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日米転生   作者: 照山
season2 第4章 闘炎の火種編
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season2-102 フーバーダ条約/デクスター国際軍事裁判

1月18日に対イギリス地区戦後協議委員会が国際同盟総会長と国際軍事裁判所所長を交えて開催された。戦後協議委員会終了後、【闘炎の刃】やデングリーヅ連邦軍の武装解除が進む中、イギリス地区の終戦条約締結と国際軍事裁判の詳細日程が伝達された。エリバン総会長は2月7日木曜日11:00にバンジ共和国・フーバーダにてイギリス地区終戦条約締結会議が開催されることになった。また、国際軍事裁判に関しては同日開催を目指していたが会場選定に時間が少しかかってしまったため翌週14日木曜日の14:00からグレーシス共和国・デクスターにて開催されることになった。フーバーダで行われるイギリス地区終戦条約・平和条約とデクスター国際軍事裁判の出席者一覧は以下の通りになっている。


ーフーバーダ終戦条約会議出席者ー

【国際同盟側】

●国際同盟総会長 クロス・エリバン

●国際同盟軍本部長 彌董鈴やとうりん

●安全保障会議長 アンドリアス・ケビン

●国際軍事裁判所長 マチェン・クロニクル


【バンジ共和国】

●条約締結会議調整担当者 リュー・ルーキ・ベンサー


【日本国側】

●内閣総理大臣 加藤誠也

●防衛大臣 鈴木治弥

●外務大臣 岩田章伸

●副外務大臣 大島康二


【アメリカ合衆国側】

●大統領 アントニー・ベッセマー

●国防長官 サムエル・ジョーンズ

●新世界長官 マイケル・ワーバー

●退役軍人省長官 ポリー・スティーブンソン


【闘炎の刃側】

●代表 ミライ・カガミ(加賀美未來)

●陸上作戦部 ユータ・タガミ(田上裕太)

●海上作戦部 リック・クリス

●航空作戦部 アスカ・シノイ(篠井明日香)


【デングリーヅ連邦イギリス地区側】

●元司令 フアンセル・ロンバック・デンギー

●元地区治安・防衛局長 チュリエ・カプリス

●元地区総務局長 ソルドウ・パニス

●元外政局長 エンデバス・オーダー


ーデクスター国際軍事裁判 出席対象者ー

【旧デングリーヅ連邦台湾地区】

ベルスイ氏、ユリーグ元総軍司令を含めた台湾地区指揮者全員


【旧デングリーヅ連邦イギリス地区】

フアンセル元司令らイギリス地区指揮者全員


【闘炎の刃】

ミライ・カガミら【闘炎の刃】幹部及び一部構成員


以上が出席者となっている。国際軍事裁判は平和条約で出席した者とメンバーは変わらない。また、旧台湾地区の司令部関係者の処分が終了していないためユリーグ元総軍司令や元防衛局長でアメリカにて保護観察中のベルスイ氏の処分が決定する。また、イギリス地区のフアンセル元司令の他に、【闘炎の刃】ミライ・カガミ代表も処分の対象となる。この終戦条約締結会議と国際軍事裁判で彼ら彼女らは何を語るのか注目である。



2030年2月7日11:00(日本時間14:00)バンジ共和国・フーバーダ 


この日、バンジ共和国・フーバーダの国際同盟軍司令部庁舎6階の国際会議室にて条約締結会議が始まった。席の並びとしてはいわゆる誕生日席に国際同盟代表とバンジ共和国代表が着席し、日本とアメリカ側、【闘炎の刃】、デングリーヅ連邦側代表が対面する「コ」の字型で着席した。まず最初にエリバン総会長が口を開いた。


「これより対イギリス地区における戦闘終結に伴う条約締結会議を開催する。この会議において両陣営には冷静な判断で取り行えることを祈ります。では始めてください」


「日本国代表の加藤誠也と申します。1月18日に開催した対イギリス地区戦後協議委員会にてデングリーヅ連邦イギリス地区軍と【闘炎の刃】構成員が保有している武装を年度末までに我が国とアメリカ合衆国に提出するよう求めます。この判断は再度イギリス地区にて戦闘が発生しないよう阻止するための措置であります。この要請に何か意見はございますか?」


「【闘炎の刃】のミライ・カガミです。我々は日本国とアメリカ合衆国が定めた処分をしっかりと受け止める所存であります」


「イギリス地区を代表して私も処分を厳正に受け止めます」


「ご協力に感謝しますミライ・カガミ代表、フアンセル元司令。では次にベッセマー大統領からお話があるようです」


加藤総理に変わり、ベッセマー大統領が口を開いた。


「【闘炎の刃】ミライ・カガミ氏、デングリーヅ連邦イギリス地区元司令・フアンセル氏に問います。デングリーヅ連邦最高主席のライジングという者はどういう人間であるのかいずれ対峙する者として教えていただけないだろうか?そして未だ残るキューバ地区、グリーンランド地区、ニュージーランド地区、デングリーヅ連邦本土についても教えてもらえるだろうか?」


ベッセマー大統領はデングリーヅ連邦によって占領されたキューバ、ニュージーランド、グリーンランドの解放を目指しているため少しでも有力な情報は喉から手が出るほど欲しい。また、デングリーヅ連邦を統べる最高主席・ライジングという人間の素性について問いた。


「ライジング主席とは【闘炎の刃】設立時に何度か会話を交わしたことがありますがそれ以降は話していません。第一印象としては冷酷無慈悲なイメージでした。また、国民を奴隷道具として扱っているイメージがありますが・・・それ以外はわかりません」


「なるほど・・・フアンセル氏はどう考えている?」


「私は親戚全員が幼い頃に亡くしており、拾ってくれたライジング主席は感謝しています。ですが冷酷無慈悲な性格であるということには同意です。幼い頃から育ててくれたため父のような存在ではありますが・・・私はライジング主席の政治のやり方は汚いと考えています。彼は権力のためなら汚いことだって手に染める人間です。賭博に殺人、人身売買など自分のやり方に従わない人は気に食わない考えを持っています」


「恐ろしい人物だ。我々は相当の覚悟を決めなければならないな・・・教えてくれてありがとう。して、残る3地区の詳細は?」


「グリーンランド地区は雪上一面が軍事要塞と化しており単体で来ることはないでしょう。おそらくニュージーランド地区かキューバ地区のどちらかがセットで来るでしょう。キューバ地区、ニュージーランド地区は地形を克服しない限り攻略は厳しいでしょうね・・・」


「なるほど。良い情報を得た。私から以上だ」


「他に何か質問がある方はいらっしゃいますか?・・・いらっしゃらないようなので条約締結の最終段階に入りさせていただきます」


その後、フーバーダ条約締結のための最終調整に入った。一方的な人権侵害を回避するためフアンセル氏やミライ・カガミ代表らの意見を聞き交えながら条約文書を作成していった。会議開始から昼飯・夕飯・各休憩を挟んで9時間後、【フーバーダ条約】が締結した。この条約の内容は以下の通りである。


                   【フーバーダ条約】

●この条約はデングリーヅ連邦イギリス地区と日本国・アメリカ合衆国との間で結ばれる終戦条約である。この条約が締結されたと同時にイギリス地区において一切の戦闘をしてはならない。また、この条約にはイギリス地区の管理、【闘炎の刃】、デングリーヅ連邦イギリス地区軍の武装解除、代表の処分、人権調査、賠償請求に関する項目が記されている。この条約の有効期限は無限である。


●デングリーヅ連邦イギリス地区降伏日・降伏地点

・国歴(国暦)2030年1月16日

・場所 イギリス本島 グラスゴーシティ・レンフルーシャー グラスゴー空軍基地


●イギリス地区の管理 ※対イギリス地区戦後協議委員会終了後に一部改訂

〈アイスランド〉

・レイキャヴィーク→日本・アメリカ共同管理

・ヴァトナヨークトル国立公園以西→アメリカ管理

・ヴァトナヨークトル国立公園以東→日本管理

〈アイルランド〉

・全域をアメリカ管理

※アイルランド各所の空港に国際同盟空軍機の共同運用許可(航空自衛隊も可能)

〈イギリス本島〉

・ロンドン→日本、アメリカ、国際同盟管理

・北アイルランド地域→日本管理

・ウェールズ地域→日本管理

・イングランド地域→アメリカ管理

・スコットランド地域→アメリカ管理

※イギリス各所の空港の共同運用を許可


●武装解除

・【闘炎の刃】→2030年11月31日までに武装解除終了、武器回収

・デングリーヅ連邦イギリス地区軍→2030年12月31日までに武装解除終了、武器回収


●処分

・2030年2月14日の国際軍事裁判で処分決定


●人権に関して

・2025年の地球世界転移後に占領したデングリーヅ連邦イギリス地区において人権侵害があったがどうかを3月1日より【闘炎の刃】構成員を中心に聞き込み開始予定


・【闘炎の刃】の構成員のほとんどは日本人や米国人、英国人など地球世界の国民で構成されており、その国出身の国民で無くても保護国はいかなる日人道的行為を与えてはならない。これに違反した国は国際同盟によって厳重に処分する。


●賠償に関して

・デングリーヅ連邦イギリス地区と【闘炎の刃】は日本国とアメリカ合衆国に対して計300億円を支払わなければならない。期限は2036年度までとする。


●3島の治安維持

・イギリス地区はイギリス本島、アイルランド、アイスランドで構成されており、解放後は責任国が定める治安維持組織を配置する必要がある。また、その治安維持組織は現地に住む者を丁重に扱わなければならない。



以上の内容でフーバーダ条約は締結された。また、翌週はグレーシス共和国・デクスターにて国際軍事裁判が開廷した。この裁判でフアンセル司令らの処分が決定するため彼らの処分内容を以下に記す。


            【デクスター国際軍事裁判 処分対象者】

●デングリーヅ連邦台湾地区

・台湾地区総軍司令 ユリーグ 無期懲役

・台湾地区防衛局長 ベルスイ 懲役5年(1年の保護観察処分終了後)

・台湾地区国際同盟代表 シューラー・べネック 懲役40年

・その他の者は懲役30年


●デングリーヅ連邦イギリス地区

・イギリス地区司令 フアンセル・ロンバック・デンギー 無期懲役

・地区治安・防衛局長 チュリエ・カプリス 無期懲役

・地区総務局長 ソルドウ・パニス 懲役50年

・外政局長 エンデバス・オーダー 懲役50年

・その他の者は懲役40年以下


●【闘炎の刃】

・代表 ミライ・カガミ(加賀美未來)1年の日本政府保護下

・陸上作戦部 ユータ・タガミ(田上裕太)1年の日本政府保護下

・海上作戦部 リック・クリス 1年のアメリカ政府保護下

・航空作戦部 アスカ・シノイ(篠井明日香)1年の日本政府保護下

・その他の者は日本政府もしくはアメリカ政府保護下、未成年は保護観察処分


以上が国際軍事裁判で定められた処分内容である。無期懲役や懲役30年以上の処分を下された者はこの結果を厳正に受け止めなければならない。そして、【闘炎の刃】の構成員も保護観察下とはいえ、常識的な行動を遵守しなければならない他、娯楽施設の利用などは不可能など移動制限もあるため注意しなければならない。


デングリーヅ連邦イギリス地区の戦闘も短期間で終了したことで日本やアメリカは被害を最小限に抑えることに成功した。この結果は非常に喜ばしい結果ではあるが命をかけて戦った仲間に哀悼の意を捧げなければならない。また、まだキューバ地区、グリーンランド地区、ニュージーランド地区、そしてデングリーヅ連邦本国が残っているため気を緩めることはまだ出来ないだろう。

第4章終了です!次回以降はseason2 第5章に向けて/season2 第5章を投稿していく予定です!よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
これはあくまで推測ですが、ライジング主席という人物、心の底に強い劣等感を隠しているのじゃないでしょうか。 一般に劣等感の強い人物ほど、他人の上に立ちたがります。他人を支配したがります。 かつての、あの…
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