season2-119 陸上自衛隊小平学校情報調査部
同日22:00 陸上自衛隊小平駐屯地 小平学校情報調査部
「山宮、榎島は情報調査部長に報告があり参りました!」
「入れ」
「「失礼します!」」
山宮圭吾1等陸佐と榎島麻弓1等陸佐は陸上自衛隊小平駐屯地の小平学校内に2028年に新設された情報調査部のメンバーであった。新設された情報調査部が新設された経緯・任務や役割について紹介する。情報調査部は第18代小平学校長を柳丸浩一陸将補が兼任して勤めている。異世界転移による国家間交流が盛んとなったことでスパイが増える可能性を考慮したこと、脅威国家の情報把握のための人員確保のために新設された経緯がある。情報調査部に所属している隊員は100名程度となっている。
そして、情報調査部の主な任務は敵対国に侵入後の情報収集、日本国内に侵入したスパイの調査・尾行・身柄拘束を任務としている。アメリカのCIA(中央情報局)と同様の位置付けとなっており、CIAと協力関係を結んでいる。また、有事の際は防衛省(防衛大臣)隷下に組み込まれるシステムとなっている。
山宮と榎島は柳丸陸将補に定期報告を実施した。
「本日19:00頃、東京駅丸の内駅舎前にて日本やアメリカ以外の国から来たという人物と接触しました。性別は男、名前はアロンゾと名乗っていました。見た目からして30代後半から40代前半といった容貌でした」
「ふむ・・・ここまで聞いてみれば怪しいとは思えないが・・・他に何かなかったか?怪しい言動や服装など」
「私たちはアロンゾと名乗る男と別れた後、物陰からこっそり彼の行動と言動を聞いていました。彼は『こちらアロンゾ、日本国東京に転移した。各所にいる者はー』ここまでしか聞き取ることができませんでしたが・・・」
「良くやった2人共。アロンゾと名乗る人物はおそらくデングリーヅ連邦の人間だろう。『各所にいる者は』と言っていたということはおそらく5人以上はいる。全国に散らばって活動しているとなるとかなり厄介だ。この件は防衛省に報告するとともに速やかにアロンゾの身柄拘束のために追跡を実施する。2人は今日は良く休み、明日に備えること。以上」
「はい!では失礼しました!」
山宮の聞き耳の良さが役に立ったことで柳丸は防衛省に国内にスパイが5人以上いるということを報告した。この件を受けて防衛省は陸海空自衛隊に対して駐屯地・基地周辺を警戒するとともに駐屯地祭といった各所のイベントを全てのスパイを確保するまでの間はイベントを中止するよう呼びかけた。小平学校情報調査部は今日から1週間から2週間は外部調査を実施することを決めた。
4月14日8:00 アメリカ合衆国・CIA(中央情報局)
「ハイパー局長、日本防衛省からスパイの存在に関する報告が入ってきました。我々も速やかに行動しなければなりません」
「スパイか。そのスパイの国籍はデングリーヅ連邦で間違いないのか?」
「はい。日本からの情報ではカリブ系の服着ていたということです。デングリーヅ連邦の輩で間違いないでしょう」
「デングリーヅ連邦か・・・スパイまで送ってくるとは。てかデングリーヅ連邦の奴だとしても彼らはどうやってこの世界に来たんだ?うーむ、彼らのすることは良くわからんな」
中央情報局のベーシック・ハイパー局長はデングリーヅ連邦のスパイの厄介さに頭を悩ませた。デングリーヅ連邦が送ったスパイは今どこに何人いるのか不明の状態で調査することになった。デングリーヅ連邦のスパイの身柄を確実に確保するため身柄拘束と尋問を実施後、脅威を処分するよう命じた。
「合衆国の大事な情報をデングリーヅ連邦とかいうヤンキー国家のスパイに知られるということは恥ずべき事態だ。見つけ次第確保すること。また、引き続き日本とは情報共有を実施するように」
「了解しました。これが『スパイに関する初動報告書』か・・・」
ハーパー局長は手元の報告書に目を通した。以下が報告書に内容である。日本語訳と英訳で提示する。
【スパイに関する初動報告書(Initial Incident Report on Suspected Espionage Activity)】
●概要
本報告書は、4月13日19:00(米国時間13日5:00)に日本国・東京、東京駅丸の内駅舎前にてスパイ活動の疑いに関する初期的な調査結果をまとめたものである。この報告書の外部流出は認められない。
英訳 This report summarizes the initial findings concerning suspected espionage activity detected.
Preliminary evidence suggests the involvement of an individual engaged in unauthorized access and/or transmission of sensitive information.
●詳細情報
・接触日 4月13日19:00
・接触者 陸上自衛隊小平駐屯地小平学校情報調査部所属 山宮圭吾 榎島麻弓(両名1等陸佐)
・スパイ容疑のある者の名前 アロンゾ(フルネームは不明)
・スパイ容疑のある証拠 山宮圭吾氏、榎島麻弓氏がアロンゾ氏と接触後、物陰より聞き耳を立てたところ『こちらアロンゾ、日本国東京に転移した。各所にいる者はー』と話していた
Date of Contact: April 13, 19:00
Individuals Involved in the Contact:
Keigo Yamamiya and Mayumi Enoshima, both Lieutenant Colonels (1st Class) of the Information and Intelligence Division, Kodaira School, Japan Ground Self-Defense Force, Kodaira Garrison
Name of the Suspected Spy: Alonzo (full name unknown)
Evidence of Espionage Suspicion:
After Keigo Yamamiya and Mayumi Enoshima made contact with the individual known as Alonzo, they overheard him speaking from behind cover. The statement reportedly included the phrase:
“This is Alonzo. I have transferred to Tokyo, Japan. Those stationed in various locations—”
●対策
・各所で行われる予定の自衛隊関連、米軍関連のイベントの中止
・日米での連携強化
・身柄拘束後の対応
Cancellation of Scheduled Events Involving the Japan Self-Defense Forces and U.S. Military in Various Locations
Strengthening of Japan-U.S. Security Cooperation
Post-Capture Procedures Following the Detention of the Suspect
以上が『スパイに関する初動報告書』となる。まだ不確かな情報もあるためアロンゾの行方を追うとともに、アロンゾ以外の諜報員の動向にも注視しなければならない。
次回以降は一旦場面が変わり、デングリーヅ連邦グリーンランド地区とニュージーランド地区にスポットが当たります!次回もよろしくお願いします!




