season2-2 地震と転移の相関性
「気象庁からの報告?それは緊急報告なのか?」
「はい。速やかに対応しなければ多くの国民の命が危機に瀕するでしょう」
「一体何の報告だ」
「南海トラフ・首都直下地震に関する報告です」
「何?」
気象庁から加藤総理は報告を受けるもすぐに理解することは出来なかった。しかし、南海トラフと首都直下型地震に関する報告となれば話は別である。詳細を加藤総理は求めた。
「地震は常にどこかで起きているのは分かっているが・・・なぜ今になって南海トラフ地震と首都直下型地震の発生が予想されるのか意味が分からない。転移してから地震は少なからず起きてはいるが・・・」
南海トラフ巨大地震と首都直下型地震は日本が恐れる地震である。同時に起きるとなればこの国は崩壊する。そのように加藤総理は予想した。また、この世界に転移以降、地震は震度1〜4規模の地震は発生しているものの5強を超えることはなかった。
「ふむ・・・気象庁長官を呼べるか?詳しい話を直接聞きたい」
「分かりました。小笠原長官を呼んできます」
30分程して気象庁長官・小笠原花陽と地震火山技術・調査課長の森鈴鹿が総理執務室に入ってきた。両者の手元には大量の資料が持たされていた。
「忙しい時に申し訳ない。南海トラフと首都直下型に関する地震について詳しく聞かせてもらえるかな?」
「了解です。我が国がこの世界に転移して以降、地震の活動状況は転移前より減っているのがこちらのグラフでもお分かりだと思うのですが・・・」
「去年の後半から増えているということか?」
「そうなります。確定している訳ではないですが転移と今回の地震が関係しているように思えます」
「なぜそう思う?」
加藤総理はなぜ4年前の国家転移と今回の地震に関係するのか意味が分かっていなかったため小笠原長官に問いた。
「確定ではないです。我々の推測では何者かによる仕業かと思われます・・・。もしくは高度な技術を持った国家が別の世界に存在している可能性があります。以上が我々の推測です」
「なるほど・・・言いたいことは分かるが流石に無理がありすぎるな・・・。これが本当だとしたら地球世界に帰れる絶好の機会と見ても良いだろう。ひとまず今日は話してくれてありがとう」
「共有出来て嬉しいです。それでは失礼します」
総理執務室を退室後、気象庁から受け取った資料を一通り目を通した。しかし、何度読んでも現実的ではないため今回は目を通しておくだけにしておいた。
「これが果たして現実で起きるのかね・・・地震を引き起こせる転移技術を持った国家が現れるというのかね・・・」
「まぁ総理、あくまで憶測ですのであまり深く考えない方が良いかもしれません」
「そうだな。今日はお開きということで今日はゆっくり休もう」
「了解です」
その後、加藤総理は公邸へ帰宅した。帰宅後、気象庁から受け取った資料や各省から受け取った資料の整理をしたのちに休息を取った。
1月12日0:13 気象庁 地震火山技術・調査課 監視室
「山水室長、そろそろ交代の時間です」
「おぉ、もうこんな時間か。では頼むよ。それと、小笠原長官が予測していたあの資料、どう思う?」
谷本副室長は山水室長の質問にこのように返答した。
「長官の予想に対してああだこうだ言う必要は無いので自分からは何も言えないですね・・・ですが面白い予想だとは思いますけどね」
「ふむ・・・どうしてそのように思うのかな?」
「ここは異世界です。何が起きても不思議ではありません。不測の事態に備えるのも大切かもしれませんね」
「そうだな」
すると地震を観測する音声が発せられた。
『震度1、和歌山県沿岸、深さ10km、マグニチュード2.3、津波の心配はありません』
「またもこの辺で地震か・・・」
「確かに多いですよね・・・南海トラフの前兆だとしても一気に来て欲しく無いですよね」
「そだな。休憩と仮眠を取ってくるから何かあったらすぐに呼んでくれ」
「了解しました。お疲れ様でした」
山水室長は谷本副室長に監視をバトンタッチして休息室へ向かった。小笠原長官の推測に関することを考えながら地震情報を監視した。
??????連邦・首都
「XXX様、残り半年程で準備が完了します」
「うむ。ご苦労であった。しかし、XXの準備に時間が掛かっているのには何か訳でもあるのか?」
「はい。我が国が強いことにより度重なるXX技術に不具合が生じたため現在修理中でございます。何せ国家規模の機器であるため時間が掛かっている状況ですが国民総動員で取り組んでおりますのでどうかご安心ください」
「終了予定時期はいつぐらいかね?」
「本日は1月12日、早く終わるのであれば9月ですが遅くて翌年の2月を予定しております」
「分かった。万全の体制で臨むためには諸君らの努力が必要である。ゆっくり時間をかけてやりたまえ。その分楽しみが増えるから良いのだがな」
「そうですね!半年以上は掛かりますがゆっくりお待ちください」
日本やアメリカ以外の世界では謎の国家がとある計画を企てていた。
次回もよろしくお願いします!




