season2-126 四・二三事件 3
4月23日16:00 東海第二発電所
「サボタ」による声明を受けて日本政府は非常事態を宣言し、自衛隊・保安隊に対して民間人の保護と原発を含めた重要施設防護を加藤総理は命令した。自衛隊と保安隊は2030年4月23日で10基が稼働している原子力発電所周辺に展開を開始した。核施設には普通科連隊戦闘団が派遣されるが全普通科中隊では1個〜2個中隊が派遣されるだろう。そして、以下が原発などの重要施設に展開中の部隊である。
●泊発電所(北海道電力)
・第24普通科連隊第103戦闘団(第7師団・小樽駐屯地
・第15特殊武器防護隊(第7師団・新札幌駐屯地)
・北海道陸上保安本部岩内陸上保安署原子力施設警備隊
●女川原子力発電所(東北電力)
・第31普通科連隊第151戦闘団(第8師団・石巻駐屯地)
・第16特殊武器防護隊(第8師団・仙台駐屯地)
・宮城県陸上保安本部石巻陸上保安署原子力施設警備隊
●東海第二発電所(日本原子力発電)
・第6普通科連隊第29戦闘団(第2師団・日立駐屯地)
・第102中央特殊武器防護隊(陸上総隊・大宮駐屯地)
・茨城県陸上保安本部水戸陸上保安署重要施設警備隊
・陸上保安庁機動隊化学防護隊
●柏崎刈羽原子力発電所(東京電力)
・第10普通科連隊第46戦闘団(第3旅団・長岡駐屯地)
・第11特殊武器防護隊(第3旅団・妙高駐屯地)
・新潟県陸上保安本部柏崎陸上保安署化学警備隊
●浜岡原子力発電所(中部電力)
・第12普通科連隊第53戦闘団(第4旅団・浜松駐屯地)
・静岡県陸上保安本部御前崎陸上保安署原子力施設警備隊
●志賀原子力発電所(北陸電力)
・第10特殊武器防護隊(第5旅団・金沢駐屯地)
・石川県陸上保安本部羽咋陸上保安署原子力施設警備隊
●美浜原子力発電所(関西電力)
・福井県陸上保安本部敦賀陸上保安署原子力施設警備隊
●島根原子力発電所(中国電力)
・第37普通科連隊第181戦闘団(第9師団・松江駐屯地)
・第20特殊武器防護隊(第9師団・松江駐屯地)
・島根県陸上保安本部松江陸上保安署対NBCテロ警戒隊
●伊方原子力発電所(四国電力)
・第41普通科連隊第211戦闘団(第10旅団・宇和島駐屯地)
・愛媛県陸上保安本部八幡浜陸上保安署原子力施設警備隊
●川内原子力発電所(九州電力)
・第49普通科連隊第253戦闘団(第12師団・薩摩川内駐屯地)
・鹿児島県陸上保安本部薩摩川内陸上保安署化学警備隊
・鹿児島県陸上保安本部薩摩川内陸上保安署原子力施設警備隊
以上の10ヶ所の原子力発電所に警備態勢が敷かれた。これまで33基の原発が置かれていたが東日本大震災による原発事故や度重なる地震、2024年の第三次世界大戦、異世界転移による敵外勢力との交戦を受けて日本政府は北海道地方から九州地方の1個ずつ設置することになった。
そして、今回の「サボタ」の声明で陸上自衛隊と陸上保安隊は重要施設に対する攻撃を受けて原発警備を開始した。特に首都圏から近い東海第二原発は4つの部隊が置かれた。東海第二原発を警備する第6普通科連隊第29戦闘団第6普通科中隊長の信濃和樹が指示を出した。
「各員、不審者を炙り出すため検問所を設置せよ。不審者は徒歩で来るとは限らず、車両を用いて実行してくる可能性がある。任務は2〜3週間ほどとなるが日替わりで交代してもらいたい。検問中は免許証、通行目的、持ち物検査を実施するように!」
「はい!」
「何か質問がある者はいるか?」
質問があるか聞くと陸上保安庁機動隊化学防護隊長の籠原雪が手を挙げた。陸上保安庁機動隊化学防護隊は旧警視庁化学防護隊から陸上保安庁に引き継がれている。実際、警察は陸上保安庁という名称に変更されている。
「信濃隊長に伺います。不審者に対しての発砲は可能なのでしょうか?仮に非武装に民間人を撃ってしまった場合に備えての質問です」
「検問所があるため「サボタ」の構成員か非武装の民間人であるかはそこで振り分けられます。空港税関の方のように検問相手の表情、仕草によく注目するようしてください。また、武器を携行していた場合はなるべく発砲は避けるように。機動隊化学防護隊の方々は「サボタ」の構成員が施設に対して攻撃を加え、施設に何らかの異常が確認された際はすぐに行動可能状態にしてください」
「了解です!あ、饅頭食べます?」
「後で頂きます。今は警戒をしましょう。まだ出動されて2時間ほどですから」
ちなみに第6普通科連隊第29戦闘団第6普通科中隊の信濃和樹は饅頭が大好物である。しかし、厳戒態勢が敷かれている以上、雑談は出来ない。だが糖分摂取は必要なため饅頭は貰っておくことにした。
「他に質問は・・・無さそうだな。では以上だ。何かあれば私に個別で聞くこと。さぁ諸君、任務を遂行するぞ!」
重要施設防護に伴い、各地の10ヶ所の原発周辺の警戒任務が開始された。
同日17:00 防衛省・統合作戦司令部
「司令、戒厳司令部の設置が完了したそうです。また、10ヶ所の原発に対して適切な部隊設置が完了したことを報告します」
「ご苦労であった。「サボタ」の行動はこれから活発になっていくだろう。今日に限らず明日以降もだ。気を抜かないようにな?」
「もちろんです。それと司令、小平学校情報調査部からの報告によれば我が国に侵入したデングリーヅ連邦キューバ地区の諜報員は10人〜20人と聞かされていたのですがなぜ1万人を擁する武装集団を指揮できるようになったのでしょう?現実的に考えておかしくないですか?」
「四月一日くん、ここは地球ではなく異世界だ。どうやってあの人数を1,2週間で集めれたのかは知らないが今は「サボタ」の全滅が急務だ。君も職務に集中するように」
「了解しました!」
2030年4月現在、統合作戦司令官は3代目に伊黒賢一郎、副司令官に四月一日瀬里奈が着任している。2025年3月24日に設立された統合作戦司令部は以下の人物が司令・副司令に就任している。
・初代司令官 南野平太 ・初代副司令官. 伊黒賢一郎
・2代目 千歳和馬 ・2代目 伊黒賢一郎
・3代目 伊黒賢一郎 ・3代目 四月一日瀬里奈
という変遷で現職に就いている。そして、「サボタ」の行動を警戒するためモニターを凝視していると警戒アラートが鳴り響いた。
「市ヶ谷駅で駅利用客に対して複数人が発砲!すぐに現場に派遣します!」
「始まったか・・・野郎駅でだと?すぐに目標を捉えよ!目標を拘束次第、速やかに「サボタ」と関係あるか調べるように!」
「了解です!」
市ヶ谷駅で発生した駅利用客に対応するため武装した自衛官6名が現場に派遣された。また、市ヶ谷陸上保安署からも陸上保安官が派遣された。
次回もよろしくお願いします!




