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日米転生   作者: 照山
season2 第2章 台湾解放編
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season2-38 澎湖県攻略戦 Ⅲ -内通者 3-

9月8日13:20 デングリーヅ連邦台湾地区・台南市 台南空軍基地(台南空港)


現時点で台南空軍基地(旧台南空港)は米軍の占領下に入っている。そのため台南・嘉義攻略の副司令部的役割を果たしている。副司令にはゲレーロ・ホッパーが就任した。同日同刻、ゲレーロ副司令は新たな報告を受けた。


「副司令、報告します!嘉義への道が開きました!永康區・新化區の制圧が完了したことにより嘉義へ北上するルートが開きました。第1歩兵師団、第3歩兵師団は台南市進入から10時間足らずで各区の制圧が完了しました」


「順調に進んでいるな。敵の抵抗が激しい地域はどこだ?激戦エリアに戦力を集中させていきたい」


「我が軍と激しい戦闘を繰り広げているエリアは安南區・安平區が連邦軍からの攻撃が激しい地点です。いかがなされますか?」


「本国からの増援があればすぐに歩兵を送り込んでってということをしていきたいのだが・・・到着までに時間がかかるからな。今ある戦力で何とかする方針で行く。そのためには現場の兵士たちには活路を開くため奮闘してもらいたい」


「了解しました」


激しい地上戦が繰り広げられている安南區・安平區には7000人の兵士が投入されている。しかし、敵戦力を削っていったとしても溢れるように出てくるため戦力差にバランスが出てきたため6000人を新たに追加投入することが決定した。この6000人の部隊は高雄・台南県境にて活動中の部隊であった。機械化歩兵であるため機動的な作戦を遂行することが可能である。


同刻 台南市安南區


「副司令部より通達、戦力の追加投入が決定した。各員、友軍の到着まで耐えるんだ!」


「イエッサー」


安南區で戦闘中の第1歩兵師団第1〜第12歩兵大隊、第3歩兵師団第7〜第16歩兵大隊の計7000人の米兵が戦闘に参加している。しかし、13:00時点で負傷者400人、死者57名の被害が出ており形勢逆転を図っている。


「メリー大隊長、前方に敵兵士複数名を確認。狙撃銃によるヘッショ狙います」


「頼んだ。やってくれ」


「一人目を・・・狙い撃ち!あ、気づきましたね。もう一人を狙います・・」


メリー・セレナ大隊長率いる第3歩兵大隊には狙撃手が15名所属している。15名で構成された狙撃小隊は歩いていたデングリーヅ連邦兵士の頭部を狙い撃ちし即死させた。1人目を狙撃後、攻撃に気づいた10名の敵兵は狙撃小隊を攻撃した。


「敵側から発砲を確認。狙撃小隊、後退せよ」


『了解』


「怪我人はいるか!敵兵はおよそ10名!少人数であろうと油断するな!撃ちまくれ!」


しかし、油断は的中した。デングリーヅ連邦の10名の兵士は散弾銃を使用してきた。散弾銃による攻撃で狙撃小隊・第3歩兵大隊28名が負傷、5名が死亡した。メリー大隊長は散弾銃を持った兵士の射殺を優先させた。また、負傷兵の治療を開始させた。


「敵の散弾銃を奪え!相手に撃たせる隙を与えるな!衛生兵は負傷者の治療にあたれ!輸血が必要な者はいるか!」


「こちら衛生大隊、負傷者の中で輸血を必要とする者は28名中17名です」


「血足りるか?」


「なんとかして見せます!」


「分かった!各員、残る敵を排除せよ!」


「イエッサー!」


衛生大隊のマイク・ロドリゲスとの通信終了後、散弾銃を持った3名の連邦軍兵士に攻撃を仕掛けた。攻撃中、何度も散弾銃を発射され、負傷者が続出したものの3名の兵士の無力化・散弾銃を奪うことに成功した。現段階で判明していることはこの散弾銃は目標に着弾前に一気に爆発する仕組みとなっているとメリー大隊長は予想している。


「この武器は本国に持ち帰って研究する必要がある。この散弾銃を巧みに我々が操ればデングリーヅ連邦は負けるだろう。輸送小隊!当該武器を貴隊に預け、厳重に管理した上で本国へ持ち帰るように!」


「はっ!」


この散弾銃がどのような武器なのか、製造ルートはどこなのか、どのような性能であるのかを連邦軍兵士に問い掛けたかったが銃撃戦により10名全員が死亡したことによりこの散弾銃の実態を知ることは今の段階では出来なかったため、ハワイの捕虜収容施設の連邦軍兵士に聞くことにした。



同日15:00 澎湖県望安郷沖 海上自衛隊第1艦隊第1空母艦隊第1空母打撃群 ACV(空母)「いずも」CIC


澎湖県の攻略に向けて米海軍と合流が完了した海上自衛隊第1艦隊は周辺警戒を最大限としている。


「艦長、まもなく望安郷です」


「了解。澎湖県馬公に到着と同時に戦闘になる可能性がある。いつでも攻撃が出来る準備を完了せよ」


米海軍と澎湖県周辺近海で合流したのは第1艦隊の第1空母打撃群、第1潜水艦隊第1潜水隊群、第1護衛艦隊第1〜第4護衛隊群の14隻が米第5艦隊19隻が合流し、33隻の艦隊が編成された。


「艦長、こちらが敵艦隊の情報です」


「高雄に停泊していた米海軍によると28発のミサイルが飛来してきたと聞く。推測するに30隻以上の艦隊であることには間違いない。そのうちの2発は迎撃困難なミサイルであったらしいな。対策を練らなければ我々も同様な被害を受ける。各艦は警戒せよ!」


『「もがみ」より「いずも」へ。了解』


海上自衛隊第1艦隊の14隻は米海軍とまもなく合流し、澎湖艦隊と相対する。



同日18:00 デングリーヅ連邦台湾地区・嘉義市 総軍司令部


「ユリーグ総軍司令、まもなく台南が陥落しつつあります。現場の部隊は懸命に戦ってはいるのですが・・・ここは司令部再移転を計画してみてはいかがですか?」


「ダメだ。移転中に敵に見つかってしまっては無意味だ。台南が陥落したとしても残る兵士で嘉義を防衛するぞ。いざとなったら私も戦うとしよう」


ユリーグは最後の一兵になるまで戦うことを誓い、棚の中には戦闘用の小銃・散弾銃・狙撃銃が中にしまってある。彼は昔、連邦軍の第1近衛軍団長であったため戦闘能力は米兵並みである。しかし、今はアグレッシブに動けるかどうかはわからないが戦う覚悟を持っている。


「総軍司令、失礼します。防衛局のベルスイです。失礼します」


「ベルスイか。何か用か?」


「しばらく休暇をいただきたいです。このタイミングで言うのはアレですが・・・」


「そうか。だが1日だけとする。それ以降の休暇はこの戦争に勝ってからだ」


「了解しました」


米軍と繋がっている防衛局のベルスイは1日のみの休暇を与えられたという報告を深夜に米軍側へ伝えた。亡命希望者の保護と救出作戦、嘉義市の攻略がまもなく行われる。

次回もよろしくお願いします!

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