジババアの王さま!ではないおじさんは、自分達は本来の国境を管理していた、一族、だと語る。間の国は、今や、ダイジババアが王さまとして国というものを運営しているんだー!」


「え?みーんな偽物?」


「王女さま、だ、け、は?」


「人質的に、そのまま、王女という地位に?」


「そう!こーんな恰好していないで、着替えてダイジババアと王女さまと合流しないと!な、の、で?」


「東部支所へ行ってきますね?」


「この子本物シアですので、間の国の第二王子殿下ってのに見てもらって、ええ?!別人?!ってやってやりますよ」


「可哀想だろ!?」


「いやいや!この子こそが赤い首輪の第二王子の妻であり、身重!懐妊!四人目ですよ?暫定的に東部支所の主としてやりますよ!我こそはダイジババアの王さま!ですからね!おい、第二王子!第三王子、あれ?ケイオスがいない!そんな!あいつまでまさか犬に?!早く魔女をどうにかしてくれ!」


「その呼称、何かあるのか?」


「死ぬべきドンチッキ・トンチッキによると、間の国では、王子さまだー!って意味で、ケイオスだー!って言ったり、君だけの王子だよ、って意味で、君のケイオスは俺だ!って言ったりするんですって」


「死ぬべきドンチッキ・トンチッキか‥‥‥」


「手順によっては、密出入国となっている死ぬべきドンチッキ・トンチッキと合流して、休暇中な恰好をしている護衛さん達なんだー、だったり、本物なので御印制度なんてものを使用していないんだー、だったりという語りで、堂々と東部支所へと連れていくことになっているのではないでしょうか」


「いっくらでも持ってるし出すんだろうな‥‥‥」


「役所だそうな場所の制圧を実行して、丸太状二物質はカフェに転がしておきましょう。焼き殺したがりおじさん達が囲んでてくれます。ジョルムは救出して、緑の首輪さんと行動してもらってください。どうせ、イオッシュが間の国の焼き殺したがりおじさん達を連れてきますから、燃料置くとこ足りるかな?ってなります。二階は、ベッドの周囲だけどびらびらなお調度で、モルガがうぷぷってなりますから、そうなってる間に、カイドウのじーさまに、やらねぇからな!ってやらせてあげましょう」


「え?どういうのだ?」


「消滅希望お荷物さまは、どべぐちゃおじさんとどべぐちゃ人面魚のどべぐちゃ治世をどうにもできずにいるヒジキ王が、ぷるぷる奮い立って胸糞お化けモルガを迎えに行けば、胸糞お化けカイドウのじーさまは王となるそうなヒジキ王の臣下として、ヒジキ王に胸糞お化けモルガを嫁がせる判断をして、王妃としてやっていく胸糞お化けモルガを支えていく、なーんてものを予定しているので、ヒジキ王の前に乗せられてやってきた胸糞お化けモルガは、二階に寄り道して、すみませーん!今ー!間の国の第二王子殿下とおどべぐちゃり中なんでー!やってないんですよねー!カフェー!と言われ、まあ!はしたない!ばたーん!行きましょ!とやってくれるんですね」


ギドロイは、しばし胸糞沼地を見回してみているようだ。


「あ、れ?俺がお披露目?するって言ったんだか何だかってやつは、オオデマリの長女ではないよ?」


「そうやって道を示してくれちゃったのでは、ヒジキ王は咲き誇るカイドウを王座とするよちよちミーアキャットとして大事にされちゃおっかなー!」


聞こえているジゼットも、作業をしながら、ふぅおー‥‥‥!と顔を歪ませる。


「あ、これから逃亡?ではない逃亡をってことか?」


「するのはあなた」


「え?俺がいるから、よちよちミーアキャットになろうとしている?」


「あなたがいなくなる、それではよちよちミーアキャットが王さまやらないとね!あれ?いらない?」


「そうやって、左の国の動向だそうなものを知りましたよ、と‥‥‥」


「そうか‥‥‥胸糞お化けモルガではな‥‥‥やっぱりミーアキャットおじさんは、な?と、ダドの目の前で私の頭を殴ってお楽しめば、ゼンマイどばか娘を連れて右の国へ行ってきます!」


「‥‥‥どうしてだ?」


「面白くも何ともない私の指示なんてもんに従う気にさせてくれたゼンマイどばか娘のおかげで、ルツが王さまになってよ!とヒノキの第一王子として迎えに来ることができました!と、すぐそこまでお嬢も一緒に来ているかのようにお盛り上がるんですが、これまた私の指示だそうなものにより、間の国の東部の港で船から飛び降りたゼンマイどばか娘は、東部のお宿に置いてもらえないよー!だそうな理由で、ダイジババアの店を目指すためにと、東部支所にいるそうな私と合流させろとどんちきやっていたのがすぐさま、第一王子を受け入れ担当としていた派遣医局員だが、受け入れ担当が第二王子になったと言われてやってきたんだ、に変化します。まあ!どんちきババア成りきりの一体ですって?ふっ!どんちきババアという妃のいる間の国の第二王子殿下とおどべぐちゃりたがるのがいるなんて‥‥‥それでは、どんちきババアの受け入れ担当を第二王子にするしかないじゃないの!生まれる前からの幼馴染ギドロイったら!回りくどいことするわ!これ以上手間をかけたくないでしょ?間の国の第二王子殿下の妃の!お披露目をしてちょうだい!と脱ぎだし、これ?間の国の第二王子殿下が着せていってくれたお下着なのよね!さすがにこれは脱がないわ‥‥‥間の国の第二王子殿下が二人きりで!脱がせてくれないとね!これ?嫌ーだ!恥ずかしい!間の国の第二王子殿下の性癖!なーんてものじゃないのよ?誤解しないで?とやるための焼き印だそうな跡を見せつけてやろうと、消滅希望お荷物さまにぎゅうぎゅう押しまくってもらいながら、役所だそうな場所へと向かっているのを目撃し続けた死ぬべきドンチッキ・トンチッキは、疎外感、なんてものを有するようになっているんですね」


「おまえが楽しく生きてるから、間の国の第二王子殿下だって楽しく生きることになるんじゃないのか?」


「あーららー、どんちきババアとおどべぐちゃるだけで満足しない間の国の第二王子殿下なんて死んでてくれないとだって、王太子もどきも思ってるー。これほどまでに自由に妃として過ごさせてやってきたんだから、どんちきババアって間の国の第二王子殿下の妃、って思ってるの胸糞沼地生物達だけではなーい」


「まあ、そこがな‥‥‥そここそが問題なんだ‥‥‥」


「この犬、ボゲチョ」


「‥‥‥緑の首輪してるのは?」


「ジャドルーオ」


「おまえって、俺を追い払いたいのか?」


「そう!ローはボゲチョを預けたら、お嬢を王妃さまに会わせてやるといい」


「‥‥‥いることに?」


「お宿に王妃さまがいるので、この邸を使いたいと私を誘導する予定になっているだろう?だが、どんちきババアがやってこないことを知っている。邪魔なんだ。この地から、いなくなれ。ダドの隣のベッドは、ジゼットが使う」


犬の首輪に繋がる縄を、リュックの肩紐から外すと。


ギドロイは受け取り、犬はギドロイの隣へと移動する。


さようなら。


私はもう、行くとしよう。

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