season2-53 異世界オリンピック2029 開幕
10月20日8:00(日本時間21日0:00)
アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス ロサンゼルス・メモリアル・スタジアム
「ジェシー総統、こちらです」
「年に一回はアメリカに観光に来ているが・・・やっぱり広いしデカいな」
「ですよね・・・」
ロサンゼルス・メモリアル・スタジアムには128ヵ国の首脳が集結した。この世界では初めての【オリンピック】が開催されるため世界的に熱狂中である。会場周辺はテロや犯罪を阻止するため最大級の警戒を敷いた。日本からは陸上保安庁が派遣された。
「総統、あちらにいらっしゃるの加藤総理ではないですか?挨拶していきましょう」
「そうだな。大島さんの後継者と是非お話ししてみたかった。加藤さん!」
ジェシー総統は大島政権時に防衛大臣だった加藤とは面識はあったものの長く話すことは出来なかったためこの機会に話してみようと考えた。
「お、これはこれはジェシー総統!お久しぶりです!お元気でしたか?」
「はい!加藤総理もいかがですか?」
「デングリーヅ連邦の件でまだまだ課題は山積みですが今は各国の選手団の活躍に期待しましょう」
「もちろんですよ〜貴国には負けませんよ!」
「望むところです!さて、もうすぐ開会式が始まるので移動しましょうか」
「了解です!」
その後、ジェシー総統や加藤総理らはベッセマー大統領と合流し、開会式場の【各国首脳特別席】に着席し開始まで雑談しながら待っていた。1時間後の9:00(日本時間21日1:00)、開会式が開始された。開会式の流れは以下の通りである
①開会宣言
②競技紹介
③選手団入場
④聖炎灯
の4つである。地球世界のオリンピックの開会式ではオープニングパフォーマンスが行われるがこの世界では準備する時間がなかったため短縮することになった。開会宣言が行われることになり、ベッセマー大統領は演説台に移動して話を始めた。
「アメリカ合衆国大統領のベッセマーです。今日この日、異世界オリンピック2029を開催できることに大いなる感謝を示すとともに、多忙の中訪米していただいた各国首脳にも敬意を表します。さて、このオリンピックは人種・性別・国籍・宗教関係なく、己の実力が全ての大会でもあります。ですが、何でもかんでも自由にやって良いわけではありません。試合が始まれば敵つまりライバルとして、試合が終われば友として検討を讃えあうスポーツマンとしての意識を感じていただきたい。観客の皆様も同様でございます。選手たちは一生懸命戦っています。誹謗中傷や名誉毀損はこの世界では重罪になり得るため注意していただけると幸いです。私から以上です。このオリンピックを有意義なものにしていきましょう!」
ベッセマー大統領の演説が終わった。日米以外の国はオリンピックが初めてであるため問題やトラブルが発生するかもしれない。そのため両国は注意喚起などを呼びかける必要があるため現場に派遣された陸上保安庁の職員は多忙を極めるに違いない。
大統領の演説と国際同盟スポーツ協会(ISC)会長の草部由利夫が開会の宣言をし、大量の花火が打ち上げられた。その次に競技紹介が行われた。今回のオリンピックでは30競技300種目が行われる。
「加藤総理が注目している競技はありますか?」
「そうですね・・・貴国の国技である騎士格闘と野球ですかね・・・!」
「お、我が国の騎士格闘に興味を持っていただき大変嬉しく思います!奥が深い競技なので是非みに行ってください」
グレーシス共和国の伝統国技・騎士格闘は10月23日から1週間、金メダルをかけて58ヵ国が競い合う。日本からも騎士格闘を学んだ7名の選手が参加する。また、野球は16ヵ国が参加する予定となっている。日本やアメリカから得た知識でグレーシス共和国や武蔵連邦国はどのような戦い方をするのか注目である。
「さぁいよいよ選手の入場です!盛大な拍手でお迎えください!」
競技紹介終了後、各国の選手が入場してきた。地球世界のオリンピックでは発祥の地であるギリシャが先頭だがギリシャはこの世界にいないため五十音となり、アイサール共和国、アズール民主国、アメリカ合衆国の順番で入場してきた。日本は114番目であった。
選手団の入場後は地球世界でいう聖火同様、【聖炎】が持ち運ばれた。聖炎は普段、ヴェルディ連邦共和国の国宝であり、【世界の宝】でもある。地下にて厳重に保管されているほか、この【聖炎】が消えることはない【永遠の炎】とされている。
聖炎が灯された後、開会式が終了した。開会式は同日12:00(日本時間21日4:00)に終了した。初日は開会式以外に野球のキックベース競技とバスケなどの6競技が行われる。オリンピックも開幕し、気が緩むかもしれないが災難はいつ来るか分からない。楽しむことも重要だが警戒することも必要不可欠である。
次回もよろしくお願いします!