24-24 終わりに向けて 1
3/10 18:00 ステイグル連合北東部・ジェラン 連合軍ゲリラ部隊キャンプ
「ボスが来られる?!」
「はい・・・急で申し訳ないのですが部隊の士気を上げるために明日の10:00にここに来られるという連絡が入りました」
「一体何が狙いだ?」
「おそらく各地で起きている我々の投降の報告に空いた口が塞がらないのかもしれません・・・」
「これは我々の失態かつ相手が一歩上手であった。しかし、ボスの前でそのような発言は禁句だ。今出来る限りのおもてなしをするのだ!」
「了解いたしました!」
連合北東部・ジェランに潜伏しているステイグル連合軍のゲリラ部隊隊長のポイゾンはボス(米国側はθ)が部隊状況の偵察に来るという報告を受けた。どのようにおもてなしをすれば良いか考えている途中、轟音が周囲に轟いた。すぐにポイゾン隊長は部下の隊員に命令した。
「総員、敵機接近!姿勢を低くし、我々の位置が分からないようにせよ!」
「あれは戦闘機でしょうか・・・」
「静かにしろ!話をするのは後だ。敵が近くで見張っているのかもしれないぞ?」
「安心してください隊長、ここは国内屈指の山間部です。よほどのことがない限り敵に見つかる心配はないでしょう」
「まぁそうだな・・・」
ステイグル連合の地形はほとんどが平坦である。そのためポイゾン隊長らが潜伏しているジェランは山・海に囲まれている鎌倉のような地形であるため見つかりにくい。しかし、米軍の探知網を甘く見ると痛い目に遭うということは誰もが知っている。
「各員、ボスの到着までに周辺の脅威を排除せよ」
「了解!」
その後、武器を手にしたゲリラ部隊の隊員はアメリカ兵がいないかどうか、ボスが通る道は安全かどうか調査していくことになった。しかし、ジェランは首都や副首都よりも標高が高いため攻略は難しいと思われる。しかし、
「おい・・・まじかよ・・・」
ポイゾン隊長の命令でジェラン沿岸部へ下山して行ったウエーライ調査員は市街地や海を臨める高台から見えた景色に驚愕した。
「調査隊第7班のウエーライです!ジェラン市街地を一望できる高台より新たな脅威を確認!敵艦隊かと思われます!」
『ゲリラ部隊長のポイゾンより第7班へ。詳細を伝達せよ。敵艦隊と言ったが本当にそうか?艦に「US」と記されているか?』
「確認します!」
ウエーライは双眼鏡を取り出し、アメリカ軍かどうかを確認するため目を凝らした。双眼鏡から見えたものには「US」とアメリカ国旗が掲げられていた。
『第7班より部隊拠点へ。目標艦隊は敵艦隊と断定。これより拠点へ帰投す」
すると通信が途絶えた。それと同時に大きな衝撃が拠点を襲った。
「隊長!第7班と通信途絶!」
「落ち着け!まずは状況を整理せよ!」
「りょ・・・了解!」
何が起きたのかどうか不明な状況を突きつけられたポイゾン隊長は状況整理に努めた。
同刻 ジェラン市港より1.5km付近 第3艦隊第39任務部隊ミサイル駆逐艦「カーニー」
「艦長、「エイブラハム・リンカーン」より打電。こちらをご覧ください」
「ふむ・・・『本艦よりF/A-18戦闘機10機が間も無くジェラン地域に到達する。戦闘機部隊の到着と共に艦砲射撃およびミサイル攻撃を実施せよ』と。各員、照準を目標に定めよ!」
「レーダーより友軍機の接近を確認!10分で到着します」
「了解!ミサイル発射用意!」
「艦長、目標周辺に人影あり!」
「何!見せてみろ!そして、攻撃待て!」
ミサイル攻撃地点周辺に人がいるということで艦長は双眼鏡で確認した。民間人かそれとも敵なのか見極める必要があるため慎重にいかなければならない。
「あれは民間人ではなく敵の可能性がある。武器を所持している他、我々の動向を探っている。目的は不明だがおそらく彼らの拠点はあの山だ。各員、対地戦闘用意!」
「対地戦闘!CIC指示の目標!対地ミッション、トマホーク及びVLS発射用意!」
「発射準備完了!」
「fire!」
ミサイル駆逐艦「カーニー」から発射されたトマホークミサイル、VLSが発射された。発射されたミサイル10発がジェラン市街地へ向かって行った。その結果、市街地に着弾したと同時に戦闘機が上空を通過した。
「本艦より発射のミサイル、目標に着弾!それと同時に「エイブラムス・リンカーン」より発艦した友軍機が到着。ゲリラが潜んでいると思われる」
『ホーネット1より「カーニー」へ。これより敵拠点に対する対地攻撃を実施する」
「「カーニー」よりホーネット1へ。目標を山間部全域とせよ。敵は山に潜んでいる。速やかに掃討せよ!」
『了解』
10機のF/A-18戦闘機は山間部に対して空対地ミサイル・AGM-65 マーベリックを投下した。投下後、各戦闘機は巻き込まれないよう空域から離脱した。
『ホーネット1より「カーニー」へ敵拠点への攻撃完了。正確な位置を掴むことは出来なかったが手応えのある攻撃であった。これより当該空域から離脱する』
「「カーニー」よりホーネット1以下各機、対地・対空警戒を引き続き実施せよ」
「エイブラムス・リンカーン」より発艦したF/A-18戦闘機が対地攻撃任務終了後、最大級の警戒を引き続き行なって帰投した。
「艦長、まもなく上陸部隊が到着します。奴らももうお終いですね!」
「油断するな。彼らの継戦能力はゼロに等しいが何をするか不明だ。最後まで気を引き締めろ」
「了解しました!」
第5軍団第189歩兵師団の到着まで「カーニー」は待機を命じられた。それと同時に「カーニー」艦長のポールは対地攻撃によりゲリラ部隊は壊滅したのかどうか疑った。
「日米転生2024」も終盤です。次回もよろしくお願いします。




