season2-111 対ニュージーランド地区対策委員会
2030年3月21日11:00
「配信をご覧の皆様、本日は我が国主催の対デングリーヅ連邦ニュージーランド地区、グリーンランド地区における脅威を排除するための対策委員会ライブ配信を始めさせていただきたいと思います。前回のライブ配信では夜になってしまったため本日は昼前からという形になりました。あ、スパチャありがとうございます」
16日に開催された対キューバ地区対策委員会ライブ配信の同接数が配信終了間近の18:30〜19:00時点で24万人が視聴するという結果に終わった。対ニュージーランド地区対策委員会ではグリーンランド地区も議題の一つになっている。前回の配信にて視聴者から『陸海空の戦力がおそらく揃っている、地形が複雑なキューバ地区にグリーランド地区は付いてこない。追随しているのであればグリーンランド地区はニュージーランド地区と同じタイミングで来ると予想』とコメントする視聴者もいた。
このコメントを受けて加藤総理は今回の配信での議題の争点はニュージーランド地区内に存在する空軍基地に改造されたと推測される空港の位置、滑走路の長さの把握、ニュージーランド北島と南島の攻略方法、グリーンランド地区内に存在する可能性がある軍事基地の掌握についてが論題となる。
「さて、デングリーヅ連邦ニュージーランド地区、グリーンランド地区、そしてデングリーヅ連邦本国の脅威を排除するための対策委員会を始めます。まずは外相、地球世界での両地区の航空写真を画面共有をお願いします」
「了解しました。こちらがニュージーランド、グリーンランド上空からの航空写真になります。まずニュージーランドは北島・南島に分かれており、二方面からの攻略をしなければなりません。この場合、自衛隊だけでは負担が大きすぎるため米軍の協力が必須となるでしょう。そして海岸線が少なく、山々が多いため上空からの空挺降下による侵入のため海からの上陸と空からの攻略が地区解放の鍵となるでしょう」
「なるほど・・・やはり海兵隊と空挺団の強化は必要不可欠なのかもしれないな・・・」
岩田外相は鈴木防衛大臣とともにニュージーランド地区の地形を交えながら自衛隊の想定される運用部隊を取り入れながら解説した。ニュージーランド地区の上陸方法は海岸線が少ないことから空挺団による空挺降下作戦での攻略が重要となる。そして攻略成功後に北島を日本が、南島をアメリカが管理する計画を立案をしていかなければならない。そして、制海権・制空権の早期制圧も必要になってくる。この件に関しては非公開での会合で話し合われる予定である。
「そして、ニュージーランド地区と同時に転移してくる可能性があるのがグリーンランド地区となります。台湾地区とイギリス地区で人道的観点から保護した人物から我々は話を聞きました。その結果、グリーンランド地区は全域が軍事要塞と化しており、戦力が整っているキューバ地区との同時転移は考えられません。そのため、ニュージーランド地区はグリーンランド地区とともに出現する可能性があります。グリーンランド島は全域が雪で覆われていますが現在の状況がどうなっているかはわかりません。国民の皆様に迅速な情報を伝えるべく、精進して参ります。さて、ここで質問の時間を設けますがいかがでしょうか?」
加藤総理らは長話をしてしまったことを考慮して視聴者側に質疑応答の時間を設けることを伝えた。視聴者側からの質問には【水陸機動団を陸自から独立させて海兵隊を創設・編成させた理由は?】や【日本やアメリカはいつ元の世界に帰れるのか】などの質問が来たため加藤総理は機密情報を避けながら回答した。
「まず我が国は地球世界同様、四方を海に囲まれた島国であります。そのため、敵対国による上陸があった場合、陸上自衛隊は水陸機動団を運用する形となります。そして、海兵隊を創設することで離島防衛・攻略任務のみの部隊となるため陸自の負担を減らすことが出来るでしょう。海兵隊創設記念式典は4月3日13:00にてライブ配信が行われますので是非ご覧ください。そして、我が国と米国が元の世界に戻ることはできるのかという質問に関してですが我が国はデングリーヅ連邦側が開発した転移装置に注目しています。ここまで台湾地区に一箇所、イギリス地区に3箇所から転移装置の掌握に成功しています。現在、解析に徹していますがまだわからないことが多すぎるため今しばらくお待ちください」
いくつかの質疑応答を終え、加藤総理らは休憩を挟みながら本題に戻った。対キューバ地区、そしてニュージーランド地区、グリーンランド地区が転移してくる際、必ず大きな地震が起きる。巨大地震にまで発展する可能性もある地震があるため日本政府は防災省の開庁を告知した。防災省を設置することで震災時の自衛隊の負担を減らし、国防任務に徹することができるため効率的である。
「防災省は我が国にとって非常に重要な組織になります。キューバ地区とニュージーランド地区、グリーンランド地区が現れる前までに設置する必要があります。調整に時間がかかるため調整終了次第、防災省公式サイトを作る予定です。本日は以上になります。16日の配信同接数を上回る30万同接ありがとうございます。対策委員会はこれにて終了ですが我々は国民の生命・財産の防衛をしていく所存です。今後ともどうぞよろしくお願いします!」
お辞儀をし、配信を終了した。2回の配信でキューバ地区、ニュージーランド地区、グリーンランド地区、連邦本土について少しでも国民の耳に届けることに成功した。最初は反感もあったが総理の熱い魂に更に支持率は大きくなるだろう。そして防災省設置は国民保護の上でも重要なものであると考えている。
第5章も終盤になりました。第6章以降(特に最終章)は長丁場となります!次回もよろしくお願いします!




