season2-63 競技再開に向けて
11月2日12:00 第2回発砲事件調査委員会
ロサンゼルス・メモリアル・スタジアムでの発砲から5日が経過した。この5日間、模倣犯による犯行は確認されなかった。しかし、大会延期中であるためロサンゼルス州警察・陸上保安庁は総力を挙げてテロ行為を阻止するべく、ランニング中の者にも職質に協力してもらった。【神経質になり過ぎでは無いか】【そろそろ競技が見たい】などの声が出たが予定通り5日からの競技再開に向けて準備を進めていた。
発砲事件調査委員会は日本人出席者は陸上保安庁の宮城ロサンゼルス派遣隊本部長、国際同盟スポーツ協会長の草部が出席した。
「草部委員長、本日は【闘炎の刃】との戦闘で殉職された8名の陸上保安官と9名のアクトン市警察の職員の葬式が行われました。今後、8名の陸上保安官のご遺体は日本へ移送される予定です」
「8名の陸上保安官の殉職を我々は決して忘れてはならない。彼らの奮闘によって【闘炎の刃】を倒すことが出来たのだからな」
「それが・・・・草部委員長、【闘炎の刃】はまだまだいるらしいです」
「本当か?」
「はい。逮捕した【闘炎の刃】の構成員からの情報によりますと『まだまだ仲間はたくさんいる。アメリカ国内にはいないかもしれないが我が祖国のイギリス地区に本部と主力がいる。あれは一部に過ぎない』と供述していました。おそらく別働隊と本隊に分かれている可能性があり、本隊はおそらくイギリス地区にいる可能性が高いと思われます」
「そうか・・・イギリス地区で蔓延っているとなると正規軍がでしゃばることはないのか?」
「いいえ。イギリス地区にもデングリーヅ連邦軍は駐屯しています。【闘炎の刃】は民間軍事会社的なポジションであると考えられます。イギリス地区に対してはかなり苦戦するかもしれません。各国には十分警戒を怠らないようしてもらいたいです。
逮捕後、【闘炎の刃】のメンバーから全ての情報を洗いざらい話させた。その結果、彼らの他にもまだ構成員は何千何万といるらしい。草部ら調査委員会のメンバーは民間軍事会社的立ち位置にいると推測している。そうだと仮定するとデングリーヅ連邦イギリス地区転移後に戦闘となれば正規軍に加えて【闘炎の刃】とも敵対することになるだろう。最小限の被害に抑えれれば御の字であるが順調に行くとは限らないため万全の対策をしていかなければならない。
「彼らも厄介な組織で間違いなさそうだ。この件は政府の意向に任せよう。我々は軍隊や政府関係者ではないからね。では次の話題に移ろう」
草部はこれ以上予測しても埒が明かないと判断したため競技再開に関する協議が再度行われた。競技再開予定日の5日以降の警備体制や非常事態の対処について話し合われた。
「選手団側からは徹底した安全管理のもと、競技再開を目指してほしいとスタッフを通じて伝えられました。また、オリンピック期間中に再度、同様の事件が発生した場合は競技中であろうと即座に中止を行う他、犯人が武器を持っていた場合、護身用だと主張していたとしても地元警察官、陸上保安官などの警備員と観光客の身の安全を最優先に考え、危険物を没収するなど強硬に行かなければなりません」
「そうだな。宮城本部長、委員会が終了次第速やかに派遣中の陸上保安官全職員に同様の事項を説明してください」
「了解しました」
事件前でもかなりの安全管理はされていたが発砲事件が起きてしまった以上,さらに厳しくしていかなければならない。安全面に万全を尽くすこと、非常事態に対処できる能力を理解・習得しなければ再犯の可能性もあるため注意していかなければならない。
同日18:00 ロサンゼルス州警察本部 陸上保安庁仮本部
5時間半の調査委員会が終了し、宮城は陸上保安庁仮本部へ帰って行った。昼ご飯は食べたものの委員会に集中していたためかなりの空腹が襲って来た。本部へ戻り、食事を摂りたいと考えていた。
「宮城、今帰りました。少し早いですが夕飯食べます」
「お疲れ様です本部長、お腹が空いているかと思われましたので夕飯を用意しておきました。仮眠室でお摂りください」
「ありがとう。みんなも少し早いが食事にしよう。これからさらに忙しくなるから飯はたくさん食うように!」
「はい!」
5日から交代制で陸上保安官全職員が警戒にあたるためご飯は食べれる時に食べなければ自分の実力を発揮する事ができないため宮城らは全員で食事を摂ることにした。食事中は今日の委員会で話されたことを全て話した。【闘炎の刃】の残存部隊がまだ存在する事などを話した。
「なるほど・・・教えていただきありがとうございます本部長。命をかけて戦ってくれた8名のためにもまだまだ我々は頑張らなければなりません。8名のためにも精一杯努力します!」
「良いね良いね。じゃあ飯食い終わったら各会場の警備位置を決めていくぞ!全員頑張ろう!」
「はい!」
食事後、やる気がどんどん出てきた各保安官らは宮城本部長と共に警備会場の配置、非常時の対応などを独自に話し合った。深夜まで続いたが有意義なものとなった。
次回もよろしくお願いします!




