season2-80 日米の長いクリスマス 3 -RS1F-
12月25日8:45 日本国・小笠原諸島・父島 海上自衛隊小笠原基地
第1後方支援艦隊第2後方支援隊群の多用途支援艦「ひうち」はデングリーヅ連邦イギリス地区から発射されたミサイルを撃墜するため小笠原基地に寄港していた護衛艦「かつらぎ」「ねむろ」による迎撃支援を行うことになった。現在、日本周辺海域には本土上空にミサイルを侵入させないよう第1護衛艦隊、第3護衛艦隊、第5護衛艦隊、第10護衛艦隊、第12護衛艦隊が展開準備中である。
「かつらぎ」「ねむろ」両艦内では慌ただしく人が行き来していた。
「敵ミサイル、34発接近中!」
「目標と本艦との距離は?」
「我が艦との距離20km!本艦接近まで8分!」
「対空戦闘用意!横須賀からも通達があった。本土を目標とするミサイル攻撃の可能性があるため洋上で全力で迎撃せよと!1発も撃ち漏らすな!」
「お任せください!対空戦闘CIC指示の目標、VLS8番管ー25番管ミサイル発射用意!」
「射っ!」
「かつらぎ」艦長・黒山は第1艦隊司令部から【洋上での可能な限りのミサイル迎撃】を要請した。護衛艦への直接的な攻撃は無いものの本土に住む国民の生命に危機が及ぶため洋上である程度のミサイルを撃ち落とすよう黒山と「ねむろ」艦長・葉山に通達した。この通達を受けて「かつらぎ」から17発、「ねむろ」からも17発のSM-3が発射された。発射されたSM-3はレーダーに表示された敵ミサイルを表記している赤いマークへ向かって行った。
「インターセプト9秒前!8、7、6、5、4、3、2、1・・・2発外れた!」
「撃ち落とせるか?」
「可能ですが第2次攻撃に備える必要があります。本艦には90発のVLSが発射可能ですが今後のためにも温存しておきましょう」
「了解。対空戦闘用具収め!」
32発のデングリーヅ連邦側のミサイルを迎撃したが2発の迎撃に失敗した。この2発はSM-3の攻撃を変則的な軌道で回避した例のミサイルであり、撃ち落とすには非常に困難なミサイルである。「かつらぎ」「ねむろ」艦上を通過後、通常のミサイルよりも異様な轟音を放ちながら東京方面へ向かって行った。
その後、2発のミサイルは八丈島上空を通過時に八丈島駐屯地に駐屯している第1高射特科団第2高射特科連隊の20式地対空追撃誘導弾を4発発射した。この20式地対空追撃誘導弾は2020年に開発開始、9年の期間を経て完成した目標のミサイルを執拗に追いかけるミサイルとなっている。
「こちら第2高射特科連隊第5高射中隊。当部隊より20追誘を発射。目標命中25秒前」
「了解。1発でも多く撃ち落とせ。可能な限り本土に近づけさせるな!」
しかし、20式地対空追撃誘導弾の追尾能力を持ってしてもデングリーヅ連邦軍のRS1F-109多目的ミサイル2発を追尾・撃墜できなかった。34発のミサイルのうち2発が紛れていたためRS1Fが非常に手強いことを改めて実感した。護衛艦「かつらぎ」「ねむろ」、第2高射特科連隊による迎撃失敗で変則的な軌道を持つRS1Fは八丈島上空を通過後、相模湾上空へ差し掛かった。
同日9:10 海上自衛隊横須賀基地 東日本地方総監
『敵ミサイル相模湾上空へ到達!「もがみ」「こんごう」「あさぎり」は速やかに対空戦闘および近接防空システムを起動!』
「こちら「もがみ」了解!対空戦闘、1番管・2番管VLS発射用意!射っー!」
「藤沢市・鎌倉市上空を通過。インターセプト5秒前!4、3、2、1・・・目標外れた!目標、平塚市上空に差し掛かった」
横須賀基地より出港していた第1護衛艦隊第2護衛隊群の「もがみ」「こんごう」と第3護衛艦隊群の「あさぎり」はRS1Fの撃墜を試みたが失敗した。撃墜失敗を受けて東日本地方総監は航空自衛隊の第2航空団第3中部航空方面防空群第10基地防空隊に通達した。厚木基地を拠点としている第10基地防空隊はPAC3、PAC4を起動した。
同日9:18 航空自衛隊厚木基地
「目標を肉眼で確認。パトリオットミサイル発射始め!」
第3中部航空方面防空群第10基地防空隊はPAC3よりも追尾能力が優れているPAC-4を4発発射した。PAC4から発射されたパトリオットミサイルはRS1F2発を執拗に追いかけ、1発を横浜市保土ヶ谷区上空で命中させ撃墜に成功した。残る1発を羽田空港上空での撃墜に成功した。しかし、爆発の威力が大きすぎたのか保土ヶ谷区と羽田空港にはミサイルの破片が大量に降り注いだ。大量に降り注いだことにより羽田空港の一部の滑走路は一時封鎖ということになったがなんとか被害を最小限に食い止めることに成功した。
明日今年最後の投稿をする予定です!よろしくお願いします!




