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日米転生   作者: 照山
season2 第3章 国際競技大会編
413/500

season2-57 世界の宝を狙う者 2

10月28日1:30 アメリカ合衆国 ロサンゼルス・メモリアル・スタジアム 周辺


日本時間28日17:30、ロサンゼルス州警察と陸上保安庁はこの日に夜間警備巡回を実施した。夜間に行われる怪しい取引の取り締まり、地域の保安を脅かす存在を除去する狙いがある。しかし、この日は何もトラブル一つなく数時間の夜間巡回が終わろうとしていたその時、怪しい人物を見かけた。


「班長、不審者2名を確認しました。尾行しますか?」


「服装は?」


「黒のパーカーに黒のズボンを履いてますね・・・『夜だからバレない』だろうとか考えているんでしょうか?」


「慌てるな。ただ単にランニングしてるかもしれん。彼らの動きから目を逸らすなよ?」


「了解しました」


陸上保安庁ロサンゼルス邦人保安隊第7保安中隊第4班長の勝原2等保安佐は不審者2名を目撃した大野一氿3等保安曹長から服装などの特徴を伝えられた。2名は共に上下黒の服を身に纏っており、帽子を被りメモや写真を撮っていた。一般の人から見ればオリンピックということもあり、人が少ない時間帯に来てイ◯スタを取っているのだろうと考えてしまうかもしれないが勝原は彼らの動きを観察し、職務質問するつもりである。


「遠藤、松葉、竹石、栗田は2名がもし逃走した時に備えて回り込む形で分かれろ。回り込んだ先で逃げ出した者がいればすぐに捕らえよ」


「班長、そろそろ行かないと移動しそうです」


「そうだな。ロハスさんらはその場で待機していただけますか?ここは我が国の実力を見ていてください」


勝原班長はロサンゼルス州警察本部長のロハスに陸上保安庁が旧警察から引き継いで来た実力と統率力をアピールしようとした。


「分かりました。そちら側からの頼みでしたら我々は後方で支援します」


「さぁ、彼らは尻尾を見せるんだろうか・・・?」


物陰から2名の動向を探っていった。すぐにでも職務質問は可能だが怪しまれては意味がないため決定的な証拠が無いと知ったかぶりされるだけである。


「あれは・・・もしかして拳銃ですか?」


「拳銃だと?見間違いでは無いか?」


「確かに確認しました。私の目に狂いはありません。職務質問しますか?」


「まだだ。もう一つ何か尻尾を掴めるものがあれば・・・」


「爆弾設置を確認!入口付近です!」


「ビンゴだ。急げ!」


2名の不審者の行動を追い、武器の携行と爆弾設置を実行したことにより【オリンピック期間中の日米共同のテロ対策特別措置法】第4条の銃等の所持と第7条の危険物設置が該当したため職務質問を開始した。相手を刺激しないように慎重に行かなければならない。


「遠藤、聞こえるか?」


『こちら遠藤、先ほど彼らを監視したところ爆発物の設置を確認しました。どうぞ』


「そっちもか。了解。これより職務質問と任意同行を開始する。お前たちは彼らが逃げ出さないか警戒してくれ」


『了解です班長』


通信終了後、勝原らは2名の不審者に職務質問を始めた。


「(誰か来るぞ?良いか?絶対に動揺とかするんじゃ無いぞ?」


「(分かってる。そっちこそ気をつけろ?)」


「そこのお二人!夜遅くにすみません!我々は日本国陸上保安庁です。夜間警戒中にあなた方を見かけたので声を掛けさせていただきました。お時間はかけませんので少々お話を聞かせてもよろしいですか?」


「構いませんよ。すみませんね。こんな夜遅くにお手数をかけてしまって」


「いえいえ。これが仕事ですから。(やけに流暢だな・・・どんな言い訳するか楽しみだな)それであなた方の名前と会場周辺に来た目的は何ですか?」


「コーペー・クライスルだ」


「オセイド・デングだ。一度でも良いから【世界の宝】である【聖炎】を一目見たいと思ってここに来た。夜だから綺麗に見えるんじゃ無いかと思ってね」


「なるほど・・・分かりました。先ほど巡回中に見えてしまったのですが・・・拳銃を持ってますよね?アメリカは銃社会なのは分かりますが」


「護身用だ」


コーペーとオセイドは少々慌てた素ぶりを見せた。勝原らはそこを見逃さなかった。


「護身用であることは分かりました。それとさっき危険物を設置していたと思うのですが・・・本当で、あ!待て!止まれ!」


勝原は爆弾設置に言及した時、コーベーとオセイドが逃走を試みた。先回りしていた遠藤らが静止に入るも拳銃の引き金を引いて4名の陸上保安官に発砲した。その後、止めてあった自動車に乗り込んで逃走した。


「くっそ!逃げやがった!大丈夫かお前たち!すぐに救急車を呼ぶ!911だからな!119じゃないぞ!到着まで耐えろ!本部!職務質問した怪しい2人組が拳銃を発砲後、車で逃走!負傷者4名!応援求む!」


『本部より7保4班へ。報告を受け取った。車両ナンバー及び車の特徴を通達せよ。すぐに応援を向かわせる!』


「了解!」


その後、勝原班長らは遠藤ら負傷者4名の治療を施すと共に救急車の到着を待った。また、本部には逃走車の車種・車両ナンバー・服装の特徴を伝えた。陸上保安庁にトラブルが発生したためロサンゼルス州警察は上空からの捜索を開始するためヘリコプターを発進させた。果たして彼らの目的は何なのか陸上保安庁と米国警察はまだ分からない。

次回もよろしくお願いします!

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