season2-92 反乱の足音 Fourth phase -新年の幕開け/日米会談-
2030年に入りました
2030年1月1日10:00 日本国・東京 首相官邸
2030年が始まって10時間、ここまで交戦報告がないことから新年会合を加藤総理は開催した。この会議には全閣僚が参加し、今年から来年にかけての経済・防衛・教育・外交・少子化対策などが話し合われる予定である。篠原副総理は加藤総理に今年一年の抱負を聞いた。
「あけましておめでとうございます総理。2020年代が終了し、2030年代が始まりました。総理は今年どのような年にされていきたいですか?」
「みんな明けましておめでとう。2020年代の後半から現在にかけて日本が抱えてきた課題が浮き彫りとなった。今年はありとあらゆる脅威を国民に近づけないことを目標にするためデングリーヅ連邦からイギリス地区を解放することを約束する。そして皆に朗報だ。防衛大臣から良い情報を持ってきてくれた。この件に関してこの後ベッセマー大統領とも共有する予定だ。鈴木くん、話してくれ」
「(大統領と共有するレベルで良い情報とは一体なんだろうか?)」
とまだ情報をもらっていない大臣は鈴木防衛大臣の話に耳を傾けた。
「昨年12月28日、SOS信号を受信したため航空自衛隊第6航空団第55飛行群第28早期警戒飛行隊所属機が当該船舶と接触後、バンジ共和国内のフーバーダ国際同盟軍基地へ誘導し、航行の目的を聞いたところ【闘炎の刃】代表からの協力要請であることが判明いたしました。加藤総理は【闘炎の刃】との協力に前向きな姿勢を示しています。皆様のご意見をお聞かせ願いますでしょうか?詳細は下記の資料に記載しているためご確認ください」
鈴木防衛大臣は【【闘炎の刃】に対する今後の取り組みに関して】と記された資料に目を通すよう指示した。この資料には【闘炎の刃】がどのような組織でいつ出来たのか、代表者名、構成員などの詳細が記されていた。【闘炎の刃】の全貌はまだ把握できていないが日米の協力が得られれば全情報を得れるとミライ・カガミから伝えられていた。
「ふむ・・・我が国が転移した際にイギリス・アイスランド・アイルランドに残された邦人が捕虜とされ、【闘炎の刃】が設立されたと・・・なるほど。総理、敵国の警察的立ち位置の組織とはいえ日本人や米国人、英国人が主体となっている構成員であろうと我々は彼彼女らを呪縛から解放しなければなりません。「協力に前向きな姿勢を示す」のではなく、積極的かつ直接的な支援をすべきであると私は考えています。総理の考えはいかがですか?」
【闘炎の刃】はデングリーヅ連邦イギリス地区で活動中の組織ではあり、構成員のほとんどは地球国家の人間ではあるもののオリンピックでのテロ行為に関して日米からの信頼は低かったが協力要請を受けたことから向こうも向こうでデングリーヅ連邦を倒したいという気持ちが強いのだろうと予想した。そして、その後もほとんどの大臣から【闘炎の刃】との協力をするべきという声が上がり、加藤総理は口を開いた。
「皆の意見を聞かせてもらった。【闘炎の刃】からの協力を開始しよう。デングリーヅ連邦の脅威を1秒でも早く排除するためにはあらゆる手段を用いる覚悟がある、また、構成員は日本人や米国人、英国人などで構成されていることは表向きは平然を装っていたとしても裏では苦しんでいるのかもしれない。我々は【闘炎の刃】との協力と同盟国・同志国民の救助を目的とした作戦を開始する。鈴木くん、【闘炎の刃】との協力のため、普通科連隊の派遣を検討してください」
「分かりました。詳細は今後お伝えします」
4時間ほど続いた会議は14:00に終了した。14:00に終了後、23:00から始まる日米会談に向けて休憩と準備を進めた。この会談で日本の単独での【闘炎の刃】への協力か日米共同での【闘炎の刃】の協力になるかが注目である。
同日23:00(米国時間-14時間 9:00)
「おはようございます、そしてあけましておめでとうございます大統領。今年もよろしくお願いします」
「あけましておめでとうカトウくん。米国時間に合わせてもらって申し訳ないね」
「問題ありません。大統領とこうしてお話しできるのを楽しみにしていました。大統領の今年はどのような一年にしていきたいですか?」
「デングリーヅ連邦を倒す。それぐらいしか思い浮かばないな・・・。カトウは?」
冗談混じりで言っていたのかもしれないがベッセマー大統領の目からは打倒デングリーヅ連邦と書かれているようであった。そしてベッセマーは加藤総理にも質問を投げ返した。
「私の今年の1年は平和とは何なのか、何のために争うのかについて考える年にしていきたいと思います」
「とても素晴らしい抱負だ。それで今年の運勢はどうだったのだ?」
「明日初詣行ってきます」
「良い運勢が巡ってくることを祈るよ。・・・・さて、そろそろ本題に入ろう。【闘炎の刃】との協力関係の構築に関してであるが我々も参加しようと思う。加藤くんも同じ意見かな?」
「私も同じ意見です。1月6日に再度フーバーダ基地に来航するためその際に協力関係の構築の決定を伝えることにしましょう」
日本側で作成した【【闘炎の刃】に対する今後の取り組みに関して】という資料を送り、ベッセマー大統領は【闘炎の刃】の協力に乗り気であった。
「了解した。では本日はこの会合を終了としよう。加藤くんも新年からいきなり仕事も大変だろうしゆっくり休むと良い。ではこれにして失礼する」
このようにして日本国・アメリカ合衆国は【闘炎の刃】と協力することを決定した。6日にミライ・カガミが再度フーバーダ基地を訪問する。これらの決定で今後のデングリーヅ連邦との情報はどのような展開が待ち受けているのかとても注目である。
次回もよろしくお願いします!




