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日米転生   作者: 照山
season2 第1章 天変地異編
360/524

season2-17 グレーシス共和国総統選挙 後編

6月29日 グレーシス共和国首都・デクスター


「総統、いよいよ明日です。今の心境は?」


「覚悟は出来ている。当選・落選いかなる結果であろうと・・・私は悲観することなく全てを受け入れる準備・覚悟は出来ている。今は結果を待つのみだ」


2期16年という長い年月の間、共和国の内情を見てきた者として3期目となった場合、この国をどこに導くか、日本とアメリカとの関係をどうしていくかなど柔軟な決断が求められる期間となるに違いない。


「現在我が国の内情は非常に安定している。5年前とは大違いだ。あの時アメリカ合衆国がいなかったら我々は今もヤツらと対峙していたに違いない。日本にも非常に感謝している。帝国の脅威を排除していただいたことに感謝し切れない。この恩はいつか必ず返したいと考えている」


「ですね!」


ここでジェシーが総統に就任した1期目の2013年7月1日、2期目の2021年7月1日とここまで16年続いて来たわけであるが決して安定した国内情勢ではなかった。就任当初から勢力を伸ばそうとしていた『赤の衝動』に手を焼いてしまった。国内での大体の犯罪は『赤の衝動』が絡んでいた。また、21年の総統選挙では『赤の衝動』による何らかの選挙妨害があると想定して厳重の警備が敷かれたものの、何も起きなかった。


そして、事の転換となったのはアメリカの転移により結んだ同盟に基づき、『赤の衝動』と共同する者が倒されたことにより平穏が訪れたのである。


今年はというと対策するのは大事であるため今回の選挙でも日本国の陸上保安庁要人警備官の配備を行うなどしている。




「ところで・・・他の総統選挙の候補者の状況はどうなってるんだい?」


「現時点で有力候補であるウィラン・ウルノー氏が総統に背中に迫っています」


「あいつか・・・」


「お知り合いですか?」


「知り合いも何も私の幼少期からの幼馴染だ。小さい頃に偉い人になろうという約束をして以降はお互いライバル的な存在で接してたけど結局こっちが上に行ってしまったけどな」


「幼馴染・・・あの日の約束・・・何か良いですね!」


「お、おう」


漫画や小説などの幼い頃の約束、片方がリードしてしまっている状況はテンプレでもある。1期目の総統選挙で勝った際、ウィラン・ウルノーはジェシーにこのように語りかけた。


〈この国の総統になると言うことは国民全ての命を抱えているという覚悟を持つんだ。俺は裏から応援している。いつかこの国の総統になるために俺は努力して行く。頑張れ〉


「って言って以降、まさか共和国民党に党首になったんだよな・・・」


「本人も相当努力したのでしょうね・・・ですが手を抜く必要はありません。選挙は公平かつ平等であるべきだと思います。ズルなど許されません。勝たせてあげたい気持ちは私にはありますが勝負の世界であるため譲る必要は無いでしょう」


「もちろんだ。正々堂々勝負して負ける方が潔いからな」


ウィランは共和国民党の党首に就任して以降、ジェシーとは何度か言葉を交わしていたものの、総統になりたいと言う言葉は聞くことはなかった。


「日本では能ある鷹は爪を隠すという言葉があるらしい。まさに彼の行動に適している言葉だと思う。さぁ、今日は早めに夕飯食って明日の結果を待つとしようかな・・・」


選挙結果の前日は日本から輸入したカツ丼を食した。選挙に勝つという思いを込めながら夕飯を食べすすめた。16年間も総統をやって来てはいるため緊張はしていないが気を抜くと負けると加藤総理が言っていたことを思い出し、21:00に就寝した。




6月30日10:00 グレーシス共和国総統府・選挙結果会場


総統府に設置された総統選挙結果開示1時間前となり、ジェシーら4名の総統候補はお互いに声を掛け合った。


「結果が出るまで1時間切りました。ここまで我々はライバルとして正々堂々と戦って参りました。結果がどういう結果であれ、恨みっこなしだ。今日はよろしく頼む」


「あぁ。よろしく頼む」


ジェシー総統は候補者であるウィラン・ウルノー、マリャッキ・ポリンタ、ゼリャング・コペル、イコール・グランバイは握手をし、それぞれの陣営や派閥の席へ戻っていった。


11時になり、司会者が壇上に上がり、結果を読み上げる時間となった。


「これより第62回グレーシス共和国総統選挙結果開示を行います。今回選挙権を保有する国民の皆様と会場にお越しの皆様方に大変感謝の意思を示したいと思います。ありがとうございます。さて、結果開示にあたり、我々から申し上げることがございます。党選挙は公正な選挙を行うため我々は中立の立場で票を投じています。ご理解とご協力のほどお願いします」


注意事項を確認後、司会者が結果を発表した。


「選挙結果が出ました。第62代総統になった方は4000万票獲得した・・・」






「ジェシー・ローラルク!!おめでとうございます!壇上にお上りください」


ジェシーが3期目62代総統に就任した。当選により歴代1位となる24年の就任期間が確定した。超長期政権になったのである。また、総統府の顔ぶれに変更はない。


「ジェシーさん!総統当選&3期目おめでとうございます!何か一言意気込みをどうぞ!」


「ジェシー・ローラルクと思うします!3期目を向けることが出来て大変光栄です!この3期目では〈挑戦〉を目標に政権運営をして参ります!これからもよろしくお願いします!」


その後、ジェシー総統の当選を受けて日本やアメリカなどの友好国から祝福の言葉が贈られた。総統は選挙終了後、新体制の陣容を発表した。総統官房という役職が設置された。変更内容は以下の通りである。


・総統官房長官 ウィラン・ウルノー

・文化保全庁  チャルム・メイズ


以上の2ポジションである。また、ウィランが総統官房長官に就任し、ウィランにとってはジェシーに一歩近づいたような気がした。3期目24年間の任期が確定したジェシー・ローラルクの政権運営、ウィランの官房長官としての手腕がいかがなものかと注目である。


次回で第1章終了です!よろしくお願いします!

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