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恋なんて知らなかった 【後編】 R15  作者: 湯川 柴葉
第九章 新婚旅行と新婚生活
41/50

第91話 結心さんと旅行の話

毎日1話 午前3時投稿

 木曜日。

 今日は、いつものように彼の車で帰宅して一緒に食事した。そして、パータン化しつつあるシャワータイムがあってからベッドインする。この前、花芯へのキスによって私が何度もイったものだから、彼は味を占めたのか、花芯にキスしながら私を焦らすように愛撫し続ける。私は息も絶え絶えになって、彼にしがみついた。すると彼は「入って欲しい?」と意地悪なことを言いながら、執拗に私の花芯を責めてくる。そんな返事をできるはずがない。なんて意地悪なんだろう。


 もう身体が何度も反り返って、私は限界を迎えつつあった。彼も我慢の限界が来たのか、やっと私に重なって分身が私を満たすように攻め込んできた。私は彼を迎えた悦びで、ひと際大きな声で叫びながら意識が遠ざかっていく。彼の満足そうな声が聞こえたように思ったけれども、もう聞こえたかどうかすらも覚えていない。ただ、彼を抱き締めたままだった。心と身体の全てが幸せに満たされている。



 金曜日。

 流石に、彼も連日のデートは無理だと思ったのか、今日はLINE電話だけで済ませた。家に送ってくれると言ったけれども、そうすると、また上がってきていつものようになると思い、バスで帰ると言ってあげた。彼のどこにそんな体力があるのか知らないけれども。


 バスの中で結心さんからLINEがあった。今日は彼女もデートがないから『新婚旅行』の土産話を聞きに来るとのこと。食事は私の家ですることになった。


「生田神社は縁結びの神様なんだって。だから、お守りを買ってきたのよ」

「あ! お土産ありがとう! ()()()()()も、有り難うって伝えてって言ってたよ」

「うん。……え?! 『ともちゃん』になったの?」

「そう! この前から、ときどきそう言ってるんだよ」

「貴方たち、一歩進んだのね?」

「うん! 呼び方がね」

「それだけ?」

「そうよ、何を期待してるの?」

「いや、別に期待してるわけじゃないけど、気にしてるのよ」

「ありがとう。少しずつね。うふ」

「何が『うふ』よ。勿体ぶって」

「私の話はいいから、今日は、()()()()の話じゃが」


「え~と、生田神社は鳥居がたくさんあって、まあ色々あったけど、省略しようか?」

「うん、お守り貰ったから、次にいこう」

「現金な子だねぇ。次は『布引の滝』」

「そこ、あまり聞いたこと無い」

「そうなのよ。ところが聞いて吃驚(びっくり)

「玉手箱?」

「違うわよ。変な合いの手を入れないで」

「ごめんなさい、お姉さま」

「日本三大神滝の1つなんだって」

「へぇ~。知らなかった『神滝』なのね」

「那智の滝と華厳の滝と、ここなんだって」

「学者は新婚旅行に行っても勉強してくるんだねぇ」


「新神戸駅からたったの450mなのに15分も掛かるって、不思議だなぁと思ってたら、山道だった」

「あはは、学者の脚は弱いじゃろ」

「そこは、それ、彼の腕を杖の代わりにして上ったわよ」

「喜んでたじゃろ」

「なんで分かるん」

「詩織さんがこの前、鷲羽山で腕を組んであげた話をしてたじゃないの」

「なんだ、その話か。よく覚えてるねぇ」

「詩織お姉さまの話は一言一句聞き漏らさないように聞かせていただいておりまする」

「くだらないところは、漏らしていいのよ」

「え~と、それで、滝の話は済んだの?」

「どこまで話したか忘れたから、次へいこう。あ、でも記念写真を撮ったよ。スマホにある」

「見せて! あ! 一緒に写ってるじゃない。やるわね」


 そのあと、六甲山の天覧台でコーヒー飲んでからホテルにチェックインしたこと。部屋で休憩してから夜景を観ながら食事したことなどを説明したら、

「いいなぁ! 私も新婚初夜は神戸にしようかなぁ……」と結心さんが悶えていた。

「とても素敵な夜だったわよ。本当に、一生の思い出に残る夢のような夜だった」

「うわぁ! 素敵! 詳しく教えて! 食事が済んだら、夜景も見ずにベッドへ一直線?」

「そんな筈ないでしょ。お風呂を済ませてから、夜着のままで夜景を観てたのよ」

「そうよねぇ。早く懺悔(ざんげ)しなさいよぅ」

「先に彼が入ってる間に、ベッドに家から持って行ったバスタオルを敷いておいたの。ホテルのシーツを汚したくなかったから」

「分かる! 顔を合わさなくっても恥ずかしいものねぇ」

「二人で夜景を観て暫く話をしてたら、彼がキスをしてからカーテンを閉めたの」

「おお! いよいよじゃなぁ! どきどきする!」

「ベッドで横になって、彼に抱き締められてキスされて、彼の手が私の夜着を脱がして……」

「わぁ~! きゅんきゅん」

「変な合いの手を入れないでよ」

 結心さんが、ペロリと舌をだす。


「二人で抱き合った。初めて、身体と身体が触れ合う」

「……」

「彼の手や唇が胸だけじゃなくて、初めて私の花園や敏感なところに触れたとき、(とろ)けるような快感が襲ってきた」

「……」

「何回もイッてたと思うのだけど、遂に彼の分身が私の中に入るってときに、私はもう(たま)らずに大きくイクところだったの」

「……」

「その瞬間に彼が入ってきたから、痛いと思ったのは一瞬で、あとは絶頂の中で意識が消えてしまってた」

「え~! それってどうなったの?」

「だから、どさくさに紛れてヴァージンが消えたみたいな……」

「なんだって? それで良いの?」

「良かったんだと思うよ。入ってきたのは分かったから。一瞬だけど痛みも感じたし。それ以上に快感でイクところだったから最高のタイミングだった」

「凄いなぁ!」

「私は凄く満足できたの」

「良かったねぇ」

「うん」


「痛いのって個人差があるのだろうねぇ?」

「私は軽かった。だって、処女膜って普通は薄いから一瞬で破れて、あとはそれほど痛くない筈」

「そうなんだ」

「うん。殆ど覚えてないくらい」

「じゃ、心配しなくてもいいのね」

「私は、その瞬間は本当に感じ過ぎていたから、もうイクほうに意識がもっていかれてた。身体の隅っこで痛みを感じた程度」

「それって、彼が上手だったってことなんじゃろなぁ」

「そうかも知れないわね」


「彼が入ってきたときって、そのこと自体が痛くないの?」

「う~ん、私は痛くなかったけど、もしも、凄い大きなものだったら痛いかも知れないわよねぇ」

「ああ、そうか。何となく想像できるけど、そんなん分からないじゃない」

「それはもう、誰と出会うかでしょ」

「あはは、でも、子供を産むための場所なんだから、かなりのサイズまでは許容できるのかもね」

「そんな心配しなくても、天野さんに聞いたらいいじゃない。大きいですかって」

「だめ~! そんなの聞けるはずないじゃない!」

「じゃ、考えないことね」

「入ってくるときって、どんな感じがするの?」

「え~? そこまで聞くの?」

「だって、知っておきたい」

「そうね、性的な表現ではなくて、実際の感覚を淡々と説明してあげるわね」

「うん! 先生!」


「最初のときは、何か凄く暖かくて弾力性のある大きなものが、一瞬で私の中を一杯にしたような感じだった。気持ちいいとかそんなことを感じる余裕はなかった」

「わぁ~!」

「だって、それとは関係なく私はイクところだったんだもの」

「なるほど……」

「2回目以降は余裕が出来てくるから、もう少し違った感じだけど自分で体験してね」

「え? ……2回目以降はもう痛くないんだよね?」

「そりゃ勿論よ。これ以上は言えないわ」

「うん、分かった。ありがとう!」



読んで頂きましてありがとうございます。


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