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日米転生   作者: 照山
season2 第1章 天変地異編
349/524

season2-7 日米首脳会談

3月4日 7:00(日本時間 同日21時)アメリカ合衆国・ホワイトハウス


「これより2030年に向けて今と今後の我々の外交について議論していこうと思う。有意義な時間になるようよろしく頼む」


「よろしくお願いします、ベッセマー大統領」


この日、加藤総理はベッセマー大統領と日米首脳会談を開催した。この会談を開催した目的は両国が転移してから5年となる2029年と2030年、そして2030年以降の経済・環境・外交・安全保障について議論していくことになった。日米同盟をより強力なものにするべく日本とアメリカが密接な関係を築いていく必要があるためこの会談は重要になってくる。


「さて、加藤総理から頂いた資料の中に興味深いものがあった。実に面白い。読んでも構わないか?」


「大丈夫です」


ベッセマー大統領は加藤総理から手渡された【地震に関する新たな仮説(New hypotheses about earthquakes)】と題された資料に目を通した。30分程度で読み終わり、ベッセマー大統領は感想を加藤総理に言い渡した。


「読んでみて思ったのだが・・・私はこう言う仮説嫌いではない。むしろあらゆる事態に備えるべきだ。きっと我が友であるオオシマも同じようなことを言うだろう。ましてや何者かによる地震操作は我々にとって喉から手が出るほど欲しい技術だ」


「ですが大統領、仮に地震操作などが可能な国が出てきた場合、旧ボルドー国以上の実力を有した国家かと思われます。その場合我々では」


「何を恐れているのかね?君は一国を代表する者だろう?胸を張って堂々としていなければ弱く捉えられる。仮にそのような国が出現した場合、友好的であれば対話を望み、敵対するのであれば武力を用いて排除する。それが我が国の方針だ。この話題が非現実的だろうが無かろうが君のやることには変わりない。気を引き締めていけ」


「ありがとうございます大統領」


ベッセマー大統領の言うようにそのような技術がある国が何らかの形でこの世界に来るとするならば転移してくることを意味するため地球世界へ戻る手がかりになると推測した。


「さて、この話はこの辺で終わりにしようではないか。いつまでも続けていたら疲れてしまうな」


「ですね。休憩を挟んで再開しますか」


その後、1時間程度の休憩をしたのちに首脳会談は再開した。再開後の主な議題は経済・産業・豊麗県や外交・社会保障などについて話し合われた。経済・産業分野に関しては日米間の貿易をより強力な関係を築き上げるとし、かつあらゆる国と経済連携協定を結ぶ方針である。


続いて豊麗県に関する議題についてである。旧ボルドー国より割譲された地域を豊麗県と改めるも未開発地域が残っていることにより、自衛隊の配備が進んでいないことによる安全保障関係があることから、限定的な国際同盟軍の配置もしくは米軍の配置が日本政府側より提案された。米国政府側が承認すれば在豊米軍が配置されることになる。


「続いて本題とする外交に関しては現状維持で行きましょう。変に方針転換すると碌なことにならないのは目に見えているのでこのまま行きます」


「了解した。ところでスポーツ交流も活発にしていく必要がある。特に野球やサッカー、バスケなどだ。最近は日本や我が国のスポーツを真似る国が増えているようだ」


「なるほど・・・それは面白いですね」


外交に関する話も終わり、文化・スポーツ交流の話題に切り替わった。2027年以降、徐々に野球・サッカー・バスケなどスポーツが盛んとなってきた。野球に関しては国際同盟を長とする国際野球協会(IBC)には日本を含めた68カ国が参加している。日本転移前は打棒と呼ばれており、当時は知られていなかったが2026年の日米主催、グレーシス共和国など6カ国が参加した大会により野球が認知されてきた。


「大統領、ここは我々にお任せください」


「何か良い提案があるのかな?」


「はい」


加藤総理はワクワクした目でベッセマー大統領を見つめた。しかし、大統領側からの視点では彼の目にはワクワクと共に地震に対する不安が混じっているように見えていた。


「さて、今日はこの辺で終了しよう。今後の米日関係の更なる発展と国際社会が平和であり続けることを祈ろう。ではまた次の機会に会うとしよう」


「お疲れ様でした大統領。また会える日を楽しみにしています」


このようにして日米首脳会談は終了することになった。会談終了後、加藤総理はベッセマー大統領に連れられて食事会に参加し、食事会を楽しんだ。その後、泊まるホテルへ戻り、帰国の準備を進めた。しかし、まだ2人は絶望の淵に立たされることをまだ知らない。



3月5日9:28 日本国・気象庁 地震火山技術・調査課


「少し遅めの朝ごはんも悪くはないね・・・」


日米首脳会談から翌日の5日9:28、調査課課長の森鈴鹿は富士山の監視モニターを眺めながらコンビニで購入したおにぎりを食べていた。食べながらモニターを眺めていると富士山から煙が立ち昇っていた。


「!?」


突然のことに驚きながらも運良くモニタールームにいた小笠原長官は覚悟を決めた表情でモニターを見ながら指示を出した。


「富士山に噴火の前兆あり!24〜72時間以内に関東に在住の方は可能な限り避難を誘導!総理に連絡し、自衛隊を動かしてください」


「了解です!」


まだ噴火すると言う確たる証拠は無いものの富士山に異変が生じたことを小笠原長官は見逃さなかった。休暇を得たことにより体を休められた小笠原長官の動きは機敏であった。


富士山に異変が生じて6分後の9:35、気象庁より報告を受けた加藤総理は関東・甲信越の住民に対して可能な限りの避難と不要不急に外出の徹底を求めた。また、陸・海・空の自衛隊に対して住民避難誘導と部隊の撤退を求めた。


「地震に続いて富士山まで・・・一体何が起きているんだ・・・!」


加藤総理は事態を理解するのに時間を有さずに的確な指示が出せるよう官邸対策室を1分で設置し、情報収集に努めた。

次回もよろしくお願いします!

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