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日米転生   作者: 照山
第6章 トライデント編
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season2-121 翠嶺氷極統合演習②

翠嶺氷極統合演習。2025年のデングリーヅ連邦軍による台湾、イギリス、ニュージーランド、グリーンランド、キューバ、アイスランド、アイルランドの占領・地区化後より年2回実施される大規模軍事演習である。この演習では連邦軍兵士の練度向上はもちろんのこと、7カ国から鹵獲した武器の性能確認や新兵器の試験的運用、実践的なシナリオで行う戦闘訓練といった幅広い内容が詰まった演習が行われる。


翠嶺氷極の意味は占領したグリーンランドやアイスランドの寒さ震える地を「氷極」と表現し、ニュージーランドなどの緑豊かな土地を「翠嶺」とライジング主席は占領後の現地視察で表現したのである。


2025年は占領初期ということもあり、9月にサリスベリー平原訓練地域をサリスベリー演習場として整備して統合演習が行われた。この演習では鹵獲した旧イギリス陸軍のチャレンジャー2・3、旧キューバ陸軍のT-55、旧台湾陸軍のM1A2T エイブラムスといった主力級戦車を含めた7カ国から300両以上の装甲車が演習に参加した。2025年はこの1回のみとなったが2026年は4月と10月、2027年は3月と9月、2028年は5月と12月、昨年は2月と6月、7月に異例の3回開催となり、日米との戦闘に備えていた。


そして2030年4月15日、ライジング主席はイグロ=ニノマエ司令の訓示を聞いていた。


「ーーーーー以上だ。諸君らが有意義な演習になるよう心から期待している」


「(ふむ・・・台湾地区とイギリス地区が敵に奪われたことで我が軍はかなりの打撃を被ったが相手も同様だ。台湾・イギリス両地区が降伏前に送られた日米側の軍事情報を元に戦力を配置しなければならないな・・・)」


「主席?大丈夫ですかライジング主席?思い詰めたような表情をされていますけど・・・」


「あぁ大丈夫だリュイ国防長官。気にしないでくれよ?」


デングリーヅ連邦国防総省のリュイ=グラス=デンギーはライジング主席の表情が曇っていることを伝えたが気にするなと言われた。ライジング主席からしてみれば台湾・イギリス地区が日本とアメリカの手中に落ちたことで残すはニュージーランド地区とグリーンランド地区、キューバ地区と本邦を含めた領土のみとなり、かなり追い詰められている状況と言えよう。しかし、一国の長として振る舞わなければならないため気持ちを切り替えて演習を視察した。


「さて、今年は新兵の模擬戦闘演習か。今年は何人入隊したんだいリュイ国防長官」


「今年は2029年9月〜3月に新兵試験結果は5万5000人の若者が新兵として入隊しました。昨年度より3万人減少しています。昨年は台湾地区やイギリス地区が交戦状態にあったため減少傾向にあったものかと思われます。今年は6月〜10月の間で新兵試験を実施する予定ですので続報をお待ちください」


「わかった。我が国と我が軍が勝利を手にするためにはベテラン兵・中堅兵・若手兵の実力の融合が重要だと私は考えている。我が国は今劣勢にあるが最後の一兵になるまで戦う覚悟が必要だ。そう思わないかね?」


「おっしゃる通りです!さぁ、今年度中に実践配備予定の新型戦車が来ましたよ!」


新兵に関する話をしていると模擬戦闘演習中に火力支援を開始しに来た連邦軍の新型戦車が登場した。デングリーヅ連邦軍が2030年内に本邦に実践配備予定のRSC-M1 スターロードである。RSC-M1 スターロードは旧イギリス陸軍のチャレンジャー2と旧台湾陸軍のM1A2 エイブラムスを混ぜ合わせた戦車であり、高い機動性と攻撃力、圧倒的な防御力を誇っている性能である。


「この戦車を敵に奪還される前に本邦で保管しておいて良かった。この戦車の登場に日本とアメリカは我が軍の技術力・圧倒的な攻撃力にひれ伏すに違いない。今後のこの戦車の活躍が楽しみだな」


RSC-M1 スターロードの実弾射撃終了後、統合演習は順調に進んでいった。兵器名非公表の最新式ミサイルや航空機の戦闘演習、指定されたシナリオを元に任務を遂行していく戦闘演習が行われた。昼休憩を挟んで6時間後に統合演習は無事に終了した。ニュージーランド地区、グリーンランド地区、キューバ地区に所属する兵士らにとってこの演習は来月始まる日米との戦闘に備えて着々と準備が進んでいった。ライジング主席は彼らがこの演習できっかけになるものを掴んでもらいたいと願っている。

遅くなってしまい申し訳ございません!投稿ペースを早められるよう頑張っていきますので次回もよろしくお願いします!

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