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日米転生   作者: 照山
season2 第2章 台湾解放編
379/524

season2-32 島嶼防衛戦 2

9月6日17:30 陸上自衛隊八丈島駐屯地 第1高射特科団第2高射特科連隊指揮所


「敵艦隊と当基地の距離、肉眼で目視できる距離まで接近を確認!無人航空隊による攻撃が始まりました!特科連隊は地対艦ミサイルの発射準備を開始せよ!」


『こちら第1高射特科団第2高射特科連隊第1地対艦ミサイル中隊。敵艦隊への照準調整完了。合図があればいつでも射撃可能です!』


「了解。17:45(ヒトナナヨンゴー)に射撃を開始せよ!」


デングリーヅ連邦海軍艦隊の八丈島・小笠原諸島への接近を受けて八丈島に駐屯する陸海空自衛隊員に対して非常呼集が掛かった。旧ボルドー国の八丈島陥落の二の舞にならないよう最大級の警戒を行なった。第1高射特科連隊は18式地対艦ミサイル(18SSM)の発射を開始した。


「目標A、射程圏内に入りました!発射許可を!」


「各隊、ミサイル発射!敵艦隊を蹴散らせ!」


「はっ!撃てっ!」


第2高射特科連隊が発射した18式地対艦ミサイルはデングリーヅ連邦海軍艦隊に向けて美しい弾道を描きながら向かっていった。発射されたミサイルの数は7両×8発の56発である。18式地対艦ミサイルは地上発射型であると共に16発のミサイルを同時に発射可能であるため今回は半分の発射数ではあるものの威力は抜群である。散弾ミサイルとしての機能も兼ね備えているため残存艦艇が少なくなって来たデングリーヅ連邦海軍にとっては撃墜出来なければ痛手を負うことになる。


「敵艦隊へ弾着まで10秒!9、8、7、6、5、4、3、2、1・・・弾着、今!」


0秒になったと同時にデングリーヅ連邦海軍艦隊側からも迎撃ミサイルが発射されたものの撃ち落としによる失敗で18式地対艦ミサイルの突破を許した。この攻撃により地球世界でも各国に攻撃した「ベロア」「ベスパ」「ワキャオ」「ポリンス」が被弾し、航行不能・沈没の危機に陥った。状況を中止していた特科連隊指揮所ではデングリーヅ連邦艦隊の撃沈を確認した。


「無人航空隊、高射特科連隊以下全部隊へ通達!敵艦隊の撃破を確認!特定警戒艦艇8隻他、20隻の無力化を完了した!残る敵艦はおよそ15隻!」


『第1即応機動艦隊司令より第2高射特科連隊へ。まもなく当艦隊は目標艦隊海域に到達する。到達次第、残る敵艦隊を排除する!」


「高射特科連隊指揮所より第1即応機動艦隊司令へ!了解!」


第1即応機動艦隊第1即応機動隊群を束ねる隊司令兼「かまくら」艦長の門別卓は残るデングリーヅ連邦海軍艦艇の撃破を宣言した。



同日18:00 第1即応機動艦隊第1即応機動隊群


9月6日、デングリーヅ連邦軍による八丈島・小笠原諸島への接近を受けて訓練航行していた第1即応機動隊群は八丈島周辺海域に到達した。到達後、デングリーヅ海軍艦艇を確認し、電磁加速砲レールガンによる射撃体制、艦隊艦ミサイルの発射準備を開始した。


「「かまくら」より全艦、敵艦隊は疲弊している。今が徹底的に叩くチャンスだ。米海軍の助力が無いのは残念だが彼らは今台湾南部で奮闘している。ここは我々の力で乗り越えようではないか!総員、敵艦隊排除のための攻撃準備を開始せよ!」


「了解!」


ヘリコプター搭載型護衛艦「さきぐも」からASH-60無人攻撃ヘリコプター、護衛艦「たかずけ」「てしお」「かまくら」「しなの」「たかかぜ」からは電磁加速砲レールガン、潜水艦「くろしお」「たかしお」は潜対艦誘導弾・SLAM-26を発射した。


「さきぐも」から発艦したASH-60無人攻撃ヘリコプターはSH-60哨戒ヘリコプターを無人化したヘリコプターであり、偵察・攻撃を可能とする優れた無人機であり、海上自衛隊が保有しているヘリコプター搭載型護衛艦に40機が配備可能である。機体の大きさは通常ヘリコプターより小さいため多くの無人機を配備出来る。


「たかずけ」「てしお」「かまくら」「しなの」「たかかぜ」からは電磁加速砲レールガンを、「くろしお」「たかしお」からはSLAM-26(submarine launched anti missile)という潜水艦誘導弾を発射した。この誘導弾は2026年に開発され、海上自衛隊の全潜水艦に配備されている。SLAM-26は目標追尾型であり、狙った獲物は逃さない虎のように追い回し、相手を翻弄する。


電磁加速砲レールガン打ち方始め!目標敵駆逐艦、船体!撃てっ!」


同日18:12、「さきぐも」より発艦したASH-60無人攻撃ヘリコプターから対艦小型ミサイル、各護衛艦から電磁加速砲レールガン、2隻の潜水艦からSLAM-26が発射された。この攻撃によって全弾が命中し、大ダメージを負ったことでデングリーヅ連邦海軍艦隊は抵抗無くして残存艦艇が2隻になったところで降伏を宣言した。


「敵艦隊より降伏の意思を確認。速やかに戦闘員を派遣せよ」


「了解しました!」


花蓮方面兼台湾東部の海域を警戒していたデングリーヅ海軍艦隊は自衛隊に対して降伏を行なった。台湾地区には台湾西部の台中市と高雄市にそれぞれ40隻の計80隻が配備されているが東部の制海権を失ったことは大きな損失となった。


残存した2隻のデングリーヅ連邦海軍駆逐艦「ジョラス」「チャオイ」に完全武装を施した陸上自衛隊第4偵察機動師団第15機動戦闘団が警戒を行いながら両駆逐艦に侵入した。


「ポイントA〜Zの制圧完了。両艦艇より400名の捕虜を保護。これより駆逐艦を操縦し八丈島基地へ移送する!」


『了解。引き続き対空・対潜・対水上に警戒しながら帰投せよ』


デングリーヅ連邦海軍による5時間以上に及ぶ花蓮沖と八丈島周辺海域での戦闘は自衛隊の圧勝により終結した。この敗戦報告を受けてデングリーヅ連邦軍の上層部は怒り心頭であった。

次回もよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「デングリーヅ連邦軍の上層部は怒り心頭であった」?  ということは、彼らはやはり、「自分たちが負けるはずはない」 と信じていたということですか?
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