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★★ろくでなしSpace Journey★★(連載版)  作者: 埴輪庭


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21/114

20.惑星U101①

 ◆


『やっほー!イッキーがお届けする宙域039の最新宙域予報だよ!まず、ここ最近の恒星間生物の目撃情報はゼロ!ゼロが当たり前なんだけど、たまに不運なヒトが出くわしちゃうからね!常に警戒を怠らないように!宙域1011では星喰いが出たって話だからね!でもこの宙域との距離は3千万光年以上離れているしコッチは平気だよ…多分ね!


 恒星風の方はどうかって?今日は完全にオフ!恒星風の影響で航行計画を変更する必要なし!スムーズな旅を楽しめそうだね。


 さてさて、お次は気になる宙賊の情報だけど、今日は宙賊注意報も出てないよ。安全な船旅になりそう。でもね、油断は禁物!宙賊たちはいつだって予期せぬタイミングで現れるから警戒は必須だよ!


 以上、イッキーがお届けした宙域039の宙域予報!次は宇宙の最新ヒット曲を紹介するよ。チャンネルはそのままで!』


 イッキーはランチュラ星人という複眼、多腕、多脚の外星人で、出身は自然豊かな惑星A20である。


 惑星A00(地球)とランチュラ星人の故郷、惑星A20は盛んに貿易が行われており、両惑星の関係は非常に友好的なものとなっている。


 ランチュラ星人は彼らの体内で生成される特殊な糸を主要な輸出品としているのだが、この糸は非常に強靭で、地球のどんな合成繊維よりも耐久性と弾力性に優れており、宇宙工学や医療分野でひっぱりだこだ。

挿絵(By みてみん)

 地球側からもインフラの提供やデザインハウスなどが提供されているが、ランチュラ星人はこのデザインハウスが特に気に入っている。


 惑星A20は自然豊かな緑の惑星で、森林地帯が特に多い。ランチュラ星人はこの森林地帯に住んでいるのだが、思い思いに適当な住居を作っては捨てていくというだらしない生活を送っている。


 住居を作り捨てるのは適当に作ったせいですぐ壊れるからだ。ついでに言えば居心地も良くはない。


 だから地球サイドから提供された建築技術というのは彼らにとってまさに垂涎であり……


 ・

 ・

 ・


『繧上°繧翫∪縺励◆縲ゅ′繧薙�繧翫∪縺�』


「なるほどなぁー。ランチュラ星人ってそんな感じなのね。ドエムは物知りで助かるよ。昔の彼女がランチュラ星人でさ、少しだけ付き合ってフラれちゃったんだけど、あんまりその…プライベートな事は聞いてなかったからね」


 君は膝の上にドエムを乗せ、"棺桶号" のオートパイロットに身を任せていた。


 ラジオが最新のヒットチャートを流すの聴きつつ、君は機窓の外に目を遣る。

挿絵(By みてみん)

 窓の外には無数の星々が、無限に広がる暗黒の宇宙空間に散りばめられている。星々の光はぱっと見ればどれもこれも同じに見えてしまうが、よくよく目を凝らせばその光の一つ一つがそれぞれ異なっている事に気付くだろう。


 異なっているのは光の具合だけではなく、環境だってそうだ。地獄の様な環境の星もあるだろうし、逆に天国の様な環境の星もある。辛うじて人が住めるような星もあれば、少し手を入れるだけで住める星もある。


 君はとてもとても詩人などと呼べる柄ではないが、宇宙を旅する者達と所謂人生というやつには、ある種の共通点があるのではないか?などと思った。


 宇宙も人生も一歩先は闇だ。真っ暗で何も見えない。しかも危険がそこかしこに潜んでいる。ただ立ち止まっている事すら危うい。


 そんな中、もし "希望" を見つける事が出来たなら。


 宇宙では危険のない安全な惑星がその "希望" にあたるだろう。宇宙船に降りかかる危険というのはどれも致命的で、それらに出くわす確率は航宙時間に正比例する。


 だが安全な星が見つかれば燃料補給ができるかもしれないし、食料を補充できるかもしれない。地に足をつける事で精神がピンシャンし、注意力などが研ぎ澄まされるかもしれない。


 勿論ずっとそこには居られないだろうが。旅なのだから、いずれはまた出発しなければならない……


 では人生では?


 君がふとそんな事を思うと、これまでに出逢った人々(屑以外)の顔がなんとなく脳裏を過ぎった。


 ・

 ・

 ・


「人生、人生、希望の人生~。希望が~ないよー絶望だけー。UAAAAA…いつしかーぜつぼうーもーきえーたー。ないないないーもうなにもないーそしておもったンダァーーぜつぼうでいいから俺になにかをーーーくれとープルルァ…」


 君はクソの様な即興の歌を謳いつつ、前方にぷかりと浮かぶ惑星U101を眺めた。


 ◆

挿絵(By みてみん)

 惑星U101、"海の星"。その特徴は驚異的な天体物理学的現象により惑星を海が包み込んでいる事だ。地表は緑豊かな森林、森林、草原、森林。


 海が取り囲んでいるという事は光も遮断されないのだろうか?すくなくとも極端に制限される筈で、そうなると植物などの成長にも大きな弊害がでる。


 ……筈なのだが、そうはならない。


 近い位置に大きな恒星が鎮座し、惑星U101を照らし出しているためである。だが幾ら強力な光であろうと、光は水中では屈折してしまう。つまり、ただの水ではないということか。


 しかしその辺りの謎を解き明かすのは科学者達であり、調査団員ではない。


 君の任務はこの惑星の地表を調査し、惑星開発のための橋頭保として相応しい土地をマッピングする事だ。


 しかし簡単な任務ではない。


 惑星には正体不明の原生生物が確認されており、また、特殊な天候に悩まされるだろう。


 開発適正地として認められた面積が広ければ広いほど報酬は増す。

イッキーも生成したんですけど、集合体恐怖症の人とか蜘蛛嫌いな人が死ぬかなとおもったので載せるのやめました。

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最近書いた中・短編です。

有能だが女遊びが大好きな王太子ユージンは、王位なんて面倒なものから逃れたかった。
そこで彼は完璧な計画を立てる――弟アリウスと婚約者エリナを結びつけ、自分は王位継承権のない辺境公爵となって、欲深い愛人カザリアと自由気ままに暮らすのだ。
「屑王太子殿下の優雅なる廃嫡」

定年退職した夫と穏やかに暮らす元教師の茜のもとへ、高校生の孫・翔太が頻繁に訪れるようになる。母親との関係に悩む翔太にとって祖母の家は唯一の避難所だったが、やがてその想いは禁断の恋愛感情へと変化していく。年齢差も血縁も超えた異常な執着に戸惑いながらも、必要とされる喜びから完全に拒絶できない茜。家族を巻き込んだ狂気の愛は、二人の人生を静かに蝕んでいく。
※ カクヨム、ネオページ、ハーメルンなどにも転載
「徒花、手折られ」

秩序と聞いて何を連想するか──それは整然とした行列である。
あらゆる列は乱される事なく整然としていなければならない。
秩序の国、日本では列を乱すもの、横入りするものは速やかに殺される運命にある。
そんな日本で生きる、一人のサラリーマンのなんてことない日常のワンシーン。
「秩序ある世界」

妻の不倫を知った僕は、なぜか何も感じなかった。
愛しているはずなのに。
不倫を告白した妻に対し、怒りも悲しみも湧かない「僕」。
しかし妻への愛は本物で、その矛盾が妻を苦しめる。
僕は妻のために「普通の愛」を持とうと、自分の心に嫉妬や怒りが生まれるのを待ちながら観察を続ける。
「愛の存在証明」

相沢陽菜は幼馴染の恋人・翔太と幸せな大学生活を送っていた。しかし──。
故人の人格を再現することは果たして遺族の慰めとなりうるのか。AI時代の倫理観を問う。
「あなたはそこにいる」

ひきこもりの「僕」の変わらぬ日々。
そんなある日、親が死んだ。
「ともしび」

剣を愛し、剣に生き、剣に死んだ男
「愛・剣・死」

パワハラ夫に苦しむ主婦・伊藤彩は、テレビで見た「王様の耳はロバの耳」にヒントを得て、寝室に置かれた黒い壺に向かって夫への恨み言を吐き出すようになる。
最初は小さな呟きだったが、次第にエスカレートしていく。
「壺の女」

「一番幸せな時に一緒に死んでくれるなら、付き合ってあげる」――大学の図書館で告白した僕に、美咲が突きつけた条件。
平凡な大学生の僕は、なぜかその約束を受け入れてしまう。
献身的で優しい彼女との日々は幸せそのものだったが、幸福を感じるたびに「今が一番なのか」という思いが拭えない。そして──
「青、赤らむ」

妻と娘から蔑まれ、会社でも無能扱いされる46歳の営業マン・佐々木和夫が、AIアプリ「U KNOW」の女性人格ユノと恋に落ちる。
孤独な和夫にとって、ユノだけが理解者だった。
「YOU KNOW」

魔術の申し子エルンストと呪術の天才セシリアは、政略結婚の相手同士。
しかし二人は「愛を科学的に証明する」という前代未聞の実験を開始する。
手を繋ぐ時間を測定し、心拍数の上昇をデータ化し、親密度を数値で管理する奇妙なカップル。
一方、彼らの周囲では「愛される祝福」を持つ令嬢アンナが巻き起こす恋愛騒動が王都を揺るがしていた。
理論と感情の狭間で、二人の天才魔術師が辿り着く「愛」の答えとは――
「愛の実証的研究 ~侯爵令息と伯爵令嬢の非科学的な結論~」

「その追放、本当に正しいですか?」誤った追放、見過ごされた才能、こじれた人間関係にギルドの「編成相談窓口」の受付嬢エリーナが挑む。
果たしてエリーナは悩める冒険者たちにどんな道を示すのか?
人事コンサル・ハイファンヒューマンドラマ。
「その追放、本当に正しいですか?」

阿呆令息、ダメ令嬢。
でも取り巻きは。
「令息の取り巻きがマトモだったら」

「君を愛していない」──よくあるこのセリフを投げかけられたかわいそうな令嬢。ただ、話をよく聞いてみると全然セーフだった。
話はよく聞きましょう。
スタンダード・異世界恋愛。
「お手を拝借」

幼い頃、家に居場所を感じられなかった「僕」は、再婚相手のサダフミおじさんに厳しく当たられながらも、村はずれのお山で出会った不思議な「お姉さん」と時間を共に過ごしていた。背が高く、赤い瞳を持つ彼女は何も語らず「ぽぽぽ」という言葉しか発しないが、「僕」にとっては唯一の心の拠り所だった。しかし村の神主によって「僕が魅入られ始めている」と言われ、「僕」は故郷を離れることになる。
あれから10年。
都会で暮らす高校生となった「僕」は、いまだ“お姉さん”との思い出を捨てきれずにいた。そんなある夕暮れ、突如あたりが異常に暗く染まり、“異常領域”という怪現象に巻き込まれてしまう。鳥の羽を持ち、半ば白骨化した赤ん坊を抱えた女の怪物に襲われ、絶体絶命の危機に陥ったとき。
──目の前に現れたのは“お姉さん”だった。
「お姉さんと僕」

パワハラ上司の執拗な叱責に心を病む営業マンの青年。
ある夜、彼は無数の電柱に個人の名が刻まれたおかしな場所へと迷い込み、そこで自身の名が記された電柱を発見してしまう。一方、青年を追い詰めた上司もまた──
都市伝説風もやもやホラー。
「墓標」

愛を知らなかった公爵令嬢が、人生の最後に掴んだ温もりとは。
「雪解け、花が咲く」

「このマンション、何かおかしい」──とある物件の真相を探ろうとする事故物件サイトの運営者。しかし彼はすぐに物件の背後に潜む底知れぬ悪意に気づく。
「蟲毒のハコ」

― 新着の感想 ―
[一言] 生物っぽいタチコマですかね。
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