5-2 覚悟
5月1日 世界は再び戦争への道へと突入した。アズール社会主義共和国がフィックス自由国に宣戦布告し、フィックス自由国が同盟国への軍事支援を要請。これに日本やアメリカなどの25ヵ国が参戦を表明した。
同日 日本国 首相官邸記者会見場
「これより大島総理の緊急記者会見を始めます。ではまず現在発生している状況を伝えます。先程我が国は集団安全保障締約国であるフィックス自由国がアズール社会主義共和国に武力攻撃を受け死傷者も出ているというわけです。そして、アズール社会主義共和国はフィックス自由国及びその同盟国つまり我が国にも宣戦布告の通達を受けたため存立危機事態と認定し、自衛隊に防衛出動及び戦闘行動命令を発令いたしました。また、日米安保を適用し、米軍との共同作戦を開始します。以上です。」
「何か質問ある方はいらっしゃいますか?」
と会見を仕切っていた人が記者団に呼び掛けた。数人の記者が挙手をした。
「夕日新聞の野嵜です。今回派遣する自衛隊の規模や作戦について教えてください。」
「防衛大臣から頂いた作戦書類から読み上げますと自衛隊員20万人の派兵を決定しています。また、作戦に関しましてはフィックス自由国での同盟国との共同防衛作戦を開始します。また、海上自衛隊を敵国沿岸部に派遣し陸自部隊数万人を上陸させ、航空自衛隊は米空軍とサマーラ共和国空軍、セーバ王国空軍その他航空戦力で敵基地攻撃を開始するなどの作戦があります。」
会場はざわついた。無理もない、何せエルヴィス帝国戦では10万人程度の派遣だったが今回はその2倍の戦力を用いているからだ。
「他に何かありますか?」
「はい。日本新聞の石上です。アズール社会主義共和国からの宣戦布告の内容はどのようなものなのですか?」
宣戦布告の文書の公開はこの世界では許されていない。
「申し訳ないですが宣戦布告の文書は公開できません。「理由はなんでしょうか?」」
「お答えできません。機密情報なので」
「NKHの橋本です。自衛隊の作戦は何時から始まりますか?」
「まもなくです。」
「質問はここまでとさせていただきます。最後に大島総理から一言お願いします」
「私はこの国が転移前・後でもこの国を守り抜いてきました。しかし転移後初の戦争に参加し多くの命が失われた。しかし再び敵国一国の判断で大きな戦争への道へと突入しています。そして私はこの国と国民を愛しています。今回は前より苦戦するかもしれません。しかし、この苦難を乗り越えて見せようではありませんか!」
総理の一言に会場に拍手が巻き起こった。ネットのトレンドでは大島総理の関連することで溢れかえった。そしてアズール社会主義共和国の一発の弾によって開始された戦争。今回はさらに苦戦が強いられるかもしれない。また、アズール社会主義共和国含めた30ヵ国が国際同盟脱退を各国に通達した。 世界戦争の交戦国は以下の通りだ
世界戦争 勢力
同盟国(自由国側 25ヵ国)VS連合国(アズール社会主義共和国側 30ヵ国)
次話から本格的な戦闘が始まります。また、この5章は全30話予定しています。よろしくお願いします。




