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日米転生   作者: 照山
season2 第2章 台湾解放編
401/502

season2-49 対台湾地区戦後協議委員会 2/台北条約

9月18日15:00 日本国・首相官邸 総理執務室


デングリーヅ連邦台湾地区のユリーグ総軍司令官の身柄拘束と地区の降伏が行われてから2日、日本とアメリカは戦後処理を進めていた。


「総理、デングリーヅ連邦台湾地区の降伏が宣言されました。9月1日より始まった戦闘は2週間程度で完了しました。やはり初動攻撃で痛手を負わすことができたことが今回の勝因ですね」


「お、台湾解放出来たか・・・。して、敵の司令官の容態は?」


「台湾地区の降伏後に派遣した陸上保安庁からの報告によりますと降伏前に米軍に対して発砲を行い、ユリーグ氏は反撃に遭い、腕と太もも付近を銃弾が貫通。大量出血により意識不明の重態に陥りましたが輸血を施し、緊急手術をした結果、一命を取り留め、現在は陸上自衛隊八丈島駐屯地内の自衛隊病院に搬送されています」


ユリーグ総軍司令は降伏前の16日、米軍に対して攻撃を行い負傷させたが弾切れによる再装填中に被弾し、その場で倒れ込んで米兵によって取り押さえられたのである。ユリーグの部下らも身柄を取り押さえられた。


「とにかく、今は体力の回復に努めて貰いたい。万全の状態で我々は彼に問い詰めていきたいと思っている。あと何日くらいかかりそうか?」


「自衛隊病院側によりますと完治までに1年以上はかかるようです。意識もまだはっきりしていないため面会までには時間がかかりそうです。また、ある程度回復後はCIA(中央情報局)の調査が入るので総理とユリーグ氏が会えるのはまだ先かと」


「了解した。では今は戦後処理に勤めることにしよう」


「はい!」


「それでベッセマー大統領より最新の報告書をいただきました」


「お、ようやく届いたか。どれどれ・・・」


篠原副総理は加藤総理にベッセマー大統領から【台湾地区降伏後の戦後処理に関して】と英語から日本語訳された資料に目を通した。資料には以下の文章が綴られていた。


      【デングリーヅ連邦台湾地区の降伏に伴う日米の戦後処理に関して】

●当資料はデングリーヅ連邦台湾地区の戦後処理と今後の連邦本国の転移と地球世界で占領した国家との関係の在り方、台湾地区最高司令のユリーグ氏の処遇、台湾地区の戦後統治に関する資料である。この資料は日本政府のみ共有されるものであり、決して外部に流出してはならない。


●デングリーヅ連邦台湾地区降伏日・降伏地点

・国歴(国暦)2029年9月16日

・場所 台湾島嘉義県嘉義市 デングリーヅ連邦台湾地区総軍司令部


●台湾島分割統治

・アメリカ統治→台中以南

・日本統治→台中以北

・澎湖県(澎湖諸島)→両国共同統治

・台湾島日米共同管理連絡事務所→日本国台北市 アメリカ合衆国台南市


※日米の台湾領分割管理は地球世界帰還後に台湾国家の存在が確認されれば当事国と協議後に返還または日米共同管理が継続される。


●今後のデングリーヅ連邦との関係の在り方

・デングリーヅ連邦は日米転移後に地球世界に転移し、複数国を占領・別世界へ転移させたほか、今後台湾以外の転移国家に対しては平和的返還を要求するが、応じない場合は断固たる処置を執ることを約束するとともに、日米同盟及び、国際同盟安全保障条約に基づいて各国の防衛に協力していく。



以上の内容が記されていた。


「読み終わった。この資料は決して外部に出さないよう気をつけるようにな」


「もちろんです総理」


今後の日本政府とアメリカ政府の方針としてはデングリーヅ連邦台湾地区側との終戦条約を締結する必要がある。しかし、地区代表のユリーグ総軍司令が入院中であるため代わりの誰かが出席しなければならない。その結果、元総軍司令の代わりに出席することになったのは元防衛局長で現在米国で調査を受けているベルスイ氏に終戦協議出席を要請した。要請を受けたベルスイは出席することになったため米空軍によって台北に送られることになった。



9月26日11:00 日本国北台湾台北市 


2回目の戦後協議委員会から8日後の26日に終戦会議が台湾地区から北台湾に改名後に行われた。終戦会議は北台湾台北市の陸上自衛隊台北駐屯地(旧台北松山空港)で開始されることになった。加藤総理が出席し、この日初めてベルスイと対面した。


「君がベルスイだね?私は日本国内閣総理大臣の加藤誠也だ。今日はよろしく頼む」


「加藤総理、お会いできて光栄です。この度はアメリカ合衆国とともにデングリーヅ連邦の一部を倒していただき感謝します」


「我々は当たり前のことをしたまでである。それで・・・一部というのは台湾地区を占領していたデングリーヅ連邦軍の戦力はほんの一握りということかな?」


「はい。デングリーヅ連邦軍は国民皆兵であるため総兵力は軽く1億は超えます。厳しい戦いになることは間違い無いでしょう」


「そんなにいるのか。詳しいことは終戦会議で話し合おう。さぁ移動しようか」


「了解です」


その後、ベッセマー大統領とも合流し、終戦会議が開始した。この会議ではデングリーヅ連邦に要求する賠償金の支払いと期限、台湾島の日米が分割管理を承認、捕虜の返還に関することが話し合われた。


「日米はデングリーヅ連邦に対して台湾地区で出した人的・物的損傷に関する戦争賠償金として両国にそれぞれ日本円相当で250億円を支払う義務が生じる。支払い対象者は元総軍司令部員であり、支払い期限は2035年までとする」


「そして日米とデングリーヅ連邦台湾地区は戦闘中に獲得した捕虜を年内に返還しなければならない」


などの内容がベルスイらに伝えられた。会議開始から7時間以上が経過してようやく終了した台北終戦条約は10月1日より有効となる。台湾での一件は終了したが連邦本国などとの外交関係があるためまだまだ課題は山積みである。国民皆兵国家・デングリーヅ連邦との全面衝突にも備えていく必要がある。


また、台湾地区で受けた殉職者・負傷者一覧は以下の通りである。


日本側 自衛隊殉職者 620人 

    負傷者    1680人


アメリカ側 米軍殉職者 760人

      負傷者   2430人


デングリーヅ連邦側 連邦軍死者 8万5000人

          負傷者   9万4000人

          捕虜    3万1000人    

以上で第2章 台湾解放編を終了とします。台湾の地名は実際の地名を可能な限り記しています!次回以降はseason2 第3章に向けてを5〜6話投稿する予定です。第3章は8月下旬から9月上旬に投稿予定です!次回以降もよろしくお願いします!

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[気になる点] デングリーヅ連邦の本国がやって来た時、まさかすでに台湾が奪回されているとは思わず、台湾からの猛攻撃を受けて驚愕、とか?
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