season2-78 日米の長いクリスマス 1 -崩れ行く日常、迫り来る非日常-
クリスマスなのに風邪引きました。
2029年12月25日6:30 日本国・首相官邸
「総理、今日はお早いですね。どうなさいましたか?」
「久しぶりに早起きをしてみたんだが・・・妙に胸騒ぎがする。何か嫌な予感がするんだ」
「嫌な予感ですか・・・やはり1週間前から続いている統一性の地震ですか?」
「あぁ。そうかもしれない。台湾地区が来た時も同様の地震が相次いだ。だから・・・」
すると加藤総理の嫌な予感は命中した。1週間前から続いていた地震の最大震度は1〜4であったがそれ以上の揺れを今日は感じた。この地面を突き上げてくる感覚、来たのかもしれない。
【緊急地震速報 強い揺れに警戒 北海道 東北 関東 中部 近畿 中国 四国 九州 沖縄 豊麗 北台湾】
「すぐに危機管理室へ行くぞ!」
「はい!」
危機管理室へ向かうとすぐに何名かが準備をしていた。テレビには震度速報が入っていた。
『気象庁によりますと本日6時33分頃、全国各地で統一性の地震が発生しました。最大震度は6弱です。この地震による津波の心配はありません。そして、気象観測衛星が捉えた新たな地図にイギリスの形をした土地の出現が確認されました。台湾本島の出現と同様であるため警戒が必要かもしれません。以上で地震情報を終了します」
「やはり来たか!このクリスマスの時に・・・」
「デングリーヅ連邦イギリス地区・・・台湾地区より大きいです」
「すぐに鈴木くんと各幕僚を招集!」
「はい!」
感じただけでも分かる。デングリーヅ連邦の出現には。すぐに対策を講じるため加藤総理は防衛大臣・鈴木治弥、外務大臣・岩田章伸、副防衛大臣・鳥羽若葉、防衛会議長・杉野胡桃、防衛会議副長・永山瑞樹、統合幕僚長・榊原修爾、副統合幕僚長・柳田一郎、陸上幕僚長・小鳥遊甚一郎、海上幕僚長・八重山結菜、航空幕僚長・岡本誠、情報本部長・坂本正純、諜報部長・池田春樹、陸上保安庁長官・柳町彩奈、海上保安庁長官・大谷雪音、航空保安庁長官・佐原恵ら15名を招集した。その他にも閣僚は参加した。
「デングリーヅ連邦イギリス地区の位置情報を伝えてくれ」
「現在、デングリーヅ連邦イギリス地区は豊麗県より南西に位置しています。初期情報資料なので詳細は分かりませんが・・・豊麗県が危険にさらされることは間違いありません。速やかに陸上自衛隊第15旅団、海上自衛隊第8護衛艦隊、航空自衛隊第6航空団に防衛出動、戦闘行動命令の発令を総理、お願いします」
「了解。デングリーヅ連邦は我々の想定以上の武器を用いて攻撃してくる。速やかにその脅威を排除するため自衛隊に防衛出動・戦闘行動命令を、陸上保安庁に治安維持、海上保安庁に海上警備、航空保安庁に航空警戒命令を各種発令する」
加藤総理よりイギリス地区対応のための自衛隊への防衛出動と戦闘行動命令が同日8:00に正式に発令された。国民には身の安全のため不要不急以外の外出を制限するなどした。
「イギリス地区には連邦軍以外に【闘炎の刃】もいる。長い時間がかかりそうだ・・・」
同日8:10 デングリーヅ連邦イギリス地区・ロンドン 連邦軍最高地区司令部
「無事予定通り転移が完了しました。フアンセル司令」
「ご苦労であった。日本国とアメリカ合衆国の姿はあるか?」
「【闘炎の刃】旧日本人、旧米国人からの情報を元に・・・ありました」
「よろしい。台湾地区の二の舞にならないよう速やかにミサイル攻撃を開始せよ。彼らを初手で潰すのだ」
「はっ!『司令部より空軍全ミサイル部隊へ。目標は以前示した敵空軍基地。ミサイル発射!ってー!」
イギリス地区には全22個のミサイル部隊が存在する。各基地から5発ずつ発射されたため計110発のミサイルが日本とアメリカに向けて発射された。2029年12月のクリスマスは日本とアメリカにとって長い1日になるだろう。
次回もよろしくお願いします!




