season2-130 四・二三事件 結
「サボタ」による陸上自衛隊と陸上保安庁への攻撃からとうとう24時間が経過した。この24時間を振り返ると彼らの蛮行が鮮明に出てくる。23日7:00、陸上自衛隊朝霞駐屯地を攻撃し、警衛交代後の第1普通科連隊第1戦闘団の鳥宮一井二等陸佐を含めた7名の自衛官が殉職する結果となったことを受け、日本政府は21日から発令していた治安出動を防衛出動に切り替え、自衛隊戦闘行動命令を4ヶ月ぶりに発令した。また、武力攻撃事態に認定し緊急事態体制を敷いた。
鳥宮第1戦闘団長らの殉職を受けて、再編成を実施している間、練馬駐屯地の第2戦闘団に一時的な隷下部隊となった。再編成完了までに時間を要するため代理団長は副団長の川原淳也が勤めることになった。川原が代理団長になったことで26日に一時的な第2戦闘団隷下から独立し、川原が鳥宮の後継になることが決定した。
武力攻撃事態認定後、アロンゾは「サボタ」と名乗る1万人の武装勢力を日本とアメリカに解き放った犯行声明を電波ジャックを実施して伝えた。このことを受けて日本政府は自衛官・保安官以外の民間人にも危険が及ぶ可能性があるとして加藤総理は戒厳令を発令し、防衛省に戒厳司令部を設置した。「サボタ」の声明後、アメリカではテロ行為は行われなかったが夕方から夜にかけて構成員による行動が確認された。
そして日本でも同様に夕方から夜にかけて「サボタ」による活動が確認された。17:00に市ヶ谷駅にて「サボタ」が戒厳令発令を受けて、帰宅途中の民間人を無差別に攻撃しているという通報を受けて、陸上保安官と陸上自衛官が派遣され、国防中枢機関の最寄駅での戦闘が繰り広げられた。最終的に両陣営300名近い議政者を出す結果となった。
その後、市ヶ谷駅以外でも構成員が確認されたため全43駅の72時間の封鎖が決定した。また、国際同盟側も「サボタ」の全貌追求のため国際同盟治安維持機関による捜索が開始された。そして、日本全国では24日0:00時点で1300人を超える「サボタ」構成員が逮捕された。陸上保安官11万人を動員しての逮捕数となったが最終的に日本各地に何人いるかは不明であるが翌日になるにつれて「サボタ」構成員の活動が収束していった。彼らの目的は本当になんだったのか逮捕した1300人の誰かから日本やアメリカを攻撃する目的を言及する必要があると日本政府は考えた。
ここまでが4月23日の主な出来事である。翌日24日8:00、日本国・首相官邸では朝早くから「サボタ」による報告整理が行われていた。
「おはようございます。とは言っても我々もう徹夜で作業してますね。さて、「サボタ」による襲撃から24時間が経過しました。まずは昨日で犠牲になられた全ての方々に哀悼の意を捧げます」
加藤総理は両手を合わせて日本側・「サボタ」側に対して哀悼の意を捧げた。加藤総理はたとえ「サボタ」が敵であったっとしても同じ人間であることに変わりはないという見解を示し、両手を合わせた。その後、陸上保安庁長官・柳町彩奈が報告をした。
「さて総理、本日8:00時点での「サボタ」に関する情報では1350人が殺害・窃盗、銃器保持などの容疑で逮捕されています。また、ここまでで全国で200件近くの銃撃戦が展開されており、陸上保安庁側は170名、陸上自衛隊側でも150名近くの殉職者が報告されています、また、「サボタ」側も900人が亡くなっています」
「実質内戦状態か・・・かなり「サボタ」の者たちも徹底抗戦を貫いているな。逮捕された構成員のうち尋問で我々に対する行動目的に口を開いた者はいるか?」
「残念ながらいません。全員黙秘しています」
「やはりか・・・少々手荒になってしまうが生命に影響を受けない程度かつ人道的な拷問の実施を検討する必要がある」
「了解しました総理、なんとしてでも敵の目的を吐かせます。それと、アロンゾの行方はどうなっていますか?小平学校情報調査部の自衛官2名が接触したという報告がありましたが取り逃がし、このような事態を引き起こしたことは懲戒処分では済まされません。どのような処分を下しますか?」
「その件は防衛大臣から」
鈴木防衛大臣はアロンゾが「サボタ」のリーダーになったことで23日に多数の死者・負傷者を出してしまったことを受けて、陸上自衛隊小平学校情報調査部の山宮圭吾と榎島麻弓にアロンゾ確保後に処分が下されることが決定した。懲戒処分は理不尽すぎる処分であるため半年の減給と1ヶ月の謹慎が決定した。
「はい。アロンゾ確保後に小平学校情報調査部の山宮圭吾、榎島麻弓、学校長兼情報調査部長の柳丸浩一の処分が決定した。山宮・榎島両1等陸佐には減給と謹慎が決まりました。また、「サボタ」活発化を受けて柳丸浩一氏が責任を取って依願退職を提出し受理されました。私も責任を取る必要があり、防衛大臣の任を4月30日までに止めるつもりです。このことはすでに総理と共有済みです」
「私もこの事態に対して責任を取る必要がある。だがこの逼迫した事態に最後まで対処する必要があるためデングリーヅ連邦と全て決着がついたのちに内閣総辞職を実施する。そのため、鈴木くんも最後までこの内閣に付き合ってもらうから4月30日いっぱいでの辞職は認めないと判断した。以上だ」
「サボタ」による活動が活発化したことで加藤総理は自身にも責任があるとしてデングリーヅ連邦に関する問題が片付いたのちに内閣総辞職を実施することを決めた。中途半端に職を投げ出すことなく、最後まで責任を取る加藤総理の覚悟に注目していくとともに、「サボタ」の対処、デングリーヅ連邦の残り地区と本土への脅威の排除を行なっていく。
次回もよろしくお願いします!




