season2-30 花蓮沖海戦 2
同日14:30 花蓮沖戦闘海域 第7空母艦隊 EZ-11「ふじ」
「電磁加速砲への装備切り替え完了。30分後に発射可能です」
『了解。敵艦隊の動きは?」
「依然目標基地にて停泊中です」
「寝ているのかどうかは知らないが我々の力を示すため敵艦隊へ対艦ミサイルを発射する。「ふじ」より「みかさ」へ。敵海軍基地への威嚇攻撃のための対艦ミサイルの発射許可を下さい」
『「みかさ」より「ふじ」へ。了解、目標に対して対艦ミサイルを発射せよ」
久根艦長と雲波隊司令はイージス艦(EZ)「ふじ」艦長・明日流宗谷に対艦ミサイル使用を許可した。1発のみとしている。また、まだ電磁加速砲の使用可能までまだ時間はあるため使えない。
「対水上戦闘用意!目標、敵海軍基地!SSM-2撃ち〜方始め!」
「撃てっ!」
「ふじ」より発射された対艦ミサイル・SSM-2(17式地対艦誘導弾)を使用し、花蓮デングリーヅ連邦海軍基地に停泊している敵軍艦を攻撃した。しかし、目を疑うかのような現象が発生した。
「明日流艦長、敵艦に命中したはずなのですがすり抜けました・・・・」
「何を言っている。この大事な時に夢でも見てるんじゃないよ」
「本当なんです」
「本当だしたらこの基地にいる艦は何なんだ?」
すり抜けたと聞いて、嫌な予感を感じた「ふじ」の明日流艦長は警戒を促した。
「「ふじ」より全艦へ通達!先ほどの攻撃により敵艦は被弾したかと思われたがすり抜けたという報告があった。確たる証拠は掴めていないが最大級の警戒をしてもらいたい。USイーグルへ、最新情報を伝達せよ」
『USイーグルより全艦へ達する。敵基地よりレーダー消失!新たな目標探知!」
「どこだ?」
『当艦隊後方にて70隻を確認!警戒せよ!』
「何だと?では基地の艦艇は一体何なんだ?」
『それは幻覚だよ諸君。私はデングリーヅ連邦海軍海兵機動艦「ベロア」艦長だ。諸君らは今まで偽物を見て来た。だがそのお遊びもここまでだ。せいぜい我々のショータイムを楽しみたまえ」
デングリーヅ連邦は日米艦隊に対して偽物を見せていた。どのようなトリックかは不明だが今は自衛行動を取る必要がある。「みかさ」の久根艦長は旋回命令を出した。
「総員背後に敵艦隊の確認報告あり!速やかに旋回せよ!敵艦隊に対して電磁加速砲の使用を許可する!撃て撃て!」
電磁加速砲の使用準備が完了し、発射可能となった。旋回中、電磁加速砲の照準をデングリーヅ連邦艦隊に向けていた。いつでも打てるよう、全艦艇の砲雷長は準備していた。
「各艦、対水上戦闘再用意!主砲、撃ち〜方始め!」
攻撃開始の合図があり、第6艦隊と第4艦隊の各艦は電磁加速砲を発射した。デングリーヅ連邦海軍側も負けじと抵抗してくるかの様にミサイルを撃ってくるなどして花蓮沖は地獄の海域と化す激しい乱打戦となった。
「電磁加速砲、敵艦隊へ命中!敵艦隊の残り58隻!」
『USイーグルypり全艦へ、敵艦隊より再度ミサイル発射を確認!至急迎k』
すると突然USイーグルとの通信が途絶えた。何事かと思い、報告を待っていると「ミサイルによる撃墜によりレーダーロストした」との報告であった。
「USイーグルの墜落を確認。これより我々は早期警戒機の力なしで任務を遂行します」
「了解。「みかさ」艦長より第11空母打撃戦闘機飛行隊へ通達。出撃準備!繰り返す!出撃準備!」
第11空母打撃戦闘機飛行隊に出撃命令がかかり、F-35戦闘機が発艦することになった。初動部隊として米海軍「ドワイト・D・アイゼンハワー」より10機、海上自衛隊「みかさ」からも10機のF-35戦闘機が離陸した。離陸後、戦闘機を援護するため再度電磁加速砲を発射し、戦闘機部隊の負担を少なくしていくことにした。
「敵艦隊より戦闘機発艦を探知!各機、ミサイル発射を開始せよ!」
『アベンジャー1より全機、敵戦闘機と交戦せよ!」
「了解!」
20機の日米の戦闘機はデングリーヅ連邦空軍戦闘機のMig30戦闘機が15機、5機のユーロファイター タイフーンの計20機が接近して来た。Mig30戦闘機は占領統治している旧キューバ空軍の戦闘機を改良して製造されたものであり、デングリーヅ連邦は500機配備している。
「今度はMiGか・・・連邦は本当に地球世界をめちゃくちゃにしたのか・・・許せねぇ・・・!」
「敵戦闘機、ミサイル発射を探知!到達まで30秒!」
「アベンジャー2より!撃墜する!」
航空自衛隊は20式空対空ミサイル・AAM-6、米空軍はAIM-10S サイドワインダー ストライカーを両陣営双方共に40発を発射した。デングリーヅ連邦側の狙いはミサイルの撃ち合いによる相打ちと思われる。
日米とデングリーヅ連邦側のミサイル発射が同時に行われた。少しでも多くの隊員を帰還させるため全力で回避行動を取ることを求めた。
「総員!可能な限り回避せよ!難しいと感じた場合、無理をせず速やかにベイルアウトせよ!」
『了解!』
合計80発のミサイルが乱れる様にして花蓮沖の空を舞った。双方共に抵抗虚しく撃墜されていく者、何とかベイルアウトして命拾いをするが海上で命を落とすか何とか生き延びる者、抜群の操縦技術でミサイルの追尾を回避する者がいた。
「各機、被害状況が判明次第速やかに報告せよ」
「アベンジャー1(空自側)よりファルコン1(米軍側)へ。空自側は4機が撃墜、米軍側も6機が撃墜されデングリーヅ連邦空軍側にも同様の被害が出た。ミサイルのすり抜け報告があって以降、状況が劣勢に転じる可能性があったが何とか持ち堪えている。この海上・航空での戦闘の行方を知る者はまだ誰も知り得ない。
次回もよろしくお願いします!




