season2-45 澎湖県攻略戦 Ⅹ -澎湖艦隊 4-
9月9日17:30 デングリーヅ連邦台湾地区・澎湖県四角嶼東海
海上自衛隊第1空母艦隊第1空母打撃群所属の空母「いずも」を失ったことにより、横須賀地方総監の柳田瑛一海将は「いずも」乗員を救助した「こんごう」「もがみ」「はるな・改」の3隻に対して基地への帰還を命じた。理由としては「いずも」乗組員の負傷者の手当てなどを行うためである。
「艦長、横須賀地方総監からです」
「読み上げてくれ」
「了解しました。【横須賀地方総監より第1艦隊第1護衛艦隊所属「こんごう」「もがみ」「はるな・改」は「いずも」乗組員の手当てを実施するため横須賀基地へ帰投せよ。戦線を一時離脱中の間は八丈島基地の第1即応機動隊群で対処する。以上】だそうです」
「なるほど。理解した。こちら「こんごう」より各艦、「いずも」乗組員の負傷者の治療のための輸送を実施するため横須賀基地へ帰投せよ。繰り返す。負傷者の搬送・治療のため横須賀基地へ帰投せよ。対象は「もがみ」「はるな」」
『「もがみ」より「こんごう」へ、了解』
『「はるな」より「こんごう」へ、了解』
その後、「いずも」負傷乗組員を多く収容している「こんごう」「もがみ」「はるな・改」が横須賀基地へ帰投することになった。その代わり、第1即応機動隊群が八丈島基地より4隻出港する。八丈島基地より出港する艦艇は以下の4隻である。
・DDH-171「いせ」JSMDF ISE 艦長:笹原千景
・FFM-23「ふぶき」JSMDF FUBUKI 艦長:丹敷浩一郎
・DDG-179「まや」JSMDF MAYA 艦長:福内琢也
・DD-161「にっしん」JSMDF NISSIN 艦長:北波夕凛
以上の4隻が代わりで派遣されることになった。「こんごう」艦長の橋宮は米軍との情報共有を行った後、18:00に3隻の戦域離脱が完了した。敵側からの攻撃があるかもしれなかったが問題なく基地へ向かうことが出来そうだ。
18:00以降になると次第に明かりは暗くなってきたため第1護衛艦隊と第1空母艦隊は夜間戦闘準備を整えた。「いずも」の沈没により、F-35戦闘機も艦艇と共に海に沈んでいったためVLSなどの対空ミサイルで対処していく必要がある。
「こんごう」「もがみ」「はるな・改」の交代で明日午後に到着する「いせ」「ふぶき」「まや」「にっしん」が到着するまでの間、米艦隊と情報共有を行うのはDDG-193「つくし」とDD-151「あさぎり」となった。「つくし」女性艦長の榊島恵は各艦に指示を出した。
「これより我々は敵艦隊と交戦中の米海軍と合流する。敵機は全機撃墜したが引き続き対空警戒を継続すると共に、いつでも戦闘が始められるよう攻撃体制を確立せよ」
「艦長、八丈島基地より通達です」
「何ですか?」
「【「いせ」「ふぶき」「まや」「にっしん」が当基地より出港した。当海域への到着は10日14:00と予想している。4隻が合流するまでは戦闘をなるべく回避し、現状を維持せよ。敵による攻撃があった場合は徹底的に反撃するように】だそうです」
「分かりました。各艦、現状を維持すること!敵が来た場合は速やかに艦隊防衛行動を取ること!」
『『『『『『了解!』』』』』
すると副艦長の姫井綾華は榊島艦長に質問した。両者は幼馴染という関係であり、喧嘩は一回もしたことない仲良しである。
「ところで艦長、関係ない話をするのですが・・・艦長って彼氏さんとかはいらっしゃるんですか?」
「副艦長、私の恋愛事情は聞かないでください。一つ言えるのであればいませんね。そういう副館長はどうなんですか?」
「いないですよ・・・」
「なら聞かないでください。任務に集中しますよ」
「了解!」
「(微笑ましいなぁ)」「(百合は尊い)」
などと他の男性隊員は彼女らの他愛も無い話に耳を傾けていた。ある者は「百合は素晴らしい」と感じた者もいた。少し気の緩みを感じたため榊島は「つくし」の海自隊員に対して呼びかけた。
「みんなに伝えるがここは戦場。生と死の狭間にいます。隊員とのコミュニケーションを取ることは統率においては大事ですがメリハリをつけるようにしましょう。以上です。〈彼氏欲しい・・・〉」
小声で彼氏欲しいと言ったが全員の耳に入ることはなかった。「つくし」の乗組員は再度気を引き締めると共に、夕食を艦内で食べ、一時の休息を取った。
同日同刻 デングリーヅ連邦台湾地区澎湖県・馬公海軍基地付近
「ヘルナンデス艦長、海上自衛隊は艦の交代を行うまで待機を命じられたようです。ここは我々だけで片付ける必要がありそうです」
「そうだな。敵艦隊も追い込むことが出来た。あとは残る7隻を始末するだけだ!各艦、集中攻撃を堪能させてやれ!」
「イエッサー!」
空母「いずも」や海上自衛隊側が交代艦の合流まで待機している間、米海軍はデングリーヅ連邦第57連邦艦隊の85%の戦力を削ぐことに成功した。しかし、代償も大きかった。第5艦隊は敵艦隊と交戦中に19隻のうち、6隻が撃破されてしまい117名が死亡、200名が負傷する死闘を繰り広げたが何とか追い詰めることが出来た。
「さぁ諸君、帰ったら美味い飯食うために踏ん張るぞ!」
「ジェラルド・R・フォード」も敵艦からの魚雷攻撃によって被弾したがヘルナンデス艦長は全員に生きて帰ることを13隻に伝え、第57連邦艦隊と最後のミサイル撃ち合い合戦を開始した。
澎湖艦隊は⑤で終了です。また、澎湖県攻略戦は台中地雷戦 3で終了するため残り2話です。次回もよろしくお願いします!




