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★★ろくでなしSpace Journey★★(連載版)  作者: 埴輪庭


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7.惑星G1011②

 ◆


 惑星開拓事業団の先遣隊は、惑星G1011についてこう報告している。


『この星の空はまるで硝子のような物質が降り注ぐ奇景を見せている。雨は地に落ちても砕けることがない。また大気に毒性はなく、3日間の滞在中に敵性生物との遭遇もなし。居住適正ランクをBと定める』


 この雑極まる無能な報告は、これはこれで価値がないわけでもなかった。


 少なくとも、惑星G1011は宇宙船が着陸できる程度の環境であることや、降り立った瞬間に何らかの宇宙的パワーで内臓が穴という穴から噴出したり、強力な毒性を持つ大気の為に防護スーツの防衛機構と突破して体がデロデロに溶けたりという事がないと分かるからだ。


 ちなみに居住適正ランクBとは上から二番目の評価である。


 君が住む惑星C66は地球に酷似した環境であり、居住適正ランクはAとなっている。


 ただ、この居住適正ランクは普遍的なものではない。


 あくまでも君の様なアースタイプ基準のランク分けであり、異なる肉体組成を持つ外星人にとってはまた事情が異なってくるだろう。


 星系が異なれば常識も異なるのだ。


 だが惑星開拓事業団はこの"常識"を全銀河へと広めようとしている。


 彼らの背後には地球連邦という巨人がおり、その巨人の指先からは見えざる糸が垂れさがっている。


 そして、この糸の先が惑星開拓事業団にあることは暗黙の了解であった。


 まあ、君にとってはその辺は関係のない話なのだが。


 ・

 ・

 ・


 のんべんだらりと惑星G1011を眺めていた君だが、一瞬、息をのむ。


「なんだぁ…?」


 遥か遠く、惑星G1011の後方に何かがうねっている。


 それは蛇のようにも見えるし、芋虫の長躯にも見える。


 ともあれ、大きい。


 その大きさは、遥か遠くに見えるにもかかわらず、星ほどにも思えた。


 君はコンソールを叩き、その蛇らしきモノを拡大表示する。


 君の感想は、虹色宇宙芋虫…であった。


 大きく長い虹色の芋虫が宇宙空間を遊泳しているのだ。頭部の触角…触手は絶えず揺れ動いており、何かを探しているようにも見える。


「うへぇ、恒星間生物ってやつか。初めてみたぜ…」


 恒星間生物とはその名の通り、宇宙空間を生息地とし、星から星へと渡る生物である。


 宇宙は広く、星など全くない宙域も珍しくないのだが、そういった宙域では発見例がない。


 大きさはまちまちで、小型の宇宙船程度のサイズのものから惑星に匹敵する巨大なものまで存在する。


 更に驚くべきことに、これらを超える規模を持つ生物の存在も確認されている。甚だしく信憑性に欠ける話ではあるが、銀河一つを丸のみにしてしまったという馬鹿げた恒星間生物もいるという話も宇宙男どもの間ではまことしやかに語られている。


 こういった恒星間生物の習性はその生態の多くが謎に包まれたままだ。


 一部の科学者はこれらの生物が星間物質をエネルギー源として利用しているのではないかと推測しているが、確固たる証拠はまだ見つかっていない。


 また、これらの生物がどのようにして宇宙空間を移動しているのか、あるいはどのようにして生殖しているのかについてもほとんど知られていない。


「折角だから記念に…」


 君は再びコンソールを叩き、その恒星間生物を記録に納めた。


 パシャリ。

挿絵(By みてみん)


 そうして、そうこうしている内に "棺桶号" は惑星G1011の重力圏内に突入した。


 着陸まで後わずかだ。


 頭部保護の為のヘルメットを被り、君は着陸を待つ。


 ◆


 宇宙船 "棺桶号" から一歩足を踏み出した。


 君の視界に広がるのは惑星G1011の夜の光景だった。


 地表はまるで透明で硬い岩のような物質で覆われており、その表面は星々の光を反射してきらめいている。


 空には無数の星が輝き、どれもこれもが一等星かそれ以上に輝いていた。この星の大気組成が、星の光をダイレクトに地上に届ける役割を果たしているのかもしれない。


 周りには硬質で透明な岩のような物質がゴロゴロと散らばっており、君はその一つを手に取ってポーチへと仕舞う。


 今回の仕事は"これ"を出来るかぎり収集するというものだ。ポーチへ入れたのはくすねる為である。惑星開拓事業団はブラックだが寛大な組織なので、こういった業務上横領をある程度は見逃してくれるのだ。


 ある程度は、だが。


「雨なんか降ってないけどなあ…」


 君は空を見上げるが、雨雲らしきものは見当たらない。折角ヘルメットを買ったのに、と君はやや不満そうな表情をうかべるが…


 まあいいか、と君は端末を取り出して恒例の記念写真を撮った。


 パシャリ。


挿絵(By みてみん)


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惑星開拓事業団エンブレム

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GALACTIC FEDERAL GOVERNMENT AUTHORIZED
P L A N E T A R Y
D E V E L O P M E N T
C O R P S
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惑星開拓事業団

「銀河の未来を、あなたの手で。」

銀河の開拓者

西暦3889年──
人類はついに銀河の果てに手を伸ばした。

未踏の星々が、あなたの一歩を待っています。
あなたもその一歩を踏み出しませんか?

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

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◆ 開拓対象惑星 ◆
F R O N T I E R W O R L D S C A T A L O G
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美しき新天地

200を超える未踏の惑星が
開拓者を待っています。

▸ 未知の生態系の発見 ▸ 希少資源の採掘権
▸ 居住適性の評価 ▸ 新航路の開拓

※惑星ランクE以上の調査には所定の事前ブリーフィングが実施されます

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

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◆ 個人用船舶貸与制度 ◆
Y O U R W I N G S T O T H E S T A R S
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あなたの翼

入団初日から、あなただけの翼を。

ワープ航法
空間折り畳み式
銀河のどこへでも
AI航法支援
搭載型ガイドボット
あなたの相棒

※船舶の仕様・AI支援レベルは団員ランクにより異なります

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 多種族共存環境 ◆
D I V E R S I T Y B E Y O N D S P E C I E S
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

共に歩む仲間たち

種族を超えた絆が、銀河を拓く。

アースタイプ ベルトラン メタノイド
地球型人類 植物型種族 金属生命体
ピギー星人 スライム系 ザイフォルクス
豚型種族 不定形生物 交配進化種

※チーム編成はCランク以上でマッチングシステムをご利用いただけます

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

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◆ 拠点惑星 C66 ◆
Y O U R N E W H O M E
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惑星C66

銀河有数の居住適性──ランクA惑星。

惑星データ 詳細
居住適性ランク A(最上位)
都市階層 上層・中層・下層
主要施設 事業団支社・商業区・居住区
生活環境 快適

※居住区の割り当ては団員ランクに準じます

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━ 団員ランク制度 ━━
C A R E E R P A T H
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

E 研修生 ── 基礎訓練課程
D 調査員 ── 単独惑星調査
C 主任調査員 ── チーム編成権
B 上級調査員 ── 高難度惑星
A 統括調査官 ── 全権委任

あなたの努力が、ランクを決めます。
※昇格審査は実績に基づき随時実施 ※Eランク研修期間中の待遇については入団時にご説明いたします


星の海へ

星の海へ──

惑星開拓事業団は
あなたのご応募をお待ちしています。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
銀河連合政府認可 準国策事業体
惑星開拓事業団 広報局
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


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