↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★★ろくでなしSpace Journey★★(連載版)  作者: 埴輪庭


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/161

22.惑星U101③

 ◆


 それがどういった種のものであれ、ある種の決断を下した時に "良くないな" と感じる事がある。


 はっきりとした理由は無い。無いが、とにかく "良くない" 気がするのだ。


 人はそれを勘と言ったり、虫の知らせだと言う者もいる。


 つまるところ、君が感じているのはまさにそれであった。


 ちなみに、これは君だけが持つ特殊な感知能力というわけではなく、下層居住区民の多くが備えていたりする。


 それでも不幸な末路率が抜群に高いのは、悲しいかな持たざる者の悲哀といった所であろう。


 ・

 ・

 ・


「よし、ドエム。ちょっと掴まってろよ、走るからさ。おっと手足が無かったな、俺が抱きしめてやるから安心して……え? なぜって? まあ何となくだよ。走る為の理由なんかいらないんだ。アレコレコレソレだから走る、なんてちょっとダメだね。魂が雑魚だ。俺たちに必要なのは理由じゃなくて行動だ。理由は人生を変えない。行動が人生を変える」


 などと君は意味不明の供述をする。


 今すぐ走り出さなければならない合理的な理由が見当たらないため、とりあえず適当にべしゃってみましたという感じだった。


 君は両脚に力を込める。


 そして──……走る、走る、走る。


 時速150kmでひた走る。


 率直な話、君もなぜ自分が走っているのかよくわかっていなかった。


 ただ、なるべく距離を取らないといけないと感じたのだ。


 先程聞こえた轟音の出所から。


 ◆


 だだっ広い草原に異物が見える。


 異物とは船だ。


 ただ、真っ当に着陸したようには見えない。


 宇宙船はかろうじて形を留めている程度だ。船体の一部は焼け焦げ、更には穴もあいており内部の配線や機械部品が裸になっている。


 船体の外壁には深いへこみが出来ていて痛々しい。


 大破とは言わないまでも、これでハイパー・ワープドライブに耐えうるかといえば疑問だった。


 そんな船の前で二人の男女が何やら口論をしていた。すぐ離れた所に腹部に青い血をにじませたグレイタイプの外星人が横たわっている。


 息は荒く、大きな瞳の彼は、医療の知識に疎いものでも一目で重傷だと分かる怪我をしていた。


 しかし口論中の二人は少しも怪我人を顧みようとしない。


 この事故の責任は誰にあるかという今この瞬間、全宇宙を見渡しても稀有な程に下らない口論に夢中の様であった。


「お前のせいだ! 船の整備の手配を忘れてたって、ふざけるんじゃねえぞ!」


 青い肌の男が眼前の女に怒鳴りつける。彼の顔は怒りで真っ青だ。このアースタイプに良く似た顔立ちの男は、ペルリスタイプという種の外星人である。肌の色以外はアースタイプに酷似している。


 対して女は「私のせいだって? あんたこそ糞みたいな操縦で着陸を失敗したってのはどういう了見よ! すぐ物にあたって、AIがおかしくなったのはあんたのせいだろ! 何が以前輸送船の操縦士をやっていた……よ、この間抜け!」


 と反撃している。


 女の方はアースタイプで、赤い髪のはすっぱな女だった。


 年は40に届いているかどうかという所だろう。好意的な言い方をすれば大変ふくよかな体型で、少なくとも身長190cmはあろうかというペルリス人の男と力比べをしても力負けしなさそうな力感がある。


 声は刺々しく、攻撃的だ。ペルリスタイプの男の顔色はますます蒼褪め、空気が張り詰めていく。


 こういった責任の押し付け合いには本当に意味がない。


 責任とは、責任が取れる者が責任を取れる状況になければ意味を為さない代物だからだ。


 然して、伏せるグレイタイプの男は論外として、ペルリスタイプの男とアースタイプの女の双方どちらにも責任は取れないし、取れる状況にもないというのは地の自明であった。


 ちなみにこの三人は別に幼い頃からの幼馴染というわけでもはなく、固い絆で結ばれた仲間というわけでもない。勿論姻戚関係なども一切ない。


 ではどんな関係なのかといえば、それは簡単に言えば "やらかした挙句、カニ漁船に送られた犯罪者グループ" といった所だ。一応は同僚と言える。この様に犯罪組織がその構成員……特に、やらかしてしまった者を惑星開拓事業団に送り込む事が多々あるのだ。


 理由は上がりをせしめる為である。


 事業団の仕事は稼ぎが良い。


 まあ100人の新米事業団員が3年後、10人やそこらになってしまっている死傷率の高さが唯一の欠点だろう。


 だから死ねばそれはそれで制裁になるため良しであり、死ななければ上がりを掠められるからそれもそれで良しだ。


 事業団もその辺の事は把握しているが、駒が増えるというのは良い事なので黙認している。


 つまるところ三人はそういった関係であって、三者の内に友情とか絆とか、そういうきらきらしたものは存在しない。それでも群れるのは、一人より三人で任務に臨んだほうが生還率が高いからだ。当然互いに足を引っ張りあって全滅の憂き目に、なんてことも少なくないが、その確率はといえば一人きりでにっちもさっちも行かずに結局犬死にする確率よりは低い。


 ・

 ・

 ・


「とにかく、このままじゃ帰れねえ。修理するか、替わりの船を調達するか……」


 ペルリスタイプの男が言った。


「修理ィ? そんなもの出来るわけないでしょ、調達しかないわ。この星の調査に来ているのは私たちだけじゃないはずよ。他の連中だって来ているはず。そいつらを見つけて乗せてもらいましょうよ」


「乗せるのを嫌がったら?」


「そんなもの、決まってるじゃないの」


 腰元のホルスターに収めたブラスターをぽんと叩いてアースタイプの女が嗤った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

惑星開拓事業団エンブレム

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
GALACTIC FEDERAL GOVERNMENT AUTHORIZED
P L A N E T A R Y
D E V E L O P M E N T
C O R P S
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

惑星開拓事業団

「銀河の未来を、あなたの手で。」

銀河の開拓者

西暦3889年──
人類はついに銀河の果てに手を伸ばした。

未踏の星々が、あなたの一歩を待っています。
あなたもその一歩を踏み出しませんか?

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 開拓対象惑星 ◆
F R O N T I E R W O R L D S C A T A L O G
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

美しき新天地

200を超える未踏の惑星が
開拓者を待っています。

▸ 未知の生態系の発見 ▸ 希少資源の採掘権
▸ 居住適性の評価 ▸ 新航路の開拓

※惑星ランクE以上の調査には所定の事前ブリーフィングが実施されます

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 個人用船舶貸与制度 ◆
Y O U R W I N G S T O T H E S T A R S
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

あなたの翼

入団初日から、あなただけの翼を。

ワープ航法
空間折り畳み式
銀河のどこへでも
AI航法支援
搭載型ガイドボット
あなたの相棒

※船舶の仕様・AI支援レベルは団員ランクにより異なります

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 多種族共存環境 ◆
D I V E R S I T Y B E Y O N D S P E C I E S
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

共に歩む仲間たち

種族を超えた絆が、銀河を拓く。

アースタイプ ベルトラン メタノイド
地球型人類 植物型種族 金属生命体
ピギー星人 スライム系 ザイフォルクス
豚型種族 不定形生物 交配進化種

※チーム編成はCランク以上でマッチングシステムをご利用いただけます

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 拠点惑星 C66 ◆
Y O U R N E W H O M E
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

惑星C66

銀河有数の居住適性──ランクA惑星。

惑星データ 詳細
居住適性ランク A(最上位)
都市階層 上層・中層・下層
主要施設 事業団支社・商業区・居住区
生活環境 快適

※居住区の割り当ては団員ランクに準じます

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━ 団員ランク制度 ━━
C A R E E R P A T H
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

E 研修生 ── 基礎訓練課程
▼
D 調査員 ── 単独惑星調査
▼
C 主任調査員 ── チーム編成権
▼
B 上級調査員 ── 高難度惑星
▼
A 統括調査官 ── 全権委任

あなたの努力が、ランクを決めます。
※昇格審査は実績に基づき随時実施 ※Eランク研修期間中の待遇については入団時にご説明いたします


星の海へ

星の海へ──

惑星開拓事業団は
あなたのご応募をお待ちしています。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
銀河連合政府認可 準国策事業体
惑星開拓事業団 広報局
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


この物語を最初から読む

▸ ろくでなしSpace Journey

宇宙SF / 全年齢 / 連載中

© 3889 Planetary Development Corps. / Galactic Federal Government
All rights reserved across 200+ planetary jurisdictions.
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。