season2-27 水陸両用・空挺作戦 Chapter2
9月6日6:00 デングリーヅ連邦台湾地区新北市
『こちらジャガー-1。敵戦車部隊の拠点を発見。位置情報を転送する』
「パーフェクトだジャガー隊。その場で待機せよ」
『了』
深夜の攻防を乗り越えた陸上自衛隊第2空挺連隊は10人程度の調査隊を編成し、デングリーヅ連邦陸軍の戦車部隊の拠点捜索を試みた。航空自衛隊にも航空支援を要請しているが敵の数が多い他、イギリス製の最新戦車であるチャレンジャー3であるため対処が難しい状況なのである。
「ジャガー隊より緊急連絡、敵戦車部隊に動きあり!そちらに向かうかと思われます!」
デングリーヅ連邦陸軍の戦車部隊の動きを監視中のジャガー隊より敵が行動を開始したという報告を受けて岡町連隊長は各隊員に対して戦闘準備を呼びかけた。
「総員、戦闘体制!休んでる暇はもうないぞ!動け動け!」
「はいっ!」
「(航空支援部隊の到着はいつぐらいになるのだろうか・・・)
『fighter-1より第2空挺連隊及び友軍部隊へ通達。これより近接航空支援を開始する。広範囲に被害が及ぶため本日7:30より敵地上部隊への攻撃を開始する。至急退避されたし!繰り返す!至急退避されたし!』
「了解!全員、軽装甲機動車に搭乗し、制圧が完了した台北空軍基地へ撤退せよ!敵地上軍からの攻撃に警戒せよ」
海上自衛隊の第6艦隊、航空自衛隊の第7航空支援隊の到着予想時刻は遅くても8:00となった。そのため台北空軍基地(台北松山空港)に退避することが決定したが30分程度しかないため急いで軽装甲機動車に乗り込み、市内を駆け回った。
近接航空支援作戦に参加する両部隊に関して紹介していく。日米統合航空第1戦闘団の第2戦闘飛行団は15機のF-15戦闘機が配備されている他、空母「みかさ」より出撃した第9空母打撃戦闘機飛行隊のF-35B/Cが出撃し、F-15戦闘機を援護する。
また、第7航空支援隊のF-40SSは多機能戦闘機として生かされており、対空・対潜・地中貫通爆弾などありとあらゆる武器を装填可能であるため護衛機、攻撃機として非常に優れている。さらに、2040年までに豊麗県と新世界国家以外に配備されている日本国内のF-2、F-15を退役させ、F-40SSに乗り換える。F-40SSは有人・無人に切り替えることができるため少子高齢化の日本にとっては便利な戦闘機である。
そして、B1S爆撃機はアメリカから給与されたB1爆撃機であり、日本の四菱重工、横浜重工業、富士産業、IHIなどの日本の企業50社以上、米国企業10社以上が参加して無人機の開発を行い、完成した爆撃機である。国内にはまだ50機配備されているが今後120機まで増やしていく方針である。
「航空支援隊へ通達。全部隊の退避完了。攻撃開始してください!」
『第2戦闘飛行団より通達。退避完了の報告を受け取った。これより敵部隊を掃討する』
「了解!頼みました!」
通信終了後、航空機の飛行音が轟いた。岡町らは空を見上げ空海自の戦闘機・爆撃機の戦況の行方を見守った。
*
同日同刻 航空自衛隊F-40SS戦闘機内
「B1S-1への目標データ入力完了。2番機以降のデータ入力も完了せよ」
「B1S-2への目標データ入力完了」「B1S-3への目標データ入力完了」
4番機、5番機、6番機、7番機と続々とB1S爆撃機の目標データ入力が完了した。両部隊合わせて30機近くが台北市上空に入った。第2空挺連隊側からの情報を元に目標を確認した。
「各機、目標確認。対地戦闘用意!」
第7航空支援隊長・淡路は陸自・米軍から送られて来たデングリーヅ連邦陸軍戦車部隊の位置情報を全機と共有した。拠点に対して使用するミサイル・爆弾は米空軍から給与されたAGM-65 マーベリック、AGM-114 ヘルファイア、地中貫通爆弾・GBU-28を使用する。
「敵基地に接近、目標に対してミサイル攻撃及び爆弾投下を実施せよ!」
『了解』
「さぁデングリーヅ連邦よ、これが日米が力だということを思い知るが良い!そして台湾、この島を今まで以上に最高な島にしていくぞ!」
第7航空支援隊のF-40SSのパイロットは無人機のB1S爆撃機に投下命令を出し、F-15、F-40SSからもマーベリックとヘルファイアを発射した。また、B1S爆撃機からは地中貫通爆弾であるGBU-28を攻撃目標であるデングリーヅ連邦陸軍台北陸軍基地、新北基地、台北海軍基地や地上の機甲部隊を攻撃した。
「目標まで6、5、4、3、2、1・・・弾着今!」
と同時に目標に対してミサイル・爆弾共に命中したことを確認した。同時にミサイルを発射、爆弾を投下したため台北市・新北市はありとあらゆる地点で爆発を起こした。攻撃の結果、厄介な攻撃を受け続けられてきたデングリーヅ連邦陸軍戦車部隊のチャレンジャー3を70両、全車撃破することに成功した。また、航空支援における攻撃で陸上自衛隊・米軍側いずれも攻撃に巻き込まれることはなかった。
『fighter-1より全部隊へ通達。敵地への航空支援による掃討任務が完了。台北市内の敵部隊の総戦力は3分の2削ることに成功した。また、報告にあった敵戦車部隊を全車撃破したことを報告する。報告は以上、通信を終了し基地へ帰投する」
「了解!」
通信終了後、第2戦闘飛行団、第7航空支援隊はそれぞれの拠点へ帰投していった。この空爆による日米側の被害はゼロを叩き出す成果を出した。航空支援終了確認後、岡町連隊長らは米軍第101空挺師団兵と共に台北・新北市内の警戒と制圧を開始した。
翌日7:00、両市のデングリーヅ連邦軍部隊が全滅したことを受けて台北市と新北市の制圧が完了した。制圧完了の報告を岡町は報告した。
「第2空挺連隊より本部へ。デングリーヅ連邦台湾地区台北市・新北市の両市に蔓延る敵部隊の殲滅と占領が完了した。今後の治安維持は陸上保安庁・消防に一任してもらいたい。以上」
『第2師団司令部より第2空挺連隊及び全部隊へ。陸上保安隊と消防の派遣要請を承認する。任務遂行ご苦労であった。ゆっくり体を休むように!』
「はっ!」
上層部への報告が終わり、次なる目標とする桃園・台中市に向けて陸上自衛隊の普通科連隊との合流を待った。また、第2空挺連隊の要請により治安維持・消化活動を目的とする陸上保安隊と東京消防庁が派遣されることが決定した。台北市・新北市が陥落してしまったことによりデングリーヅ連邦は追い込まれる事態となった。
次回もよろしくお願いします!




