season2-21 緊急総会
8月14日 ヴェルディ連邦共和国 国際同盟本部
この日、ヴェルディ連邦共和国首都にある国際同盟本部にて緊急総会が開催され、デングリーヅ連邦タイワン地区代表を招いて地域の安定と維持に関して議論が行われた。
「これより緊急総会を開催する。デングリーヅ連邦タイワン地区代表、シューラー・べネックさん。遠いところより我々の同盟へようこそ。さて、日本国・アメリカ合衆国より意見提示があるようだが・・・聞いてもらえるだろうか」
「あぁ。もちろんだ」
「日本国国際同盟代表・栗原雄二くん。発言を許可します」
新世界大臣の栗原は名前を呼ばれると立ち上がり、資料をなどを交えて話を始めた。
「台湾は我々が転移する前の世界に存在していた国家であります。我々の転移は2024年と25年でありますが貴国はいつ地球へ来られたのですか?」
「我々デングリーヅ連邦が地球世界に転移してきた時にはすでに日本国とアメリカ合衆国は無かった。貴国らは強大な国家と聞く。当時相対せず良かった。愉快に地球世界を蹂躙することが出来たよ」
「なっ何!?それで台湾を!」
「はっはっは!何を今更。我々は転移技術を持っている。そのため地球世界側から何ヵ国か領土を頂こうとしたのだが・・・我々に刃向かったため痛い目を合わせてやったよ!」
「(正体を表したか・・・!この国・・・旧ボルドー国より厄介だぞ!なるべく戦争は回避したいが・・・)」
「どうしたのかね?何か言いたいことがあるのであれば言うが良い」
「デングリーヅ連邦がこの世界に来た本当の目的は何だ?」
栗原は強めの口調でシューラー・べネックに問いかけた。
「まだ倒していない国の征服。ここで言うと日本国とアメリカ合衆国のことである。悪い意味で捉えないでくれたまえ。我々は経済力・文化力で貴国らを勝ろうとしている」
「そうか・・・まだ倒していないということは地球世界の国々を滅ぼした後に来たというのかね?」
「滅ぼすわけないじゃないか!我々の偉大なる最高主席様は世界平和のための戦いをなさっている。意向に反することは出来ない」
「分かった。最後にもう一つ聞かせてくれ。デングリーヅ連邦は台湾以外にどこの国を攻め落としたのかね?」
米国代表のウィリアムが挙手をして立ち上がり、べネックに問いかけた。
「知りたいのだな。我々デングリーヅ連邦は地球世界においておよそ4年前、台湾、イギリス、アイルランド、アイスランド、グリーンランド、キューバを占領し、我々の手中に収めることに成功した!返還を求めるのであればその頭で考えることだ。では私は今日はこの辺で失礼する。お招きいただき光栄である」
「待て!」
栗原の声にも耳を貸さずべネックは総会場を後にし帰国の途へ着いた。帰国途中、ある場所へ通信を繋げた。
「台北軍管区全部隊へ通達。本日より1ヶ月、国際同盟軍および日本軍、アメリカ軍からの攻撃に備えよ!繰り返す、攻撃に備えよ!我々は本国到着までの間に彼らを疲弊させるのだ!」
『こちら台北軍管区司令部。了解」
べネックは日米との開戦に備えて準備を進めることにした。ミサイル部隊に関しては東京・名古屋・大阪・新札幌・福岡など各国の大都市に向けて照準を合わし、いつでも攻撃できる体制を整えた。一方、緊急総会はべネックが帰国後も続いていた。
「エリバン総会長!速やかに台湾解放のための国際同盟軍の編成を願いたい!」
「栗原くん。その意見に関しては軍の編成は可能だ。しかし、我々はもう少し外交努力に徹していこうと思う。それでも無理なら開戦やむなしと判断する。それでも早期の解放を目指していくのであればアメリカと共に行動していただきたい」
「宜しいのですか?」
「あぁ。構わない。日本やアメリカにとっては元の世界に戻れる絶好の機会でもあるだろう。この機会を逃してはならない。頑張るんだ」
「ありがとうございます総会長!」
台湾解放のための武力行使が認められた。アメリカにも認められたため加藤総理とベッセマー大統領にも伝達された。伝達後、鈴木防衛大臣は加藤総理と面会を行なった。
「そうか・・・地球世界に来ていたのか・・・」
「総理、台湾解放のための自衛隊派遣命令をお願いします!」
「分かった。9月1日12:00に台湾解放のための自衛隊戦闘行動命令を発令する。また、防衛出動命令も下令する。相手の戦力規模は?」
「推定でも20万人はいるかと・・・」
「米軍も参加するのはありがたい。大統領に今後の展開について話す必要があるな」
と判断し、加藤総理はベッセマー大統領と電話会談を行い、台湾解放のための部隊編成が行われた。以下が派遣予定となっている部隊である。
【日米台湾解放統合任務部隊】
〈陸上戦力〉
・アメリカ合衆国陸軍第1・第4・第9・第13・第19軍団
・陸上自衛隊第1・第4旅団
〈海上戦力〉
・アメリカ海軍第1・第4・第5艦隊
・海上自衛隊第1・第6艦隊
〈航空戦力〉
・アメリカ空軍第1・第3・第4・第8・第11・第16航空団
・航空自衛隊第2航空団
以上の編成となっている。台湾解放に向けてそして今も属領となっている国の解放のため加藤総理とベッセマー大統領は着々と準備を進めていくのであった。この作戦が成功するか否かは現場指揮官の手腕にもかかっている。
次回もよろしくお願いします!




