season2-143 トライデント 第4話 ハワイ戦線
5月7日12:45 アメリカ合衆国・ハワイ カネオヘ・ベイ海兵隊航空基地
昨年12月24日にデングリーヅ連邦イギリス地区との戦闘により損害を受けたダニエル・K・イノウエ国際空港に隣接するパールハーバー・ヒッカム統合基地の修繕が3月10日に終了した。当初は1週間ほどの封鎖であったがイギリス地区の降伏のために尽力を尽くすため降伏後に本格的に行われるようになった。
およそ3ヶ月ほどのパールハーバー・ヒッカム統合基地は封鎖されたがダニエル・K・イノウエ国際空港の運航に支障はなかったため封鎖解除の間は当該空港での民間と滑走路や格納庫の共有、カネオヘ湾に位置するカネオヘ・ベイ海兵隊航空基地の使用、カフルイ空港、コナ国際空港、リフエ空港に戦力を分散する形でデングリーヅ連邦キューバ地区らとの争いに突入した。
パールハーバー・ヒッカム統合基地に所在していた第21空軍第10戦闘航空団第8戦闘飛行隊所属の全32機のうち半分の16機の戦闘機らがカネオヘ・ベイ海兵隊航空基地に拠点を移した。
「パトリック司令!北方および南方より多数のミサイル接近を確認!当基地直上まで1分を切っています!」
「デングリーヅ連邦の連中か・・・すぐに戦闘機を挙げろ!1機1人も失うな!」
「了解!全戦闘機は基地から離脱せよ!繰り返す!ミサイル接近に伴い、全戦闘機は基地から離脱せよ!基地離陸次第、可能な限り敵ミサイルを撃墜せよ!」
第21空軍第10戦闘航空団第8戦闘飛行隊のパトリック=マルティネス中尉は以前のイギリス地区でも第1次攻撃部隊指揮官として出撃している。パールハーバー・ヒッカム統合基地へのミサイル被弾により殉職した20名の二の舞になること、部下に情けない姿を見せないために全ミサイルの上空での撃墜を命じた。
一方、ハワイ方面防空作戦司令部とTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)が配備されているオアフ島中心部にあるウィーラー陸軍航空基地では迎撃準備が完了していた。第94防空ミサイル防衛コマンド隷下の第38防空砲兵旅団第14ミサイル防衛中隊長のケリー・マーカスは第10戦闘航空団の状況の報告を受けた。第14ミサイル防衛中隊は在日米軍撤退前は経ヶ岬通信所に駐屯していたが撤退に伴い車力通信所の第10ミサイル防衛中隊と統合し、西部航空機動軍団ミサイル防衛中隊としてウィーラー陸軍航空基地に移転してきた。THAAD
「中隊長、カネオヘ・ベイより第10戦闘航空団の基地離脱を確認。またカネオヘ・ベイ所属の第24海兵航空群の機体の離陸も開始しています」
「了解。敵ミサイルとの距離は?」
「40秒で到達します。THAADを発射しますか?」
「速やかに発射し基地の運用を維持する行動を実施せよ!THAAD発射!」
カネオヘ・ベイ海兵隊航空基地より徐々に第10戦闘航空団、第24海兵航空群の所属機が離陸し始めたことを受けて終末高高度ミサイルの発射を命令した。オアフ島10km地点に迫ったところで発射したTHAADは8発の迎撃に成功した。しかし、
「敵ミサイル8発の迎撃完了ですがミサイルさらに13発接近!また、所属不明機の接近も確認!戦闘機かと思われます!」
「(今のところ順調に迎撃できているが向こうが本腰を入れてきたら非常にまずい)」
デングリーヅ連邦キューバ地区、グリーンランド地区から発射された数不明のミサイルのうち8発を西部航空機動軍団ミサイル防衛中隊は連邦空軍戦闘機の飛来をレーダーに補足したためカネオヘ・ベイ海兵隊航空基地に連絡し、所属機に敵戦闘機と交戦するよう要請した。
「(ここで敵の脅威を排除しなければハワイ諸島の防衛が厳しいものになる。最悪の状況に備えてグアム・サイパンへの撤退も考慮しているがそうならないことを祈ろう)」
西部航空機動軍団ミサイル防衛中隊側からの要請を受けて第10戦闘航空団の離陸済み戦闘機13機に対して敵との空中戦も辞さない構えで交戦するよう命じた。32機のうち13機しか離陸できていないが0よりはマシである。カネオヘ・ベイ海兵隊航空基地上空の周回終了後、接近する戦闘機の索敵を開始した。開始ししてすぐに13発のミサイルと13機の戦闘機を確認したことで13発のミサイルは敵機からのものと断定した。
「敵機を目視。全機、敵戦闘機を撃墜せよ!これ以上ハワイに近づけさせるな!」
「了解!」
カネオヘ・ベイ海兵隊航空基地から徐々に離陸してきているもののデングリーヅ連邦空軍の戦闘機RS-14とキューバ占領時に鹵獲したと思われるMiG21と交戦を開始した。また、発射されたと思われる13発のミサイルはTHAADによって12発迎撃されたが1発がリフエ空港のターミナルに直撃し、ダニエル・K・イノウエ国際空港での同規模の爆発を引き起こした。死者・行方不明者は現時点で確認が取れていないがこの威力のミサイルが民間人の居住区域に着弾すれば想像を絶する規模の被害を被ることになる。なんとしてでも避けなければならない。
次回もよろしくお願いします!




