season2-28 RS-1206 対空多目的誘導自走砲
9月6日17:00 デングリーヅ連邦台湾地区・台北市(日本占領下)
「連隊長、航空自衛隊・米軍による台北空軍基地にて受けた対空攻撃装備を2両発見しました!」
「良くやった!すぐに持って来い!」
「了解!」
航空自衛隊と米空軍による近接航空支援により、台北市内のデングリーヅ連邦軍は全滅した。地中貫通爆弾の攻撃で地下にいた何万の兵士たちが犠牲となった。また、苦戦を強いられた戦車部隊をも全車撃破することに成功し、台北市内のデングリーヅ連邦軍を完全に排除することに成功した。台北市に制圧で自衛隊は次の場所へ向かうため到着した陸上保安隊500人、消防200人の他に海上保安隊、航空保安隊共に400人の合計1300人が派遣されることになった。
そして台北市の占領を受けて台北空軍基地を攻撃した際に使用された新兵器を台北陸軍基地と台北空軍基地の整備場で発見された。
「これがこの国の新兵器か・・・本国に持って帰る必要があるが・・・上に伝えてくれ。それと捕虜を連れて来るんだ。ここまで何人の捕虜を保護した?」
「それが・・・12名しかいません」
「まじか」
「はい」
100人規模でいるかと思っていたが12名しかいないことに驚きを隠さなかったが岡町は12名の捕虜を連れて来るよう命じた。この12名の捕虜は無傷だった台北空軍基地の整備員であった。連れて来られた12名の捕虜は岡町の質問に返事をするよう言われた。
「12名の諸君、疲れているかもしれないが私の質問に答えてほしい。ここの整備場の代表は誰かな?」
「私です。デングリーヅ連邦整備軍団第701整備大隊のイバーシ・エングリーンと申します」
「陸上自衛隊第1空挺団第2空挺連隊の岡町だ。イバーシくん。よろしく頼む。イン◯タやってる?」
「何ですかそれは・・・?」
「隊長、この世界にイン◯タはありません。今はイバーシさんに詳しいことを聞きましょう」
「あぁ、そうだな」
気を取り直し、岡町はイバーシ整備隊長にいくつか質問を投げかけた。
「一つ目の質問。この兵器の名は何だ?この兵器は今後の我が国いや世界の安全保障にも関わって来る。詳しい情報を求める」
「こちらの兵器はRS-1206 対空多目的誘導自走砲です」
「ほう・・・それで?」
「この武器は状況に応じて武器の種類を変更することが可能であり、台湾には残り20基は配備されています。そして、かくかくしかじか・・・」
岡町らは彼に詳しい情報を聞いた。このRS-1206 対空多目的誘導自走砲は戦局に応じてミサイル・誘導弾・レーザーなどありとあらゆる武器を装填可能であり、持ち運びしやすいメリットがあるものの、リロード時間が長いことが唯一のデメリットである。また、複数の目標に対しても攻撃可能であり、レーザー攻撃を複数の目標に対して照射し続けると無力化もしくは爆発させることができるらしい。
「ふむ・・・やはり危険な装備品だったか・・総員、扱いには慎重に!」
「了解!」
「さぁ二つ目の質問だ。君たちデングリーヅ連邦の目的は何だ?全部は答えられなくて良い。君の意見を聞かせてくれ」
「我々は恒久的な世界平和を求めている。そのためには武力行使を惜しまない考えであるのが最高主席様のお考えだ。決して逆らうことは出来ない。あのお方はあなた方を屈させるだろう!」
声を荒げたイバーシ整備隊長に対して陸自隊員は銃口を向け威嚇した。イバーシは少々興奮したように思われる。
「落ち着きたまえ。そしてお前らも銃を下せ。彼は武器をもう持ってない。つまり一般人だ。双方共に冷静な判断をするように!」
「はい!」
一旦休憩を行い、水を飲んだ。9月とはいえまだまだ暑い日が続いている。熱中症にも我々は気をつけなければならない。1時間ほどの休憩も終わり、イバーシは再び岡町から質問を受ける。
「答えられる範囲で良い。君が地球転移時に見てきたものを話せ」
「私たちは地球にて抵抗する者たちを見てきた。なぜ我々と戦うのか理解不能であった。手っ取り早く降伏すれば良いのにと思ったのだ。4年前体感した感覚だ。今でも忘れない」
その後もイバーシ整備隊長はデングリーヅ連邦国内で見てきた地球世界の人々を事細かく見てきた。我々の圧倒的な力でひれ伏していく地球国家の人々に最高主席様は喜んでいたと言うことも聞かされた。この話を聞いていた自衛隊員も米兵も悔しさと敵対心がより一層溢れ出してきたことに変わりはない。岡町はイバーシ整備隊長に最後の質問を投げかけた。
「そうか・・・では最後の質問だ。君の言う最高主席の名は何と言うのだ?」
「偉大なる最高主席様の名は・・・」
イバーシ整備隊長はゆっくりと口を開きながら最高主席の名を口にした。彼の名は今後この世界に響き渡るのであった。
「ライジング・マージ・レンバー様でございます」
次回もよろしくお願いします!




