season2-97 燃え盛る刃 1
1月11日、航空自衛隊とアメリカ空軍はB-1S2 爆撃機、F-40SS、F-35D戦闘機を用いてイギリス地区アイスランドを集中的に攻撃し、連邦陸軍1000人を残して空海軍の殲滅に成功した。アイスランドが陥落したことを受けて連邦海軍輸送艦「ハタース」「マンシェン」に残存戦力を乗せて撤退した。1000人が撤退したことを確認後、12日夕方から13日・14日にかけて自衛隊と米軍による上陸が進められてきた。
集中的な攻撃により各地の陸軍基地や海軍基地、航空基地が破損してしまったため上陸出来る部隊が限られているのである。アイスランドに臨時駐屯する陸上自衛隊は第3旅団第6偵察機動師団第20機動戦闘団(大月駐屯地)の先遣隊がレイキャヴィークに到着した。第20機動戦闘団は日米側の攻撃で受けたデングリーヅ連邦軍の基地内部の瓦礫除去作業の実施、攻撃によって死亡したデングリーヅ連邦兵の遺体収容任務に従事する。そしてアメリカ陸軍は第81ストライカー旅団戦闘団が派遣された。第81ストライカー旅団戦闘団は到着後、第20機動戦闘団と合流し、レイキャヴィーク地方の修繕作業に取り掛かる。
そして14日17:00、米空軍と航空自衛隊による早期警戒機によるアイスランド上空の偵察をした結果、デングリーヅ連邦兵から体温熱源探知を感じ取ることができなかったため、日本とアメリカはデングリーヅ連邦イギリス地区からアイスランドを解放したことを同日同刻に正式に国際社会に宣言した。今後、日米両政府はアイスランドをどのように管理するかの話し合いが行われる。東西分割管理、日本単独管理、アメリカ単独管理、協力関係構築中の【闘炎の刃】を管理者とする統治など方法は様々だ。加藤総理らがどのような判断をするか非常に注目であるとともに、そして今日15日はデングリーヅ連邦イギリス地区の歴史の分岐となる出来事が起きるに違いない。
1月15日6:30 デングリーヅ連邦イギリス地区・ロンドン 【闘炎の刃】本部
「代表、時間です。作戦を始めましょう」
「みんなおはよう。今日は私たちにとってこの国の歴史に変化をもたらせるようみんなの奮闘を祈ってる。準備は良いかな?さぁ行こう!」
「本部より各管区隊所属隊員へ。これより作戦を開始する。航空作戦隊と海上作戦隊は少ない航空機と艦船を用いて敵を少しでも多く撃破せよ。自衛隊と米軍の救援が来るまでは我々で何とかするように!作戦開始!」
影武者任務を終えたワカバ・オオタに感謝を伝えたカガミ・ミライら幹部は【闘炎の刃】全部隊に対してデングリーヅ連邦イギリス地区軍への攻撃を開始するよう命令した。海上作戦隊は21隻のフリゲート艦を駆使し、航空作戦隊は10機のユーロファイター タイフーン多用途戦闘機と5機のF-35A戦闘機、120機のCHA-47 攻撃・輸送ヘリコプターを用いて作戦を実行する。そして陸上作戦隊は地区司令部、各所の連邦軍基地と自衛隊や米軍の上陸地点の確保を主要任務とした。
「代表、各部隊が動き出しました。本当に始まりましたが・・・後悔はありませんか?」
「後悔はない。私たちはこれから「生」と「死」を彷徨う覚悟をしなければならない。部下が戦っているのだ。私たちも拳銃なり小銃なり持って外行いくよ。【闘炎の刃】幹部教育課程を受けてきた私たちの実力を見せつけよう。それとフアンセル司令を見かけたら迷わず撃つように」
「分かりました。我々も覚悟決めます!よしっ!」
覚悟を決めた【闘炎の刃】・ミライ代表は以前支給された旧イギリス陸軍所持のL131A1とL85A2を手に取り、戦闘に参加するため幹部らはFV430、ジャッカル、フォックスハウンドの乗車し、地区司令部のあるロンドン・グリニッジへ向けて前進した。FV430に乗車したミライ・カガミらはアイルランドで戦闘が始まったことを報告した。アイルランドのダブリン空軍基地上空では【闘炎の刃】航空作戦隊のF-35A戦闘機と連邦空軍のユーロファイターが交戦した。F-35Aは5機しかないため1機のみで対応した。
この1機のパイロットはシンタロウ・タカナミという日本人であった。彼は日本がこの世界に転移してくる前に航空自衛隊のアグレッサーパイロットであったが自分のやりたいことを見つけたという理由でイギリスへ留学へ行った途中で転移と連邦の占領に巻き込まれ、【闘炎の刃】の一員として、そして優秀なエースパイロットとしてF-35を乗りこなした彼にとっては余裕であった。
「(敵戦闘機を1機、2機、3機撃破っと。おっとヘリコプターが来たか。だが俺の相手にはならない。落ちろ!」
ヴェストマンナエイヤル空軍基地からダブリン空軍基地へ移動した第109航空隊の攻撃ヘリが対応したが相手が戦闘機ということもあり無力に全機が撃ち落とされた。そして極め付けはアイルランド内にある空軍基地の破壊だがダブリン空軍基地のみしか無力化することができなかった。しかし、戦果としてはとても優秀で1機で31機のユーロファイター タイフーンを撃ち落とすことに成功した。奇跡のような出来事ではあるが気を抜くことはできない。そして・・・
「地区司令部前に到着しました。これより射撃を開始します」
「はい。射撃お願いします」
ミライ代表らは途中で連邦陸軍から攻撃を受けたがロンドン管区の【闘炎の刃】の後方支援もあり、撃破することに成功した。しかし、いつ死ぬか分からない状況になったためミライ代表らは「死」を覚悟の上で作戦を開始した。もう彼女らの表情には迷いは無かった。
次回もよろしくお願いします!