3-1 開戦
7月9日9時、共和国の平和は一瞬にして失われた。帝国が軍事行動を開始した。
グレーシス共和国 リート空軍基地
「おい!あれはなんだ!敵かもしれん」
「隊長!うちにはあのタイプの戦闘機はありません。向こうは帝国です。攻めてきたかもしれません。」
「そうだな。司令部に伝えろ!」
そしてガーベラ隊長が通信をおこなった
「こちらリート空軍基地。敵兵を目視。出動許可を求める」
『こちら共和国空軍司令部。通信を受け取った。出撃を許可する。直ちに敵を始末せよ。』
そして、13機の12式戦闘機離陸した。しかし、帝国軍の戦闘機は火炎弾等を撃ち込み、13機の戦闘機は撃墜され、リート空軍基地の戦闘機は全機を失った。その後、帝国軍地上部隊が空軍基地を占領し、そこを足掛かりとした。
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エルヴィス帝国 作戦会議室
「陛下、当初国境付近の町を占領する予定でしたが、急遽予定を変更して敵空軍基地を攻撃して占領しました。そして敵基地の航空戦力を全滅させました。また、敵死者300人です。こちら側の死者は26人です。」
「そうか。軍務大臣。正午になったら正式に宣戦を布告せよ。日本とアメリカにもな。」
「了解であります。外務局にも伝えて参ります。」と作戦会議室をあとにした
「さぁ。共和国と日本とアメリカよ。戦争を始めようか。」と帝国皇帝はニヤリっと不気味な笑みを浮かべた。
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日本国 防衛省
7月9日正午。防衛省と外務省に緊急連絡があった。
「何だこれは!我が国に宣戦布告だと!?」声を高く上げたのは杉山外相だった。
「どうしましたか。杉山さん。」
「エルヴィス帝国がグレーシス共和国に宣戦布告した。日本とアメリカにも。」
「「「えぇ!?」」」と部屋にいた彼の部下は驚いた。
この光景は防衛省も同じだった。
「すぐに総理に知らせろ。防衛出動および自衛隊戦闘命令を発動させるのだ。」
日本が憲法9条を改正後、新しくできたのが【自衛隊戦闘命令】である。これは日本に武力攻撃および同盟国が攻撃を受けた場合は自衛隊に戦闘命令を出して武力行使を行うものだ。それが初めて発動させられた。首相官邸では
「総理、防衛出動を。」
「我が国にも宣戦してきたとなると自衛隊を動かすしかない。よし。防衛出動及び非常事態自衛隊戦闘命令を発動する。直ちに統合幕僚長に伝えるのだ。」
「分かりました。」
一時間後、戦後初の防衛出動と戦闘命令が出された。
昼のニュースにて
「今日はいい天気ですね。それではここで別視点からも見て..。ここで速報です。大島総理大臣は先ほどグレーシス共和国に武力攻撃が発生したことを受け、防衛出動を発令しました。まもなく総理会見が始まります。」
中継が首相官邸になった。
「エルヴィス帝国がグレーシス共和国・アメリカと我が国に宣戦布告を受けた。これにより我が国は米軍との共同作戦を開始し共和国の平和と安全を脅かすものを排除するため防衛出動及び自衛隊戦闘命令を発動させます。質問はありますか。無いようでしたら終わらせていただきます。」
そして記者会見は終了した。また、戦時下であるため自衛隊の増員がおこなわれ、総兵力30万人となった。その後、共和国の日米駐留部隊と作戦を行うため、新しく新設された第15・第16師団が派遣された。
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アメリカ合衆国 ホワイトハウス
「我が国が宣戦布告を受けたため、日本と共に共同作戦を行い、エルヴィス帝国を占領する。そして、米軍12万人5個師団を派遣する。」
そして米軍も戦闘体制に突入した。また、いざとなったときのために核兵器部隊に待機命令を出した。これによりいつでも打てると言うことになった。
こうして日本・アメリカ・グレーシス共和国VSエルヴィス帝国との構図が出来上がり、対エルヴィス戦が開始された。
第3章開幕です。よろしくお願いします