season2-19 異変
8月2日 日本国・国会 第4回憲法改正会議
加藤総理の自衛隊の国防軍明記発表から数日、憲法改正会議が行われている途中、震度4〜5程度の揺れを感じた。総理は地震の発生源がどこか確認し、震度分布図の日本列島に疑問を抱いた。
「これは・・・一体どうなって・・いるんだ?全国一律で地震が発生している!」
加藤総理のスマホには北海道から豊麗県に至る全ての地点で震度4を観測した。中々見ない光景であるため会議終了後に気象庁長官とコンタクトを取ることにした。地震のことは一旦置いておいて第4回目となった憲法改正会議では徴兵制、志願兵制、現状維持の3択に関して議論が行われていた。
「(この前も言ったと思うんだよなぁ徴兵制は復活しないって。まぁ話し合いが大事か・・・ここは寝ないように気をつけねば)」
すると野党議員・黒松翼から加藤総理に質問があった。
「総理、あなたは以前徴兵制を行わないとおっしゃっていましたがしないという確たる証拠はあるのでしょうか。決して総理を疑っているのではなく国民の命を担っている総理から意見をお聞きしたいのです」
加藤総理は黒松からの質問に手を挙げ答えることにした。
「加藤内閣総理大臣」
「黒松議員からの質問ですが私は自衛隊、保安隊に徴兵を敷くことは決してありません。現在陸上自衛隊に16個師団72個の無人航空隊が、航空自衛隊に46個無人航空隊、海上自衛隊にも8個航空隊に無人航空機が配備されており、我が国が抱えている少子高齢化による人員不足を補っています。また、保安隊にも複数個の無人航空隊の無人機が配備されているため仮に人員不足が発生しているとしても無人航空隊の装備は世界一であると確信しており、徴兵制はいずれも不要であると感じています。何か意見はございますか?」
加藤総理は自分が持っている意見を述べ、黒松の質問に答えた。
「ですが無人航空隊があろうがなかろうが関係なく有事の際は徴兵制をするのでは」
「良い加減にしてもらえないですか?今私言いましたよね徴兵制はしないって。何度も言わせないでもらいたい。あなたの言い分も分かります。ですが国民を危険な状況にするわけにはいきません。それが私の覚悟であります」
「わ・・・分りました・・・」
黒松の質疑応答が終わり、他に質問する者がいないかどうか確認後、他に質問者がいないことを確認し、憲法改正日を2030年2月1日に施工することが決定した。先月7月17日に公布が発表され、2月1日が施行日となった。
「以上で第4回憲法改正会議を終了とします。本日は先生方もお忙しい中ありがとうございました。また来てもらうことになるのですがよろしいですか?」
今回、憲法改正会議には栗川胤通東大教授、仁淀守京大教授などを招いて意見を呈してもらった。
「構わないよ。今の日本は失われた30年が動き出した最中だ。あらゆる議論をして今を生きる者たちが過ごしやすい国・日本を作ってもらいたい。加藤総理、あなたには期待しているよ。いくらでも私たちを呼びたまえ」
「ありがとうございます」
会議終了後、加藤総理は鈴木防衛大臣と面会し、自衛隊・保安隊と米軍との連携強化に関して重点的に話し合った。
同日同刻 ??????連邦・首都
「XXX様、現在例の技術に関しての途中報告と提案が一つあります」
「ほう?聞かせてみよ」
「はい。例の技術はメンテナンス中ではあるのですが試験運用として使用するのはいかがでしょうか?」
「なるほど・・・それは面白い。是非やってくれ。失敗したとしても占領した土地だからな。強固な軍隊を配備するように。先制攻撃も禁止だ」
「了解しました」
XXXは入室者の提案に肯定的な反応を示した。XXXが直接行くことはないが外部からの攻撃と万が一の領土占領に備えて陸軍7万人、海軍4万5000人、空軍6万5000人をその島に配置し、万全の準備を進めることにした。
「準備が完了するのにどれくらいかかる?」
「8月10日を目処に終わるかと思います。では現場指揮官を代表とする者に禁止事項とするべきことを伝達して参ります」
「あぁ。そうしてくれ」
「了解しました。どうなるか結果が楽しみですね」
両者はニヤリと笑みを浮かべXXXの部屋を後にした。
「さぁさぁ8月10日が楽しみだ!」
*
8月10日11:00 日本国・首相官邸
11時丁度、緊急地震速報が全校一斉に鳴り響いた。アメリカでも地震を探知したため最大級の警戒を取ることになった。
【緊急地震速報 全国で地震 若干の海面変動あり 気象庁】
【全国で震度5強 強い揺れに警戒 気象庁】
「また全国で!何かがおかしい!」
「総理!国交省からです!」
「田邊さんから?要件は?」
「地震発生の瞬間と同時に新たな土地の出現を確認しました!」
「何!?」
国道交通省の田邊と新世界国土調査局長航空課より転移国家の出現を11:16に確認したと報告した。同時にアメリカ航空宇宙局や国際同盟からも同様の報告が届き報告が嘘ではないことが分かった。
「その土地がどこの国のものか分かるか?」
「いえ。分りません。ですが画像を見るに我々も見たことがある地形であることは確かです」
「見せてくれ」
鈴木防衛大臣から手渡された画像には加藤総理も目を疑う画像であった。
「これは・・・」
「はい」
画像に写っていたのは軍事基地となった・・・
台湾であった。
第2章開幕です!物語が核心に迫ります!よろしくお願いします!




