season2-62.5 アスキーの日常
お久しぶりです。旧ボルドー国元最高指導者のアスキーです。私が日本国とアメリカ合衆国の監視下にこの身を置いて1年が経過したので私の拘置所生活をお伝えします。加藤総理と大島さんが来る前の話です。
「もう1年か・・・時が経つのは早いな・・・」
私はいつものように朝6:30に起床し、監視官から手渡された朝食を食べた。今日の朝ごはんは・・・パンか。量は少ないが食べられるだけマシだ。ゆっくり噛んで味わって食べた後、「ごちそうさまでした」と言って今日の仕事に関する命令を持った。
私は当然のことながら仕事を自由に選ぶことはできない。毎日7:00に自室には【職務命令書】が届けられることになっており、裁縫などの軽作業から重作業など幅広い仕事が与えられる。1年前、自分は無茶な命令を部下に与えてきた。今私の階級は一番下だが【組織を上手に指揮する】大切さを学んできた。夏にマンション工事の仕事を与えられた時や監視官の監視下で働いたオフィスでは上司の方からのアドバイスがとても素晴らしかった他、部下からの信頼も厚かった。
「あぁいう人が【組織のリーダー】に相応しい人なのだなぁ・・・」
私は部下に命令すればなんでも従う便利屋だと最高指導者の立場の時は思っていた。ここでの生活は私の今までの愚かな考え方を捨てた場所でもある。この拘置所に収監されて以降、働くという大変さ、部下として上司と対等に働くということを理解してきた。そのように考えていると毎日の仕事を提示してくる職務下令官の尾根崎さんがやって来た。今日はどのような仕事が出来るのであろうか・・・?
「囚人番号9827、アスキー。本日の職務内容を提示する。本日は休みとする。休みだからゆっくり出来るという考え方はしてはならない。アスキー、君には日本について知ってもらう。それが今日の仕事だ」
「日本のことについて・・ですか?」
「その通り。難しいものではないが真剣に取り組むように」
「分かりました。日本のことについてもっと理解を深めたいと思います」
「ではいつも通り12:00に昼食、15:00に間食、19:00に夕食を持参する。時間まで自分の時間を有意義な時間にすると良い。では失礼する」
今日は仕事無いのか・・・。だが部屋であろうと部屋で出来ることはあるはずだ。尾根崎さんから受け取った【日本の歴史】【日本の文化と伝統】【平和の在り方】【旧ボルドー国の蛮行】など多くの書籍を受け取った。自分のことが書かれた本もあり、何度読んでも自分のして来たことが後悔と恥ずかしさが襲ってくる。
「改めて読んだが・・・私ってゴミみたいな野郎だったんだな・・・」
すでに【旧ボルドー国の蛮行】という本は10回は読んでいる。この本はアスキーが戦後に拘置所に入る前に受けた取材の内容が記されていた。当時の私はゴミ以下の人間だと批判されていた。当然であった。1000万人を超える犠牲を出しのだから当然の報いである。死刑を覚悟していたが大島前総理から【命の重み】についてこれから学んでいく必要があるとアドバイスをいただいた。
日本国とアメリカ合衆国に降伏するまで私は命を軽く扱っていた最低な人間でもあった。『お前の代わりはいくらでもいる!』などを豪語していた。拘置所生活で与えられてきた仕事をしていくにつれて同僚・上司とは対等な関係が重視されるべきであることに気づいた。一般的には当たり前のことではあるが指導者時代の私は無知であった。
「もっと人と関わらなければならないのかな・・・」
読了後、次の本を読んでいった。本は面白い。何故この事にも今まで気づくことが出来なかったのか。当時の自分をぶん殴ってやりたい。
時間経過も早く、昼食・間食・夕食を食べ、尾根崎さんから明日の予定を聞かされた。また、一日の振り返りを報告した。
「ふむ。良い心がけだ。過去のことは取り戻すことは出来ないが未来は変えることができる。間違えた道ではなく、正しい道に進めるよう精進するように。では今日は以上とする。22:00〜23:00の間までに就寝するように」
「了解しました」
今日は過去の自分と未来の自分の在り方を見つめ直す良い一日となった。明日からも健康には気をつけて仕事していこう。ありがとうございました。
久しぶりにアスキー元指導について書きました。season2-63以降もよろしくお願いします!