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日米転生   作者: 照山
season2 第2章 台湾解放編
367/524

season2-20 ファースト・コンタクト

8月10日11:45 日本国・首相官邸


「やはり何度見ても台湾だ・・・目を疑ったが間違いない。だがどうしてこのタイミングで?」


「分りません。それに画像から見る限りミサイル発射台や滑走路、港などの軍事施設が至る所で確認できます。地球で何かあったのでしょうか・・・」


「分からない。海上保安庁に付近の調査を実施せよと伝えよ。そして、万が一に備えて海上自衛隊に出動準備待機を横須賀・舞鶴・呉・佐世保の各護衛艦隊護衛隊群に伝達せよ」


「了解しました。すぐに統合・陸海空幕に伝えます!」


加藤総理は台湾周辺の調査を実施するため海上保安庁の巡視船の派遣を決定した。出現した台湾の位置は小笠和諸島南東に位置している。グアムも近いため米海軍も周辺警戒調査に乗り出した。


*

同日12:00 海上自衛隊・横須賀基地 


加藤総理より海上自衛隊横須賀基地所属部隊に対して出動準備が命令された。台湾の出現が確認された他、領域内に多数の軍事基地が確認されたことで別の国のものの可能性が浮上した。この報告を受けて基地司令・松井高謙まついたかあきは第1〜第4護衛隊群に対して命令を下令した。


「これより諸君らは出動待機を命じられることになり。しかし、気を抜いてはならない。海上保安庁の調査結果次第では交戦の可能性も十分に考えられる。あらゆる情報を精査して正しい情報を受け取り任務を遂行せよ!」


「了解!」


海自隊員の心の中はモヤモヤしていた。


〈また戦争になるのか・・・?武器を持ってない民間人が巻き込まれるには勘弁してくれ・・・〉


〈弱気になってはいけないのは分かるがついこの前旧ボルドー国との争いが終わったばかりだというのにまた次の野郎が来るのか?厄介だな・・・〉


と感じながらも出撃に備えて各自、艦艇と武器の整備、動作確認を行い、不測の事態に備えた。


*

同刻 小笠原諸島南東沖 海上保安庁ミサイル巡視船「はやぶさ」


八丈島海上保安部より調査のため出港したのは海上自衛隊から譲り受けたミサイル巡視船「はやぶさ」である。万が一の戦闘に備えてミサイルを積んだ状態で出港した。「はやぶさ」以外では「くまたか」が並走して調査行動を開始した。


「まもなく目標海域に到達する。各員、対空・対潜警戒を厳となせ!」


「H1よりK1へ。報告のあった台湾島を肉眼で確認!」


「K1よりH1へ。了解」


「はやぶさ」をH1、「くまたか」をK1と呼称し、調査海域に到達した。到達してしばらくすると4〜6隻の艦艇を確認した。


「K1より報告、前方に5隻のunknownを確認!」


「H1よりK1、unknownからの攻撃に備えて対空戦闘用意!」


「了解!対空戦闘用意!」


海上保安庁は台湾島より進発した艦艇を「unknown」と称し、「unknown」からの攻撃に備えた。すると通信が入った。


『こちらデングリーヅ連邦タイワン地区海軍。貴国の航行目的を確認したい』


「こちら日本国海上保安庁。我々は1時間前に転移した貴国の調査を目的に航行中である。交戦の意思はない。(デングリーツ連邦か・・・聞いたことない国だな・・・ん?台湾地区?どういうことだ?」


『デングリーヅ連邦タイワン地区海軍より日本国海上保安庁へ。通信を受け取った。しかし、ここは我が国の領海であるため速やかに領海から退去せよ。繰り返す。速やかに退去せよ。10分以内に領海内に貴船が航行中であれば我々は断固たる措置を取る』


「日本国海上保安庁よりデングリーヅ連邦タイワン地区海軍へ。我々は周辺海域の調査としてここに来た。撤退するわけにはいかない」


デングリーヅ連邦と名乗る国家は海上保安庁に対して威嚇行動を示した。同時に米海軍、グレーシス共和国海軍も同時刻に到着し、一触即発の事態となった。「はやぶさ」船長の岬崇みさきたかしは武器の使用を行わないよう乗組員に伝えた。


「H1-CよりK1含む全隊員へ通達。対空・対潜警戒を引き続き行うが武器の使用は行なってはならない」


『米海軍第2艦隊より日本国海上保安庁へ。デングリーヅ連邦と名乗る国家より威嚇を受けた。引き続き警戒を行い、万が一に備えよ』


「了解」


海上保安庁、米海軍、グレーシス共和国海軍の7隻の艦艇がデングリーヅ連邦と名乗る国家と対峙した。「はやぶさ」岬船長はすぐに本部へ伝えた。



*

同日13:30 日本国・首相官邸


「総理!大変です!デングリーヅ連邦と名乗る国家とコンタクト取ることに成功したのですが領海外からの退去を命じてきました。退去しなければ撃沈するという脅しもかけてきたそうです」


「台湾島がデングリーヅ連邦の領土?我々が転移する前はそのような国無かったよな?」


「はい。ありませんでした。おそらく・・・我が国がこの世界に転移してから地球側で何かあったのかと・・・」


「ふむ・・・判断が厳しいラインだ。一歩間違えれば争いが生まれる。だが脅威を排除をするのもとても大切だ。今は海上保安庁には撤退を行わせ、国際同盟にこの事を報告しよう」


「了解しました!」


その後、ベッセマー大統領にも連絡を送りデングリーヅ連邦タイワン地区周辺に展開していた海上保安庁、米海軍、グレーシス共和国海軍の撤退が決定したことを受けてデングリーヅ連邦タイワン地区海軍は好戦的な態度を改めた。


「貴国らの冷静な判断に感謝する。この判断により我々はこの世界を永久の平和へと導くことが出来るであろう。楽しみにしておくと良い」


と言い残し、基地と思われる地点へ帰っていった。


一触触発はあったものの加藤総理、ベッセマー大統領、ジェシー総統の判断により地域紛争の可能性がゼロとなったが油断してはならない。国際同盟へ報告を行い、クロス・エリバン同盟総会長は8月14日に緊急総会を開催し、デングリーヅ連邦との今後どのように関わっていくか決断することが決定した。この日が世界の分かれ目でもあることをまだ誰も知らなかった。

日米転生earthにて登場したデングリーヅ連邦をようやく出せました!次回もよろしくお願いします!

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[気になる点] 「この判断により世界は永久の平和を得られるだろう」 それは、実はおそろしく傲慢な意味だった、ということですか?
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