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日米転生   作者: 照山
season2 第6章 トライデント編 第2幕
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season2-146 トライデント 第7話 スレイヤー

第1空母打撃群によるミサイル迎撃が開始された。デングリーヅ連邦キューバ地区、グリーンランド地区から放たれた「トライデント」32発は残り15分ほどで日本へ到達する。海上自衛隊側は「ようきょう」「ほうれい」「かしま」「おおしま」「ちしま」の5隻の護衛艦から20発のVLS・RS-1206 対艦(対空)ミサイルを20発発射したものの、12発残る計算となっているため、「みかさ」艦長・笠原一弥は艦載機の出撃を艦内放送で命じた。


『本艦に所属する全ての「スレイヤー」部隊に命じる。これより諸君らは敵ミサイルの迎撃を実施するための出撃を命ずる。これは非常に重要で絶対に失敗してはならない任務である。だが諸君らはこれまで険しい訓練に耐えてきたのを私は知っている。自身の持ち前の操縦技術を思う存分発揮せよ!出撃数は6機とする!部隊長は出撃者を5分以内に選出せよ」


残り15分しかないため「みかさ」に艦載されている13機のF-35Bを運用する第3空母打撃戦闘機飛行隊(第2航空団第13飛行群)に6機編隊での出撃を命じた。空母「みかさ」は全長180mと空母の中では軽空母の立ち位置となる。当初は護衛艦を予定していたが作者の勉強不足で空母に改められた。「みかさ」の大きさは撃沈されて除籍処分となった「いずも」より一回り小さいが、旧海軍の「龍驤」と同等の大きさである。


「みかさ」は滑走路が短く、カタパルトも無いため垂直離陸・着陸を可能とする13機のF-35Bとスペースを取らないF-40SS 8機の計21機を艦載機として運用している。今回の作戦では6機のF-35Bを出撃させる予定となっており、どういう戦果を挙げるかは未だ未知数である。


※「龍驤」は旧海軍の航空母艦であり、軽空母の立ち位置であった。


「「スレイヤー」部隊長・岡野部よりCICへ。6名のパイロットの選出が1分で完了した、速やかに最終整備確認を実施し出撃する」


「CICより「スレイヤー」各員へ。了解、絶対に生きて帰って来るように」


「さぁ行くぞぉぉ!整備員は最後の点検にかかれ!」


「了解!」


上空でのミサイル迎撃を実施するパイロット6名が選出された。F-35Bに搭乗するのは以下の者たちである。


原宮和香(1等空曹)呼称:スレイヤー1、部隊内コードネーム:メロン

中石慎吾(2等空尉)呼称:スレイヤー2、部隊内コードネーム:スイカ

大宮啓司(3等空尉)呼称:スレイヤー3、部隊内コードネーム:パイン

松海快斗(2等空曹)呼称:スレイヤー4、部隊内コードネーム:グレープ

長野姫乃(1等空尉)呼称:スレイヤー:5、部隊内コードネーム:オレンジ

海老名凛(3等空曹)呼称:スレイヤー6、部隊内コードネーム:ピーチ


以上の6名が選出された。一番階級が高い長野姫乃が小隊長として任務に就くことになった。そして、選出理由としては最初に挙手をした原宮や松海、海老名、長野を優先的に選出し、中石と大宮は岐阜基地の飛行開発実験団に所属してという理由で選出された。整備終了と同時にF-35Bは続々と離陸した。海老名機が離陸後、「トライデント」は第1空母打撃群艦艇接近まで3分まで差し迫っていた。また、長野機が離陸と同時に「ようきょう」「ほうれい」「かしま」「おおしま」「ちしま」からの20発のミサイルは全弾迎撃に成功した。全弾迎撃と同時に広範囲に及ぶ爆発を引き起こしたことが確認され、笠原艦長は原宮らに警告した。


「スレイヤー1より各機、敵ミサイルは変則的な行動および広範囲に爆発を及ぼすミサイルの可能性が非常に高い。爆発に巻き込まれないよう全機は一定の距離を保つことを意識すること!」


「スレイヤー2、了解」「スレイヤー3、了解」「スレイヤー4、了解」「スレイヤー5、了解」「スレイヤー6、了解」


「それでは全機、敵ミサイルを捕捉次第1発残さず迎撃!最も多くのミサイルを撃墜した者に今日は晩飯を奢ってもらおうかな!」


「スレイヤー3よりスレイヤー1へ、そこは普通逆ではないでしょうか?それはさておき、任務に集中しましょう」


6機のF-35Bと「トライデント」ミサイルとの距離が4km地点となったところで29式空対空ミサイル(RS-1206 空対空派生型)を2発ずつ発射した。29式空対空ミサイル(別称:RS-1206)は未だ全国配備前であるが全空母打撃戦闘機飛行隊に集中的に配備している。防衛装備庁が今年1月に新島試験場で実施した空対空戦闘試験では精密度100%、撃墜率99.7%の実力を叩き出す優秀な成績を残した。この結果は今後に日本の防空に非常に役に立つに違いない。


「「みかさ」CICより「スレイヤー」各機、敵ミサイルとインターセプトまで10秒前。9、8、7、6、5、4、3、2、1・・・マークインターセプト!全弾撃墜!」


「よし!スレイヤー1より「みかさ」CIC、新たな目標は確認されていないか?」


「「みかさ」CICより「スレイヤー」各機、現時点で敵ミサイルは確認されていない。「スレイヤー」各機は対空警戒を厳としつつ本艦へ帰投せよ。暖かい飯の準備が出来ているよ」


「了解。感謝します」


デングリーヅ連邦側から発射されたミサイルは海上自衛隊によって全弾撃墜に成功した。台湾地区で「いずも」が受けた損失は今回の作戦で非常に有効となった。原宮らは「みかさ」に帰投する最後まで気を引き締めた。帰投後は用意されたトンカツ定食を夜間でありながらも褒美と称して頬張った。この笑顔をいつまでも続けられるよう全乗組員は身に染みて実感した。

次回もよろしくお願いします!

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