season2-1 加藤政権の幕開け
大変お待たせしました。season2が開幕しました
2029年1月11日13:00 日本国・東京 国会議事堂
「これより加藤誠也内閣総理大臣による所信表明演説を行います。総理、壇上へどうぞ」
前総理・大島康二が内閣総理大臣を辞任表明して約1ヶ月、総辞職し元防衛大臣・加藤誠也が内閣総理大臣に就任して1週間が経過した。この日、加藤総理は国民そして世界に向けて決意を発信した。
加藤総理の演説は国際同盟総会と繋がっていることからそれほど日本のリーダーシップに期待しているに違いない。そのようなプレッシャーの中、加藤総理は壇上へ上がって行った。ここでネット民の意見を紹介していく。
【加藤の今後の政治に期待】
【日本の未来はあなたにかかっている】
【防衛に力を入れるのは良いが経済や都市の復興にも力を入れてもらいたい】
などと期待する声も溢れていた。しかし、全ての意見が『正しい』という訳ではない。厳しい意見も存在する。
【異世界である以上、大島の時みたいな強硬的姿勢を取っていかないと短期に終わるから気をつけてほしい】
【国を守るというのは立派だが戦争は少しでも回避してもらいたいため外交に力を入れてほしい。だからこの世界を知り尽くしている大島に副外相をやらせるのだろうな】
などという意見が飛び交った。飛び交う中、加藤総理の所信表明が始まった。
「本日はお集まりいただき大変ありがたい所存でございます。さて、この世界に来てまもなく来年で5年が経とうとしています。この5年で多くを失い多くを得てきました。これは私含めて全国民の意見でもあります。厳しい意見もいただきました。私は多くの意見を参考にし、己の意見を交えた上での政治を行なっていきます。SNSによる情報発信も活発的に参ります。そして、皆様が気になっているであろう私の政策に関して、首相官邸公式サイトにアクセスしていただければご覧いただけると思いますが口頭でも説明させていただきます」
加藤総理は首相官邸公式サイトに公開した【加藤ビジョン】を掲げた。内容は以下の通りとなっている。
【外交】
●我々は大島前総理(現副外相)を模倣した外交を目指している。日米同盟を軸とした平和で安全な生活が送れるよう【積極的外交】、相手の意見を尊重し認める【多様性外交】を掲げる
【防衛】
●有事に対しての自衛隊の迅速な行動が求められる。G7や国際同盟軍と共に連携を強化し、より強固な防衛能力を維持する。また、我々は【核兵器の保有】を模索中である。
【都市開発・再生】
●旧ボルドー国によって機能を失った都市の再生・復興を早急に行い必要がある。
大まかな内容は以上であるがその他にも多くの政策が記されていた。しかし、引っかかる内容がいくつかあったことにSNSでは話題となっていた。
【おいちょっと待て、あの総理は核保有をしようとしているのか!?】
【流石にやりすぎじゃない?】
【旧ボルドー国より強い国なんて来る訳ないんだから必要なくね?(フラグ)】
などと批判意見が相次いだ。これを受けて加藤総理は翌日、改めて核武装に関する詳細を説明した。
「総理!日本國民新聞の矢鋪です!核武装によって国民は常に破壊兵器と隣り合わせの状況となりますがいかがお考えですか!野党の反応はどうだったのでしょうか!」
「この国を守る以上、自国は自国で守る。それが国の主権でもあります。過剰や行き過ぎと思われるのは承知の上であります。支持率など関係ありません!私は国民の笑顔が見たいのです!それをするのであれば手段は選びません!アメリカからは良い反応をいただいています。国際同盟でも我が国の核武装は承認されました。何卒ご協力願います・・・私から説明できることは以上です」
加藤総理の覇気のある演説に賛否両論の意見が飛び交うも彼の発言に熱い何かを感じるものが現れた。
「他に質問がある方はいらっしゃいますか?・・・いないようなので以上で加藤総理の会見を終了いたします」
このようにして加藤誠也の覇気のある質疑応答に支持するものが多く現れた。少なからず反対派はいるものの気にしないのが一番だと彼は感じた。
会見終了後、総理執務室に戻った加藤総理は一息ついた。
「ふぅ・・・あれだけ威勢の良いことを言ったからには我が国の核武装を実現させるぞ。まずは非核三原則とどう向き合っていくかだが・・・」
「失礼します総理。副外相から核武装と非核三原則に関する提案がございます」
「大島さんが?何とおっしゃっていた?」
「副外相によりますと非核三原則の改訂です。従来の非核三原則を軸とした変更を行うのです。副外相の案は以下の通りとなっています」
「どれどれ・・・」
大島副外相が提案した核抑止三原則は【持ち】【打たせず】【奪われず】を目標とした三原則を加藤総理に提案した。
「なるほど・・・さすが大島さんだ。柔らかい思考力で我々の予想を遥かに上回る行動をしてきますね・・・。これで行きましょう。一部訂正を加えるかもしれませんが」
その後、国会にも提出を行い核抑止三原則が承認された。承認中、国会周辺には複数人が【核反対】というプラカードを掲げていた。
「さぁこれから忙しくなるな・・・」
「総理、気象庁から報告です」
「どうした」
突然の気象庁からの報告に加藤総理は耳を傾けた。
次回もよろしくお願いします




