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日米転生   作者: 照山
season2 第4章 闘炎の火種編
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season2-98 燃え盛る刃 2 -瓦解-

同日同刻 デングリーヅ連邦イギリス地区・ロンドン 地区司令部


「フアンセル司令・・・」


「何も言うな。状況は分かっている。【闘炎の刃】は我々に反旗を翻した。彼ら彼女らの一連の行動は我が連邦とライジング最高主席に対する侮辱であり、愚かな行為である。我々は決して許してはならない。全軍で敵を叩きのめせ!」


「はっ!ですがすでにアイルランドの制空権を失いました・・・」


「なんだと・・・?!速やかに取り返せ!敵航空機を全機撃墜させろ!」


「はい!」


【闘炎の刃】によるデングリーヅ連邦への裏切り行為、制空権の喪失の報告にフアンセル司令は怒りを露わにした。フアンセル司令はイギリス地区には【闘炎の刃】を含めると56万人の兵力が配備されているがそのうちの30万人弱が【闘炎の刃】のメンバーであることもあり、残る連邦軍第3軍団23万9000人の戦力で対応していかなければならない。そして、何よりも問題なのはデングリーヅ連邦軍の弱さが露呈してしまったのも苦戦している状況の一つなのかもしれない。


「(アイスランドも陥落し、【闘炎の刃】が裏切った。流れが悪すぎる。この状況を打破するには・・・何か・・・)。取り敢えず、23万人の連邦軍兵士に【闘炎の刃】への総攻撃を開始せよ。そしてミライ・カガミを見つけ次第、速やかに仕留めろ!」


「司令!【闘炎の刃】の幹部らが装甲車で地区司令部を包囲しています!すぐに反撃の準備を!」


「次から次へと・・・!いい加減にしろ!司令部警備隊はどうした!」


「司令部警備隊は【闘炎の刃】の連中によって全滅してしまいました・・・。ここも時間の限界です。速やかに脱出の準備を!」


「副司令部は安全なのか?安全であれば速やかに脱出しよう。私が命を落とせば連邦軍は混乱状態に陥ってしまうだろう。すぐにヘリの準備を!」


「了解です!」


デングリーヅ連邦イギリス地区では不測の事態に備えて各地に副司令部が設置されている。レイキャヴィーク、ダブリン、グラスゴーシティ、プリマスに設置されているが日米によるアイスランドへの総攻撃によるレイキャヴィークの陥落、【闘炎の刃】の反乱作戦が開始2時間でプリマスやダブリンの副司令部の制圧が順調に行っていることもあり、残る副司令部はグラスゴーシティとなってしまった。


「グラスゴーシティか・・・とにかく拳銃と小銃を携行していくぞ!」


【闘炎の刃】による圧倒的な機動力と団結力でロンドン各地のデングリーヅ連邦軍へ攻撃を仕掛け、劣勢に追い込むことに成功した。危機的状況となったフアンセル司令はグラスゴーシティにある副司令部に移動して連邦軍の指揮を司ることを決定した。15日12:00前、フアンセル司令ら幹部は旧イギリス空軍のチヌーク HC.6 輸送ヘリコプターに搭乗し、ミライ・カガミらに見つからないようチヌークは離陸した。


「(フアンセル司令、ミライ代表を仕留めろって豪語していたのに逃走するとかダサすぎますよ・・・現場で戦っている若い兵士が聞いたら反感買いますけど良いんですかね・・・)。司令、我々はまだ残ってやることがありますので司令は先にグラスゴーシティへ行っていてください!我々もすぐに向かいますので!」


「分かった!すぐに来るように!」


その後、フアンセル司令は護衛2名とともにグラスゴーシティへ向かった。フアンセル司令がいない今、チュリエ地区治安・防衛局長はニヤリとほくそ笑んだ。


「これより我々は【闘炎の刃】に降伏する。これ以上、未来ある若者に「死」を与えてはならない。我々もフアンセル司令を裏切ることになるが今後のためだ。協力してもらえないだろうか?」


「わ、分かりました。チュリエさん。私もあなたに協力します」


離陸場に集まった幹部らはチュリエ地区治安・防衛局長の提案に賛同した。【闘炎の刃】へ余力を残しての降伏。フアンセル司令がこの事を耳に挟めば怒るに違いない。幹部らの賛同を得たためチュリエはフアンセル司令が搭乗したチヌークに無線が繋がらないよう調整し、各地で【闘炎の刃】と戦闘を繰り広げているデングリーヅ連邦軍に対して命令を下令した。


『地区治安・防衛局長のチュリエである。現在我々は【闘炎の刃】に苦戦を強いられている。【闘炎の刃】による我々への行動は我が連邦に対する挑戦である。【闘炎の刃】の行動は決して許されるものではない。だが我々は今決断し、本心と向き合わなければならない。イギリス地区連邦陸軍・海軍・空軍に所属する諸兵士たちへ、今この時間を持って我々デングリーヅ連邦軍は【闘炎の刃】ミライ・カガミに対して降伏し、フアンセル司令の判断力や指揮力が暴走する前にこの争いを止めなければならない!また、本日17時までの停戦を命ずる!そしてフアンセル司令には内緒だ!以上!』


デングリーヅ連邦軍の戦闘停止を命令後、チュリエは【闘炎の刃】ミライ・カガミらが待つ正門前へ向かい、戦闘の意思がない事を示した。グラスゴーシティに到着した時、デングリーヅ連邦が【闘炎の刃】に降伏し、フアンセル司令の身柄を確保した時、彼はどんな哀れな表情をするのか注目である。

次回もよろしくお願いします!

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