season2-55 世界の宝を狙う者
オリンピック開幕から5日、各国の国技含めた全30競技300種目がスタートした。25日時点での各国が獲得したメダル数を上位5カ国を紹介する。
金 銀 銅 計
1位 アメリカ合衆国 6 3 2 11
2位 日本国 5 2 1 8
3位 武蔵連邦国 3 1 1 5
4位 グレーシス共和国 2 1 1 4
5位 ヴェルディ連邦共和国 1 1 1 3
となっている。24日18:00(日本時間25日10:00)にスタートした野球・9人制では観客4万人が集う中、日本対アメリカの試合が行われ、乱打戦の末に12-9で日本が第1試合を制した。野球日本代表の第2試合は25日14:00(日本時間6:00)にグレーシス共和国代表と対戦する。彼らは日米が転生以降、あらゆる競技を研究してきたため警戒する必要がある。
23日にスタートした騎士格闘では日本代表の馬来田翔、郡道綾乃、神馬雄一、若林紅羽、鋤田礼、榎原碧、小鳥遊水輝の7名が28日までに出場する。練習して来たとはいえども発祥の国との初戦対戦に緊張していたが試合会場に来ていた加藤総理と話をして緊張をほぐした。
「ここにいる全員で練習して来た成果を思いっきり発揮してほしい。私から言える立場ではないけどもね。だが一つ忘れてはいけないことは【失敗を恐れたら負ける】ということだ。まずは試合を楽しむようにしてもらいたい」
とアドバイスし、加藤総理らは観客席に戻って行った。激励になるかどうかは分からないが自身の実力が発揮されずに後悔して終わるよりはずっと良いと考えた。その結果、初日の試合に出場した鋤田はグレーシス共和国代表のアバース・ミゲルと対戦し、熱戦を繰り広げたが14-10で惜しくも敗れた。
時は再び24日に戻る。24日に行われた競技で盛り上がったのはサッカーである。アメリカや日本から取り入れた知識と技術、指揮能力を用いて対戦した日本をハルマイル連邦が惑わして初勝利を手にした。また、アメリカはグレーシス共和国と初戦で対戦し、2-2の延長で1点を奪取して勝利を手にした。そして今に至る。
10月25日12:00 アメリカ合衆国・ロサンゼルス郊外
「良いかお前ら。改めて確認するが目標は【世界の宝】とされている【聖炎】だ。決して警察に見つかるような真似はするんじゃないぞ?」
「もちろんですよリーダー。我々は最高指導者様直轄の諜報部隊ですから。決して敵に見つかることはないでしょう」
「素晴らしい。この世界に転移して来たと同時にアメリカに不法に入国出来たのはお前たちのおかげだ。この【闘炎の刃】に栄光を!」
「うおぉ!」
ロサンゼルス郊外の廃工場に謎の集団が現れた。この【闘炎の刃】が何者なのか。そして彼らはどこから来たのか謎は深まるばかりである。この集団は当然であるがまだアメリカ警察や日本から派遣されて来た陸上保安庁に見つかっていない。
「リーダー、作戦実行日はいつにしましょう。早い方が彼らを混乱させるかと」
「グランスの言う通りだ。我々は偉大なる最高指導者の命でここに来ている。【世界の宝】を速やかに手にするためには明日にでも奪いに行きたいのが山々だが順調に行くとは限らない。10月29日を作戦開始日とする!決して情報は漏らすなよ?」
「はっ!」
その後、【闘炎の刃】と言う組織のメンバーはそれぞれの行動に移った。現在、【世界の宝】とされている【聖炎】はロサンゼルス・メモリアル・スタジアムの聖炎台に灯されている。聖炎を奪うということは世界の敵になるということである。しかし、彼らは失うものは何もない集団であるためリスクを犯すのも躊躇わない。アメリカ警察と陸上保安庁は彼らの行動を止め、オリンピックを無事に終わらせることは出来るのか注目である。
10月26日9:00 同国ロサンゼルス州警察本部 陸上保安庁本部
「本部長、大会6日目を迎えました。現時点でテロなどは確認されていませんが、財布の紛失・窃盗、コンビニでの万引きなどの犯罪事案が6件確認されています。引き続き米国警察と共に地域の安全に寄与して参ります」
「赤沙くん、報告ありがとう。やはりオリンピックによる人口増加による犯罪が増えてきたか・・・。被害にあった方のケアと再犯防止を徹底するように」
「了解です!」
ロサンゼルス州警察本部に本部を置かせてもらった陸上保安庁はオリンピック期間中の犯罪・テロに警戒中である。日本から派遣された陸上保安庁の職員は500名を超えている。想定外の攻撃に備えて陸上保安庁は自衛隊の退役した装甲車を改良して保有しており、米国にも持って行かせたのである。
次回もよろしくお願いします!